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コラム 2021.03.27

無許可で賃借人が他社にオフィス・事務所を貸していた場合の対処法


自分が借りているオフィスや事務所に空きスペースができたとき、そのスペースを人に貸して有効活用したいと思うかもしれません。しかし賃貸借契約の多くは、貸主の許可なく他社に転貸(又貸し)することを禁止しています。本記事では、オフィスや事務所を賃貸している貸主の方に向けて、賃借人が無許可で他社にオフィスや事務所を転貸していた場合の対処法を解説します。

【目次】
1.無許可で賃借人が他社に転貸していた場合の具体的な対処法
2.無許可での転貸がダメな理由
3.今回のまとめ

無許可で賃借人が他社に転貸していた場合の具体的な対処法

転貸が許されるかどうかは「許可の有無」にかかっています。きちんと貸主に許可を得ていれば問題ありません。では、もし賃借人が無断で転貸をしていた場合、貸主はどのように対処すれば問題を解決できるのでしょうか。ここでは具体的な対処法を2つご紹介します。

弁護士に相談

無断転貸の事実が発覚した時点で、速やかに弁護士に相談しましょう。発覚後に時間が経ってから対処すると「貸主は転貸を認めていた」とみなされることがあるからです。賃貸借契約は民法に関わる法律問題です。無断転貸を理由に賃借人との契約解除をしたり、転貸をやめさせたりするには、法律問題の専門家である弁護士のアドバイスが必要です。
ただし、弁護士であれば誰でも良いというわけではありません。不動産事件や賃貸借の問題にくわしい弁護士に依頼したほうが、スムーズに解決できます。弁護士が法律問題を解決するためには、事実関係を証明する証拠が欠かせません。貸主は、無断転貸の事実が発覚したら、転貸が生じた経緯や、他社(転借人)の素性など、できるだけ多くの情報を記録し、弁護士に提供してください。自分で情報を集める自信がない場合は弁護士に一任しても構いませんが、調査費用が別途発生します。

貸主と他社が新たに賃貸契約を結ぶ

無許可で他社に転貸した場合、貸主は他社の素性がわかりません。もし反社会的勢力や不法滞在している外国人などが関わっていたらさらに大きな問題になりますので、原則として転貸は契約解除の対象です。ただし例外として、貸主と他社が話し合い、相手の素性や使用目的を確認した上で、貸主が他社への賃貸を認めたほうがいい場合もあります。転貸されたからといって即座に契約を解除してしまうと、次の借主が見つかるまで家賃収入の見込みがなくなるからです。
この場合、転貸を承諾する方法と、貸主と他社との間で新たに賃貸契約を結ぶ方法の2種類があります。

無許可での転貸がダメな理由

「賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。(民法612条1項)」とあるように、無許可での転貸は民法で禁じられています。契約書にその旨が記載されていなくても、無断転貸は原則禁止です。では、なぜ無断転貸は許されないのでしょうか。

賃貸借契約は信頼関係のもと成り立っている

賃貸借契約は、1回限りの売買契約とは異なり長期間継続していくものです。したがって貸主は、賃貸料の支払能力や、物件を丁寧に扱ってくれるかなど、賃借人の素性を見極めたうえで契約します。
つまり賃貸借契約は、当事者間の信頼関係がなければ成り立たないのです。このような賃貸借契約において、知らない他社が無許可で物件を使用すると貸主が困ります。そこで民法は、転貸には貸主の承諾が必要であると定めたのです。

貸主に正しい賃貸料が支払われない可能性がある

本来の賃借人ではない他社が無許可で物件を使用した場合、貸主に正しい賃貸料が支払われない可能性があります。他社は賃借人と契約しており、元々の貸主の存在は知らない場合があるからです。もし正しい賃貸料が支払われなければ、貸主は大きな不利益を被ります。賃貸料の不払いを理由に訴訟問題へ発展すると、莫大な費用と労力がかかるため、貸主にとって大きな損失です。

明け渡す際トラブルになる

無許可で第三者に転貸した場合、第三者が物件をどのように扱うかわかりません。汚したり傷つけたりした場合、責任の所在が曖昧になり、トラブルに発展する可能性があります。このようなケースで、もし賃借人が「悪いのは転借人。私に責任はない」などと主張しても、法律では認められません。貸主は弁護士に協力してもらい、賃借人に対して修繕費用を請求しましょう。

今回のまとめ

無許可での転貸が発覚したときの対処法をご紹介しました。無断転貸を早期解決するためにも、早めの行動をおすすめします。また、無断転貸を未然に防ぐことも重要です。賃貸借契約書に無断転貸を禁止する旨をしっかり記載し、契約の際の周知を徹底しましょう。お互いに気持ちの良い取引ができるよう対策をしておくと安心です。

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