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コラム 2023.04.28

賃貸オフィスを選ぶ際に貸主の与信をチェックするメリットとは


賃貸オフィスは、その場所で企業を運営するため、どこの場所を選ぶかは非常に重要です。しかし、場所・賃料が問題なければ、すぐに賃貸オフィスの場所を決定して良いわけではなく、貸主の与信をしっかりチェックしなければなりません。
ここでは、なぜ貸主の与信をしっかりチェックする必要があるのか、またどのようにチェックしたら良いのか詳しく解説します。

貸主の与信を確認して賃貸オフィスの保証金を確実に返還してもらう

与信とは、信用を供与することをいい、相手側と取引するにあたって信用できる相手かどうかを調査することを「与信調査」あるいは「信用調査」と言います。
一般的には、貸主が借主の与信を調査しますが、近年では、貸主側の財務状況が厳しいケースも少なくありません。
そのため、借主としても高額な保証金を預けるため、貸主の与信はしっかり行い、最終的に保証金を確実に返還してもらうことが重要です。

保証金とは

保証金は、賃貸オフィスを借りる際に、貸主に対して、賃料の滞納・入居テナントの過失による損傷の修繕費を担保するために、契約時に支払う預託金のことです。
保証金とよく似た言葉に敷金があります。この2つの言葉に大きな違いはありませんが、違いを挙げると、敷金は賃料の何ヵ月分と明記されることが多く、賃料が改定されるとともに敷金の額も変動します。一方、保証金は坪単価・㎡単価で決められることが多いため、保証金の額が改訂されるケースはあまり見られません。

保証金の相場

相場は、住宅の場合は何ヶ月・オフィスの場合は何ヶ月と決まっていないため、場所・広さなどによって大きく異なります。
しかし、一般的な相場としては、住宅で賃料の約2~3ヶ月分、賃貸オフィスの場合は、賃料の6~12ヶ月分が相場です。
住宅よりもオフィス賃貸の方が高い保証金になっている理由は、オフィス賃貸は住宅と比較して、原状回復費を始めとする退去時のリスクが高いためです。
オフィス賃貸は、それぞれの仕事内容などによって、契約後内装や電話工事などを行う場合も少なくありません。賃借人が賃料を支払わずに連絡が取れなくなってしまった場合、住宅なら家具の撤去・室内のクリーニングなどで済みますが、オフィスの場合、テナントが入居後に行った内装工事や電話工事などの原状回復も必要となるため、負担が大きくなることから、保証金が高くなっています。
ただし、保証金は、交渉によって減額できる場合がある他、保証会社を利用することで減額する方法などもあります。

保証金の返還時期

保証金は、先程解説したように、オフィスを借りる際にビルオーナーに対して支払いますが、あくまで預けるため、後に返還されます。
保証金は、まとまった金額になるため、返還されれば次のオフィス移転費用・次のオフィスに対する保証金に充てることができると考えている方も多いかもしれません。
しかし、保証金の返還時期に関して、注意点がありますので、予め押さえておきましょう。

解約後もすぐに返ってこない

保証金の返還は、賃貸借契約終了後の3~6ヶ月後が多いため、オフィスから退去する時にすぐ返還されません。保証金返還で注意すべき点は、「原状回復工事」の期間があるため、「退去時」ではなく「契約終了時」であることです。
原状回復とは、借りていたオフィスなどの物件から退去する際に、入居前の状態に戻すことです。原状回復のために行われる工事のことを、原状回復工事と言います。
従来の民法では、原状回復に関しての具体的な内容については記載がありませんでした。しかし、2020年4月に施行された改正民法により、住居、テナント、店舗の区別なく適用されることになったのです。
具体的な原状回復工事の範囲は、民間賃貸住宅とオフィス賃貸で異なります。民間賃貸住宅の場合は、「経年変化」や「通常損耗」については発生せず、借主が意図的にもしくは不注意で損傷したものにのみ発生します。これに対して、オフィス賃貸の場合は、賃貸借契約書で原状回復についてどのような取り決めをしているかによって義務の範囲が異なります。多くの場合、100%原状回復の義務が課され、保証金から原状回復費用が差し引かれるため、返還される保証金は少額になる傾向です。

保証金を移転先のオフィス賃貸に充てることはできない

移転して新しいオフィス賃貸するにあたっては、遅くとも移転入居の1~2ヶ月前には、新しいオフィスと契約する必要があります。
前述の通り、保証金返還時期は、契約終了から3~6ヶ月後であることがほとんどです。そのため、新しいオフィスを賃貸する際に、以前のオフィス賃貸で預けていた保証金を使用することはできません。以前のオフィス賃貸で預けていた保証金が返還される3~6ヶ月の期間は、新しいオフィスへの保証金も含めて二重に預け入れることになるため、注意が必要です。

他の入居者の質が下がらないように貸主の財務状況をしっかりチェックする

近年、貸主側も経営状態が厳しいケースが増えてきました。入居者を増やすために家賃の値下げなどを行った結果、入居者の質が下がるリスクが否定できません。
一般的に、家賃と入居者の質は比例すると言われています。入居者の質が下がると、入居者の騒音・ゴミ捨て場がどんどん荒れるなど、周囲からの印象が悪くなってしまう可能性があります。その結果、入居している企業にも悪いイメージが付いてしまうかもしれません。
オーナーが個人の場合は難しいですが、法人で帝国データバンクに財務状況を公開している場合は、下記の財務諸表をチェックし、なぜその賃貸価格となっているのか検討することをお勧めします。

貸借対照表

貸借対照表とは、企業の一時点において、資産や権利をどのくらい所有しているのかを見る決算書のこと。英語ではBalance Sheet(バランスシート)といい、実務上、B/S(ビーエス)とも呼ばれ、四半期もしくは、半期ごとに各決算期末時点で作成されるのが一般的です。
貸借対照表は、資産・負債・純資産の3つに分かれて表記され、3つのバランスから、企業における利益・経営状態を把握できます。

損益計算書

損益計算書は、一定の期間内に、どれだけの収益・費用があり、結果的にどれくらい利益が出たかという財務状況を示す財務諸表です。英語ではProfit and Loss Statementと呼ばれ、P/L(ピーエル)と略される場合もあります。
損益計算書をチェックすることで、企業の経営成績を知ることができ、会計期間内にかかった費用に対してどれだけ利益が出たのかが明らかになります。

貸主の与信と合わせて知っておきたい抵当権の知識

様々な要因から、貸主の与信をしっかり確認することは非常に重要ですが、オフィス賃貸をするにあたって、与信と合わせて知っておきたいのが抵当権の知識です。ここでは、抵当権において知っておきたい内容を解説します。

抵当権とは

抵当権は、ローンなどを借りる時に、購入する土地・建物に金融機関が設定する権利のことです。抵当権者である金融機関は、ローンの返済ができなくなった際に、その不動産を差し押さえることができます。

賃貸オフィスと抵当権との関係性

住宅ローンにおける抵当権の必要性は理解できても、賃貸オフィスにおける抵当権がどのように関わってくるのかはなかなかイメージできないのではないでしょうか。
賃貸オフィスの場合は、オフィスのオーナーと賃貸契約を結ぶだけなので、マンションのように購入するわけではありません。そのため、抵当権の知識は不要と考える方もいるかもしれませんが、オーナーが変更になる場合には大きく影響を受ける可能性があります。
例えば、自分が借りている賃貸オフィスビルの現オーナーが、何らかの理由で債務不履行となり金融機関から抵当権を行使された場合、抵当に入っていたオフィスビルが競売にかけられて落札されると、オーナーが変わってしまうことがあります。オーナーが急に変わってしまうと、急いで移転先を探さなくてはいけなくなってしまったり、原状回復に必要な保証金を準備する必要が出てきてしまう可能性があります。
このようなリスクがあることを事前に知っておくためにも、抵当権の知識を学んでおくことが大切です。

今回のまとめ

賃貸オフィスは、賃料以外にも保証金が必要であり、賃料の6~12ヶ月分が相場となっていることから、まとまった金額が必要です。保証金は、賃貸オフィスの場合、100%原状回復の義務が課されることがほとんどのため、返還される額が少なくなる傾向があるため、注意してください。
また、保証金以外に注意すべきなのは、賃貸オフィスビルの抵当権設定の有無です。抵当権が設定されている場合、何らかの理由でオーナーが債務不履行に陥り、抵当権が行使されると、賃貸オフィスの借り主は6ヶ月間で退去しなければなりません。
賃貸オフィスを選ぶ際に少しでもトラブルになる可能性を低くするためには、貸主の与信をできる限り調べておくことが重要です。
与信は、貸主の貸借対照表・損益計算書を確認すれば、ある程度の把握は可能ですが、不安な場合や、財務状況を把握するのが難しい場合は、専門業者に調査を依頼すれば容易に調べられるため、必ず事前に確認してください。

名古屋に本社を構えるオフィッコスは、オフィスや店舗などの賃貸仲介を専門に扱っている企業でございます。2012年の設立以来、多くのお客様からご利用いただき、ご希望に沿える物件をご案内できるよう、日々情報収集に努めております。常時50,000件以上の物件情報を有しており、ホームページに掲載していない情報も多数ございますので、オフィス・店舗の開設や移転を検討されている事業者さまは、まずは一度お気軽にお問い合わせください。

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