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集中ブースとは、周囲をシャットアウトして作業に集中して取り組むことができるプライベート空間のことです。オフィスに落ち着けるプライベート空間を作り出すことによって、作業効率の向上が期待できます。集中ブースには4つの種類があり、使用目的に応じて選ぶことが肝心です。
この記事では、賃貸オフィスに設置できる集中ブースの種類と、目的に応じた選び方をご紹介します。オフィスに集中ブースを設置したいと考えている担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

賃貸オフィスの集中ブースはソファ型・パーティション型・ファミレス型・多目的型の4種類

近年、社内のコミュニケーションを充実させるためにフリーアドレスを採用するなど、オープンなレイアウトのオフィスが多くなりました。オープンなレイアウトのオフィスは社員同士が親密に交流を図れるメリットがある反面、周囲の声や視線が気になり仕事に集中できないというデメリットがあります。このデメリットを改善するために、集中ブースを導入する企業が増えているのです。
また、コロナウイルス感染対策やSDGsへの取り組みからテレワークを採用する企業が増えており、Web会議に適した環境を整えるために集中ブースへの需要が急増しています。

集中ブース導入のメリット

集中ブースとは、オフィス内の声や視線をシャットアウトした空間のことです。集中ブースを導入するメリットは主に2つあります。

1、作業に集中できる
周囲の音や視線をシャットアウトすることで、人目を気にせずリラックスして作業に集中できます。また、集中ブースを利用することは「集中して取り組みたいタスクがある」と周囲に宣言することになり、作業達成へのモチベーションが上がり生産性の向上が期待できるのです。

2、情報漏洩リスクを回避できる
集中ブースでは周囲の視線を遮断することができるので、パソコン画面などから機密情報が漏れるリスクを軽減できます。 また、重要なWeb会議では人物や書類の映り込みや音漏れを気にすることなく安心して臨めます。

集中ブースの種類

集中ブースの種類は以下の4つです。それぞれの特徴を簡単にご紹介します。

ソファ型

ソファの両サイドと背面にパネルが設置されている型で、程よく周囲から遮断します。座り心地のいいソファにはクッションが設置され、手元にはサイドテーブルが付いており、ノートPCや飲み物などを持ち込めます。ソファ型の集中ブースは、リラックスして作業に没頭できるのが特徴です。

パーティション型

デスクの周囲をパーティションで囲むことで周囲を遮断するタイプです。パーティションは軽くて運びやすく設計されているものが多く、移動させるだけで手軽にプライベート空間を作れるのが魅力です。

ファミレス型

ファミリーレストランの個室席のようにテーブル席の周りに背の高いパネルがつけられており、外部を適度に遮断します。ファミレスの椅子のようなクッションで長い時間座っていても疲れにくく、リラックスできるのが魅力です。周囲を気にすることなく落ち着いて話し合えるので、少人数での会議や打ち合わせに適しています。

多目的型

多目的型の集中ブースは、会議室や応接室などの広い空間に設置して利用します。空間を自由に仕切ることで「集中したいソロワーク」「少人数での打ち合わせ」「チームで取り組むタスク」など、様々なシチュエーションの作業をひとつの空間で同時に行うことが可能になります。多目的型ブースは、オフィスのスペースを最大限に有効活用できるのが魅力です。
集中ブースを設置するスペースがない賃貸オフィスには、既存のデスクに置くだけのタイプもおすすめです。必要に応じてデスクに設置するだけで、手軽にプライベート空間を作り出すことができます。

Web会議にはソファ型とパーティション型が適している

賃貸オフィスに設置する集中ブースは、それぞれの特徴を理解して、オフィスの環境や使用目的に合ったものを選ぶことが大切です。ここでは、用途別に適した集中ブースの種類を解説します。

Web会議 /ソファ型・パーティション型

コロナ感染症対策に伴い一気に導入が進んだWeb会議には、移動時間の短縮や出張経費の削減など大きなメリットがあります。しかしオフィス内でWeb会議を行う場合に「周囲の雑音や視線が気になり集中できない」というデメリットもありました。
画面への映り込みや音漏れによる情報の漏洩を防ぎながらWeb会議に集中するためには、防音性が高くオフィス内の視線が遮断された空間が求められます。
Web会議に適した集中ブースはソファ型とパーティション型です。どちらも半個室の状態を作ることができて、外部の視線から程よく遮断されます。 また、使用されているパネルやパーティションには吸音効果があり、密室ではないものの、外部の騒音を軽減するには十分な効果があるのです。

アイディア出し/ソファ型・ファミレス型

アイディアを生み出すタスクには、リラックスした環境が適しているといわれています。ソファ型集中ブースなら適度に周囲から遮断され、自宅のリビングでくつろぐような感覚で作業することができます。リラックスして考えを巡らせれば、思いもよらない新しい発想が飛び出すかもしれません。
チームでのアイディア出しならファミレス型ブースがおすすめです。リラックスした環境の中で、周囲の視線や雑音を気にすることなく自由に話し合うことで、斬新なアイディアが生まれるに違いありません。わざわざ会議室を予約することなく、気軽に集まって意見交換ができるのもファミレス型のメリットです。

作業に集中/パーティション型

パーティション型の集中ブースは、目の前にパーティションを立てて自分自身の視線を周囲から遮断することが可能です。正面が開いているソファ型と比べて、集中力を要する作業や、ひたすら作業に没入したいときに利用すれば仕事の効率が上がります。

多目的オフィスラウンジ/多目的型

限られたオフィスのスペースを有効に活用するなら、多目的型ブースの設置が適しています。使用頻度の少ない大会議室やロビーなどの広い空間に数種類の集中ブースを設置して、社員がそれぞれの作業に合わせて自由にスペースを利用するスタイルです。
予約しなければ使えなかった会議室よりも、さまざまな人数用の集中ブースを設置すれば手軽に意見交換ができて効率的です。作業用ブースと併設してカフェスペースを設置すれば、オフィスから出ることなく気軽に休息をとることができ、作業効率が上がります。
個別のデスクを設けないフリーアドレスのオフィスが増えている昨今、多目的オフィスラウンジの設置は非常に注目されているのです。

完全個室の一人用集中ブースも快適で集中できる

集中ブースは外部から遮断される度合いによって、次の3つのタイプに分類されます。
・クローズタイプ
・セミクローズタイプ
・オープンタイプ
これらのタイプについて、以下で詳しくご紹介します。

クローズタイプ/完全個室

クローズタイプは床・天井・壁がすべて囲われた完全個室の空間です。デスクや椅子はもちろん、照明機能や換気機能も万全で、快適に作業に集中できるようになっています。
遮音性に非常に優れており、外部の雑音をシャットアウトするだけでなく、ブース内の音を外部に漏らすこともありません。そのため重要な商談やWeb会議にも集中して取り組むことができます。完全に外部を遮断し、ひとりで集中して作業したいときに最適な空間です。

セミクローズタイプ/半個室

パネルでワークスペースの3面の壁を囲んだ半個室の空間で、入り口と天井が開いているのが一般的です。前項でご紹介したソファ型・パーティション型・ファミレス型はセミクローズタイプに分類されます。
壁を囲むパネルには吸音効果があるものが使用されており、クローズタイプほどではありませんが遮音効果があります。セミクローズタイプは比較的低コストで、簡単に設置できるものが多いうえ、適度な個室効果があるので多くのオフィスに導入されています。

オープンタイプ

オープンタイプはデスクをパネルで仕切り、作業する手元への視線を簡易的に遮断するものです。安価でどこにでも設置できる手軽さが魅力です。吸音パネルを使用しており、多少の防音効果も期待できます。広い空間に他のタイプのブースと共に設置すれば、多くの社員が気軽に使用できる有効なワークスペースになります。

クローズタイプと消防法

クローズタイプの集中ブースは非常に快適で作業効率を高めます。しかし、購入後にトラブルにならないために、消防法との兼ね合いをあらかじめ確認しておくことが重要です。
消防法とは「火災予防」と「火災発生時の被害最小化」のための法律です。消防法では「天井や壁に囲まれ、防火対象物の床や壁に固定されておらず、人が出入りできる設備」を「可動式ブース」と呼びます。集中ブースのクローズタイプはこの「可動式ブース」に該当し、以下のことが義務付けられているのです。
・スプリンクラー又は自動火災報知器の設置
・非常放送用設備のスピーカーの設置

これらの設置義務には減免条件があります。
「スプリンクラー又は自動火災報知器の設置」は以下の5つの条件を満たせば免除されます。
・ブースの床面積が3m²以下であること
・天井および壁が不燃材料で仕上げられていること
・ブース内で発生した火災を外部から目視で確認できること
・住宅用下方放出型自動消火装置の設置でブース内の火災消火が可能であること
・住宅用下方放出型自動消火装置が適切に維持管理されていること

「非常放送用設備のスピーカー設置」は以下の3つの条件を満たせば免除されます。
・ブース内の音圧が65デシベル以上であると確認できること
・ブースの床面積が、3m²以下であること
・ブース内から外部で発生した火災を目視で確認できること
クローズタイプだけでなく、集中ブースの設置場所は「災害時の避難経路の妨げにならない」「スプリンクラーの散水を妨げない」などの配慮が必要です。 集中ブース導入で失敗しないために、事前に導線を考えて設置場所をよく検討することが大切だと言えるでしょう。

今回のまとめ

Web会議にはソファ型やパーティション型、大切な商談や本気で集中したい作業にはクローズタイプがおすすめです。完全個室のクローズタイプのブースは、快適に集中できる環境が整っており作業効率は向上しますが、消防法により防火設備の設置義務が生じる場合もあります。
あとで「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、事前に用途や設置場所を十分に検討することが大切です。

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