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古都の風情を今に伝える貴重な観光都市として名高い奈良県ですが、実は豊富な地場産業や製造業等、産業でも栄えてきました。事業経営者や若手の創業者にとっては、新しくオフィスを開く場所や事業所の移転先として魅力的なエリアです。今回は、奈良県の賃貸オフィス・事務所の家賃相場をご紹介します。奈良で事業を展開する人が知っておくと役に立つ公的サービスについてもお伝えしますので参考にしてください。

【目次】
1.奈良県の産業・経済における特徴は？
2.奈良県の賃貸オフィスは坪単価いくらが相場？
3.奈良県で事務所を借りて事業を行う人が知っておきたい制度
4.今回のまとめ

奈良県の産業・経済における特徴は？

奈良県の産業・経済は、製造業と観光を中心とするサービス業が柱となっています。製造業では食料品製造業や繊維工業がさかんです。また、日本三大美林のひとつとして知られる「吉野杉」をはじめとした木材・木材製品の製造、紙製品製造も主要産業として挙げられます。工業分野では、電機製品・一般機械・金属などが有力です。ほかにも奈良県は、幅広い小規模地場産業によって経済を支えられています。たとえば、野球用のミット・グローブは、なんと大正時代から製造が始まった歴史ある地場産業です。また、野球・スキーなどのスポーツシューズや紳士靴・サンダル・花緒といった履物の生産にも優れます。
全国的に見ても希少な製造業はほかにもあり、宇陀市菟田野では、なめし・縫製・加工・小売りといった一連の工程を担う毛皮革製造業者が現存しています。国内唯一の業者として注目を集めることもしばしばです。国内産地が減った繊維・織物・染物業においても、個性豊かな小規模事業者が活躍し、奈良県独自のものづくり体制に貢献しています。

奈良県の賃貸オフィスは坪単価いくらが相場？

奈良県は、県庁所在地かつ県内最多人口を誇る奈良市を中心に、さまざまな規模の賃貸オフィスが揃います。事業所の規模・立地・築年数・設備などによって家賃水準はまちまちです。安い水準では坪単価4,000円ほどの物件もありますが、奈良市の主要なビジネスエリアで面積の広いオフィスになると、坪単価10,000円～13,000円程度の物件も珍しくはありません。事業用物件では、居抜きかスケルトンかなど、住宅用物件とは異なる条件もあるので、まずは自社が求める条件を洗い出してみることが重要です。

奈良県で事務所を借りて事業を行う人が知っておきたい制度

奈良県は、中小企業経営者の事業拡大に対する悩みや、起業を検討する人への支援を積極的に行っています。奈良県が信用保証協会と連携して行う制度融資では、とくに若者・女性・シニア・Uターン・Iターンの創業者に対して利率・保証料率0%で融資を受けることができるケースもあります。
また、奈良から世界的に活躍する企業を育成する目的で、ビジネスプランコンテストを開催し、有望な起業家の発掘にも注力しています。コンテストで最優秀賞を獲得すれば100万円の賞金を手にすることが可能です。ほかにも、クラウドファウンディングを利用して資金調達をしたい事業者のために、条件をクリアすれば初期費用を補助する制度もあります。

今回のまとめ

奈良県は、古くからの地場産業を大切にし、豊かなものづくりを継承し続けている自治体です。一方で新しいビジネス手法に対しても柔軟に取り組み、事業経営者や起業家をサポートする体制づくりも進んでいます。賃貸オフィス・事務所は奈良市を中心に新しく大規模な物件も増えており、家賃水準が10,000円以上の坪単価も見受けられます。全体としては4,000円～7,000円ほどの坪単価が平均的といえるでしょう。