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コラム 2021.03.16

賃貸オフィス・賃貸事務所の普通契約と公正証書契約


オフィス・事務所の賃貸借に当たり、公正証書による契約を結ぶケースがあります。一般的な契約とはどのように異なるのでしょうか?
今回は、普通契約と比較しながら、公正証書契約の特徴についてご紹介します。

【目次】
1.公正証書契約とは?
2.公正証書契約は普通契約とどう違う?
3.公正証書契約の強制執行力が有効なのは金銭に対してだけ
4.事業用定期借地権の設定は必ず公正証書契約で
5.今回のまとめ

公正証書契約とは?

公正証書契約とは、公的な書面である公正証書による契約、言い換えれば「契約書を公正証書として作成すること」です。一方、私文書による契約を「普通契約(私署契約)」といい、賃貸オフィス・賃貸事務所の契約は普通契約であることが一般的です。しかし、事業用物件の場合、賃貸借に関わる金額がしばしばかなり大きくなることから、より確かで安全性の高い公正証書契約とするケースも見られます。

公正証書契約は普通契約とどう違う?

公正証書契約は、普通契約と比べてどういった違いや特徴があるのでしょうか。

契約場所が公証人役場

普通契約の締結場所は限定されませんが、公正証書契約の締結場所は公証人役場に限られます。公正証書は公証人が作成する公文書であり、契約締結時には当事者以外に公証人の立ち会いも必要となるためです。
なお、公正証書契約では、契約内容を申請するために一度、仕上がった公正証書に署名・捺印するためにもう一度、計2回公証人役場を訪れる必要があります。申請と署名・捺印は、いずれも公証人の立ち会いのもとに行われます。

契約違反時の強制執行力がある

普通契約の場合、契約違反があっても裁判を行って判決を得てからでなければ強制執行はできませんが、高い証拠能力を持つ公正証書契約では裁判を経ることなく強制執行が可能です。公正証書契約は、法律のプロである公証人が立ち会い、その内容をチェックした上で締結されます。したがって、契約内容に法律的な問題や当事者間での解釈の違いがないことがはっきりしており、裁判での判決に匹敵する効力を持っているため、裁判で係争する必要がないのです。
また、公正証書中には「裁判なしに即強制執行を受けても意義はない」という旨の文言が記されます。たとえば万一賃料滞納が起きた際には、貸主は「借主に契約違反があった」として裁判所で強制執行申立の手続きをすれば、直ちに強制執行が可能です。

公正証書契約の強制執行力が有効なのは金銭に対してだけ

前述のように、公正証書には強制執行力がありますが、それは金銭に関することに対してだけです。つまり、滞納している賃料の請求権については裁判判決同等の効力を持ち、貸主の所有財産の差し押さえなどはできますが、明け渡しの強制執行はできません。

事業用定期借地権の設定は必ず公正証書契約で

一般的なオフィス・事務所の賃貸借を公正証書契約とするか普通契約とするかは当事者が自由に決められますが、事業用定期借地権の契約は公正証書によるものでなくてはならないと定められています。

今回のまとめ

賃貸物件の契約は、公正証書契約である必要はありませんが、その高い証拠能力により将来的なトラブルを避けられるというメリットがあります。賃貸借契約において公正証書が持つこうした効力を活用することは、特に貸主側に安心感を与えるものであり、円満な賃貸借関係をもたらすとも考えられるでしょう。

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