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オフィスを移転させる理由とは?働き方改革との関係や移転を成功させるコツを紹介
オフィス移転は企業において大規模プロジェクトです。移転の目的が不明瞭なまま検討を進めると、費用や工数ばかりかかってしまい、移転後に思うような効果が得られない可能性があります。
移転計画はスタートが肝心です。最初に、自社のどんな課題を解決したいのかや、従業員が働きやすいオフィスとはどんな空間なのかなどを考え、移転理由を明確化することが大切です。また、ワークスタイルの変化に伴い移転する企業も増えているため、今回はオフィス移転の理由と、働き方改革と移転の関係、移転を成功させるコツについてご紹介します。
最初に移転理由を明確化することが重要
オフィス移転では、引っ越し作業やさまざまな業者とのやり取り、取引先への連絡など多くのタスクが発生します。全ての工程を進めるためには半年程度かかるため、物件選びを急ぎがちです。
しかし、焦って決めてしまうと、社内で後から不満が出てくる可能性があります。たとえば、賃料の安さを優先して物件を選んだ結果、従業員のモチベーションが下がったり、離職につながったりするケースもあります。最初に移転理由を明確化し、物件選びの基準にすると、失敗しづらくなるでしょう。
企業が移転する5つの主な理由
オフィスは、従業員の士気を高めるための大切な場所です。
大きな労力が一次的にかかりますが、移転により職場環境が改善することで、企業に良い影響をもたらすでしょう。
ここでは、代表的な理由を5つ解説します。
理由①従業員の人数が増えたため
移転の理由で多いのが、業績の向上で従業員が増え、手狭になったというものです。事業拡大などにより業務量が増え、採用スピードが加速すると、必然的に現行のオフィスでは手狭になってきます。このような場合は、充分なスペースを確保するために移転という手段を選ぶことになるでしょう。
狭いオフィスは、人と人の距離が近くなったり、収納スペースが限られ、物の管理が煩雑になったりしてストレスを感じやすくなります。従業員のモチベーションを高めるためにも、増員する予定がある企業では移転を考えるでしょう。
理由②生産性を向上させるため
働く環境を変えることで、より生産性を高めようとする企業も増えています。実際、職場環境は生産性が環境によって大きく左右されます。たとえば、暗くて狭い環境は、眼精疲労や視力低下の原因になったり、周囲雑音で集中しづらかったりします。
環境を改善し、生産性が高まれば、結果的に業績向上も期待できるでしょう。模様替えでは対応が難しい場合でも、明るく広いオフィスに移転することで解決できます。
また、最近では執務スペース以外にも様々な工夫を凝らす企業が増えており、
・気分転換やミーティングなど多目的に使えるラウンジを設置する
・非喫煙者の集中力を阻害しないように喫煙エリアを区切る
・ストレス発散やコミュニケーション促進のためのリフレッシュスペースを設置する
など、多様な取組みが進んでいます。
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理由③企業のブランドイメージを高めるため
オフィスの所在地を変えることで、企業ブランドイメージを向上させる企業もあります。
同業種が集まる立地は一流企業が集まりやすい傾向です。たとえば伏見の場合、金融や証券会社など、地域に根付きお客様の信頼を第一に考える企業が集まっています。認知度の高い立地は、企業自体も認知されやすくなったり、成長の勢いを感じさせたりと対外的な強みになる場合があります。
さらに、同業種が集まると交流が深まり情報交換できるといった利点もあるでしょう。
理由④優秀な人材を集めるため
人材不足はどの業界でも共通の課題ですが、求職者が企業を選ぶ基準の一つにオフィス環境があります。オフィスに対して良い印象を抱いたことがきっかけとなり、応募する人もいるでしょう。
たとえば、
・職場が憧れのオフィス街やビル内にある
・駅直結や駅近など交通の便が良い
・清潔でおしゃれな雰囲気が感じられる
・リフレッシュスペースがある
といったように、日々通勤するオフィスの環境を重視する傾向です。
また、快適なオフィスは既存人材のエンゲージメントも高めるため、定着率向上も見込めます。
理由⑤業務縮小のため
テレワークが増えて出社人数が減って狭いオフィスにしたい、一等地に借りたけれど他の立地でも問題ないためコストカットしたいなどの理由で、移転する企業があります。
業務縮小が理由で移転する場合は、現在のオフィスより狭かったり、立地が悪かったりしていいイメージがないかもしれません。
しかし、シェアオフィスを導入して新しい働き方を提供できる、ペーパーレス化して無駄なスペースを減らすなど、メリットは様々あります。
働き方改革の推進とともに移転する企業が増加
働き方の多様化で、従業員は必ずしもオフィスにいる必要がなくなりました。その影響で、オフィスの在り方を見直す企業が増加傾向にあります。
厚生労働省により「働き方改革」が推進されており、長時間労働の是正や多様で柔軟な働き方の実現、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保等が企業に求められています。
【出典】厚生労働省「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」
企業は、従来のように従業員全員が出社することを前提とした広さを確保する必要は無くなり、替わりに、従業員同士のコミュニケーション活性化やワーク・ライフ・バランスを重視したオフィス作りにシフトしつつあります。
このため、オフィスレイアウトも所在エリアも自由に選べる「移転」を選択する企業が増加中です。
移転を成功させるコツ
移転を成功させるためには、物件を選ぶ前の準備を徹底しましょう。
ここでは、成功させるコツを進行順にご紹介します。
従業員へ現オフィスでの課題や新オフィスへの要望をヒアリングする
従業員が移転後に不満を持つ要因として、旧オフィスの問題点が改善されてないケースがあります。最初に、従業員に対し、現状に対する改善要望や、具体的にどんなオフィスで働きたいかなどをヒアリングすれば、改善されるでしょう。
物件やレイアウトを決める際は、ニーズが多い意見を参考にすると、従業員の満足度向上が見込めます。
従業員の理解を得るために説明会を行う
ヒアリングが終わったら、従業員に向けた移転説明会を開催しましょう。
環境の変化に不安を感じる人や、莫大な費用がかかることに対し懸念を示す人も想定されるため、丁寧な説明で理解を仰ぐ必要があります。
従業員の貴重な意見を参考に移転プロジェクトを進める旨や、会社と従業員それぞれのメリットはなにかを説けば、納得してもらいやすいでしょう。
現在のオフィスの問題点を整理する
従業員からの声や、生産性、健康経営などの観点で問題点を洗い出し、整理することで物件選びの条件が確立できます。
特に、レイアウトの工夫で解決できない問題については、注意すべきです。
たとえば、もともと備わっているコンセントの数が少なく、複雑な配線になってしまっているケースや、トイレが執務室から離れた場所にあり、使いづらいといったケースが考えられます。
全てをクリアした物件を見つけるのは難しいかもしれませんが、優先すべきポイントを決め手おくと、理想に近づきやすいでしょう。
余裕を持ったスケジュールを組む
計画的な移転を実現するためには、スケジュールを立て、全社に展開し、各自がやるべきタスクを漏れなく実施する必要があります。スケジュールに余裕がないと、焦って物件を決めたり、途中でトラブルが発生した際に移転日が後ろ倒しになったりとリスクが増えるでしょう。従業員の仕事に支障が出れば、不満につながりやすくなります。
現在のオフィスの更新時期から逆算し、早めに移転の検討をしましょう。
先を見据えた予算計画を立てる
移転先の立地や面積に応じて、賃料や光熱費などが変わるため、月々どのくらいの支出が見込まれるのかを計算して予算を確保しましょう。
また、移転後は数年間同じオフィスを使う前提で、予算計画を立てましょう。人件費や新規事業への投資など、企業全体の費用や予定外の出費なども考慮すると安心です。
新オフィスのレイアウトは慎重に決める
レイアウトは、生産性やブランディング効果、人材獲得に関係するため、慎重に決めましょう。一度オフィス家具を配置してしまうと移動するのは大変です。要件を満たしているか、じっくり考える必要があります
まずは、各スペースの配置と配分を確定します。この作業は「ゾーニング」と呼び、無駄なスペースを省いたり、導線を最適化したりする目的で実施します。
ゾーニングが決まったら、次に各スペースの細かな部分を決めましょう。
デスクの配置だけでも豊富なバリエーションががあります。たとえば、デスクを向かい合わせにした対面式は、部署内の報連相が取りやすく、人事や経理、企画に向いているでしょう。順序立てて考えれば、レイアウトをスムーズに決めやすくなります。
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自社で決めづらい場合は、業者に相談するのも良策です。オフィス移転に詳しい業者であれば、家具の配置以外にも、新型コロナウイルスや災害時の対策など、広い視野と専門的な知識を活かした提案をしてくれるでしょう。
まとめ
今回は、オフィスを移転する理由や働き方改革との関係、移転を成功させるコツをご紹介しました。
移転で達成すべき目的を明確にし、物件選びやレイアウト決めに生かすことが重要です。また、移転を機に働き方改革を推進することも可能です。十分に検討を重ね、理想のオフィス作りを目指しましょう
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