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コラム 2021.05.25

シェアオフィス・レンタルオフィスは借地借家法が適用されるのか


借地借家法は、賃貸物件の借主を保護する内容がメインとなっている法律です。居住用物件だけでなく賃貸オフィスにも適用される同法ですが、シェアオフィスやレンタルオフィスにも適用されるのでしょうか。今回は、シェアオフィス・レンタルオフィスと借地借家法との関係について見ていきましょう。

【目次】
1.借地借家法はシェアオフィス・レンタルオフィスを想定していない
2.レンタルオフィスには借地借家法が適用され、シェアオフィスには適用されない場合が多い
3.シェアオフィスに借地借家法が適用されるケースについて
4.今回のまとめ

借地借家法はシェアオフィス・レンタルオフィスを想定していない

借地借家法は、明治時代から大正時代にかけて制定された3つの法律を統合したものです。統合前の旧法が制定された時代には、シェアオフィスやレンタルオフィスはまだ存在していませんでしたので、借地借家法はそうしたごく新しいスタイルの賃貸物件を想定しておらず、直接的な言及はありません。そのため、借地借家法がシェアオフィスやレンタルオフィスに適用されるかどうかは、過去の裁判例に基づき判断することとなります。

レンタルオフィスには借地借家法が適用され、シェアオフィスには適用されない場合が多い

シェアオフィスに明確な定義はありませんが、「複数人(複数企業)で一つのフロアを利用するタイプのオフィス」であるとした場合、契約の形態としてはオフィス機能というサービスを目的物とした利用権契約となります。他方、レンタルオフィスは、業務を行う上で必要となるデスク、チェア、複合機、インターネット回線、電話回線などのインフラや設備が完備された状態の賃貸オフィスであり、物件自体を目的物とした賃貸借契約となります。
そうした契約形態の違いから、シェアオフィスには借地借家法は適用されないのが基本で、レンタルオフィスには適用されます。ただし、シェアオフィスにも同法が適用となる場合がありますので、それについては次章で解説します。

シェアオフィスに借地借家法が適用されるケースについて

通常は借地借家法が適用されないシェアオフィスですが、適用されるとした判例もあります。これは、同法の適用あるいは非適用が、利用スペースの構造や状態によって判断されるためです。
デスク1台を入れるのが精一杯といったようなごく手狭なスペースであっても、共用スペースとは明確に区分された独立性の高い専有空間となっていれば、「建物」に該当すると解釈されます。具体的には、床から天井まで届くパーティションで囲まれ、ドアで仕切られたブースのイメージです。そうした場合、その専有スペースの契約は「賃貸借契約」であるとみなされ、借地借家法も適用されることになります。
なお、適用・非適用の判断が借地借家法内で明確に規定されているわけではありませんので、どのくらいの高さのパーティションなら独立した空間とはみなされるかといった点についてはケースバイケースとなります。

今回のまとめ

借地借家法は新しいスタイルのオフィスを想定した内容とはなっていないため、シェアオフィスなどに同法が適用されるかどうかについては過去の判例をもとに判断することになります。一般的な解釈としては、レンタルオフィスには借地借家法が適用され、シェアオフィスには基本的には適用されません。ただし、賃貸スペースの状況、そこから結論づけられる契約形態に基づいて判断されるので、シェアオフィスであっても共用スペースとは別の独立性の高い空間を借りている場合には借地借家法が適用される傾向です。
賃貸オフィスの利用を検討する際は、借主を保護する借地借家法が適用されるかどうかといった視点も持つと、将来的な安心という要素を検討材料に加えたオフィス探しをすることができるでしょう。

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