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オフィス・事務所で働く人々にワークライフバランスが重要視される理由
働き方改革や男女平等参画が各企業で重要視されている中で、注目されているのが「ワークライフバランス」という考え方です。
ここでは、オフィスなどで働く人々にとってワークライフバランスが重要な理由を解説します。ワークライフバランスを重要視することで得られるメリットをはじめ、具体的な取り組み事例もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
1.ワークライフバランスを取り入れることで子育て世代が長く働ける
2.社員のプライベートを大切にするという企業イメージの向上につながる
3.ワークライフバランスを考慮するメリットと具体的な取り組み方法
4.今回のまとめ
ワークライフバランスを取り入れることで子育て世代が長く働ける
ワークライフバランスという言葉をよく耳にしますが、実際どのような考え方なのか説明できない方も多いのではないでしょうか。ここでは、ワークライフバランスの基本的な考え方をはじめ、ワークライフバランスが重要視されている理由についてご紹介します。
ワークライフバランスとは
ワークライフバランスを日本語に直訳すると「仕事と生活の調和・バランス」です。日本政府によると、ワークライフバランスとは「働くすべての方々が仕事と育児や介護、趣味や学習、休養、地域活動といった仕事以外の生活との調和をとり、その両方を充実させる働き方・生き方」としています。
単に、労働時間調整を行ったり、女性にとって働きやすい環境を整えたりすることがワークライフバランスを実現している訳ではなく、年齢や性別を問わず、働くすべての方たちに関わる考え方なのです。
仕事によるストレスが軽減されてうまく業務に取り組むことで、私生活でも精神的にも身体的にも余裕を持って過ごせる、そして私生活が充実することで仕事のパフォーマンス性も向上するという相乗効果が期待できるとされています。
ワークライフバランスを構成する2つの考え方
ワークライフバランスを考える上で重要な2つの考え方として「ファミリーフレンドリー」と「男女均等推進度」があります。
ファミリーフレンドリーとは、別名「両立支援」とも呼ばれており、働きながら育児や介護を両立する方のために働く環境や制度を整えることです。企業の中堅クラスとして奮闘する子育て世代や介護に忙しい40〜50代など、幅広い世代の人たちにとって働きやすい環境を整備することが求められています。
男女均等推進度とは、性別によって評価や待遇が変わることなく、能力を発揮する環境を整える取組みです。
1985年に「男女雇用機会均等法」が制定されたことによって、人員募集や採用、配置や昇進など、人事に関わるすべての項目において性別を理由による差別が禁止されています。差別をなくして男女の格差を是正する働きかけを行うことで、ワークライフバランスの実現に大きく貢献していくのです。
ワークライフバランスが重要視されている理由
ワークライフバランスの重要性が注目された理由は、「少子高齢化」です。労働人口がどんどん減少していく日本にとって女性の社会参画が重要なポイントであると考えられるようになりました。出産や育児をきっかけに仕事の継続を諦めてしまう女性のために、出産・育児休暇制度の整備や保育所の拡充など、自治体や国をあげた政策が進められてきたのです。
さらに、高齢化による介護時代に突入したことで、親の介護を理由に優秀な人材が他の企業に転職してしまうケースも増えてきました。介護による休職が認められたり、昇進の機会が与えられたりなど、介護する働き世代にとって安心できる社風や制度を整えることが求められているのです。
社員のプライベートを大切にするという企業イメージの向上につながる
ワークライフバランスを充実させることで、一人ひとりの社員にとってはもちろんのこと、企業にとっても多くのメリットがもたらされるでしょう。ここからは、ワークライフバランスに取り組むことによるメリットについてご紹介します。
女性社員の定着率がアップする
平成30年雇用動向調査結果の概況によると、退職する女性のおよそ10%が「結婚・子育て」を理由にリタイアしていることが分かりました。出産・育児休暇を取得しにくかったり、子育てをする上で重要な労働時間や休日などの労働条件がマッチしなかったりなど、様々な理由によって仕事を諦めなければならない女性がたくさん存在するのです。
結婚、出産、育児、介護など、女性を取り巻く環境は日々変化します。このように社員一人ひとりのライフステージの変化に順応した柔軟な働き方を見直すこと、そして労働時間や休日などの労働条件を改善することで女性社員の定着に大きく貢献するでしょう。
優秀な人材を確保できる
働き世代の人口が減少する中、企業にとって人材の確保はとても重要です。特に、優秀な人材の確保は企業成長に欠かせません。
ワークライフバランスを推進することで社内の雰囲気や人間関係がよくなり、企業イメージがアップします。その結果、優秀な若手社員を確保できるのはもちろんのこと、社員のエンゲージメントも高まるため外部への人材流出を防げるでしょう。
社員のモチベーションがアップする
平成30年若年者雇用実態調査の概況によると、社員が離職する最も多かった理由が「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」でした。
ワークライフバランスを充実させて労働環境を整えることで仕事に対するモチベーションが向上するため業務に対して前向きに取り組めますし、さらには離職率の低下にも大きく貢献します。
このように、私生活と仕事の程良いバランスを考えるためにも労働環境や就業環境の改善が急務と言えるでしょう。
業務効率や労働生産性がアップする
ワークライフバランスを実現するためには、業務効率の改善が重要です。業務効率を上げることで社員全体の生産性を高めるだけでなく、作業時間の削減も期待できるため時間外労働の減少にも大きく貢献します。残業がなく、休日出勤がない企業であることを上手にアピールできれば、若手社員の獲得や育成にも効果を発揮するでしょう。
ワークライフバランスを考慮するメリットと具体的な取り組み方法
ワークライフバランスを実現するためには、具体的な取組みをいかに実践していくかが重要です。ここでは、ワークライフバランスの導入事例をいくつかご紹介します。
休業制度の見直し
育児や介護と仕事の両立を成功させるためにも、休業制度を整えることが大切です。「育児休暇」はもちろんのこと、介護のための「介護休業」が該当します。
休業制度を見直す際に重要なのが、性別問わず取得できる仕組みを整えることです。制度があるだけで誰も利用しないのでは意味がありません。制度を活用しやすい雰囲気づくりはもちろんのこと、誰が利用したとしても業務に影響が出ないような仕組み作りも大切です。
休暇制度の見直し
長期休業の制度だけでなく、休暇制度についても見直しをしてください。
お子さんの急な体調不良など、ご家族の病気やケガなどの際に取得できる「看護休暇」や「配偶者出産休暇」などがこの休暇制度に該当します。
その他にも、有給を取得しやすい仕組みづくりも大切です。有給をしっかりと消化できるような働きかけはもちろんのこと、有給を利用した連続休暇や年次有給休暇の積立制度なども推進していきましょう。
勤務時間の見直し
多様な働き方を実現するためにも勤務時間の見直しも重要なポイントです。
柔軟な働き方を推進するためにも「フレックスタイム制度」や「時短勤務」を始め、一定の期間内で労働時間を調整する「変形労働時間」など、社員が働き方を自由に選べる環境を整えることは大切です。特に時短勤務を推進する場合は、それぞれの社員が複数の選択肢から選べるよう、様々なバリエーションを用意することをおすすめします。
その他にも、長時間労働を解消するためにも、ノー残業デーを採用したり、残業する際には事前に申告しなければならなかったりなどの工夫や対応を考えていきましょう。
リモートワークやテレワークの導入
新型コロナウイルスの影響により、リモートワークやテレワークを推進する企業が増えました。これらの働き方もワークライフバランスを実現するためにとても有効的な手段です。
通勤時間を短縮することによって子育てや介護、家事や趣味などに使う時間を捻出できますし、交通費の大幅な削減、居住地を理由に雇用できなかった優秀な社員の雇用や障がい者雇用もしやすくなるでしょう。
「在宅勤務制度」や「サテライトオフィス制度」、さらには「ワーケーション制度」などを整えることで、社員の満足度向上も期待できます。
充実した福利厚生制度の導入
福利厚生制度を充実させることも、ワークライフバランスを推進する上で重要視したいポイントです。レジャー施設や宿泊施設の割引制度やフィットネスジムの利用、そして資格取得の支援など、福利厚生制度と一言で言っても様々な種類があります。
福利厚生が充実している企業は、社員を大切にする優良な企業というイメージに繋がり、優秀な社員を集めるために有利に働くはずです。
今回のまとめ
今回は、オフィスや事務所においてワークライフバランスが重要視される理由について詳しくご紹介しました。ワークライフバランスという考え方は、テレワークや働き方改革が推進されたことによって注目を集めています。
ワークライフバランスにより私生活と仕事のバランスを取ることで、企業全体の生産性を高める効果が期待できます。それ以外にも、企業イメージや社員の定着率が向上したり、仕事に対するモチベーションがアップしたりなど様々なメリットがもたらされるでしょう。
ご紹介した具体的な取組みを参考にしながら、自社の抱える課題を解決するための施策や制度改革について考えていくことをおすすめします。
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