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2023.04.06

人員増で手狭になった場合のオフィス・事務所移転のポイント


業務が拡大し、業績も好調になってくれば人員が増えてくるのが常です。これはうれしい悲鳴ですが、反面問題となってくるのがオフィスの広さの問題ではないでしょうか。人員が増えれば自ずとオフィスが手狭になってきます。
ここでは、人員増に伴うオフィスの広さに関する問題にスポットを当て、人員増計画、移転の際のポイントなどを解説します。

現在のオフィス・事務所の2倍の広さが目安になる

オフィスが手狭になったことを理由にオフィス移転を考えている場合に知っておきたい、オフィス移転の基本的な考え方についてご紹介します。従業員の人数に合わせたオフィススペースの算出方法やオフィス面積を考える上で知っておきたいゾーニングについても解説するので、ぜひ参考にしてください。

企業がオフィス移転を考える理由の一つは人員増への対応

人員が増加して、オフィスが手狭になるケースも少なくありません。業績の好調や事業拡大によって、正社員の採用人数を増やしたり、派遣や契約社員、パートなどを雇ったりする場合も考えられます。
人員が増加してオフィスが手狭になることで、デスクや会議室のスペースを確保しにくくなり、従業員の作業効率低下が懸念されるでしょう。
快適なオフィス環境を維持するためにも、従業員の人数に合わせたオフィススペースを確保する必要があります。会社の規模や成長スピードによって異なるものの、今あるオフィスが手狭になったことをきっかけに移転を検討している場合は、現在使用するオフィスの2倍の広さを目標に新しい拠点探しをするのがおすすめです。
今後確実な人員増加が予想される場合は、それよりもさらに10〜20%大きな物件でもちょうどいい広さに感じるかもしれません。社員の人数だけでなく、アルバイトやインターンシップなどのスタッフも含めた人数で広さを算出していくことが大切です。

従業員の人数に合わせたオフィススペースの算出方法

オフィスの面積を大きく左右するのが従業員数であるとわかったところで、ここでは、従業員の人数に合わせたオフィススペースの算出方法についてご紹介します。

労働安全衛生法をもとに算出する方法

職場における従業員の健康や安全の確保、そして快適な職場環境維持を目的として「労働安全衛生法」が定められています。
この法律に基づいて作られたのが、具体的なガイドラインを著した「事務所衛生基準規則」です。この規則によると、従業員1人あたりに最低限必要な体積は「10㎥」と定められています。
天井高が2.5mのオフィスを例にした場合、従業員1人あたり4㎡、すなわち1.2坪のスペースの確保が推奨されていることになります。オフィス面積を考える方法の一つとして覚えておきましょう。

従業員の出社率を考慮して算出する方法

最近では、政府が推進する「働き方改革」や感染症対策の一環として、リモートワークやテレワークを導入する企業が増加しています。その結果、多くの企業でオフィスに出社する従業員数と在籍する従業員数に大きな乖離が見られるようになりました。
従来であれば、先ほどご紹介した「事務所衛生基準規則」が推奨する計算式で最適なオフィス面積を算出できました。しかし、今後テレワークの文化を社内に浸透させたいと考える企業の場合は、従業員の出社率を考慮した算出方法でオフィス面積を導くことをおすすめします。
出社率を用いたオフィス面積の算出方法は次の通りです。
オフィス面積=在籍人数×出社人数×席余裕率×座席1席あたりの面積
出社する従業員の数が変動する状況を鑑みて必要な座席数を考えることで、より柔軟な働き方を実現できるでしょう。

業種や業態によって必要な面積は大きく異なる

企業の業種や業態によって必要なオフィス面積は大きく異なります。
例えば、金融機関や不動産会社、士業事務所など比較的来客が多い業種の場合は、接遇室や打ち合わせスペース、さらには来客用の動線確保などが必要なため、どうしても広い面積が必要です。
さらに、すべてのデスクを同じ方向に向けるレイアウトである「同向式レイアウト」を採用する場合も広い面積が必要です。
一方で、従業員1人あたりのスペースが狭くても問題なく業務ができる傾向がある職種として、コールセンターや事務作業をメインにする業種、さらには大型機器などを必要としない業種などが該当します。
ただし、必要以上に狭いスペースで作業をすることは、従業員にとって大きなストレスになりかねないこと、そして作業効率が大きく低下するリスクがあることなどからおすすめできません。
ご紹介したオフィス面積の算出方法を参考にしながら、最適な面積を確保できるように工夫することをおすすめします。

各部署で何人ずつ増えるか5年先まで人員増計画を立てる

オフィス移転は、企業にとって重要なイベントの一つです。新しい移転先への引っ越しを成功させるために、いくつか押さえるべきポイントがあります。ここからは、オフィス移転が決まったらまず検討すべきことについて見ていきましょう。

オフィス移転の目的を明確にする

オフィス移転の目的を明確にして、従業員や関連部署にミッションとして落とし込むことで、計画通りに移転準備を進めることが可能です。ブレずに、そして失敗することなく移転をするための最重要事項と言っても過言ではありません。
また、オフィス移転に係る業務は思った以上に膨大であり、やるべき項目も多岐にわたります。移転を成功させるためにも、必ず余裕を持った移転スケジュールを計画するよう意識してください。

移転費用の予算を確認する

オフィス移転にかかる費用の相場は、1坪あたりおよそ数万~数十万円です。移転費用の内訳は「入居にかかる費用」、「退去にかかる費用」、そして「内装工事にかかる費用」の3つに分けられます。
新しく入居するオフィスに敷金がかかる場合は賃料の3〜12ヶ月分、礼金がかかる場合は1〜3ヶ月分かかるのが相場ですが、現在のオフィスの退去時に以前支払っていた敷金が返金されるケースがほとんどです。
そのため、新しいオフィスの敷金や礼金を全額用意する必要はありませんが、トータルすると入居費用に数百万円かかるケースもあることを理解しておいてください。
また、引越しにかかる費用は従業員1人あたり3万円が相場と言われています。現在使用しているデスクなどの備品をはじめ、OA機器などを安全に運搬してもらうためにも、引越しの際はオフィス移転を専門とする業者に作業を依頼することが大切です。
新しいオフィスの内装設計や工事にこだわると、その分費用がかさんでしまいます。従業員の作業効率を確保するために、必要最低限の設備と安定したインターネット環境は確保してください。

人員計画をしっかりと立てる

オフィスの移転を検討する際は、移転前に必ず人員計画をしっかりと立てることが重要です。具体的には、まず5年先までの組織図を作成し、その上で各部署にどの程度の人員が増加するかを予測していきます。
移転コストを考えても、最低でも2年間は同じオフィスで継続して利用するのが望ましいため、数年先の人事を見越してオフィスを選んでいきましょう。

オフィス・事務所へ通勤しやすい等の立地場所にも配慮する

オフィスや事務所への移転は、従業員の労働環境を大きく好転させるチャンスでもあります。ここでは、オフィスや事務所を移転する際に注意すべきポイントを見ていきましょう。

立地条件をチェックする

オフィス移転時にとても重要なのが移転先の立地です。交通の便が良いエリアに拠点を構えることで、取引先との距離が近くなったり、従業員がアクセスしやすくなったりするなど、移動時間の短縮にも大きな効果を発揮するでしょう。
郊外にオフィスを構えることにもメリットがあります。電車通勤ではなく車通勤が可能となるため、従業員が出社する際のストレスを大幅に軽減できるはずです。さらに、賃料も安く抑えられるため、ランニングコストの削減にも大きく貢献します。
オフィスの立地を考える際は、「利便性」、「自社ブランディング」、そして「コスト」の3つをバランスよく考慮することが大切です。

オフィス環境を改善するよう努める

現オフィスが抱える課題や問題点を改善することで、より働きやすい環境を整えられます。例えば、トイレやエレベーターなどの共用部分が古くて使い勝手が悪い場合は、企業で対応できることはありません。移転することによって大きく環境を変化させる以上の手立てはないでしょう。
反対に、オフィス内で生じていた課題や問題点はしっかりと把握して、新しいオフィスで改善できるよう努めることが大切です。生産性向上や従業員の満足度を高めるためにも、働きやすいオフィス環境を整えてください。

従業員の働き方について考える

オフィス移転は働き方改革を考える最高のタイミングです。オフィス空間を整備することで、業務の無駄を省き、生産性を上げる効果が期待できるでしょう。
さらには、テレワークやリモートワークなど多様化するワークスタイルに対応するためにも、移転をきっかけにオフィス環境を整備することは大きな意味があります。多様な働き方を認めることで、優秀な従業員を継続的に採用・雇用できるため、企業の成長にも良い影響を与えるはずです。
さらに、快適に働ける環境を整えることは、従業員のメンタルヘルスを維持するためにも非常に大切なポイント。従業員がリラックスできるオフィスを目指して環境を整えていきましょう。

今回のまとめ

今回は、人員増で手狭になった場合にオフィスを移転する際のポイントを詳しくご紹介しました。人員増によるオフィス移転では、従業員の人数に合わせて適切なワークスペースの確保が必要不可欠です。また、不必要な移転を増やさないためにも、数年後を見越した人員計画を立てることも忘れないようにしてください。
ご紹介した必要面積の算出方法をはじめ、オフィス移転を検討する際に考えるポイントを参考にしていただき、最適な移転先を探していくことをおすすめします。

名古屋に本社を構えるオフィッコスは、オフィスや店舗などの賃貸仲介を専門に扱っている企業でございます。2012年の設立以来、多くのお客様からご利用いただき、ご希望に沿える物件をご案内できるよう、日々情報収集に努めております。常時50,000件以上の物件情報を有しており、ホームページに掲載していない情報も多数ございますので、オフィス・店舗の開設や移転を検討されている事業者さまは、まずは一度お気軽にお問い合わせください。

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