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コラム 2022.10.05

一人当たりのオフィス面積の適正値は?リモートワーク下の算出方法も紹介

オフィスを移転しようとする際、広さはどのように決めると良いのでしょうか。広すぎるとスペースが無駄になり、狭すぎると不便で使いにくくなってしまいます。

オフィスの適切な広さを考えるにあたっては、一人当たりの面積が目安になります。今回は、一人当たりのオフィス面積の適正値と、コロナ禍における新たな算出方法についてまとめてみました。

自社のオフィスに最適な広さを知れば、レイアウト変更やオフィス移転など具体的な解決策も浮かんできます。空き家やビルの物件情報を見た際にも、イメージが湧きやすくなりますよ。

オフィスの一人当たり面積は、約3.71坪

オフィスの一人当たり面積は、約3.71坪

2019年の調査では、オフィスの一人当たり面積は3.71坪が中央値という結果が出ています。つまり、適正値の目安は3.71坪となります(※)。
もちろん適正値は業種によって変わりますが、適正値より広い場合と狭い場合で、オフィスの使い勝手はかなり違ってきます。
それぞれ確認していきましょう。

ザイマックス総研『1人あたりオフィス面積調査(2019年)』

労働基準法では、従業員1人当たりの就業空間を10立方メートル以上にしなければならないと定めています。オフィスの天井の高さを2.5mとすると、床の面積は4平方メートルです。

適正値より広いオフィスのメリット・デメリット

オフィスが広い場合、開放感による生産性アップや安全性の向上などに期待できる反面、会社の負担が増えるというマイナス面もあります。

<メリット>
・快適な執務空間を作れて、生産性アップが期待できる
・ユニバーサルデザインを採用しやすく、多様性が高まる
・防災機能が高まる

 

<デメリット>
・固定費(賃料や光熱・水道費)が増える
・無駄なスペースが増える可能性がある
・スペースを活かせないと経費の無駄になる

適正値より狭いオフィスのメリット・デメリット

狭いオフィスの場合、会社のコストが減り、ミニマルな組織作りをしやすくなります。一方、オフィスに対する社員の不満が溜まりやすくなる傾向があります。

<メリット>
・固定費(賃料、光熱・水道費)が減らせる
・コンパクトな動線で移動が楽になる
・コミュニケーションが取りやすく、連携アップにつながる

 

<デメリット>
・作業スペースを確保しづらく、生産性ダウンの恐れがある
・閉塞感で、社員がストレスを感じやすくなる
・雑音や他人の動きが気になり、集中が削がれる可能性がある

一人当たりの面積の考え方は、業種によって変わる

一人当たりの面積の目安は、約3.71坪でしたね。しかし、実際に必要な面積は企業や業種によって違います。企業・業種別の事例を5つ紹介します。

保険・金融など窓口業務のある企業

金融機関のように窓口業務がある企業は、面積を広く取りましょう。広い来客スペースが必要になるので、標準的な広さのオフィスにすると執務スペースが狭くなりすぎてしまうためです。
また、店内が狭いと圧迫感が出てしまいます。特に来客には不快な閉塞感を与えたくはありませんよね。快適なやりとりができるよう、一人当たり4坪以上を目安にしましょう。
天井を高くするなど、面積以外の考慮も必要です。

IT企業

IT企業は、広い方がいい場合と、狭くても問題ない場合があります。エンジニアやデザイナーのようなクリエイティブ職だと、大きなサーバーやモニターを使用するので、面積は広い方が良いでしょう。
一方、1人1台のノートパソコンで済む企業やリモートワークの導入でスペースに余裕がある企業は、オフィスが狭くても問題ないと言えます。
職種、働く形態、設備などの要素を踏まえて、適切な広さを考えていきましょう。

営業/企画/会計部門

営業、企画、会計部門のオフィスは、やや狭くても問題ありません。外回りの社員が多くて空席が多ければ閉塞感は少なめです。

標準より狭くする際には、社員の通常勤務とリモート勤務のバランス調整に努めることが重要です。席を固定しないフリーアドレスで省スペースをはかることもできます。
席数・人数の管理と仕事の効率化を行うことで、狭くても快適なオフィス運用ができます。

士業

士業の事務所は、事業所の規模や顧客の数で必要な広さが変わります。大手法律事務所のように規模が大きいと、一人当たり4坪以上の面積が望ましいでしょう。プライバシーに配慮した機密性のある部屋や、顧客の相談を受ける個室を多く設置する必要があるためです。

一方、小規模な事務所で応接室がひとつあれば充分、といった場合は狭くても問題ありません。社員数や顧客数に応じて、適切な広さを割り出すのが良いでしょう。

製造業

製造業の場合、社員数や就労形態によってはオフィスが狭くても支障のない場合があります。
但し、在庫保管用の倉庫や器具収納庫、更衣室などの面積は除外して考えましょう。それらを含めてしまうと、「計算上はとても広いのに、実際に使えるオフィススペースは狭すぎる」といったことになりかねず、実態に沿った計算ができないためです。

コロナ禍で変わる計算方法

実はコロナ禍で、オフィス面積の基準に変化が生じています。リモート勤務やフレックス制の導入でオフィスに来る人の数が減り、席が空くことでスペースが生まれるようになったことが要因です。

これにより、オフィス面積を求める計算式は、次のように変わっていきます。

従来の計算式:
オフィス面積=オフィスを利用する人数×一人当たりオフィス面積
新しい計算式:
オフィス面積=席数×一席当たりオフィス面積
席数=在籍人数×出社率×席余裕率

基準となる考え方が、「一人当たり」から「一席あたり」に変わってきたということです。
また、必要な席数は、出社率やどの程度余裕を持たせるかで決まり、この新たな計算式では、より実態に基づいた数値を割り出すことができます。

なお、席余裕率の中央値は185%、コロナ終息後は120%の意向という結果でした。コロナ禍では空席が多くてもいいが、終息後は出社率を安定させて席数の効率化が図られることが予想されます。

オフィス縮小タイプ:
メインオフィスを縮小するかわりに様々な場所で働ける環境を整え、多様化と最適化を目指すスタイル
オフィス強化・拡張タイプ:
メインオフィスの機能性をアップし、付加価値を高めることを目指すスタイル

今後の傾向としては、次の2つが主流になることが予想されます。

どちらを取るかは企業の実態や価値観で変わります。ただ、オフィス運営の戦略が、今後の企業のブランディングや経営戦略に大きな影響を与えそうです。

狭くても快適なオフィスにするアイデア

狭くても快適なオフィスにするアイデア

オフィスを縮小すれば、賃料や光熱・水道費が削減できます。しかし、会社の引越しというものは対外的な影響が大きく、相応のコストが発生します。
移転せず、現在のオフィス空間を工夫して有効活用できればベストですよね。
狭くても快適なオフィスを作るための3つのコツを紹介します。

ペーパーレス化で保管スペースを減らす

1つ目はペーパーレスの導入です。使わない書類は破棄、必要な資料はデータ化することで、書類の保管スペースを減らすことができます。書類が増えないため、オフィスがすっきりとします。紙の契約書を廃止し、電子契約に変更するのもいいでしょう。
保管スペースが減れば、その分他の用途にスペースをあてることができるので、より快適に業務を行えます。

閉塞感のないインテリアにする

2つ目はインテリアの工夫です。デスクや棚の幅や高さ、色を見直し、圧迫感のあるものは買い替えも検討してみましょう。特に背の高いものや暗い色のものは圧迫感を与えがちです。背の低いものや明るめの色のものを選ぶと、目線が下がりフロア全体を広く見せることができます。

観葉植物や仕事に関連するオブジェクトを置いてみるなど、アクセントを与えるのも良いですね。閉塞感のないインテリアは、社員にも顧客にも安心感を与え、居心地の良い空間を生み出してくれます。
思い切った模様替えには相応の費用がかかりますが、引っ越し費用に比べるとずっと安く済むはずです。

多目的に使えるスペースを増やす

3つ目は多目的に使えるスペースを増やすこと。1つのスペースにいくつかの機能を複数持たせると、スペースを消費せずに済み、オフィスを広く使えます。

例えば、オフィスの隅にあった打ち合わせコーナーをなくして個人のデスク配置に余裕を持たせ、打ち合わせはあまり使っていなかった応接室で、といった具合。会議室の使用頻度が減っている場合は、レイアウトを少し変えて普段は休憩室として使えるようにすれば、オフィス移転せずとも労働環境を改善させられます。

オフィス家具に複数の役割を持たせるのもおすすめです。棚にパーテーションの役目を持たせる、応接室に収納のついたローテーブルを設置する、といった方法ですね。置き方や収納の仕方次第ではスタイリッシュな印象を与えられるので、一石二鳥です。

レイアウト変更やオフィス移転で快適に!

オフィス移転は、いい物件に出会えるか、社員の賛同を得られるかと、多くの課題に直面します。

もし「オフィス環境が良くない、移転したい」と思っていても、レイアウトをガラッと変えることで理想のオフィスに近づくかもしれません。まずはお金をかけず、デスクの配置を変えてみる、不要な備品を撤去・処分する、というのはどうでしょう。整理整頓でどこまで快適に過ごせるか確かめてみるのもひとつの手です。

もちろん社員の数や就労形態、今後の経営方針を踏まえオフィスを移転するという選択肢もアリ。コロナ禍で現在は各企業ともオフィス縮小の傾向が見られますが、移転するなら安心とゆとりは大切にしたいところ。
社内の事情と時代に合わせて、柔軟に対応・検討していきたいですね。

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