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コラム 2022.03.28

スタッフの育児をサポートするオフィス・事務所の選び方と空間づくり


女性は出産を機に退職を決意することも少なくありません。しかし、職場に復帰しようとした時に、子供の預け先が見つからないことは、女性の仕事復帰のネックになっています。現在の日本のオフィスは、スタッフの育児に協力的な環境が整っていないオフィスが多いと言えます。
この記事では、オフィスに託児所を設けるメリットや、託児所の空間づくりの他に託児所付きオフィスの事例も紹介します。

【目次】
1.日本の託児所付きオフィスの現状
2.託児所付きオフィスのメリット・デメリット
3.オフィス内の託児所の種類
4.自治体の補助金制度を利用して設置
5.オフィス内の託児所の設置場所や空間づくり
6.託児所付きオフィスの事例
7.今回のまとめ

日本の託児所付きオフィスの現状

海外では、子育て世代のスタッフの育児をサポートするのは極めて一般的と言えます。多くの企業が子連れ出勤制度の提供や企業内託児所を設置していますが、日本はどうでしょうか。調査によると、日本では出産をきっかけに仕事を離れる女性は46.9%と半数近くにのぼります。それは、職場や地域による育児のサポート環境が整っていないからとも言われています。優秀なスタッフが、選択肢がないために退職しなければならないことは企業にとっても残念なことです。
現在、待機児童数が多く子供を預ける先がないことは大きな問題となっています。そこで、企業内に託児所を設置する企業が日本でも増えてきました。2016年の時点ではオフィス内の託児所数は4,561件でしたが、2018年では4,766件と2年で一定数増加しました。これは、まだまだ高い数字ではありませんが、少しずつ女性が出産後も活躍しやすい場所が増えてきていると言えそうです。
託児所をオフィス内に設置する企業は、自らのスタッフ専用として設置するケースもありますが、地域の子供たちを受け入れている企業もあります。このような企業は、地域に貢献している企業ということで、企業イメージのアップにもつながります。
今後の日本は、託児所付きオフィスがさらに必要となることが予想されます。女性の社会進出はどんどん進んでおり、出産しても働き続けたいという女性は多いからです。キャリアを諦めたくない女性をサポートできる企業は、優秀な人材の確保もしやすく、結果的に企業の利益となりかえってきます。

託児所付きオフィスのメリット・デメリット

託児所付きのオフィスはまだ、それほど数が多いわけではありません。そのため、託児所の設置に興味があっても、どのようなメリットやデメリットがあるのかわからない事業者も多いでしょう。託児所を設置するには、メリットだけでなくデメリットも理解した上で設置にふみきる必要があります。

企業にとってのメリット

それまでキャリアを積み重ねてきたのに、出産や育児を理由に離職しなくてはいけない。オフィス内に託児所が付いていれば、そのような離職も減らすことができます。優秀なスタッフを手放さなくても済むことはオフィス内に託児所を設ける最大のメリットです。育児休暇中にも企業の託児所に赤ちゃんを預けられれば、仕事に早期復帰できるかもしれません。
また、スタッフにとっては子供が社内にいるという安心感があり、別の場所に子供を預けてから出勤する手間も省け、仕事と子育ての両立がしやすくなります。スタッフの満足度が上がれば、モチベーションや企業への信頼度もアップするはずです。
さらには、託児所をオフィス内に設置することで、スタッフの育児をサポートする企業・離職率の低い企業といったイメージアップを図ることもでき、地域の待機児童の数も減少するため、社会貢献している企業として高い評価を受けることができるでしょう。

企業にとってのデメリット

託児所をオフィス内に設けるデメリットは、費用の負担や・人材確保・管理です。後に紹介しますが、託児所設置は自治体の補助金制度を利用することもできます。しかし、子供も喜ぶ魅力的な託児所にするにはやはり費用がかかります。さらに、託児所で働く保育士の確保や管理も負担になることがあるかもしれません。託児所を利用する企業のスタッフに関しては、週末には利用できない点がデメリットです。
また、大きな運動場を設置できる企業が少ないため、子供が思いっきり遊ぶことができない点が気になるスタッフもいるようです。さらに、オフィスに設けられた託児所は比較的普通の託児所よりも狭く、教育面で十分ではないと感じるスタッフもいるようです。

オフィス内の託児所の種類

オフィス内に設置できる託児所には、企業主導で設ける託児所だけだと思う事業者もいるかもしれません。しかし、企業が主導しなくてもオフィス内に託児所を設けることは可能です。

認可保育所

認可保育所は国が定めた基準を満たした保育施設です。施設の面積や保育士や職員の数、防災管理や衛生管理など、厳しい基準を満たして自治体で認可された保育所のことを指します。認可保育所は、さらに市町村が運営する保育所と、民間企業が運営する保育所の2種類に分かれます。
認可保育所は全3種類の保育所の中では最も設置の審査が厳しい保育所ですが、国の補助金制度を利用できる点が魅力です。

認可外保育所

認可外保育所は、国の基準を満たしていなくても設置できる保育所のことです。また、自治体からも許可を受けていないので、許可や審査が厳しくなく設置しやすいです。職員数や施設の広さには一定の基準がありますが、認定保育所ほど厳しくありません。
しかし、認可保育所のように国からの補助金は受けられません。

企業主導型保育所

企業主導型保育所は、企業が自社のスタッフのためにオフィス内や近辺の施設に設けた託児所です。申請や手続きは内閣府あてに行われる点で、他の保育所とは異なります。企業主導型保育所は、基準や審査も他の保育所よりもゆるく、自由度が高いです。条件を満たしていれば、企業主導型保育事業の補助金制度を利用できます。

自治体の補助金制度を利用して設置

オフィスに託児所を設けるのはハードルが高いと感じる企業も少なくありません。しかし、自治体の助成金制度を利用するとハードルはかなり低くなります。企業主導型保育事業は平成28年から始まりました。この制度を受けられるのは、企業主導型保育所を設置している企業のみです。この制度を活用すると他企業との共同利用や、地域の子供も施設の利用が可能になります。また、託児所の運営費や設備費に関して助成金を受けられます。認可施設と同じ助成金が受け取れるだけでなく、利用者も認定施設と同じ料金で利用できる点もメリットです。オフィス内の託児所は企業主導型であれば認定外保育所になりますが、助成金を受けることでこのようなメリットが生まれるのです。
具体的な助成金対象費用ですが、費用は大企業か中小企業かにより異なります。助成金は設置費や運営費・増築費や建て替え費などに使用することが可能です。限度額は750万円〜2,300万円までなど利用する分野により異なりますが、託児所設置の大きなサポートとなることは確かです。

オフィス内の託児所の設置場所や空間づくり

企業主導型の託児所を設置するとしましょう。それでは、どのような託児所の空間づくりがスタッフや子供に喜ばれるのでしょうか。
まずは、託児所は子供が一定の時間過ごす場所ですので、内装は明るくかわいくが理想です。殺風景な託児所や暗い雰囲気の託児所ではスタッフも子供を預けたくなくなります。また、スタッフが休憩中に子供の様子を見やすいように、ガラス窓で外からでも見やすくすることもポイントです。スタッフが子どもと一緒に遊べる遊具があると、さらにいいですね。
託児所の設置場所ですが、オフィス内の隠れた場所に設置する必要はありません。他のスタッフから見えない位置では、託児所を利用するスタッフは、遠慮しないといけないというメッセージをスタッフに与えてしまうからです。逆に、社内にも社外にも育児中のスタッフをサポートしている企業だとアピールしたいなら、スタッフが子供を預けやすい1階の、エントランスからそれほど遠くない場所がいいでしょう。
託児所設置の最後のポイントは、託児所のデザインも設置場所も、オフィスとはしっかり区別をつけることです。仕事場に託児所があまりに近すぎると、スタッフは仕事に集中できないこともあるからです。

託児所付きオフィスの事例

それでは最後に、託児所がオフィス内にある企業の事例を見ていきましょう。オフィスに託児所の設置を検討している企業は、これらの例を参考にアイデアを出してみてください。

株式会社湯山製作所

株式会社湯山製作所は工場ビルの新築がきっかけとなり、企業内に保育所を設置しました。こちらの保育所は、保育園の園長のアドバイスのもとカリキュラムを作成しています。リトミックやボディペイントなど、体を使ったプログラムは子供達にも人気です。設備は工場ビルにありますが、1キロ近く離れた本社のスタッフもサービスを利用しています。新しい遊具の導入や、水遊びスペースの確保など、今後もスタッフが安心して利用できるようニーズに合わせてさまざまなプログラムを用意していくそうです。

株式会社ビジョン

株式会社ビジョンは、自社ビルの1階を利用して保育所を設けました。育児中のスタッフが仕事中も子供が近くにいるという安心感を得られるように、オフィスに託児所の設置を決定しました。こちらの保育所は、1階のスペースの他、庭も使っていることが特徴です。広々としたスペースで、外では砂場や大型遊具でも遊ぶことができます。
また外は屋根付きですので、天気が悪い日でも子供は外で遊ぶことができ安心です。スタッフだけでなく地域住民にも人気で、常に空きがない状態だそうです。

株式会社CREATIVE LAB

株式会社CREATIVE LABは、仕事の合間に子供の様子を確認できるように託児所を設計しました。女性スタッフの仕事と育児の両立をサポートして、キャリアをあきらめずに長く働いてもらうことを目的として託児所が設置されました。設備基準を認可保育所と同じレベルにしたこと、保育士の子供も利用できることが魅力で、保育士確保にも苦労しなかったようです。

今回のまとめ

オフィスに託児所を設けるメリットやデメリット、そして、託児所の空間デザインについて紹介しました。託児所は補助金制度を利用すると設置や運用の費用を抑えることができます。補助金制度を利用すれば、設置は決して高いハードルではありません。企業にはメリットが多く、子育て世代のスタッフの離職率の低下や企業のイメージアップにもつながります。費用の負担や管理などデメリットもありますが、長期的に考えるとメリットの方が大きいと言えるのではないでしょうか。
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