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コラム 2022.02.10

重要事項説明書と賃貸借契約書の違いとおさえておきたいポイント


オフィス開設のため、賃貸事務所・オフィスの賃貸契約を結ぶとき、たいていの場合、「重要事項説明書」と「賃貸借契約書」を渡されます。どちらも物件についての説明や契約の条件などが記されていて、一見同じものに見えますが、どのような違いがあるのかご存じでしょうか。詳しく読んだことがないし、それぞれどういう意味を持つのか、よく分からないという方も多いでしょうが、どちらも賃貸契約においては非常に重要な書類です。2つの書類の違いと、知っておくべき大切なポイントについて説明します。あわせて、契約の流れについても、おさらいしておきましょう。

【目次】
1.重要事項説明書と賃貸借契約書は何が違う?
2.契約書に記載される内容とは
3.重要事項説明書に記載される内容とは
4.重要事項説明書で契約すべきかどうかを判断
5.重要事項説明書の提示から契約までの流れ
6.今回のまとめ

重要事項説明書と賃貸借契約書は何が違う?

「賃貸借契約書」は、土地や建物を賃貸するにあたって、貸主と借主が結ぶ契約です。家賃の額や支払日、賃貸契約の期間、物件を使用するにあたっての条件などがすべて明記されていて、この内容に基づいて、貸主と借主は互いに義務を果たし、権利を主張できます。契約書の一種ですので、法律や不動産に詳しくない人でも、どのような内容で、どのような効力を持つのか、だいたいは想像がつくでしょう。
一方、重要事項説明書は、契約前に仲介の不動産会社が、物件を探している顧客に渡すものです。おおむね内容は契約書と同じですが、契約内容以外の物件の状態などについても記載されています。法律で、不動産業者は重要事項説明書をもとに物件や契約内容について口頭で説明することが義務づけられています。
これは不動産に関する知識の乏しい消費者が、不利な条件で契約を結んでしまわないようにするのが目的で、要するに、契約内容について専門知識を持つ不動産業者が事前に説明し、消費者の判断材料にしてもらおうというものです。これによって、借主が損害を被ったり、トラブルに巻き込まれたりすることを防ぎます。そのため、不動産業者が仲介せず、貸主と借主が直接契約を結ぶ場合などは、重要事項説明書は作成されません。
契約書は、貸主と借主の双方が署名捺印して互いに1通ずつ持つのに対し、重要事項説明書は仲介を行う不動産会社と借主が署名捺印して、互いに1通ずつ持ちます。

契約書に記載される内容とは

賃貸借契約書は、貸主が借主に対して建物を使用させることを認め、その代わりに借主が賃料を支払うことを契約する書類です。ほかの契約書と同様、民法に基づいて効力を持ちます。
貸し事務所・オフィスの賃貸借契約に記載される内容は次のとおりです。

契約当事者

契約の当事者である貸主と借主を特定し、双方が署名捺印します。最近は電子署名による電子契約書も増えてきましたが、どのような形であれ、本人が内容を理解したうえで、署名やサインをすることが大切です。
また、仲介業者が間に入っている場合は、契約の相手方と直接やりとりをしないこともあります。そうした場合も、契約相手については、自分でしっかり確認しましょう。

物件の特定

契約書には賃貸借契約の対象となる物件が明記されます。
所在地や家屋番号、種類、建物の構造、床面積なども明記されていますから、不動産登記簿と照合して、間違いがないかをしっかりチェックしてください。特に建物の構造は、木造・鉄筋コンクリート・鉄骨鉄筋コンクリート・軽量鉄骨などの種類があります。耐震性や防音性にも影響しますので、確認を怠らないようにしましょう。

使用目的

事務所や店舗などを借りる場合、通常は使用目的が制限されます。「事務所」「店舗」「倉庫」「住宅兼事務所」などと使用目的が明記され、目的以外の用途に無断で使用すると、契約違反になります。法律や条例で、用途に制限が設けられている場合もあるので気をつけましょう。使用目的に違反すると、契約を解除されたり、損害賠償を請求されたりすることがあります。

契約期間と契約の更新

賃貸契約には通常、期限が設けられます。たいていは2年契約ですが、事情によっては3年~10年のこともあります。契約期間が満了すると、互いに異議がないかぎり、双方の合意で契約が更新されます。このとき、更新料が発生することもありますが、こうした更新手続きについても契約書には記載されます。
うっかり更新手続きを忘れても、すぐに契約が終了するわけではなく、法律では、貸主側が契約満了の6カ月前までに「今回かぎりで次の契約を更新しない」などの通知をしなければ、契約が更新されることになっています。また、貸主側から一方的に更新しないことを通知しても正当な理由がなければ認められません。
法律は、弱い立場になりがちな借主側に有利な内容となっており、貸主側としては注意が必要です。契約打ち切りの通知方法については、法律で定められていませんので、通常は契約書の中で「書面にて通知する」など通知方法が決められています。

賃料・共益費・遅延損害金

契約書にはもちろん、家賃や共益費、光熱費の額や支払い方法なども明記されます。毎月必要な費用だけでなく、家賃など滞納したときの遅延損害金についても定められており、自分たちにとって不利益な内容になっていないことを確認します。細かな点では、月の途中で入退去するときの家賃などが日割り計算になるかどうかも重要なポイントです。
また、家賃額の引き上げや引き下げをする場合の取り決めも記載されます。経済状況が大きく変動した場合には、双方に家賃の増額や減額を求める権利があり、時には裁判にまで発展することもあります。

中途解約の定め

賃貸借契約の契約期間中に、借主や貸主から契約の中途解約を求める場合の、取り決めも契約書には明記されます。
借主側から中途解約を求める場合、一般の住宅では「1カ月~2カ月前に申し入れる」とされることが多いのですが、事務所・オフィスの場合は「3カ月~6カ月」とされることも多いようです。違約金の支払いが必要な場合もあるので、内容をよく確認しましょう。
貸主から中途解約を求める場合は正当な理由が必要で、6カ月前までに通告しなければなりません。これは、借主側を保護するために法律で定められた規定で、この規定に反する内容を契約書に盛り込んでも無効になります。

重要事項説明書に記載される内容とは

重要事項説明書は、契約書に盛り込まれる内容について、あらかじめ不動産仲介業者が借主に説明し、判断材料にしてもらうためのものです。仲介業者は、この書面をもとに口頭で説明しなければなりませんが、説明は宅地建物取引士という資格を持った人しかできません。また、契約書の内容以外にも重要な事項が記載されているので、しっかり確認しましょう。
重要事項説明書には契約条件以外に、次のような事柄が記載されています。

仲介不動産会社について

仲介する不動産会社の代表者、所在地、連絡先。説明を行った宅地建物取引士の氏名が明記されます。宅地建物取引士は国家資格で、宅地建物取引の専門家として、消費者が安心して不動産取引を行えるよう公正で誠実に事務を行わなければなりません。

建物の権利に関する事項

抵当権の設定や差し押さえの有無など、登記簿謄本をもとに土地・建物に関する権利関係についても記載されます。権利を確認しないまま契約を結ぶと、思わぬトラブルに見舞われてしまいます。

法令上の制限や建物の耐震性、危険区域などのリスク

都市計画法や条例によって土地建物の使用方法に制限がかけられていることがあります。そうした用途の制限について記載されています。また、石綿の使用の有無などや耐震性などのリスクについても触れられます。
2020年からはハザードマップに基づいて、洪水や高潮などの自然災害のリスクについての説明が義務化されました。万が一のときに備えて、そうしたリスクについても理解しておきましょう。

管理業務を行う業者や緊急連絡先

建物の管理業務を請け負っている業者の名称や所在地、入居後に何かあったときの緊急連絡先などが記載されます。

重要事項説明書で契約すべきかどうかを判断

重要事項説明書には、契約書の内容に加え、建物に入居し続けるうえで重要なことが記載されています。
賃貸契約を結ぶにあたっては、立地条件や外観、内装なども大切ですが、契約条件も忘れてはなりません。重要事項説明書を渡されて説明を受けたら、重要なポイントを確認し、疑問に思う点があれば、迷わずに質問しましょう。重要事項説明書の内容で、特に注意したい点について説明します。

設備の整備状況

重要事項説明書には、水道やガス、電気、下水道などのインフラ整備状況が記載されています。ガスであれば、地域によって都市ガスとプロパンバスに分かれ、オール電化の物件もあります。地方都市であれば、下水道が整備されていない地域もあります。インフラの整備状況によっては、月々の光熱費も変わってきますのでよく確認しましょう。
インフラ整備状況だけでなく、設備の設置状況も重要です。照明やエアコンが最初から設置されているかどうかで内装工事の内容も変わりますし、共用部分の設備についても確認しておきましょう。細かな点では、トイレに温水洗浄便座が設置されているかどうかも、働く人にとっては気になるところでしょう。

更新手続きの方法

更新手続きに関する条件についても、しっかり確認しておきましょう。特に、契約満了前に中途解除する場合の、通告期限や違約金に関する取り決めは重要です。違約金については、契約の残り期間の家賃相当分とすることが多いのですが、残り期間が1年以上ある場合、違約金の額をめぐって裁判になることもあります。
貸主側からの中途解除の申し出は、正当な理由がなければ認められません。そのあたり、法律に則した内容となっているかも確認しておきましょう。このほかにも、管理会社の連絡先や、ゴミの処分のルールなど入居するうえで、知っておくべき内容も重要事項説明書には記載されています。

重要事項説明書の提示から契約までの流れ

重要事項説明書がどのようなタイミングで提示され、その後、契約締結までどのように進められるのかを説明しましょう。
気に入った物件が見つかれば、不動産仲介業者に申込みを行い、審査を受けることになります。審査では入居者としてふさわしいのか、家賃の支払い能力はあるのかといった点がチェックされます。審査に通れば、重要事項説明書が渡されて不動産会社の宅地建物取引士による説明が行われます。契約する予定の物件の構造や使用するにあたっての決まりごとなど、細かな契約内容を確認するための説明を受け、内容に問題がなければ貸主と借主双方が合意したことになります。
この後、借主は契約金を支払って契約を結びますが、契約書の内容は重要事項説明書に書かれたものと同じはずです。念のため、あらためて確認しておきましょう。

今回のまとめ

契約書と重要事項説明書は基本的に同じ内容の書類ですが、目的が異なります。また、契約書は貸主と借主が結ぶもので、重要事項説明書は不動産会社が借主に発行するものと、書類を交わす相手も違います。
「どちらも同じことが書いてあるのだし、契約内容なんて、どこが相手でも同じだろう」と考えてよく目を通さない人もいますが、後で契約をめぐってトラブルにならないよう、両方の書類に目を通すことは大切です。特に、重要事項説明書は、最終的に契約を結ぶのかどうか判断するための書類です。しっかりと内容を確認し、「こんな契約になっていたとは」と後悔しないようにしましょう。
名古屋に本社を構えるオフィッコスは、オフィスや店舗などの賃貸仲介を専門に扱っている企業でございます。2012年の設立以来、多くのお客様からご利用いただき、ご希望に沿える物件をご案内できるよう、日々情報収集に努めております。常時50,000件以上の物件情報を有しており、ホームページに掲載していない情報も多数ございますので、オフィス・店舗の開設や移転を検討されている事業者様は、お気軽にお問い合わせください。

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