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事務所・オフィス・テナントの移転後に必要な税務署への手続き
さまざまな事情で、事務所やオフィス、テナントなどを移転する企業も増えていますが、移転時には複数の官公庁への届け出が必要です。届け出る官公庁のひとつに税務署がありますが、税務署への届け出はどのような手順を経て行うと良いのでしょうか。移転時に行うべき手続きは、税務署以外にもたくさんあるため、ひとつずつ確実に手続きしなくてはいけません。今回の記事では、移転後に必要な税務署への手続きを、詳しく解説します。
【目次】
1.税務署へ届け出る前に何をしたらいいのか?
2.税務署への届け出はどの書類を提出するのか?
3.書類の提出方法はどうしたらいいのか?
4.今回のまとめ
税務署へ届け出る前に何をしたらいいのか?
税務署へ移転の届け出をする前に、まず法務局で移転登記手続きを行いましょう。これは、提出書類の中に、登記簿謄本(履歴事項全部証明書)の提出が含まれるケースが多いためです。最初に登記の移転手続きを行っておくと、その後の手続きがスムーズに進められます。
移転登記申請の提出期限は、移転日から2週間以内(本店を移転する場合)と決められており、期限を過ぎてしまうと100万円以下の過料を科せられる可能性があります。このため、移転後すぐの登記申請が必要なのです。
税務署への届け出はどの書類を提出するのか?
税務署へ届け出る書類は、「異動事項に関する届出」および「給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」の2点です。どちらの書類も、基本的には添付書類は不要となっていますが、窓口によって異なる場合があるため、提出先の税務署へ確認しておくと準備しやすくなります。なお、登記申請書の提出は不要です。異動届出は、移転後すぐの提出が求められます。事務所等の移転届け出は、移転後1か月以内の提出となっていますが、忘れてしまうおそれがあれば両方とも同時に提出するのが良いでしょう。
異動届出書は、事務所等を移転した時以外にも、基本事項の変更があった場合には提出が必要となっています。代表者、屋号もしくは名称、事業内容などの変更時が該当しますので、覚えておくと良いでしょう。提出先は移転前後の管轄税務署となり、1通ずつ提出しますが、同じ管轄内の移転で税務署が変わらない場合は1通で結構です。
どちらの書類も、書き方はさほど難しくなく、記載内容は法人情報や移動事項(移動前後の所在地、移動日など)となっています。記載漏れのないように注意しながら記入を進めましょう。
書類の提出方法はどうしたらいいのか?
異動届出書・移転届出ともに、提出先は税務署の窓口もしくは郵送で受け付けています。このほかにe-Taxで申請することも可能です。e-Taxでは、窓口に出向くことなくWebで手続きが完了しますので、大変便利ですが、電子署名が必要です。e-Taxの流れは、まず届出書を作成し、完成した届出書に電子署名を付与してから送信するというものです。
電子署名の付与には、ICカードが必要であり、慣れていないと手続きに時間がかかってしまうかも知れません。また、ICカードが破損してしまうと、e-Taxでの手続きができないので、移転をきっかけにe-Taxを使い始めるのは逆に手間が増えてしまうと言えるでしょう。普段からe-Taxでの手続きに慣れていれば、移転時の届け出もe-Taxの利用が便利ですが、そうでなければ持参または郵送のいずれかを利用するのが安心です。
今回のまとめ
移転時における税務署への届け出は、それほど複雑な手続きではありません。書類の記載漏れと提出期限に気を付ければ、スムーズに手続きが完了する可能性が高いでしょう。