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オフィス環境の作り方

2023.02.03

オフィスを模様替え!レイアウト変更の手順と注意点、業者委託が必要な基準とは

どんな企業でも、オフィスのレイアウトは慎重に検討して決めるもの。
でも時間が経つごとに、
「物が増えたり人が入れ替わったりしているうちに不便が出てきた」
「増員を機に模様替えをしたい」
など、レイアウトを変えたくなる時がやってくるでしょう。

オフィスは一般の住宅以上にレイアウトの変更が大変ですし、判断を間違えるともっと使いにくくなる恐れもあります。
そこで今回は、オフィスのレイアウト変更を成功させるための変更手順や注意点、業者委託を依頼する基準を解説します。
ポイントを押さえて、理想のオフィスレイアウトを作りましょう。

レイアウトを変更するメリット3つ

オフィスのレイアウトを変更する主なメリットには

①作業効率が良くなる
②気分が一新され、従業員のモチベーションが上がる
③コミュニケーションが取りやすくなる

などがあります。

動線が良くなったり、雑多に管理されていたものが整えられたりすると、作業効率が上がります。
レイアウト変更を機に個人デスクを整理整頓したり、古い備品を買い替えたり、便利な機器を導入したりすることも多いので、働く人の気分も明るくなります。

また、特に近年は、新型コロナウイルス感染症拡大で出社人数が減少し、コミュニケーション不足が問題視されています。
出社した際に、会話が促されやすいオフィスにしておくのも良いでしょう。個人デスクを廃止し、フリーアドレス方式にする企業も増えています。

レイアウトの変更手順

レイアウトの変更は、思いつきで行動せず、手順を踏むことが大切です。手戻りを減らし、失敗や無駄を最小限にできるからです。
ここでは、レイアウト変更の流れを解説します。

①現在の問題点を洗い出す

まずは、いま何に困っているのかを具体的にピックアップします。

  • 人が多すぎる
  • 物が多すぎる
  • 通路が狭すぎる
  • デスクが余っている
  • オンラインミーティングがしづらい
  • チームメンバーの席が離れている

など、問題点はオフィスにより異なります。
その際、実際に働く従業員の意見を反映させることが大切です。従業員にアンケートなどを取り、まとめておきましょう。

②問題点の優先度を判断し、変更目的を明確にする

問題点を洗い出したら、次は優先順位付けです。
全てを改善するのは難しいため、レイアウト変更を考えるきっかけになったことや、従業員の意見を頭に置き、優先度を判断します。

そうすることで、何を解決するのが目的のレイアウト変更なのかが明確に定まります。

③目的を踏まえてレイアウトを検討する

変更目的がはっきりしたら、いよいよ新しいレイアウトの検討です。

大がかりなレイアウト変更の場合は、まずは、執務室、会議室、役員室など、どの部屋をどこにするかを決め、次に各部屋のレイアウトを決めていきます。

主に悩むのは執務室だと思いますので、代表的なデスクの配置と特徴を下記の表にまとめました。

レイアウトスタイル 特徴
対向式 デスク同士を向かい合わせにしたレイアウト
・チームの連携が取りやすい
背面式 1つのグループが背中合わせにしたレイアウト
・プライバシーを守りながらコミュニケーションも取れる
同向式 全てのデスクが同一方向を向いたレイアウト
・視線を感じにくく集中しやすい
フリーアドレス式 固定席を持たず自由に席を移動できるレイアウト
・省スペース化できコミュニケーションも取りやすい

④自社作業と外注部分を切り分ける

デスクや棚の配置を変えるだけの模様替えでも、オフィスとなると従業員だけでは難しくなることがあります。

詳しくは後述しますが、例えば電源工事にミスがあると業務が止まる恐れがありますし、デスクや家具を別の階へ運ぶとエレベーターなどの共用部を傷つける可能性があります。

レイアウト変更作業当日に自社では難しいと判明しても、すぐに業者に依頼するのは難しいですし、緊急なので費用も高額になります。
予算もあるためつい「自社でできる」と甘く判断しがちですが、自社で行う作業と業者にお願いする作業を慎重に切り分けておきましょう。

⑤見積もりを取り、業者を選定する

外注する箇所は、必ず相見積もりを取ってから、業者を選定します。アフターフォローの有無も必ず確認しておきましょう。
外注する理由やレイアウト変更の目的などの前提もきちんと伝えると、業者も状況を理解しやすく、親身な提案をしてくれます。
どうしても予算内に収まらない場合は、自社で対応できる部分があるかどうかを相談してみてください。

⑥スケジュール調整をする

業者が決定したら、スケジュールを組みます。
通常業務に支障が出ないよう、また不測の事態に備えられるよう、最初は余裕をもったスケジュールにしておくのがポイントです。

従業員には早めに告知し、慌てずに個人デスクやロッカー内の片付け、書類の整理などができるようにしておきます。

オフィスの一時移転を伴う大規模な工事が必要なケースでは、社外へのお知らせや郵便物の転送、ホームページの更新なども忘れずスケジュールに入れておきましょう。

⑦レイアウト変更を実施する

業者がメインで作業をする場合は、先に業者に入ってもらい、終わったら自社で細かな作業をするのが一般的です。
そのため、前日までに業者が作業しやすい状態にしておかなければなりません。
このあたりの考え方は、住宅の引っ越しと同じです。

自社で作業しつつ必要に応じて業者が入る場合は、出入りや作業時間のスケジュールを細かく把握しておく必要があります。

いずれの場合も、当日指揮を取る担当者を決めておき、何か不備があった際にすぐに対応できるようにしておきます。タイムスケジュールやToDoリストを活用するとスムーズです。

また、従業員全員にタイムスケジュールを共有しておくと、通常業務と並行する場合でも影響が出にくくなりますし、担当者が席を外した際にもある程度対応できます。

⑧レイアウト変更についての振り返りを実施する

レイアウトの変更が完了したら、振り返りをしましょう。

直後は当日の手順や漏れについての反省。
新レイアウトを1週間〜1ヶ月ほど試してから、使い勝手の確認、予算と実際かかった費用の差、業者の選定などをあらためて振り返ります。

課題が見つかった場合は、再度レイアウトを微調整しましょう。業者に依頼した部分でも、アフターフォローのサービスがある業者なら対応してくれる可能性があります。

自社 or 業者?住宅の模様替えとは違う費用のかけ方

オフィスの模様替えは、一般の住宅とは違い、業者に依頼しなければならない箇所が出てきます。
ここでは、変更時の費用についてご紹介します。

レイアウト変更時にかかる費用

ここでは、レイアウト変更時にかかる費用をまとめています。

必ずかかる費用

  • 不用品の廃棄物処理費用:7万円~15万円
  • 梱包材などの諸費用:梱包材1つ500円~1,000円
  • 新しい家具・備品の購入費用:15万円
  • 担当者の人件費

担当者の人件費は、支出ではありませんが、内部的なコストになります。

外注する場合の費用

  • レイアウト設計費用:20万円~50万円
  • 電源や配線の工事費用:1坪9万円~10万円
  • レイアウト変更費用:1坪1万円~2万

業者委託を判断するポイント

自社で行うか業者で依頼するか判断に迷うこともあるでしょう。
業者でないと難しいものは、

  • 電源・配線・通信関係の工事
  • カーペットや床の貼り替え
  • 大型家具の運搬
  • 大幅な移動
  • 階をまたぐ移動
  • 大きい物や大量の廃棄物処理

などです。
電源工事の類は、ミスがあると通常業務が止まってしまうので、プロにお任せしましょう。

レイアウト変更の費用を抑えるコツ

節約のためにできるだけ自社で、と考えすぎると、逆にリスクが高くなることがあります。
しかし、自社でできることまで外注する必要はありません。

例えば、家具の購入は業者に依頼するとメーカーも限られ高くなる可能性があります。自社で手配すると良いでしょう。費用を抑えられるだけでなく、デザインの幅も広がります。

また、業者の委託先はできるだけまとめることで割安に対応してもらえることもあります。やり取りの手間も省けるのもメリットです。

オフィスレイアウト変更時の注意点5つ

レイアウト変更時には注意してほしい点がいくつかあります。
失敗を防ぐために、次の5つに気を付けて変更計画や作業をしましょう。

①最後までレイアウト変更の目的を忘れない

計画を進めていくうちに、本来の目的を見失ってしまうことが多いです。
例えば、目的が「収納を増やす」なのにデザイン優先で棚を選んでしまったり、個人デスクまわりに予算を使いすぎたり、といったことです。
計画の途中で偏りが出てきやすいため、定期的に目的を振り返り、何のために変更するのかを忘れないようにしましょう。

②責任者があいまいにならないようにする

レイアウト変更にまつわるタスクは多岐にわたるため、責任の所在が曖昧になりがちです。
上司が進捗を確認したくても、誰に聞けばいいのかわからない、といった事態になることも。

役割分担は必要ですが、計画を全て把握している総責任者がいるようにしておきましょう。安心して任せられますし、業者とのやり取りも円滑に行えます。

③セキュリティ対策を行う

特にレイアウト変更当日は業者など社外者の出入りが増えます。普段はICカードで入退室管理しているドアが開放されることも少なくありません。

万が一の盗難に備え、セキュリティ対策を徹底しておきましょう。機密書類や重要書類は鍵のかかる別室にまとめておくと安心です。

④家具や備品の紛失対策を行う

レイアウト変更時には家具や備品の廃棄物が大量に出るため、誤って処分したりどこに片付けたかわからなくなったりしないよう対策する必要があります。

箱を色分けする、廃棄物を置くエリアを作るなどして、廃棄する物と必要な物は誰が見てもわかるようにしておきましょう。レイアウト変更後に確認できるよう、備品リストを作るのも役立ちます。

また、個人の物は各自で管理できるよう、名前を書いた箱を用意します。個人ロッカーがあり、ロッカーの移動がない場合は、すべてロッカーに入れておくのが確実です。

⑤業者選びは慎重に行う

業者に依頼する場合は相見積もりを取り、価格とサービス内容が妥当かをどうかよく確認してください。
より良い案を積極的に提案してくれる、削っても問題ない所を考えてくれるなど、親身になってくれる業者は信頼できます。

今回のまとめ

今回は、オフィスのレイアウトを変更する際の手順や注意点、業者委託する場合の基準を解説しました。現在の問題点を洗い出して目的を明確にし、変更計画を立て実行しましょう。
業者に依頼するか自社で行うかの基準も、一般住宅の模様替えとは異なるので慎重に判断してください。
本記事を参考に、働きやすいオフィス作りをしましょう。

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