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オフィス・テナント移転のポイント

2020.07.10

オフィス移転を決断する前に確認しておきたい賃貸契約書の落とし穴

オフィスを借りるときは、オーナーと賃貸契約を交わすことになります。その際に作成するのが賃貸契約書です。いろいろと難しいことも書かれているので、つい読み飛ばしてしまいがちですが、確認を怠ると後悔することになりかねません。
今回は、移転を決断する前に必ず確認しておきたい、賃貸契約書の落とし穴・注意点について解説します。

【目次】
1.賃料や保証金に関することは必ず確認
2.解約の条件は細かくチェック
3.原状回復をめぐるトラブルは多い
4.今回のまとめ

賃料や保証金に関することは必ず確認

最初に注目していただきたいのは、やはりお金に関する契約内容です。
多くの方は、なるべく賃料の安い物件を望み、金額に納得した上で契約に進んでいるでしょう。契約時の賃料が安かったからといって安心してはいけません。なぜなら、賃料は値上げされる可能性があるからです。賃料増額の理由としては、開発に伴う地価の上昇や景気の変化、そしてオーナー側の経済的な事情などが挙げられます。どのような理由であれ、増額されない方が良いのはいうまでもありません。
しかし、賃料の増額に関する規定を無効とする法律はなく、貸主にとって有利なのが現状です。極端な例を挙げれば、「賃料を毎年3%ずつ上げる」という規定になっていても、合意の上で契約したのであれば効力を発揮してしまいます。そのため、賃料の増額に関する規定は、なるべく契約内容から削除してもらうのが望ましいでしょう。どうしても受け入れてもらえない場合は、税金の増減や周辺の家賃相場の上昇など、一定の条件を満たした場合のみ増額できるという取り決めにすることがおすすめです。
また、契約時に預けた保証金(敷金)が、退去後いつになったら返還されるのかも確認しておきましょう。問題なく原状回復されているかをチェックするため、期日が退去から数ヶ月後に設定されていることも多いのですが、やはり借主にとっては不利な要素です。保証金の返還までの期間をより短くできないか、交渉してみてください。

解約の条件は細かくチェック

非常にトラブルが多いのが、賃貸契約の解約をめぐる取り決めです。解約の主な状況としては、移転などの理由で借主から中途解約を申し入れるケースと、契約違反などの理由で貸主側から解除を通告するケースが考えられます。そしてそのどちらでも、違約金や損害賠償金といったお金の支払いを求められることが多いのです。
まず、中途解約については、退去の何ヶ月前に予告すれば良いのかをチェックしましょう。この期間が短いほど、借主にとって有利になります。違約金の規定をなくすことは難しいと思われますが、なるべく金額を小さくできるよう交渉するのがおすすめです。
一方、契約違反による解約は、契約内容を細かく確認すれば防ぐことができます。そのため、禁止事項や制限事項の項目には、しっかりと目を通しておきましょう。ペットの飼育の禁止、楽器の演奏の禁止、第三者への転貸(又貸し)の禁止といった一般的な内容が多いと思われますが、特約事項が付加されていることもあるので、「何をしたら一方的に解約されてしまうのか」を明確にしておいてください。

原状回復をめぐるトラブルは多い

オフィスを退去する時は、物件を借りる前の状態に戻す「原状回復」を行う必要があります。これもまた、解約と並んでトラブルが少なくありません。
特に注意すべきなのは、「原状回復の工事の範囲」と「工事業者の選び方」です。原状回復の工事の費用は、基本的に借主が負担します。そのため、なるべく費用を抑えようとして、目立つ部分の原状回復で済ませようとする方もいるかもしれません。しかし、契約書で指定された範囲の原状回復が終わっていなければ、そちらも行うように要求されてしまうでしょう。スムーズな退去のためにも、工事の範囲、内容を細かく確認しておきましょう。
そして、「いつまでに退去しなければならないのか」も重要です。退去日までに原状回復を終わらせなければならない取り決めになっていることは多く、慌ただしい引っ越しを強いられることもあります。余裕をもって退去できるよう、明け渡しの期日に関する規定は十分に確認してください。

今回のまとめ

賃貸契約書は、法的な効力を持った書類です。一度正式に契約を交わせば、「内容をよく知らなかった」では済まされません。入居後何年も経ってから大きな問題に気づくこともあるので、トラブルを避けるためには最初の確認が重要です。
契約内容を細かくチェックし、そのすべてに納得してから契約を結ぶようにしましょう。

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