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賃貸オフィスの湿度や温度管理の大切さ
日々気持ち良く仕事を行うためにも、職場の環境を適切に保つことは非常に重要です。そのため、オフィス内のレイアウトや使用機器の種類、清潔さなど色々と意識している企業は多いのではないでしょうか。その一方で、賃貸オフィス内の湿度や温度をしっかりと管理している企業は多くはありません。実は、賃貸オフィス内の湿度や温度は従業員の集中力や健康に大きな影響を与え、さらには業務の生産性を左右する可能性があるとされているのです。
ここでは、オフィス内での湿度や、温度管理がもたらす効果や重要性、さらには具体的な管理対策についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1.温度だけではない!賃貸オフィスでは湿度の管理も大事
2.賃貸オフィスの湿度管理を怠ってしまうと不快さを感じて生産性が下がる?
3.湿度管理はウィルス活性化を防ぐことにもなる
4.今回のまとめ
温度だけではない!賃貸オフィスでは湿度の管理も大事
夏の猛暑や冬の寒波など、気温は季節ごとに大きく変化します。近年では、気象庁も熱中症対策なども含め、エアコンの適切な使用を呼びかけるほど室内環境の管理は重要なポイントとなってきており、オフィス内の適切な温度を維持する必要性が高まってきているのです。
職場の適温に関しては、ヘルシンキ工科大学とローレンス・バークレー国立研究所の発表によると22度だとされています。また、厚生労働省による事務所衛生基準規則にも室温が18度以上28度以下になるように努めなければならないと明記されています。そのため、しっかりとエアコンを使用し、賃貸オフィス内の温度を快適になるよう管理をしている企業は少なくありません。
その一方で、湿度に対する意識は温度に比べて低い傾向にあります。実際、適切な湿度を意識的に管理している企業はさほど多くありません。加えて、一般的に賃貸オフィスは湿度管理が難しいとされおり、管理しようとしても上手くできていないという企業も多いのが実情です。
では、なぜ賃貸オフィスの湿度管理が難しいとされているのでしょうか。その理由を3つご紹介します。
気密性が高いため
東京や大阪をはじめとする都市部の賃貸オフィスは、ほとんどがビル内に設けられているため、外からの風や日光が入りにくくなっています。そのため、空調効率を上げる目的で気密性の高い構造となっていることが少なくありません。このことにより、外気の影響を受けにくいというメリットがある一方、空調の影響をダイレクトに受けるというデメリットがあります。そのため、加湿器などを導入ししっかりと企業側で調整し管理していかなければなりません。
数値が目に見えにくい
温度や湿度はオフィスをただ見ただけではもちろん確認できないため、温度計や湿度計を用いてチェックする必要があります。しかし、温度計や湿度計を置いていないオフィスも多いのではないでしょうか。温度に関しては、エアコンの設定である程度確認し調整できますが、湿度はエアコンのリモコンでは確認できません。そのため、温度に比べ湿度に対する意識は薄くなってしまう傾向があります。
また、「加湿器を置いているからうちは大丈夫」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、オフィスの広さに対して加湿器の働きが足りていないなど、実はチェックしてみると加湿が不十分であることも多いのです。
温度同様、事務所衛生基準規則には適正湿度に関する記載があり、40%以上70%以下にするように書かれています。湿度計を設置するなどして、定期的に確認するルーチンなどを取り入れ、担当を決めてこまめに確認してみるのも一つの方法です。
空調機器の調整が難しい
気密性に優れたビル内の賃貸オフィスでは、室内の空気の入れ替えや清浄をエアコンなどで行っているところも少なくありません。そのため、1年を通してエアコンが稼働していることも珍しくないのです。
エアコンは先ほどお伝えした通り温度設定は簡単に行える一方で、湿度の調整は難しく、特に加湿できない製品がほとんどです。もちろん、加湿が可能なタイプのエアコンもありますが、賃貸オフィスの場合勝手に交換ができないこともネックだと言えるでしょう。
しかし、備え付けのエアコンを使用し、コストをできるだけ抑えたいという企業も多いのではないでしょうか。そのため、オフィス内の湿度を適切な状態で維持するのは、設備の関係上なかなか難しいのが現状です。
賃貸オフィスの湿度管理を怠ってしまうと不快さを感じて生産性が下がる?
では、湿度管理をせずにいるとどのようなことが起こってしまうのでしょうか。ここでは、賃貸オフィスの湿度管理を怠ることで生じるデメリットについて解説します。
不快感の増加による生産性の低下
室内の環境が乾燥(湿度約35%以下)または多湿状態(湿度約70%以上)の場合、人は不快に感じるようになります。そして、不快感により大きな影響を受けるのが集中力であり、不快感により従業員の集中力が削がれ業務効率が悪化し、その結果生産性が低下してしまうのです。
一年中空調を稼働させた賃貸オフィスにおいては、特にドライアイなどを併発しやすい乾燥に十分注意しなければなりません。
季節ごとに発生する特有の問題
湿度は季節ごとに大きく異なります。湿度管理を行わなかった場合、各季節特有の問題を引き起こす可能性もあります。
春は花粉対策
まず春ですが、外気の温度や湿度ともに快適な季節です。その一方で、多くの人が春に悩まされるのが花粉症。実は、この花粉症も湿度を管理することで軽減が可能です。花粉は湿度がある空気内では重くなり、飛散を抑えられます。空調が稼働した賃貸オフィスでは空気が乾燥しがちになるため、しっかりと加湿して花粉の飛散を防いでください。
夏は適度な除湿を。でも乾燥に注意
夏と言えば暑さだけでなく、じめじめとした湿気が非常に不快な季節です。しかし、夏のオフィス内の環境はそこまで心配する必要はありません。エアコンをしっかりと稼働させることで、室温を下げられるだけでなく除湿も同時に行われるため快適な環境を維持できます。ただし、過度な除湿により夏場も乾燥を招く可能性もありますので、しっかりと適度な湿度が保たれているかは常に確認してください。
乾燥が最も酷くなる秋冬
そして、最も注意が必要なのが秋冬です。秋冬は外気の空気が乾燥します。加えて、寒さ対策でエアコンを使用するため、賃貸オフィス内の空気はさらに乾燥するのです。乾燥は肌のかゆみや喉の痛み、目の乾燥など多くの健康被害を誘発します。しっかりとした加湿を行い、適切な湿度を維持できるように注意してください。
湿度管理はウィルス活性化を防ぐことにもなる
お伝えしている通り、賃貸オフィスではエアコンなどの空調を通年稼働させている企業も多く、一年中乾燥している傾向にあります。実は、空気の乾燥で気を付けなければいけないのが、ウィルスによる健康被害です。
乾燥はウィルスにとって過ごしやすい
一般的に、コロナやインフルエンザなどのウィルスは乾燥状態が続くと活性化すると言われています。なぜなら、空気中の湿度が低下するとウィルスに付着している水分が減少し、空気中に浮遊しやすくなり感染力が増加するからです。さらに、乾燥により人の体内水分量も減少し、喉や目など粘膜の働きが弱まります。その結果、ウィルスがより体内に侵入しやすくなってしまいます。
乾燥を防ぐ方法
ウィルスが活性化しないためには、しっかりとした乾燥対策が必要です。では、乾燥を防ぐためには、どのような方法が有効なのでしょうか。具体的な対策をご紹介します。
加湿器
まず、最もシンプルで実行しやすいのが加湿器の導入です。加湿器を使用すれば、簡単にオフィス内の湿度を上げられます。加湿器を導入する際には、必ず賃貸オフィスの広さに対応しているかを確認することが必要です。オフィスが広い場合には、加湿器を複数台設置するなどして効果が十分に得られるようにしてください。
また、加湿器は設置する場所も重要です。少し高めに設置し、精密機器や床などを濡らさないよう工夫しなければなりません。
観葉植物・水槽
乾燥対策としては、観葉植物の設置もおすすめです。植物は土から水分を吸い上げ、その水分を葉っぱから放出しているため加湿効果があります。また、観葉植物を置くことで、オフィス内の景観が良くなるという効果も期待できるでしょう。
同じく、景観を良くしながら加湿できるものとしては水槽も効果的です。水面から水が蒸発することで、湿度が上昇します。生き物や水草を飼うことで、従業員の癒し効果も期待できます。
サーキュレーター・扇風機
そして、これらの加湿対策と同時に使用して頂きたいのがサーキュレーターや扇風機などの送風機器です。室内の湿度や温度は均等ではありません。暖かい空気は上に行き、冷たい空気は下へと移動します。実は、湿度に関しても一定ではなく、オフィス内でも差があるのです。
サーキュレーターや扇風機を使うことで空気の流れが発生し、室内の空気が循環します。これにより温度と湿度が均一になり効率良く管理できるため、ぜひ積極的に使用してください。
今回のまとめ
今回は、賃貸オフィスの湿度温度管理の大切さや乾燥を防ぐ方法についてご紹介しました。企業にとって、オフィス内の環境を快適に保つことは非常に重要です。温度や湿度の管理を怠ることで、生産性の低下を招く可能性もあります。特に、湿度に関してはあまり重要視せず、見落としている企業も多いのが現状です。
温度や湿度管理を行う上で、エアコンの交換ができないなど賃貸オフィス特有の難しさもありますが、できる対策も少なくありません。今回ご紹介した内容を参考に、まずは温湿度計を設置することから始めてみてはいかがでしょうか。温度、湿度管理をしっかりと行い、従業員が気持ち良く仕事を行える環境を整えることをおすすめします。
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