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オフィス・事務所を移転した際に行うべき行政手続き
オフィスを移転する時は、元のオフィスの原状回復や引っ越し作業など、やることがたくさんあります。そして、忘れてはならないのが、住所の変更をはじめとする行政手続きです。これを怠ると大きなトラブルを招くこともあるため、適切に行わなければなりません。
ここでは、オフィス移転に関わる行政手続きのポイントを解説します。
【目次】
1.郵便局での手続きは移転前に済ませておく
2.本社の移転や労働保険関係の手続きは重要
3.警察署と消防署での手続きもしっかりと行おう
4.今回のまとめ
郵便局での手続きは移転前に済ませておく
移転前に必ず済ませておきたいのが、郵便局への転居届の提出です。正確にいうと、郵便局は民間の機関ですが、実際は官公庁に近い性質を持っています。何より、届け出を忘れると郵便物が届かなくなるため、手続きは確実に行いましょう。
なお、窓口で手続きをする人は、社員証や健康保険証で会社との関係を証明する必要があります。忘れずに持参してください。
本社の移転や労働保険関係の手続きは重要
次は、特に重要性の高い書類をご紹介します。移転直後はとても忙しい時期ですが、きちんと計画を立てて手続きを済ませるようにしましょう。
法務局
会社の本店所在地を変更した場合に、本店移転登記の届出が必要になります。支店やサテライトオフィスなどを移動するだけなら必要ありません。提出先は移転前の管轄法務局、提出期限は移転後2週間以内です。株主総会議事録や取締役会議事録もあわせて提出する必要があります。
労働基準監督署
労働保険名称・所在地変更届や労働保険関係成立届など、労働保険に関わる諸々の書類の提出が必要です。重要かつ種類がとても多いため、しっかりとそろえましょう。提出先は移転先の所轄監督署で、提出期限は遅滞なく、もしくは移転後10日以内です。
年金事務所
健康保険・厚生年金保険適用事業所所在地・名称変更(訂正)届の提出が必要です。提出先が「移転前」の管轄年金事務所である点に注意してください。また、管轄の年金事務所が変わった場合、書類のフォーマットも異なるため、必ず確認しましょう。提出期限は移転後5日以内です。
税務署
異動事項に関する届出の提出が必要です。移転前後両方の管轄税務署に提出しましょう。
公共職業安定所(ハローワーク)
雇用保険に関する手続きが必要になります。提出先は移転後の管轄ハローワーク、期限は移転後10日以内です。
警察署と消防署での手続きもしっかりと行おう
最後は、警察署および消防署での手続きです。会社の安全を守る上でも重要なので、先に解説した書類と同様、スケジュールに盛り込んでおきましょう。
消防署
防火対象物使用開始届出書を提出する必要があります。会社の規模によっては、防火管理者の選任に関わる書類も提出しなければなりません。提出先は、すべて移転先の管轄消防署です。
なお、提出期限は移転の7日前ですが、防火対象物工事等計画届出書(天井や床の工事を行う場合に提出する書類)だけは、工事開始の7日前までに提出する必要があります。内装工事業者に手続きの代行を依頼できることもあるので、確認してみるといいでしょう。
警察署
社用車がある場合に、車庫証明の住所変更が必要です。登記簿謄本の写しなど、新しい住所を証明できる書類も持参しなければなりません。提出期限は決まっていませんが、あまり遅れると「車庫証明を偽っている」とみなされるおそれがあるので、警察との関係性も考えて早めに提出しましょう。
今回のまとめ
オフィスの移転は、ただ荷物を移動させればいいだけではありません。「企業の住所が別の場所に移った」ということを行政に報告し、了承してもらってこそ移転が完了するのです。手続きにはやや複雑な部分もありますが、これをしっかりとこなしてこそ真っ当な企業を名乗ることができます。
行政書士などの力も借り、責任を持って手続きを行いましょう。