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オフィスの休憩室を快適な空間に!作り方のポイントや注意点を解説
ワークライフバランスへの意識の高まりや、働き方改革の推進に伴い、オフィス環境を見直す企業が増えています。中でも注目されているのが「休憩室」です。オフィスに休憩室を設置することは、従業員にとっても企業にとってもプラスの効果があります。
ここでは、休憩室を設けるメリットや構築のポイント、注意点についてご紹介します。
1.オフィスの休憩室はなぜ重要?
2.オフィスに休憩室を作る4つのメリット
3.オ休憩室作りのポイント
4.快適な空間にするためのアイディア3選
5.休憩室を作る際の注意点
6.今回のまとめ
オフィスの休憩室はなぜ重要?
厚生労働省により制定された事務所衛生基準規則の第19条で「事業者は、労働者が有効に利用することができる休憩の設備を設けるように努めなければならない」とあり、企業に対する努力義務が示されています。
さらに平成19年からは、経済産業省が中心となって「クリエイティブ・オフィス」(従業員の創造性やモチベーションを高め、成果を発揮しやすい環境のオフィス)を推進しています。意欲的に快適に働くためには、休憩や食事の時間をいかに過ごすかも重要。というわけで、クリエイティブ・オフィスは、執務室だけでなく休憩室も重視する考え方です。
【引用元】事務所衛生基準規則「休憩の設備」
オフィスに休憩室を作る4つのメリット
休憩室は、一般的に疲れた時やランチタイムなどで使われるイメージかと思いますが、ほかにも様々な良い効果をもたらします。
ここでは具体的に4つのメリットを紹介します。
メリット①生産性が上がる
心と体をしっかり休ませられる時間の有無は、仕事の生産性を大きく変えます。
休憩室が無いオフィスでは、従業員が執務室で1日中過ごすことになるため、気持ちの切り替えが難しくなりやすいです。
疲れたときに仕事から一旦離れ、気分転換ができれば、作業効率や集中力の向上、新しいアイディアの創出につながるでしょう。
メリット②従業員の満足度が上がる
働きやすさや健康に配慮した休憩室を設置することで、従業員は快適な職場だと感じます。また、「働きやすくなるように考えてくれている」と実感することで、会社への満足度が高まるでしょう。
その結果、離職率の低下につながり、優秀な人材の定着にも期待できます。
メリット③コミュニケーションが活性化する
休憩室が従業員の憩いの場となれば、普段関わらない人とのコミュニケーションも生まれやすくなります。
気軽に意見交換をしたり、何気ない日常会話をしたりして交流を深めれば、風通しの良い雰囲気になるでしょう。
休憩室の交流を機に、部門を越えた協業や異動があった際も馴染みやすくなります。
メリット④企業のブランディングにつながる
休憩室は、基本的に従業員のためのものですが、自社らしい空間作りをすることで、社外に対するアピールにもなります。
社外のお客様が来訪された時、会議前後に休憩室で寛いでもらったり、社外向けのセミナーなどを開催時に、雑談スペースとして使ったりすれば、会議室への往復のみよりも印象に残りやすくなるでしょう。
その他、コーポレートサイトで求職者向けにオフィス内の写真を公開し、休憩室の様子を紹介することで、求職者は楽しく働ける、という印象を抱き、応募につながるかもしれません。
近年はカフェテリア風のオシャレな社員食堂を一般開放して、ブランディングに活用している企業も増えています。
休憩室作りのポイント
休憩室を新たに設置したり改善したりする際、どのようなポイントに注意して作ったらよいか分からない方もいるのではないでしょうか。
ここでは、具体的なポイントをご紹介します。
執務室と離れた場所に設置する
休憩室から仕事の様子が見えると、気になってゆっくり休みづらくなります。できるだけ執務室から離しましょう。
同じ部屋であれば、
- レイアウトを変える
- 目隠し効果のあるパーテーションや観葉植物を置く
- 家具で壁を作る
など、工夫しましょう。
充分な広さを確保する
休憩室は充分な広さを保ち、従業員が使いやすい場所にします。狭すぎる場合は利用者同士で譲り合うことになり、使いたいタイミングで使えず、気軽に立ち寄りづらくなってしまいます。
広さがあれば、
- ミーティングに使える
- 個室ブースを作れる
- 仮眠をとる場所として使える
といったように、様々な利用用途で使えるため、休憩室を有意義に活用しやすくなります。
リラックスできるような工夫がある
居心地がよく、リラックスできる空間になれば、従業員は心身ともに休まるでしょう。
たとえば、
- 観葉植物を置く
- 暖かみのある照明や間接照明を設置する
- くつろげるソファーを置く
- 木目調の家具を置く
など工夫すると、オン・オフの切り替えもしやすくなります。
観葉植物は、ストレス緩和になるだけでなく、空気洗浄効果もあります。
照明は、執務室よりも少し暗めで、暖かみのある照明がおすすめです。特に、オレンジ系の照明は、アットホームで柔らかい雰囲気を醸し出します。メインの照明は少なめにして、間接照明を使うのもおすすめです。
従業員の意見を取り入れよう
休憩室を実際に使う従業員の意見を反映することで、より利用しやすい場作りができます。
人数が多いほど様々な意見が出てくるので、一斉アンケートで意見を回収し、優先順位を付けるとまとまりやすくなります。
匿名なら本音も吸い上げやすく、ありのままの感想が聞けるでしょう。
自分の提案が採用された実感があれば休憩室への愛着も湧きやすく、職場や会社に対する満足度向上にもつながります。
快適な空間にするためのアイディア3選
休憩室は執務エリアと異なり、自由度が高いからこそ何を取り入れたらいいか分からなくなってしまうこともあるでしょう。
ここでは、従業員が思わず立ち寄りたくなるようなアイディアをご紹介します。
カフェ風のインテリアにする
- 疲れたから一息つきたい
- 集中力が切れたから頭を切り替えたい
といった際、コーヒーやお茶を飲む方も多いでしょう。そんなとき、休憩室のインテリアがカフェ風であれば、よりリラックスできて気持ちも明るくなるはずです。
インテリアだけでなく、自宅ではなかなか手が出ない備品類にお金をかけるのも、満足度と気分が上がるのでおすすめです。
導入例
- 機能的でおしゃれなコーヒーメーカー
- 人気銘柄の紅茶
- ウォーターサーバー
- 高級トースター
- 雑誌が読めるタブレット
- マッサージチェア
ミニキッチン(給湯室)を作る
休憩室はランチタイムに使うことが多いため、ミニキッチン(給湯室)があると重宝するでしょう。
ミニキッチンに置くと便利な物
- 冷蔵庫
- 電子レンジ
- 電気湯沸かし器
- 流し台
美味しく食べられるかどうかは、QOLに直結します。お弁当を温めたり、デザートを冷やしたりできることは、実はとても大事なことなのです。食後にお弁当箱を洗いたい人もいるので、流し台もあると便利でしょう。
但し、キッチンの音や匂いが気になる場合もあります。休憩室と離れた場所や区切られた場所に設置できればベストです。
執務室と雰囲気を変える
執務室と休憩室の雰囲気が似ていると、気分転換しづらくなります。休憩室のテイストは、執務室と変えると良いでしょう。
全体の雰囲気を変えるには、壁紙や床板、家具といった大きいパーツを変えるのがおすすめです。また、テーマを決めて統一感を持たせると、落ち着いた空間に仕上がります。
テーマ例
- 和モダンスタイル
- 西海岸スタイル
- アジアンスタイル
- ブルックリンスタイル
- フレンチカントリースタイル
休憩室を作る際の注意点
休憩室を作る際に注意すべきポイントがいくつかあります。
後々混乱しないように、前もって把握しておきましょう。
オフィスの内見時に設置場所を検討する
オフィス移転時の内見では、どうしても執務室ばかりに目が行きやすくなります。
しかし、休憩室の場所も想定しておくことが大切です。考慮から漏れてしまうと、移転後、設置場所に悩んでしまうことも。
内見時に確認すべきこと
- 休憩室の広さは充分確保できるか
- 執務室と離して設置できるか
- 従業員がよく通る場所であるか
せっかく作っても、利用者が少ないと意味がありません。多くの方が利用できるように、従業員の動線を考えて場所を決めるのがおすすめです。
オフィス環境に関する法律をチェックしておく
努力義務があるとはいえ、「休憩室」の設置は必須ではありません。しかし「休養室」は労働衛生基準法で定められており、随時使える機能が確保されている状態でなくてはなりません。
休憩室と休養室は混同しやすいので、休養室のスペースを先に決めてから休憩室の場所を考えましょう。
【引用元】事務所衛生基準規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令
利用時のルールを決めておく
マナーが悪いと、せっかくの休憩時間が台無しになってしまいます。あらかじめ社内で利用時のルールを決め、利用者全員が気持ちよく使えるようにしましょう。
ルールの一例
- 情報漏洩につながる行為をしない(パソコンや書類は持ち込まない)
- コーヒーサーバーの掃除や消耗品の補充を担当制にする
- 使用後は片付けやごみの分別をする
- 仮眠を許可するか決める
あまり細かく決めてしまうと、逆に使いづらくなり、人が集まらなくなってしまうので、重要な部分だけを決めておきましょう。
今回のまとめ
オフィスの休憩室を作るメリットや作り方のポイント、注意点をご紹介しました。
オフィスに快適な休憩室を構築すれば、従業員の満足度が高まり、生産性がアップするなど会社全体に良い影響をもたらします。また、会社のイメージアップにもなるでしょう。
休憩室の作り方や注意点をおさえて、働きやすい環境を実現しましょう。