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安全なオフィス・事務所の環境整備に必須となる避難経路の確保と防災備品
オフィスを快適なレイアウトにしたいと考える方が多い一方で、忘れてはいけないのが避難経路の確保です。万が一地震や水害といった災害が起きた場合は、避難経路を通って安全な場所に行かなければなりませんが、レイアウトばかりを気にしていると安全に移動できない恐れもあるため注意が必要です。
ここでは、安全なオフィスに必要な避難経路と用意しておきたい防災用品について解説しますので、避難経路を作っていない、防災用品をなにも用意していない方はぜひ参考にしてください。
1.避難経路や経路幅も考慮したオフィス・事務所のデザイン
2.避難時の経路幅を考慮したオフィス・事務所は働きやすさも向上
3.防災対策として準備しておきたいオフィス・事務所の備品の種類
4.今回のまとめ
避難経路や経路幅も考慮したオフィス・事務所のデザイン
安全なオフィス作りをする際にチェックしたいのが廊下の幅です。狭い廊下だと災害時に移動が困難になり、逃げ遅れる人が出るかもしれませんので、安全さとスムーズさを両立できる幅を確保してください。
オフィスレイアウトの際に気を付けたいのが建築基準法や消防法です。建築基準法では廊下幅を1.2~1.6m以上確保することが義務付けられているため、廊下に1.2m以上の幅があるかを再度確認しましょう。(廊下の一部に柱がある場合は柱部分の最も狭い場所を計測します。)
消防法では通路の幅が指定されていないものの、避難経路の確保が求められています。オフィスから非常口までの経路がきちんと確保されているかが重要視されるので、避難経路に障害となるオフィス用品を置かないようにしてください。
次に、避難経路と廊下幅を確認した後は、オフィスのレイアウトについて考えていきましょう。オフィスには社員用のデスクやオフィス用品の収納棚、来客用のテーブルセットなど様々なものを配置します。配置場所に指定はないものの、避難経路をふさがない場所に置くことを心がけてください。
高さのある収納棚が地震によって倒れると、付近にいた人が下敷きになるかもしれませんので、収納棚を設置する場合は固定しておくことが大切です。収納棚だけでなく、高さのあるオフィス家具はすべて固定しておくのがおすすめです。
固定方法には床と天井があり、どちらもボルトを使用すればしっかりと固定できます。ボルトでの固定はコンクリート素材であることが前提条件なので、壁や床の素材を確認しておき、コンクリート以外の素材を使っている場合は素材に合った方法で固定してください。
ひとつの部屋に社員が仕事をするスペースと応接スペースがある場合は、仕切りとしてパーテーションを使うケースも多いかもしれません。パーテーションは高さが幅広く用意されているため、しっかりと区切りたいのであれば天井ほどの高さがあるタイプを選ぶことになるでしょう。天井と同等の高さがあるパーテーションの設置は防火対象物使用開始届の申請をしなければなりませんので、高さのあるパーテーションを使用する場合は忘れずに届け出てください。
高いパーテーションを設置する時は届け出るだけでなく、スプリンクラーの設置も必須ですが、こちらも消防法によって義務付けられているので、パーテーション設置部分にスプリンクラーがない場合は後付けで追加してください。
高さがさほどないパーテーションは届け出の必要もスプリンクラーの設置も必要ありませんが、床に固定しておきましょう。パーテーションは安定性に優れているわけではないので、地震の揺れによって転倒する可能性があります。避難の妨げになるため、収納棚同様に床に固定してください。
避難時の経路幅を考慮したオフィス・事務所は働きやすさも向上
避難経路を確保し、震災時のトラブルに備えた対策を実施しているオフィスは働きやすいところが多くなっています。通路に無駄なものが置いておらず、社員のデスク間や応接スペースとの間に幅があれば就業中の移動もスムーズですし、それに加えてオフィス用品がきれいに整理整頓されていれば、快適さと働きやすさ両方を手に入れられるでしょう。
避難経路の確保や高さのあるオフィス家具の固定さえしておけば災害時の大きなトラブルを最小限に抑えられます。しかし、オフィス内の細かい部分にも災害対策はできるため、必要だと思える対策があればすぐに実践してください。
高さのある家具の固定は必須ですが、デスクを固定しておけば地震が起きた時に身を隠せ、全身を落下物から守れますので、社員用のデスクなども固定しておくことがおすすめです。また、避難経路近くにロックしていないコピー機を置いておくと、震災時に動いて経路をふさいでしまうかもしれませんので、コピー機などの大型オフィス家具は動かないようロックしておきましょう。弱い揺れでは動かないものの、強い揺れだと動く恐れがあるので注意が必要です。
キャスターが付いているオフィス家具があれば、すべてロックしておけば家具が動くことはないため、災害時に避難の邪魔をしません。移動が必要な時はロックを外せばスムーズに動かせるので、必要な時以外はロックをするのがおすすめです。
地震が頻繁に起きている、または地震対策を万全にしたい方は壁や床への固定に加え、ベルトで壁に連結してください。対策を万全にしておけば強い揺れが生じた時もオフィス家具は動きにくくなります。
オフィスの窓ガラスには飛散防止フィルムを貼り付けましょう。地震や火災発生時、災害が原因でガラスが割れることは少なくなく、割れたガラスで社員がケガをするリスクに加え、建物の外にいた人がガラスをかぶってしまう可能性があります。
飛散防止フィルムを貼っておけばガラスが割れても飛び散りにくくなるので、ガラスによる怪我の心配がありません。飛散しにくいとはいえ割れたガラスで怪我をする可能性は十分にあるので、災害時はガラス部分に近寄らないようにしてください。
細かな部分への対策を済ませたら、オフィス家具を見直しましょう。オフィス家具は日常的に使用するものなので、社員のモチベーションや作業効率が上がるようなデザインがおすすめです。
災害時の対策を万全にしておくことはとても重要ですが、社員が働きやすさを感じられるオフィス家具を用意することも大切なので、快適に仕事ができるレイアウトにしてください。
防災対策として準備しておきたいオフィス・事務所の備品の種類
オフィスのレイアウトを考えたら、防災用品の準備も進めておきましょう。防災用品は災害時に役立つため、用意しておいて損はありません。用意する際は用意する品と場所を社員全員に周知してください。社員が防災用品の場所を知らなければ活用できないため、わかりやすい場所に置いておくことも大切です。
災害時のライフラインともいえる水は多めに用意しておくことがおすすめです。地震などによって建物が倒壊し、オフィスに閉じ込められた場合は救助が来るまでオフィス内で過ごさなければならず、人間は水分がなくなると脱水症状を起こす恐れがあるので、生き延びるためにも水は必須です。
飲料水を選ぶ時は消費期限が長いものを選んでください。水によって期限が異なり、1年先までしか持たないものから5年ほど持つものもあり、5年ほど持てば頻繁に飲料水を入れ替える必要もないので、手間を減らせるでしょう。
飲料水と一緒に用意しておきたいのが食品です。食品を選ぶ時は保存期間が長く、少量でしっかりと栄養素を摂取できるものがおすすめです。味噌や梅干し、チョコレート、アルファ化米はたっぷり栄養素が含まれているため、多めに用意してください。
食品は、飲料水があるので、カップラーメンなどの消費期限が長いものを用意しても良いでしょう。レトルト食品も常温で食べられるものであれば電子レンジがいらないので、緊急時の食品として活用できます。
他にも、包帯やばんそうこう、消毒液といった医療用品も準備しておいてください。オフィス内に閉じ込められた場合、救助がくるまで耐えなければならず、怪我をしている状態で放置すると化膿する恐れがあるので、できるだけ早めに処置する必要があります。日常生活に置いて怪我をすることもあるため、災害時以外でも使えるよう準備しておきましょう。
これに付随して、建物倒壊時に瓦礫に足を挟まれた場合に使える工具や、立ち上がれないほどの怪我をした人を運び出す担架も用意してください。担架や工具は日常に置いて使う機会がないため、定期的に防災訓練を行い、その際に担架や工具の使い方を社員全員にレクチャーしましょう。
その他に用意しておきたいものとして、手動の充電器やライト、簡易トイレがあります。建物内に閉じ込められても、スマートフォンがあれば外部に連絡できます。救助が必要なことや建物内のどこにいるかを伝えられるため、いち早く安全な場所へと向かえるのです。ただし、スマートフォンの充電が切れていては意味がないため、電源なしで充電できる手動タイプの充電器を用意しておきましょう。
災害時は停電が起こる可能性も高いので、明かりを用意しておくことも大切です。明かりのない真っ暗な場所にいると不安な気持ちが強くなるため、精神衛生上良くありません。冷静に救助を待つためにも、複数のライトを用意しておいてください。
また、緊急時でも生理現象は必ず起こるため、簡易トイレも揃えておきましょう。トイレのない場所では用を足せませんが、簡易トイレがあれば我慢によるストレスや体調不良を防げます。
防災用品には数多くのものがあり、すべてを揃えることは難しいものですが、飲料水や食品、医療用品などの必須とも言えるアイテムは忘れず用意しておくことをおすすめします。
今回のまとめ
災害対策を万全にしたオフィスを作るには、通路幅の計測や避難経路の確保、レイアウトの見直しなどが必要です。通路幅は建築基準法によって定められているため、基準に則って避難経路も確保しましょう。
現在のオフィスレイアウトが災害時のリスクになりうる場合は、早急に見直すことがおすすめです。避難経路周辺にオフィス家具を置かない、家具を固定するなどの対策だけでなく、働きやすさも重視した配置を考えてください。
防災用品の準備を万全にしておけば、災害時の生存率を高められます。飲料水や食品は消費期限があるので、できるだけ期限が長いものを選ぶことが大切です。
さまざまな対策を実施した上で、安全性と働きやすさを兼ね備えたオフィスを作り上げてください。
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