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オフィス環境の作り方

2022.10.05

賃貸オフィスに役立つ集中ブースの効果的な設置場所と運用する際の注意点


賃貸のオフィスでの集中ブースの需要は今の社会情勢とも相まって高まってきました。具体的には、新型コロナウイルス感染拡大防止の影響から、テレワークを推進する企業が増えたことです。パソコン一つでネット環境があれば仕事のできる状況は、オフィス内でも半隔離された個別のコーナーがあるなら活用したい人も多いでしょう。また、フリーアドレス型を採用する企業の増加によって、集中できるスペースの必要性も訴えられるようになりました。
今回は、集中ブースの設置に関して、効果的な導入例をはじめ、そのポイントを解説します。運用におけるルールのアイデアもご紹介しますので、導入を検討する際の参考にしてください。

集中ブースに最適な設置場所と導入事例

集中ブースを現在の賃貸オフィスに置く場合、大きな工事をしなくても可能です。ここでは、最適な設置場所と導入事例を見ていきましょう。

集中ブースをつくるのに最適な場所

ブースを置くにあたり最適と考えられる条件は大きく3つあります。
まずは、「人の動線上でない出入りの少ない場所であること」です。フロア内でも出入りの激しい場所に作ろうとすると、集中できません。例えば、トイレに立つ人が必ず通る動線上や不特定多数の人が頻繁に使うコピー機や休憩室の近くなどは、スペースがあっても避けた方が無難です。人の気配を感じるだけでも案外集中力はそがれるものです。
次に、「音がある程度遮断された場所であること」も必要です。遮音性のあるパネルや仕切りを採用してパーソナルスペースを確保することも考えられますが、それでも音の少ない場所を選択するに越したことはありません。仕事場にある音は、受付の電話の音などはもちろん、会話も入ります。会議室や休憩室など話すための部屋の近くは避けるようにした方が賢明です。
最後に、「周りからも邪魔にならない場所であること」です。内部からの視点でのみ考えて場所を設けると、あとで弊害が出るかもしれません。普通に仕事をする人たちが気を遣わない場所であることも考慮すべきでしょう。

集中ブースの導入例

次に、比較的簡単に導入可能な集中ブースの例をご紹介します。
まずは、パーソナルスペース用オフィス家具を活用する方法があります。
これには様々なタイプがあり、例えば、家具を組み立てて、天井や周囲がある程度囲われた電話ボックスのような個室状態のスペースを作るのです。
または、周囲を囲むパネルとテーブルやソファーが一体化したものもあります。いくつも置くとなるとかなり広い空間が必要となりますが、遮音性が高く、周りの視線からもある程度遮断されるため集中力がより高まる状態となるでしょう。
他にも、サイドパネルで両隣のみを遮断するパネルデスクもあります。これを静かな場所に並べることでスペースを確保するのも良いでしょう。
また、比較的スペースをとらないのはパーソナルソファーを購入する方法もあります。背もたれやサイドの壁が高くなっていて、ソファーとパソコンデスクのみで個室的な空間が完成します。
オフィス家具を買わない場合には、ロータイプやハイタイプのパーティションで周囲を囲み、パーソナルスペースを作る方法もあります。遮音性や防音性の優れた仕切りもあるので、利用してみるのもおすすめです。
普通のデスクに周囲を囲むついたてを置くだけでも集中できる空間として成り立ちます。これは周りの目線を遮って余計な情報をいれない状態になることで心理的に集中できることを狙ったものです。ただし、遮音性に関してはないも同然なので注意しなければなりません。
その他、窓や壁に向かって仕事ができるよう、カウンターテーブルを並べ、仕事スペースを作るのも1つの導入方法です。前や後ろに人がいない状態になるため、通常の業務スペースがアイランド型である場合には、ここに移動することで心理的にも集中する状態を作ることができます。

賃貸オフィスに集中ブースを設置する時のポイント

集中ブースを取り入れると決めたとき、押さえておきたいポイントがいくつかあります。
会社内に作ったけれど効果が上がらないと困ります。ポイントを押さえることでより個人の生産性が上がることが期待できるため、チェックしておきましょう。

そもそも集中できる環境であるのかどうか

ブースを取り入れても、そこで集中できない状態では意味がありません。
例えば、人の出入りが激しいと、音や気配で集中力がそがれるだけでなく、人にも話しかけられやすい状況を作ってしまうでしょう。せっかく集中したいのに覗き込まれやすい高さのパーティションだと、台無しになってしまいかねません。なるべく静かな場所に、スペースとしても騒がしい場所と隔てられたところに設置することをおすすめします。
また、プラスして観葉植物やちょっとした絵画などでリラックスした状態も考えられていると、集中しやすい環境となります。心理的にも集中しやすい環境を考えるとより効果的です。

遮音性がどれくらい必要か

仕事がはかどるかどうか集中できるかを考えた場合には遮音性がどれくらい必要かという点が重要です。
例えば、クリエイティブな発想をする仕事には、騒がしさは大敵と言われています。企画書をまとめたり事務的な作業を集中してやったりするときより、新しくアイデアを生み出すときのほうが雑音は邪魔になるでしょう。特に、電話のやり取りや周りの雑音の多い職場であれば、かなり高い遮音性が必要です。
さらに、スペースの中で電話をしたり、Webで会議を行ったりする需要がある職場なら、聞こえてこないだけでなく外に音が漏れない防音性も考慮しなくてはいけません。
仕事の内容によってもどの程度遮音性が必要かどうかは変わってくるため、実際にどのような職種なのかを確認したうえで、遮音性について検討してみると良いでしょう。
また、同じ職場内で遮音性を気にしたほうがよい職種、それほど気にしなくてもよい職種が混在している場合もあります。職場すべてを遮音するだけの費用的な余裕がない場合、音を出しても良い区域と音を出してはいけない区域とのすみわけをするなども一つのアイデアとして考えてみましょう。

どれくらいの社員が利用するのか

社内にどれくらいの数の集中ブースが必要なのかも大きなポイントになります。多すぎてもスペースをとるだけですし、少なすぎると利用できないことがストレスになってしまいかねません。快適に気持ちよく利用できるためにも、利用する可能性がある人数を把握しておく必要があります。
例えば、集中ブースがあると使う人がたまにいる、という程度であれば、パーソナルソファーを数個購入して利用するイメージで十分かもしれません。
しかし、毎日数名の社員が一日そこにこもって仕事をするというのであれば、個室タイプのものを数名分用意する必要があります。
集中ブースが集中できる環境としてきちんと機能するためには、邪魔されない設置場所と仕事に適した遮音性、ストレスなく利用できる個数がポイントです。

集中ブースの運用ルールの例と守ってもらうための工夫とは

仕切られたスペースは上手く使うことで個人、ひいては企業の生産性を向上させます。そうした効率的な運用をするためには、ルールも必要です。
なぜなら、視線が遮断された空間であるのなら、ある特定人物が私有物化するリスクや、仕事でないことでの利用頻度が高くなるリスクをはらんでいるからです。また、集中できる環境づくりとしてルール化しておくと効率が良いこともあります。
例えば、次のようなルールを作っておくと効果的です。

利用している人には必要以上に話しかけないようにする

これはマナーのようなことですが、規則として決めておくことで、お互いに気持ちよく作業ができるようになります。また、これを規則として掲げておくと、集中して仕事をする場所であることが明確化されます。日常的に快適だからといって常に利用する人がいると困るからです。

利用時間の上限や制限を決める

利用時間に関して、一回の利用は何時間までなど制限や上限を設定しておくことも考えると良いでしょう。同じ人がずっと居続けることを難しくするためにもおすすめの規則です。

飲食の可否を設定する

共有スペースを気持ちよく使うために、飲食をどうするかもあらかじめ決めておくことは大切です。飲食を許可する場合にも臭いのきついものは避けるなど、細かく明確にしておくと良いでしょう。
これらのルールがしっかり守ってもらえるように、近くに目視できるサインを掲示するなどの工夫が大切。周知されないと意味がないからです。利用マニュアルをまとめておき、いつでも見られる場所に置いておくのもおすすめです。

今回のまとめ

今回は、効果的な設置をするために、その利用に最適な環境や設置にあたってのポイントを解説しました。賃貸オフィスに集中ブースを作ることは大きな工事もいらず、難しくもありません。導入することでのメリットは、仕事の内容によってはかなりの生産性向上を期待できるでしょう。
組み立て式のオフィス家具やパーソナルソファーなどは集中できるように設計されているものの、その設置場所や周りの環境を間違うと、やはり集中しきれない状態になってしまうので注意しなければなりません。どこまで仕切るのか、というのもオフィス内の環境や仕事内容を考えて最適なパターンを選択することが重要です。
また、そうしたブースを運用するにあたってあった方が効率よく利用できるだろうというルールを策定することも大切です。規則として明確化することで全社員が、ストレスなく気持ちよく利用することができるでしょう。ぜひ、注意すべきポイントを押さえて、効果的な集中ブースを導入・運用してみてください。

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