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コラム 2022.05.24

オフィス・事務所の「喫煙室」の設置基準と注意点


ある程度規模の大きい職場の場合、オフィス・事務所に喫煙室の設置を検討するのではないでしょうか。たばこ休憩に要する移動時間や労力を小さくできるのはもちろん、コミュニケーションの場を増やす効果もあります。そんな喫煙室ですが、オフィス・事務所への設置は法律によって細かなルールが定められている他、注意点も事前に確認しておかなければなりません。
本記事では、オフィス・事務所における喫煙室の設置基準や、設置する際の注意点などを解説します。

オフィス・事務所への喫煙室の設置は法律で定められている

オフィス・事務所への喫煙室設置については、法律で細かくルールが定められています。2020年度から施行された改正健康増進法により、オフィスをはじめとした各施設における喫煙ルールが一層厳しくなりました。また、厚生労働省によって公表されているガイドラインの内容も確認が必要です。
この項目では、オフィス・事務所での喫煙と関係する法律やルールについて解説します。

改正健康増進法

健康増進法とは、国民の健康維持や現代病の予防を目的に制定されている法律です。健康に関連するさまざまな規定がされています。2020年4月1日からは受動喫煙に関する細かな規定がされた、改正健康増進法が施行されました。
改正健康増進法の中では、施設ごとに喫煙・禁煙に関する細かなルールが設けられています。そしてオフィス・事務所は、原則屋内禁煙と定められている施設です。屋内での喫煙を行う場合、技術的基準を満たした専用喫煙室を用意する必要があります。
これらのルールは、受動喫煙防止対策のために規定されました。望まない受動喫煙を防止し、健康維持や快適な環境実現のために守る必要があります。
オフィス・事務所内における喫煙について法律に違反した場合、指導や勧告の対象となります。以降も改善が見られなければ罰則が課せられるため、喫煙を認めるためには喫煙室の設置が必要不可欠です。

職場における受動喫煙防止のためのガイドライン

職場における受動喫煙防止のためのガイドラインも、職場での受動喫煙対策や喫煙室整備のためにチェックしておかなければなりません。職場における受動喫煙防止のためのガイドラインでは、改正健康増進法および労働安全衛生法のうち、受動喫煙対策に関する内容を明示しています。確実な対策のために、ぜひ目を通しておきたいガイドラインです。
組織的な対策として、以下の内容が明記されています。
・事業者・労働者の役割:受動喫煙対策は組織的な実施が必要不可欠とされています。事業者による措置だけでなく、労働者の理解や協力も重要です。
・受動喫煙防止対策の組織的な進め方:受動喫煙対策の推進計画や情報収集・提供など、やるべきことを順序立てて説明しています。
・妊婦等への特別な配慮:妊娠している人や呼吸器に疾患を持つ人などに対して特別な配慮を求めています。
また、20歳未満の労働者に関する対応方法や、受動喫煙防止対策に関して受けられる支援の説明もされているため、非常に有用です。ガイドラインの後半では、オフィス・事務所に設置する喫煙室の技術的基準なども詳しく説明されています。基準を満たす上で効果的な手法の例も紹介されているため、喫煙室の設置にあたって必要な内容を押さえやすいでしょう。

オフィス・事務所に置ける喫煙室の設置基準とタイプ

喫煙室の設置基準やタイプについても確認が必要です。喫煙室という名称なら何でも設置できるわけではなく、一定の条件が設定されています。基準を満たさない喫煙室となってしまうと、せっかく設置したのに法的に認められず、指摘や罰則の対象となる恐れがあるので注意しなければなりません。
また、一口に喫煙室といっても、部屋のタイプによって基準や喫煙できる種類が異なることも知っておきましょう。ここでは、オフィス・事務所に置くことができる喫煙室について、タイプおよびそれぞれの基準を紹介します。

喫煙専用室

喫煙専用室はたばこの喫煙ができる部屋です。紙巻きたばこや加熱式たばこなど、基本的なたばこはすべて利用できますが、飲食物の提供はできません。オフィス・事務所の喫煙スペースとして設置するのであれば、喫煙専用室が一般的です。
オフィス・事務所に設置する喫煙専用室は、以下の設置基準を満たす必要があります。
・出入り口において室外から室内に流入する空気の気流が、0.2メートル/秒以上である
・たばこの煙が喫煙室の中から室外へ漏れないよう、壁や天井などによって区画されている
・たばこの煙が屋外または外部の場所に排気される状態にする
このうち3つ目の項目「たばこの煙が屋外または外部の場所に排気される状態にする」ですが、基本的には屋外への排出が望ましいとされています。そのため、喫煙室内に排気ダクトや換気扇など、排気に関する機器の設置が必要です。しかし建物の構造や都合により、これらの設置が認められないケースがあります。この場合、脱煙機能付喫煙ブースの設置による排気でも可能です。
脱煙機能付喫煙ブースでは、以下の2点を満たす必要があります。
・総揮発性有機化合物の除去率が95%以上
・機器を通して室外へ排出される空気中の浮遊粉じんの量が0.015mg/m3以下
また、喫煙専用室の出入り口と喫煙専用室が設置された建物の出入り口には、以下の内容を明記した標識の設置が必要です。
・喫煙専用室の標識:喫煙専用室と明確にわかる内容、20歳未満の人の立ち入り禁止がわかる内容
・喫煙専用室設置施設等標識:喫煙専用室が設置されている旨がわかる内容
標識にもあるように、喫煙専用室への20歳未満の立ち入りは禁止されています。

指定たばこ専用喫煙室

指定たばこ専用喫煙室とは、加熱式たばこのみ喫煙可能な部屋です。技術的基準のうち、気流の速さは喫煙専用室と同じです。また、指定たばこ専用喫煙室は特定の1フロアすべてとして設定ができますが、その場合は他の階に流出しないような措置をする必要があります。
指定たばこ専用喫煙室についても、部屋の意味や建物内の設置が明確に把握できるような標識の設置が義務付けられています。喫煙専用室と同様、20歳未満の立ち入りは禁止です。
指定たばこ専用喫煙室は飲食物の提供が可能です。オフィス・事務所内で設置する場合、喫煙および食事ができる休憩室として使用できます。

その他のタイプ

オフィス・事務所に設置する喫煙室のタイプは、すでに紹介した2種類です。しかし、それ以外にも、特定の施設のみが設置できる喫煙スペースが存在します。特徴は以下の通りです。
・喫煙目的室:喫煙を主な目的とする施設に設置できる喫煙スペースです。たばこ専門店やスナック、シガーバーなどが当てはまります。主食を除く飲食物の提供が可能です。
・喫煙可能室:規模の小さい飲食店で設置できる喫煙スペースです。営業開始日や資本金、面積などに一定の要件が設けられています。飲食物の提供が可能です。

オフィス・事務所に喫煙室を設置する時の注意点

オフィス・事務所に喫煙室を設置する際、当然ですが法律に明記された条件を守る必要があります。しかし、それ以外にもいくつかの注意点があります。喫煙室に関するトラブルを防ぐため、事前に確認しておくと安心です。ここでは、喫煙室設置に関する注意点を解説します。

施設の広さや排気効率などを考慮して装置を選ぶ

喫煙室には、排気に要する装置の設置が必要不可欠です。そんな装置ですが、施設の広さや設置場所、排気効率などによって適した種類が異なります。排気装置の主な種類として以下のものが挙げられます。
・換気扇
・天井扇
・ラインファン
・遠心ファン
オフィス・事務所の環境によって、合う製品や用意したい台数に違いがあるため、絶対的な正解はありません。どのような装置が適しているか、事前に入念な確認が必要です。

基準を満たしているか丁寧にチェックする

オフィス・事務所に設置できる喫煙室には、細かな技術的基準が設けられています。基準を満たしていない場合、せっかく設置した喫煙室が認められなくなってしまうため注意が必要です。また、測定方法が誤っていると、本来は基準を満たしていないのに、基準に達していると判断してしまう恐れもあります。
測定する際の注意点は、以下の通りです。
・出入り口の風速はドアを開けた状態で測定する:出入り口の風速について基準が設けられているため、チェックが必要です。風速測定は必ずドアを開けた状態で実施しましょう。換気口がついたドアの場合でも、閉めたままでは正確な測定が不可能です。
・排気風量の算出を正しい方法で行う:排気風量の算出方法が誤っていると、正確な結果を得られず、基準に達しているか判断ができません。必要に応じてコンサルタントといった専門家に相談しつつ、正しく測定してください。
もし基準を満たせていない場合でも、少しの工夫によって改善できるケースがあります。たとえばドアから煙が出てしまう場合、気流への影響が小さいスライド式のドアが効果的です。ドア前にのれんを設置する方法も、煙の流出を防ぐ上で役立ちます。

従業員や関係者の理解を得る

喫煙室の設置は、オフィス・事務所の環境を大きく変えます。喫煙室は快適な職場環境づくりのために欠かせない要素です。しかし、急な施工スケジュールや従業員の希望を無視した場所への設置などは、かえってトラブルにつながる恐れがあります。そのため、喫煙室を設置する際は、従業員や関係者にしっかり説明し、理解を得た上で進めましょう。
なお、事業者や喫煙者側の意見のみを押し付けてしまうのは危険です。非喫煙者も含め従業員の意見をしっかり聞けるような体制を整え、希望や不安などを聞き、なるべく取り入れるようにする必要があります。喫煙室に関する社内での理解を獲得することは、たばこ関連のトラブルを防ぐ上で非常に大切です。

今回のまとめ

オフィス・事務所での喫煙室設置は、喫煙者と非喫煙者それぞれの環境を守る効果があります。たばこ休憩の取りやすさは効率化につながり、喫煙室がしっかり区切られた環境は受動喫煙の防止を実現します。改正健康増進法による義務という理由以外にも、喫煙室設置のメリットは大きいといえるでしょう。
喫煙室の設置には、細かな基準があります。トラブルを防ぐために、設置時の注意点を押さえることが大切です。喫煙室についての理解を深め、効果的な設置を行うことをおすすめします。
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