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コラム 2021.05.07

罰則もあるの? 事務所衛生基準規則で定められている室温の基準とは?

毎日効率よく業務を行うためには、快適なオフィス環境を整える必要があります。
快適さを求めて何となくエアコンを操作しているかもしれませんが、実はオフィスの室温には法規制があるのをご存知でしょうか。

今回の記事では、法律で定められている室温の基準について解説します。

【目次】
1.オフィスの室温に関する規定
2.オフィスの室温に関する罰則規定
3.オフィスを適温にするには、エアコン以外の工夫も必要
4.今回のまとめ

オフィスの室温に関する規定

オフィスの室温の基準について定めているのは、労働安全衛生法の規定に基づく「事務所衛生基準規則」。
この規則では室温のほか、オフィスの衛生環境や換気、照明、騒音、トイレ、従業員の給水などについて定められています。

なお、この規則が適用されるのは、法律の名前通り「事務所」です。店舗や工場においては、事務作業や電話対応などを行う部屋のみに適用され、商品の製造販売などを行うスペースは適用外となります。

室温が10℃以下なら、温度調節は必須

室温に関しては第4条に以下の規定があります。

・オフィスの温度が10℃以下の場合は、暖房などで適切な温度調節をしなければならない。
・冷房をかける場合は、室温を外気温より大幅に低くしてはならない。

2つのルールに共通しているのは、いずれも部屋の「寒さ」に関する規定だということ。寒すぎる環境は仕事の効率を下げるだけでなく、体調不良の原因になるので厳しく定められているのでしょう。
室温は0.5度目盛の温度計を使うことになっています。

オフィスの室温の上限と湿度については、努力義務

温度の上限に関する規定は第4条にはありません。ただし、同規則の第5条において「事業者が空気調和設備を設けている場合の、労働者を常時就業させる室の気温について、18度以上28度以下になるように努めなければならないものとすること」と定めています。
以前は17℃以上でしたが、2022年4月の法改正で1℃上がりましたので注意してください。

また湿度については、40%以上70%以下になるようにという努力義務があります。0.5度目盛の乾湿球の湿度計を使用します。

オフィスの室温に関する罰則規定

事務所衛生基準規則の第4条に違反すると、労働安全衛生法で定める罰則が適用されます。
内容は6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金、対象者は法人および事業所の代表者です。

なお、空調使用時の「17℃以上28℃以下」と湿度は努力義務なので、違反したとしても罰則はありません。

しかしそもそも、罰則規定の有無にかかわらず極端に暑い職場環境を作るのは望ましくありません。
近年の夏の暑さは特に厳しく、従業員の命にも関わる問題です。業務の効率を悪化させ、労働生産性を著しく下げるのも間違いありません。事業者には、従業員の安全を守るための適切な温度管理が求められます。

オフィスを適温にするには、エアコン以外の工夫も必要

空調使用時の室温の規定については、もう1つ注意しなければならない点があります。
それは「室温」を17℃以上28℃以下にするよう求めているのであって、「エアコンの設定温度」の規定ではないということです。

オフィスの室温は、従業員の人口密度や窓からの日差し、OA機器や照明からの放熱など、多くの要素の影響を受けます。そのため、なかなか設定温度まで下がらない・上がらないことも多いのです。真夏や真冬は、特に注意しなければなりません。

・従業員の密集を避け、部屋の広さに応じた人員配置をする
・サーキュレーターや扇風機で空気の流れを作る
・(冬は)放熱するパソコン本体を足元に置く

といった対策も有効です。
従業員の体感も大切ですから、意見を募って対策を講じてください。

今回のまとめ

東日本大震災以降は節電意識の高まりから、多くの企業が冷暖房の温度設定に厳しくなりました。明らかに暑かったり寒かったりするにも関わらず、我慢して業務に励んだ経験のある方も多いでしょう。
しかし、従業員の健康維持や業務の効率化のためにも、オフィスの室温は適切でなければなりません。温度管理に問題が生じていないか、今一度確認してみてはいかがでしょうか。

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