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飲食店の上のフロアにオフィス・事務所を構えるときに注意すべきこと
オフィス・事務所用の物件の大半はビルにあり、多くの来店客を呼び込みたい種類の業種でない限り、2階以上のフロアが選ばれるケースが多いです。その場合、下の階にどういったテナントが入っているかは意外と大きなポイントとなってきます。
今回は、飲食店の上のフロアにオフィス・事務所を構えるときに注意すべきことについて考えます。
【目次】
1.飲食店ならではのニオイや煙などの問題
2.不特定多数の人の出入りによる問題
3.飲食店の上のフロアにオフィスを構えることにはメリットも
4.今回のまとめ
飲食店ならではのニオイや煙などの問題
飲食店の上のフロアにオフィス・事務所を構える際、日常的な問題となってくる可能性が高いのが「調理時のニオイや煙」です。油を使った調理や大量の煙などがつきものの中華料理店や焼肉店など「重飲食」と呼ばれる種類の飲食店は特に注意が必要です。一方、コーヒースタンドのようにごく簡単な調理しか行わない「軽飲食」と呼ばれる種類の飲食店であれば、ニオイや煙の問題はそこまでではないと予想されます。
また、1階にファーストフード店が入っているとしても、オフィス・事務所を構えるのが2階ではなく30階なら、さほど気にする必要はない場合がほとんどでしょう。飲食店の直上階か、はるか上の階かで状況はかなり変わってくるわけです。
もう一点、日常的なリスクといえるのが、ハエやゴキブリといった害虫の問題です。たくさんのハエが飛び回っているような飲食店を見かけることは今日ではまずありませんが、ゴキブリに関しては、オフィスしか入っていないビルよりは、飲食店も入っているビルのほうに多く生息していると考えるのが自然です。とりわけ繁華街にある雑居ビルなどについては、そうしたことも想定しておくとよいかもしれません。
万一のリスクとしては、飲食店の火の気が火災の原因となる可能性が挙げられますが、こちらについては階下に飲食店があるかないかにかかわらず、消火設備の事前チェックが大切です。
不特定多数の人の出入りによる問題
飲食店の種類や繁盛具合にもよりますが、客足が終日途絶えないような飲食店がすぐ下のフロアにある環境では、常に人の声がしているといった問題に悩まされるリスクがあります。店先に広い駐車場を備えた飲食店であれば、頻繁な車の出入りによる騒音が考えられますので、現場の様子を慎重に確認しましょう。
中層階に飲食店が、高層階にオフィスが入っているケースでは、高層階直通のエレベーターが別途設置されていないと、昼時になかなかエレベーターに乗れないといったストレスがありそうです。不特定多数の人が立ち寄るため、セキュリティ面が気になる場合もあるでしょう。
また、1階が飲食店となっている雑居ビルでは、来客は飲食店脇の入口からビル内に入ることになりますので、取引先などの来社が多く体面を重視するのであれば、再考が必要かもしれません。
飲食店の上のフロアにオフィスを構えることにはメリットも
飲食店の上のフロアにオフィス・事務所を構えることには、デメリットだけではなくメリットもあります。たとえば階下にカフェがあれば、ちょっとした打ち合わせのスペースなどとしても利用可能ですし、息抜きしたいときにはサッと出向けます。
また、階下にあるということは至近距離にあるということですから、ランチタイムにも混み合う直前のタイミングで入店できそうです。
今回のまとめ
飲食店の上のフロアにオフィス・事務所を構える場合、飲食店の種類にもよりますが、ニオイや煙のトラブルが考えられます。また、害虫や騒音、セキュリティ面などが気になるかもしれません。一方、階下に飲食店があることで何かと便利するという側面もあります。
入居した後で移転するのは大変ですので、メリットとデメリットとを踏まえた上で、物件の環境を慎重に見極めたいですね。