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コラム 2022.01.21

「事務所衛生基準規則」とは?各章の抑えるべきポイントを紹介

事務所衛生基準規則は、事務所の適切な労働環境を規定する規則です。快適な労働環境を実現するとともに従業員の安全と健康を守るためのものであり、事務所を設立するにあたってはこの規則を順守した設計でなければいけません。規則に反する場合には、罰則が科される可能性もあります。今回は、そんな事務所衛生基準規則の基礎をはじめ、各章ごとの内容のポイントをご紹介いたします。事務所を設計する上で、最低限押さえておくべきことを知っていただけるはずです。ぜひ最後までご覧ください。

【目次】
1.事務所衛生基準規則とは?
2.事務所衛生基準規則第1章のポイント
3.事務所衛生基準規則第2章のポイント
4.事務所衛生基準規則第3章のポイント
5.事務所衛生基準規則第4章のポイント
6.事務所衛生基準規則第5章のポイント
7.今回のまとめ

事務所衛生基準規則とは?

事務所衛生基準規則は、労働安全衛生法に基づいて定められる事務所の労働環境の規定です。事務所内を快適な労働環境にすることを目的としており、それに伴って従業員の安全と健康を守り生産性の向上に繋げる役割を持ちます。なお、この規則における事務所は、パソコン業務や電話対応といった事務作業を行う一般的な事務所のことであり、工場や飲食店等の店舗は含まれません。そのため、工場や飲食店等の場合は、通常の労働安全衛生法に沿った設計を行うことになります。
また、この規則の範囲はあくまでも事務所の設計に関する部分のみとなるため、健康診断の実施などのほかの事業者・労働者における義務については労働安全衛生法を参照する必要があります。とはいえ、規定される部分は気積・温度・照明・騒音・洗面所・トイレなど多岐にわたり、規則に違反すれば罰則が科される可能性もあるのです。罰則に関しては、労働安全衛生法に基づいていることから、それと同じ6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金刑が適用されます。

事務所衛生基準規則第1章のポイント

事務所衛生基準規則の第1章には、規則が適用される建築物について記されております。適用される建築物の主な要件は2つ存在し、1つ目は建築基準法の第二条一号に記載される施設であること、2つ目は前項にも挙げた事務機器が設置され事務作業を行うための場所であることが条件です。なお、建築基準法の第二条一号には、事務所をはじめ店舗・興行場・倉庫などが挙げられています。ただし、事務所以外の施設では、事務機器の設置やその用途がなされないため規則の対象には該当しません。そのほか、工場・学校・病院・劇場といった特殊建造物も規則の対象外となります。
ちなみに、対象となる建築物の規模は問われず、一部分の使用であっても規則が適用されます。ただ、事務所内に設けられる食堂・炊事場はこの限りではありません。

事務所衛生基準規則第2章のポイント

第2章には気積・換気・温度・空気調和設備などの空気環境のほか、照明と騒音伝ぱの防止等の環境管理について記されております。複雑な規定となる部分であるため、要点を押さえしっかり理解しておきましょう。

気積・換気・温度の規定

気積は一部の空間を除き、一人あたり10㎥以上が必要であると定められております。換気に関しては、窓等の最大開放面積が床面積の1/20以上としているほか、室内の空気は常に一酸化炭素が50ppm以下・炭酸ガスが0.5%以下となるよう規定されています。また、室内の温度が10℃以下の場合は暖房で調節し、冷房を使用する場合には外気温よりも著しく低くしてはいけません。

空気調和設備と機械換気設備の規定

空気調和設備によって供給される空気は、浮遊粉塵量が1㎥あたり0.15mg・一酸化炭素が10ppm以下・二酸化炭素が0.1%以下・ホルムアルデヒドが1㎥あたり0.1mg以下でなければいけません。また、空気調和設備を利用した際の室内空気は、0.5m/s以下の気流・17〜28℃の気温・40〜70%の湿度と規定されます。なお、測定方法にも細かな規定があり、頻度は中央管理方式の場合は2ヶ月に1回の測定が必要です。
ほかにも、室内空気汚染の観点から、空気調和設備には定期的な点検が義務付けられています。具体的には、冷却塔・加湿装置への供給水の水道法における水質基準の確保とともに、冷却塔・冷却水・加湿装置・排水受けの点検を1ヶ月ごとに1回、冷却塔・水管・加湿装置の清掃を1年に1回行わなければいけません。そして、機械換気設備における規定は、浮遊粉塵が1㎥あたり0.15mg以下・一酸化炭素が10ppm以下・炭酸ガスが0.1%以下・ホルムアルデヒドが1㎥あたり0.1mg以下であり、室内の気流は0.5m/s以下と規定されます。

燃焼器具の規定

燃焼器具を設置する場合は、換気扇などの換気設備を設ける必要があります。また、燃焼器具を利用した際の室内空気は、一酸化炭素が50ppm以下・二酸化炭素が0.5%以下を維持しなければいけません。そのほか、日常的に器具の異常の有無を確認することが規定されます。

照明と騒音伝ぱの防止の規定

室内の照明には、照明の設置方法と照度に規定があります。照明の設置方法においては、明暗の対比を少なくする点と眩しくならないようにする点が求められます。照度に関しては、事務所内で行う作業の緻密性によって変動し、粗な作業の場合は70ルクス以上・普通の作業の場合は150ルクス以上・精密な作業の場合は300ルクス以上が必要です。
また、照明設備には6ヶ月に1回の点検が義務付けられています。そして、騒音伝ぱの防止の規定によれば、室内の労働者に有害な影響をもたらす騒音や振動があった場合には、隔壁を設けるなどの防止措置を行わなければいけません。そのほか、騒音を発する事務機器が5台以上集中して使用される際には、その防止策として遮音・吸音機能を持つ天井と壁で区画された作業室を設ける必要があります。

事務所衛生基準規則第3章のポイント

第3章では、清潔を主題とした規定が定められています。以下で、詳しく見ていきましょう。

給水と排水設備の規定

給水に利用する水は、水道法第4条に規定される水質基準を満たしている必要があります。また、給水せんにおける残留塩素が、通常時で遊離残留塩素0.1ppm以上・結合残留塩素0.4ppm以上、汚染等の場合で遊離残留塩素0.2ppm以上・結合残留塩素1.5ppm以上でなければいけません。そして、排水設備に関しては、有害物や汚水の漏出などで水質汚染が発生しないように、補修や清掃といった防止策を適切に行うことが義務付けられています。

清掃・ねずみ等の発生防止の規定

事務所の清潔を保ために、日々の清掃以外にも定期的な大掃除・調査が規定されています。頻度は6ヶ月に1回で、大掃除の実施とともにねずみ・昆虫等の発生場所や侵入経路を調査し、その結果に応じて発生の防止策などの適当な措置を講じる必要があります。なお、駆除に用いる殺鼠剤や殺虫剤は、薬事法によって承認された医薬品または医薬部外品でなければいけません。

廃棄物の規定

従業員には、事務所を清潔に利用する義務が定められています。廃棄物においても、任意の場所に捨てるのではなく、事務所で定められた場所にきっちり廃棄するよう心がけなければいけません。

トイレや洗面設備等の規定

トイレは男性用と女性用に分けた上で、男性用の場合は大便器を60人ごとに1個以上・小便器を30人ごとに1個以上、女性用の場合は便器を20人ごとに1個以上を設ける必要があります。また、トイレの構造は汚物が土中に浸透しないもので、室内には清潔な流水を供給する手洗い設備を備えることが義務付けられます。なお、事業者はトイレを清潔に保ち、汚物を適切に処理する責任も負わなければいけません。
そのほか、事務所には洗面施設を設置し、汚染や湿潤の恐れがある事務所の場合には、更衣設備または被服の乾燥設備を設ける必要があります。

事務所衛生基準規則第4章のポイント

第4章では、従業員の休養に関する規定がまとめられています。前提として、事業者は従業員が有効的に利用できる、休憩設備を設けるよう努力しなければいけません。例えば、従業員が就業の間に仮眠が行える場合や、夜間に睡眠を取らなければいけない場合には、男性用と女性用に区別して仮眠・睡眠が行える場所を設ける必要があります。また、その際に事業者は必要な寝具等の用品を揃え、その上で疾病感染を予防する措置を取らなければいけません。
そのほか、50人以上の従業員または30人以上の女性を従業員とする場合には、男性用と女性用に区別した休養施設を設置しなければならないほか、従業員が持続的に立たざるを得ない場合には休養ができる椅子を備えることが規定されます。

事務所衛生基準規則第5章のポイント

第5章では、負傷者の手当てに必要な救急用具について規定されています。具体的には、事業者は負傷者が発生したときのために必要な救急用具と材料を備えた上で、その保管場所と使用方法を周知させておかなければいけないとしています。また、救急用具等は常時清潔を保つ必要があり、定期的な点検・管理が求められます。

今回のまとめ

事務所衛生基準規則は、事務所の労働環境を最適にしてくれる規定です。適切に遵守しなければ罰則が科されてしまう場合がある一方で、しっかり守ることで労働しやすい環境を実現することができ、業務の効率・生産性を高めることも可能になります。複雑に定められる規定ではありますが、それぞれの章のポイントは押さえておくようにしましょう。