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オフィス・事務所の健康管理のコツはアフターコロナに備えた環境作り
毎日従業員が働くオフィス環境を整えることは、より良い企業を目指す上で欠かせません。しかし、快適に過ごせるオフィスはどうやって作れば良いのか、清潔なオフィスや事務所にしたいと思っているが何から始めたら良いか分からないなどお困りの企業も多いのではないでしょうか。
オフィスで働く従業員が健康的に過ごすためには、ただ見た目が綺麗な場所を用意すれば良いわけではなく、従業員目線で細かい部分まで配慮した設計が必要です。さらに、近年発生した新型コロナウイルスにより、従業員が健康被害に合わないよう徹底した衛生対策も欠かせません。
ここでは、快適に過ごせるオフィス作りに必要な要素やアフターコロナに備えた環境作りのコツをご紹介します。
従業員の健康管理を重視しているオフィス・事務所の特徴
健康管理を重視しているオフィス ・事務所には似たような特徴があり、室温や照明など細かい部分まで「従業員の目線」で設計がされています。
スペース内に何人が収容されるか、どんな働き方をしているかで最適な環境は変わりますが、一定の基準を元にしたオフィス 環境の要件を把握しておくことが大切です。
オフィスにおける衛生管理の基準として「事務所衛生基準規則」、3000平方メートル以上の大きな建物に対する基準として「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」があるので、オフィス 環境を整える際に確認しておくと良いでしょう。
ここでは、具体的に健康管理を重視しているオフィス・事務所の特徴を細かく見ていきます。
ストレスが溜まらないレイアウト
ストレスが溜まらないオフィス環境にするには、デスクの位置が大切です。毎日同じ場所で仕事をするため、各自が効率的に動けるレイアウトを考える必要があります。良いオフィスでは、コピー機・書類棚・出入り口など一日の中で利用頻度が高い人を優先したレイアウトで設計されています。
また、無意味に仲間内で視線が合わないレイアウトにも配慮が必要です。頻繁に視線を感じる場所や視線が合う場所は、集中力が保てず仕事に悪影響が出てしまいます。「誰かに見られている」感覚はストレスの原因になるので注意してください。
適切な空間と広さを確保する
隣同士の間隔が狭いと窮屈に感じてしまい、集中力の低下に繋がりかねません。
個人のスペースとして推奨される広さは約1m以上3m以内で、2〜3畳程度が適切。これは、机や椅子などの設備を抜いた広さです。
この推奨値を目安にしつつ、個人スペースの広さや隣との間隔を決めていきましょう。
ただし、オフィス全体の広さに限界もあるため、理想とする広さの確保は難しい面もあります。解決策として、各自が自由に座れるフリー制度や予約で使える共有の個室スペースを設定すれば、小さいオフィスでも有効的に空間の確保が可能です。
快適な室温設定
外気温に合わせた適切な室温や湿度に設定できればオフィス内で快適に過ごせます。「暑い」「寒い」と感じてしまうと集中力が乱れるだけでなく、体調にも影響が出てしまうため注意が必要です。
健康管理をしているオフィスでは、徹底した管理を行うためにも温度計・湿度計を設置して常に室温を把握し調整できるように配慮しています。
快適に過ごせる室温の基準があるため、季節に合わせて基準値から大きく離れない室温設定になるよう心がけてください。
基準となる室温は下記です。
・気温:17〜28℃
・湿度:40〜70%
・風速:0.5/秒以下
整備された換気設備
体調不良にならないためにも換気設備の整備は欠かせません。従業員の健康管理をしているオフィスでは、換気システムに費用をかけているだけでなく、「室内にガスはどれくらい滞留しているか」など数値で室内の状態を管理できるようにしています。
換気が不十分になると、酸素が減少して炭酸ガスが増加してしまい、細菌が増加する環境
にも繋がります。そんな不快な環境にならないためにも、理想とする空気環境の基準値を覚えておきましょう。
・炭酸ガス:0.5%以下
・一酸化炭素:10ppm以下
・粉じん:0.15mg以下
また、喫煙対策をして健康管理をしている企業も少なくありません。最近はたばこを吸っている人だけでなく、周りにいる人も健康被害を被ることが判明しているので、多くのオフィスで分煙対策は実施されています。
とはいえ、少なからず分煙対策が甘いオフィスも存在しているのは確かです。徹底した対策を実施したい場合は、厚生労働省が出している「職場における受動喫煙防止対策について」を参考に進めていきましょう。
快適で目にも優しい照明環境
パソコンの使用で目の健康被害を感じる人も多いですが、良いオフィスでは照明の明るさにも配慮しています。実は眼精疲労の原因はパソコンの影響だけでなく、照明の明るさによる影響も考えられます。
単に、室内が明るければ良いわけではなく、作業に適した明るさの設定が必要です。
労働安全衛生法にて職場における最低限必要な明るさの数値が記載されているので確認してください。
・精密な作業する場所:300ルクス
・事務職メインの場所:150ルクス
・荷積み・荷降ろし等の粗な場所:70ルクス
音への配慮
集中してストレスなく作業するオフィスでは、音が周りに広がらない工夫がされています。どうしてもパソコン・シュレッダーの動作音やキーボードを打つ音は消すことが難しく周囲に騒音や振動を与えてしまいかねません。少しでも気が散らないように簡易な仕切りを設ける、個室を設けるなど何かしら対策をしているオフィスも多く見られます。
機器が多いオフィス環境では、吸音材や防音材を貼った天井・床・壁の作業室を設けるなど快適な環境作りをしています。
清潔で安心な環境
心も体も健康で仕事をする環境として清潔感のあるオフィスは不可欠な存在です。健康管理ができているオフィスでは、ただオフィスを掃除するだけではありません。
・整備された給水&排水設備
・定期的な害虫駆除
・特殊な清掃場所を専門業者へ依頼
・おしゃれで綺麗なデザインのオフィス
清潔を維持するためにも、細かい部分まで対策を施しています。
清潔感のある環境は衛生面に良いだけでなく、モチベーションを維持する精神面を健康にしてくれる要素もあるでしょう。
ストレスのない椅子
毎日座る椅子にこだわりをもつオフィスもあります。毎日長時間座る椅子だからこそ、快適に座れる座り心地の良い椅子が必要です。
背もたれが低い、クッション性が悪いなどストレスを感じる椅子では集中力の低下に繋がります。さらに、腰痛や姿勢の悪化で身体的に悪影響を及ぼす可能性があるでしょう。
椅子の形状は各メーカー様々ですが、最低でも以下のポイントを抑えた椅子を導入してください。
・肘掛けがある
・高さが調整できる
・背もたれが腰より高い
・デスクの横幅に合わせたサイズ
アフターコロナを見据えた環境作りのポイントは衛生対策
コロナウイルスは生活だけでなく仕事環境にも大きな影響を与えたため、アフターコロナを見据えた環境作りが欠かせません。そこで、快適なオフィス環境作りに必要だった要素にプラスして「衛生対策」が必須です。
考えるべき衛生対策を3つご紹介します。
三密を回避した環境設定
コロナウイルスで何度も唱えられてきた「三密」ですが、オフィスにおいても三密を回避できる環境設定が必要です。
特に衛生対策で重要になるのが密閉の部分で、細菌の繁殖が起きないよう時間を決めて必ず換気をする必要があります。また、定期的な換気が難しい場合は、空気が常に循環する換気システムを導入するなど、多少費用がかかる場合でも検討の必要があるでしょう。
また、密接を避けるため人との距離を一定以上保てるように、時差出勤や会議をオンラインにするのも衛生対策の一つです。
職場内で間隔を一定以上設ける
快適なオフィス環境作りだけでなく、コロナウイルスの危険から各自を守るためにも間隔を一定以上設けるシステムが必要です。
コロナウイルスを少しでも防ぐためには、2メートル以上間隔を空けるのが推奨されているため、デスクスペースだけでなく食事スペースや会議室においても間隔を一定以上空けるようにしましょう。また、衛生対策を強化するためにアクリル板やビニールを各場所に設置して飛沫防止策も必要です。
また、個人デスクはどうしても汚れてしまうため、衛生対策の一環としてフリーアドレス制を導入して、デスクは常に綺麗な状態を保てる工夫をしてみるのも良いでしょう。
洗浄・消毒・清掃に関するルール設定
コロナウイルス蔓延を防ぐために、洗浄・消毒・清掃ルールを細かく設定してください。例えば、共有スペースを使用後は必ず消毒をする、一度使用した備品は洗浄する、2時間に1度は清掃するなど、具体的な頻度・回数・タイミングを決めて衛生対策が必須です。
他にも、室内に酸素濃度測定器や湿度測定器を設置して正確な数値を確認しながら消毒や清掃をしていくのも効果的です。
衛生対策に取り組むために必要なもの
衛生対策に取り組んでいく上で必要なものをご紹介します。面倒な作業も多く、必要なものが揃っていなければ習慣付かない可能性もあるので、必要なものは事前に準備してください。
衛生対策に必要な備品を揃える
衛生対策に必要な備品は数多くあります。従業員が健康的に過ごせるオフィス作りのためにも、ピックアップしたものは常に揃えておくと安心です。
・アルコールディスペンサー
・非接触温度計
・アルコールスプレー
・除菌シート
・検査キット
・嘔吐処理キット
・マスク
・空気清浄グッズ
・換気グッズ
・加湿器
・パーテーション
・飛沫防止シート
・使い捨て手袋
・パルスメーター
・フェイスシールド
定期的な環境チェック
清潔な環境を保つためにも、オフィス環境を定期的にチェックするルール設定が必要です。チェック機能がないと段々と環境の悪化が予想されるため、社内で決まったチェック方法を決めてください。可能であれば、外部業者にチェックを委託して隅々まで清潔な環境を保つ工夫を行うことをおすすめします。
チェックの頻度についての目安は以下の通りです。
・室温や湿度:毎日
・消毒など備品:毎日
・換気設備:2ヶ月〜3ヶ月
・清掃点検:2ヶ月〜3ヶ月
今回のまとめ
今回は、オフィス環境を整えるために必要な要素についてご紹介しました。アフターコロナに備えて環境作りのポイントについて把握しておくことが大切です。優良な企業を目指す上で、従業員の健康管理は重要な項目であり、毎日長い時間を過ごすオフィス・事務所を快適な空間にする必要があるでしょう。
また、コロナウイルスの影響でオフィス環境もこれまでとは大きく変わったため、より明確な衛生対策をしていくことも必要です。今回ご紹介した内容を参考に、快適なオフィス環境作りを進めてみてはいかがでしょうか。
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