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コラム 2021.03.08

賃貸オフィス・賃貸事務所で保育施設を開業する方法・注意事項


待機児童問題がなかなか解決されない中で、都市部において既存の賃貸物件を保育施設として利用する動きも出ています。一般の賃貸オフィス向け物件は、保育施設向けに作られていないため、開業するにはさまざまな基準をクリアすることが重要です。この基準がクリアできないために、開業を断念するケースも多いのです。では、どのような基準があるのか、今回の記事で解説します。

【目次】
1.保育施設としての基準が満たせないと開業できない
2.用途変更の確認申請が最も大きな壁となる
3.オフィス物件に保育施設を開業するのは可能なのか?
4.今回のまとめ

保育施設としての基準が満たせないと開業できない

保育施設には、主に認可保育施設(保育園、認定こども園、小規模保育施設、事業所保育施設)と認可外保育施設があります。保育施設を開業するには、オーナーの許可を得るのは当然ですが、そのほかにも該当する部屋を建築基準法・バリアフリー法・児童福祉法に適合させないといけません。
具体的には、部屋の面積・調理室などの設置義務・採光に有効な窓の取り付け・直通階段の数・防火のための間仕切り壁・二方向への避難経路・非常口の確保など、多くの課題をクリアさせることが必要なのです。さらに、自治体の条例によっては、福祉施設を設置する際には、たとえ小規模であってもバリアフリー法に適合させないといけません。このバリアフリー法に基づき、「福祉のまちづくり条例」も定められ、建築確認や検査の際に適合することが求められます。知事がやむを得ないと判断されれば、緩和される場合もありますが、現状はかなり困難です。
既存の賃貸物件を、一室のみ改装して保育施設にするハードルが高いのには、このような理由があげられます。

用途変更の確認申請が最も大きな壁となる

賃貸オフィスビルを建築した時点では、使用用途は事務所となっている場合が多いでしょう。保育施設にしたい部屋の面積が200㎡を超える際、この用途を保育施設へと変えるためには、確認申請という手続きが必要です。
しかし、確認申請をするために必要な「検査済証」を、多くのオーナーが保管していないという事実があるのです。検査済証は、建物が竣工する時点で発行されるため、古い物件やオーナーが入れ替わっている物件などで保管されていないケースが多く見られます。
検査済証がないと、建物が適法である証明ができないため、用途変更もできなくなってしまいます。なお、検査済証は再発行が不可能ですが、建築確認台帳に記載されている物件であれば、「台帳記載事項証明書」の交付を依頼できます。ただし、建築から相当年数経っている物件や、台帳が存在していない物件では、証明書の交付もできない可能性があります。この場合、ガイドラインに沿って用途変更の確認申請を行いますが、一室のみ用途変更するのは費用や期間の負担が大きく、断念する事業者がほとんどなのです。

オフィス物件に保育施設を開業するのは可能なのか?

オフィス物件に保育施設を開業するのは不可能ではありませんが、これまでご紹介したようにかなりハードルが高いのです。ご紹介した条件以外にも、新耐震基準によって建築されている・最低10年以上の契約期間である・周辺環境が保育施設に適している・抵当権などの制限物権がついていないなど、既存物件では条件が厳しいところがほとんどです。
この条件をクリアできる物件を探すのは容易ではありませんが、地道に物件をあたっていくのが近道と言えるのかもしれません。

今回のまとめ

オフィス向けの賃貸物件を保育施設として利用するには、数々のハードルをクリアしなければいけません。希望に近い物件が見つかったら、ぜひ一度オーナーに相談されることをお勧めします。

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