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コラム 2022.02.14

オフィス・事務所の賃貸契約を途中解約できる条件とは


オフィスや事務所の賃貸借契約では通常、契約期間が定められ、契約期間が終了するごとに更新することになっています。更新を行わないときは、どちらかが終了前に通知することで賃貸契約が解消されます。事務所を移転する際は、この契約期間の終了に合わせて通知を行えば、契約上の問題も生じずに退去できるのですが、さまざまな事情によって契約途中で解約しなければならないこともあるでしょう。しかし、途中解約は、賃料などをめぐり貸主と借主の間でトラブルになるケースもあります。そのようなトラブルに発展しないよう、契約途中で解約できる条件やケースを紹介しましょう。

【目次】
1.契約書の解約条項を確認
2.違約金をめぐるトラブルに注意
3.中途解約条項がない場合も
4.途中解約が難しい定期借家契約
5.定期借家契約のオフィスでも解約できる場合は
6.今回のまとめ

契約書の解約条項を確認

中途解約できる条件を考える前にまず、契約書を確認してみましょう。通常、契約期間内に途中解約することになった場合を想定して、解約の手続きについて定めた「解約条項」が盛り込まれているはずです。物件によって契約の内容は異なりますが、一般的に中途解約の条項は次のようなものです。
「借主または貸主は6カ月前に予告することで、契約期間中であっても本契約を解約することができる。借主は6カ月分の賃料相当額を支払う場合、本契約をただちに解約できる」
この場合、6カ月前に予告するか、6カ月分の家賃を支払うことで中途解約できます。ただし、予告期間は物件によって異なりますので、契約内容をよく確認しましょう。マンションや戸建てなど住居用物件はおおむね1~2カ月前の予告となっていますが、事務所やオフィス用物件はたいていの場合、広さによって決められます。具体的には、25坪以上のオフィスであれば6カ月前、10~25坪のオフィスは3カ月前、10坪以下のオフィスであれば2~3カ月前というのが相場です。
ただし、貸主の意向や個別の事情によって契約内容は変わりますので、必ず契約書で確認してください。また、中途契約しなければならない特別の事情があるときは、貸主と交渉してみるのも1つの手です。また、一般的な契約に比べて予告期限が長い場合も、短くできないか交渉する余地はあるでしょう。

違約金をめぐるトラブルに注意

中途解約する場合、違約金を求められることがあります。たとえば、契約の中に「賃借人が契約満了前に中途解約した場合、賃借人は、残存期間の賃料、共益費相当額を違約金として支払う」といった条項が含まれている場合です。できれば、契約時に解約する場合の予告期間と違約金に関する条項は確認しておきましょう。できるだけ解約時に不利にならないよう交渉しておくことも大切です。
特に違約金の条項は注意が必要で、やむを得ない事情で1年以上の契約期間を残して中途解約しなければならなくなったようなときに、「残余期間の家賃相当分が違約金だ」と請求されては負担が大きすぎます。実際に違約金をめぐるトラブルは少なくありません。
裁判で争われた例もあり、4年契約の賃貸物件を10カ月で解約したテナントが3年2カ月分の家賃・共益費相当額の違約金を請求されたケースが有名です。これに対して東京地裁は、解約の原因がテナント側にあるなどの事情を考慮しても、3年2カ月の賃料、共益費相当額の違約金を請求できるという取り決めは、テナント側にとって著しく不利と判断し、1年分の賃料・共益費相当額が限度だとしました。
中途解約をされると、貸主側は次のテナントを探さなければならず、決まるまでの間家賃収入は入りません。その補償として、違約金を請求することは妥当です。しかし、3年2カ月間、次のテナントが見つからないというのは、特段の事情がない限り、あり得ません。少なくとも、その間の家賃収入が入らないすべての責任をテナント側に負わせることは妥当ではありません。したがって、裁判所は、1年前もあれば次のテナントが決まることが予想され、賃料などの補償期間は1年を限度とするのが妥当な範囲だろうと判断したということです。
もちろん、中途解約の理由がやむを得ないものであったり、貸主側にも落ち度があったりした場合は、違約金の額を減額できる可能性もあります。1年以上の期間を残して解約しなければならないときは、1年分以上の違約金を請求される可能性がないか、事前に契約書でしっかり確認しておきましょう。場合によっては貸主側に交渉を申し入れることも必要です。
違約金にかぎらず、事務所やオフィスの退去時にはさまざまな費用が発生するので、費用が適正なのかどうか、弁護士にチェックしてもらってもいいでしょう。

中途解約条項がない場合も

賃貸物件の中には、契約書に中途解約に関する取り決めが記載されていないものもあります。レンタルオフィスや店舗で見られるのですが、「退去予告をしなくても解約できるのか」と喜んではいけません。これは、中途解約ができないという意味だと理解すべきです。ですから、中途解約は契約違反ということになり、残った期間の賃料や共益費などを違約金として支払って解約しなければなりません。
違約金についての取り決めは契約書の中に書かれているはずですから、よく確認しておきましょう。もちろん、こうしたことは契約時に説明があったはずで、「知らなかった」という言い分は、よほどのことがない限り通用しません。契約したときは「中途契約することはないだろう」と思っていても、事業を行っていると不測の事態が起こるものです。先行きのことをよく考えて、契約時には契約内容を確認しましょう。

途中解約が難しい定期借家契約

知らない方も多いと思うのですが、実は賃貸契約には、普通借家契約と定期借家契約の2種類あります。ここまで中途解約について説明してきましたが、これは普通借家契約の場合についてのルールです。一般的には普通借家契約がほとんどなので、あまり問題にはならないのですが、ごく稀に定期借家契約の物件も見つかります。
普通借家契約と定期借家契約の大きな違いは、更新や中途解約ができるかどうかという点です。普通借家契約では、契約を満了すれば更新料を支払うことで引き続き事務所や店舗を借り続けることができます。中途解約も通常は事前に通告し、違約金を払うことで可能です。
ところが、定期借家契約では契約が満了すると、そのまま契約が終了して更新はできません。中途解約も原則としてできず、中途解約しようとすると多額の違約金が発生する可能性もあります。ですから、中途解約しようとしている物件が定期借家契約だった場合、慎重に検討する必要があります。
ただし、定期借家契約でも中途解約が認められることもあります。それは、床面積が200㎡未満で居住用として利用しており、やむを得ない事情がある場合です。一部を事務所や店舗として使っていれば対象となり、面積は事務所・店舗部分も含んだ全体の広さです。やむを得ない事情というのは、家族の転勤や療養、親族の介護などが該当します。周辺の環境が想定を超えて激変した場合や、事業が立ちゆかず賃料が払えなくなった場合なども契約解除できることがありますが、弁護士を入れた話し合いになるのが通例です。最後は裁判になることも少なくありません。

定期借家契約のオフィスでも解約できる場合は

定期借家契約の場合、住居として使用していなければ、契約期間中に退去できないのかといえば必ずしもそうではありません。契約内容や貸主との交渉によっては中途解約ができることがあります。1つは、期間内でも解約ができる特約を契約に盛り込むよう、契約前に貸主と交渉することです。貸主側も、建て替え予定があるなど事情があって定期借家契約にしているのであり、その分、条件も下げています。なかなか受け入れてはもらえない要望ですが、条件次第では受け入れてもらえるかもしれません。
もう一つは、違約金を支払うことです。契約で残っている期間の賃料を全額支払えば、貸主側も金銭面では異論はないはずです。ただ、定期借家契約は契約期間が長いことも多いので契約が残っている期間が長期間に及ぶと、違約金が膨らんでしまいます。基本的に定期借家契約では、契約満了まで解約ができないことになっているため交渉することも難しく、貸主にお願いして双方合意のもとで、契約を解除するという形を取らざるをえないのがほとんどでしょう。借主として誠意を尽くし、解約しなければならない事情を詳しく説明して、理解を得るのが最も円満な解決だといえます。

今回のまとめ

事業を行っていると、予期せぬ出来事が起こり、当初の計画が狂うこともあります。ずっと入居し続けるつもりだった賃貸オフィスを退去しなければならなくあることもあるでしょう。契約途中での解約も当然起こりえます。しかし、どんなに借主側に事情があろうとも、貸主側にも事情があります。急に「退去したい」と言われても、貸主側も簡単には応じられないことがあります。中途解約は、賃貸契約の中でもトラブルになりやすいものの1つです。契約書の内容をしっかり把握しておくとともに、貸主側の事情もくんで解約の時期を検討し、交渉を行うときは相手の立場を尊重して臨みましょう。信頼関係が構築できれば、貸主も事情を理解してくれて双方が歩み寄れるはずです。
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