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オフィス移転のポイント その他

2023.04.26

賃貸オフィスの原状回復義務とは?どこまで原状回復するのが理想か


「原状回復は故意ではない自然損耗でも義務?」「どの範囲まで原状回復するのが理想?」など、賃貸オフィスの原状回復について頭を悩ませる経営者や担当者の方も多いのではないでしょうか。原状回復義務とは、定められた賃貸借契約が終了した際に、賃借人がオフィスを入居した時と同じ状態に戻す義務のことです。
オフィス・事務所の賃貸借における原状回復の範囲は、居住用賃貸借の原状回復とは異なります。例えば、居住用賃貸借と同じ考え方でオフィスを借りてしまい、退去時に原状回復の範囲を理解せず賃貸人とトラブルになるケースは少なくありません。
ここでは、原状回復義務の概要、賃貸借契約書の確認や原状回復工事のポイントになる経年劣化、自然損耗などについて詳しく解説します。

賃貸オフィスの原状回復義務で大切な契約書の確認

賃貸借契約を結ぶ際、契約書には原状回復義務の内容が細かく記載されています。契約内容をしっかり確認せず賃貸借契約を結ぶと、退去時に思わぬトラブルになる可能性があるため注意しなければなりません。
そういったトラブルから身を守るためにも、契約書をよく読み、オフィスの退去時に必要となる原状回復の内容をしっかりと理解しておくことが大切です。
原状回復の範囲については、賃貸借契約終了の際に賃貸人と賃借人のトラブルになりやすいと言えるため、オフィスを借りる際は原状回復が必要となる範囲をしっかりと把握しておきましょう。
ここでは、原状回復の定義や一般的な内容を解説します。

賃貸オフィスにおける原状回復義務の概要

オフィス・事務所として借りた物件の原状回復は、賃借人が全額費用を負担する形で実施するのが一般的です。オフィス・事務所として借りる場合、居住用と違い賃借人によって使用目的が異なり、損耗レベルに差が出てしまうからです。
居住用であれば、賃借人は一般的な生活をするために借りているため、賃貸人は損耗や劣化の見当がつくかもしれません。しかし、事務所・オフィスの使用となれば、業種や事業者の規模によって使用方法が大きく変わってしまいます。そのため、賃貸人側で損耗や劣化の見当がつかないため、全額賃借人負担で原状回復を行うこととなっている場合が多い傾向です。
ただし、上記は一般的な定義ではありますが、例外も存在します。
平成12年12月27日に東京高裁の判決で、「オフィスの原状回復工事の費用は劣化・損耗・破損の状況によって多額な費用が必要となる可能性があり、賃貸人の負担とすることが必要」とした判決事例もあります。
原状回復の範囲は、契約書にどこまでの範囲が定義されているかが重要な意味を持ちます。また、契約内容によっては賃借人が原状回復費用を全額負担しなくてもよい場合もあるでしょう。

原状回復する範囲

事務所・オフィスの退去に伴い原状回復が必要となる範囲は賃貸借契約の内容によって異なります。
一般的な原状回復に含まれる範囲は以下のとおりです。
・契約後に設置した家具や備品類の撤去
・床下配線の撤去
・看板類の撤去
・増設、造作物の撤去
・床やカーペットの張り替え
・壁神、クロスの張り替え
・天井ボードの塗装、補修
・全体的なクリーニング(壁、床、窓など)
契約時にスケルトン状態で入った場合は同様にスケルトン状態で明け渡す必要がある、とイメージすると分かりやすいかもしれません。賃貸オフィスの原状回復は範囲が広く、工事費用も高額になる可能性が高いため注意が必要です。

契約書による原状回復義務の確認の重要性

原状回復の範囲について、どの部分が必須でどの程度まで原状回復させる必要があるのか、契約書の内容を必ず確認してください。
本来であれば、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によって、賃貸人と賃借人のトラブルを防ぎ、円滑な解決を目的として一般的な基準が示されています。
ただし、基本的なガイドラインは賃貸オフィスには適用されません。そのため、事務所・オフィスの賃貸借の場合は、賃貸借契約書の原状回復に関する条項に従うことになるのです。
退去時になって、原状回復に想定以上の費用がかかる事態に陥らないためにも、契約書の原状回復の条項には必ず目を通してください。

原状回復工事の経年劣化・自然損耗とは?

ここでは、賃貸オフィスにおける経年劣化や、自然損耗について、どのような状態を差すのか具体的に解説します。

経年劣化・自然損耗は年数が経つにつれて自然と劣化すること

経年劣化とは、文字通り年を追うごとに何もしなくても次第に劣化していくことです。
例えば、畳の日焼け、年数が経ったエアコン、部屋設備に使われたゴムパッキン、塗装の剥がれなどが挙げられます。不動産業界では、経年劣化を「自然損耗」とも呼ぶ場合があり、これも同義です。
経年劣化は部屋の使用がなくても劣化は避けられないため、住居目的であれば基本的には負担はありません。しかし、オフィスとして入居した場合はこの範囲まで原状回復することになります。

通常損耗との違い

通常損耗とは賃借人の通常の使用により発生する損耗を指します。
経年劣化との違いは「使用による損耗・劣化」であり、自然と発生するわけではありません。
具体的には、以下の状態が通常損耗に該当します。
・タンスやベッドを置いた場所の設置跡
・電化製品を置いた場所の電気焼けの跡
・壁の穴(画鋲程度の小さな穴など)
・手入れを定期的に実施していた空調設備の劣化
通常損耗と経年劣化が指す内容は別物ではありますが、不動産業界ではどちらも同じ意味として扱うケースがあります。特にオフィスでは自然損耗・通常損耗ともに原状回復の範囲に入るため、同義として扱う可能性が高いでしょう。

例外的な特別損耗もある

特別損耗とは、賃借人が故意または適切な使用、管理を怠った場合に発生する損耗を指します。例えば、通常の使用方法でしっかり管理していれば劣化しないはずなのに、賃借人の過失によって汚損・破損した場所などです。
具体的な特別損耗の範囲は、以下の通りです。
・タバコのヤニ汚れや臭い
・掃除を怠った結果水回りに発生した水垢やカビ
・放置した水漏れや配管の破損
・ネジや釘など石膏ボードの穴
・飲み物や食べ物を放置したシミ汚れ
・動物がつけてしまった汚れや傷
特別損耗に関しては賃借人に責任があると判断され、原状回復にかかる費用は借主負担になるケースが一般的です。

自然損耗による工事の際に契約書で確認しておきたいこと

原状回復工事に関する契約書の確認は退去にかかるコスト低減のためにも非常に重要です。
ここでは、具体的に契約書の確認で注意すべきポイントを解説します。

原状回復工事の契約書で確認しておく内容

原状回復の工事を依頼する際に契約書の確認を怠ると、多額の費用が必要になる可能性があります。実施される工事は賃貸借契約書や特約で定めた範囲内の内容になっているのか、必ず確認してください。
また、特約で決めた範囲がある場合は、工事の契約書にそれらが反映されているか注意が必要です。
経年劣化・通常損耗・特別損耗の区分で原状回復の範囲が決まっている場合は、原状回復工事の見積もり時点でどの区分における工事なのか確認しておきましょう。
また、原状回復工事のタイミングで、入居前よりも高価な設備を投入しようとする建物オーナーも少なくありません。具体的には、トイレをウォシュレットにする、フローリング素材や壁紙の変更、水回り設備を高価なものに変更するなどが考えられます。
原状回復は、あくまで入居した時と同じ状態にして返却することです。知らないうちに余計な費用まで請求されないように、契約書の内容は事前にしっかり確認しておきましょう。
ただし、契約書の内容次第では賃借人が費用を負担する場合もあります。

契約書の確認を専門家に任せたほうが良いケースもある

原状回復工事を賃貸人の指定業者で実施する場合があり、工事内容・契約書の詳細を把握できないというケースの場合もあり得ます。
こういった場合、適切な価格で実施される工事なのか分からなければ、工事コストが高くなる可能性もあります。さらに、工事が専門的な知識を要する内容で、業界知識のない賃借人が理解できない可能性も否定できません。
こう言ったケースの場合は、退去時は様々なトラブルが起る可能性が高くなるため、専門家に依頼して契約書の確認をする方法がおすすめです。
工事内容・契約書の確認から、工事に関する価格交渉まで行う専門家も存在します。トータルでみれば専門家へ依頼する費用込みでも、原状回復工事にかかるコストよりも削減できる可能性があるでしょう。

今回のまとめ

今回は、賃貸オフィスの賃貸借契約終了に伴う原状回復の範囲や項目について解説しました。居住用と違い、オフィスを退去する場合は全額賃借人の負担で原状回復工事を実施するのが一般的です。住居であれば使用方法がほとんど一緒なので、劣化・損耗する範囲を想定できますが、賃貸オフィスの場合は賃借人によって使用方法が異なるため、損耗レベルも違ってきます。賃貸人もどの程度まで劣化や損耗が進むか想定できないため、基本的には原状回復工事に必要となる費用は賃借人負担としているのです。
ただし、賃貸借契約の特約によって例外もあるため、原状回復工事の内容について契約書をしっかり確認しておかなければなりません。原状回復は、あくまで入居した時と同じ状態することですが、知らないうちに元の設備よりも高額な設備を入れるなどの工事が実施されてしまうケースもあるため、しっかりと工事内容と契約書の確認を行いましょう。

名古屋に本社を構えるオフィッコスは、オフィスや店舗などの賃貸仲介を専門に扱っている企業でございます。2012年の設立以来、多くのお客様からご利用いただき、ご希望に沿える物件をご案内できるよう、日々情報収集に努めております。常時50,000件以上の物件情報を有しており、ホームページに掲載していない情報も多数ございますので、オフィス・店舗の開設や移転を検討されている事業者さまは、まずは一度お気軽にお問い合わせください。

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