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オフィス環境の作り方

2022.09.28

狭い賃貸オフィスを機能的に利用するレイアウト術をマスターしよう


狭い賃貸オフィスの場合、安い賃料で利便性のよい場所にオフィスを構えられるというメリットがあります。しかし、いくら経費を削減できたとしても、スペースが限られているために書類や必要な物品を置くことができなかったり、集中できずに仕事の効率が落ちてしまったりしては本末転倒です。
今回は、狭い賃貸オフィスを機能的に利用するための考え方とレイアウト術に加えて、ペーパーレス化やデジタル化で空間を有効活用する方法についてもご紹介します。

狭い賃貸オフィスでも使えるスペースは必ずある

「賃貸オフィスが狭くて必要な物を置くことができない」「人の動きが目に入ってしまって、集中しなければならない仕事が進まない」とストレスを感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、「狭い賃貸オフィスだから仕方がない」とあきらめる必要はありません。狭いオフィスでも必要なブースとスペースを割り出して、配置や活用方法を工夫することでスペースを有効活用することができます。

執務スペース

業務を行う中心となる執務スペースは、オフィス全体の半分以上を占めています。一日中オフィス内で業務を行う部署の場合、1人当たり2、3坪(6.6㎡~9.9㎡)の広さが必要だと言われています。
標準的なデスクサイズは幅が1.2m、奥行きが0.7mなので0.84㎡、椅子を置くと2倍の1.68㎡になります。さらに、椅子を引いて立ち上がったり、机と机の間に電源ケーブルやランケーブルなどを配置したりすることを考えると、デスクサイズの3~4倍の3㎡は最低限必要になるでしょう。
営業など外回り中心の部署では、スタッフが入れ代わり立ち代わり会社に戻ってきて、報告書を作成したり、打ち合わせをしたりする程度にしか執務室を使わないということが少なくありません。このような場合には、デスクを配置の広さを抑えたり、フリーアドレスタイプの配置にしたりするのがおすすめです。
このように、執務部分を減らすことで、休憩に使えるリラックススペースや打ち合わせスペースを確保することでゆとりが生まれ、他の部署のスタッフも活用できるスペースになるでしょう。

通路の確保

執務室のデスクの配置によって、必要となる通路の幅や総面積が変わります。デスクとデスクの側面の間を人が通るためには60cm、すれ違うことができるようにするには90cmの幅が必要です。デスクに座った人の背面を通る配置なら120cm、背中合わせにイスが配置されている人の間を通るためには150cm必要になります。
また、セキュリティの観点から、パソコンの画面が見える背面や壁側を、あえて人が通らないように狭くするという方法もあります。

収納スペース

個人デスクの中に仕事に必要な書類を保管していると、キャビネットを袖机として使わなければならなくなったり、オフィス全体で保管している書類が重複して膨大な量になってしまったりします。こうした習慣は、収納スペースを無駄に増やす原因になってしまうのです。
共用の書類の文書管理を徹底することと、定期的に文書を整理して紙で保存しなければならない文書だけを残すようにすることで、必要な収納スペースを大きく減らすことができます。

来客スペース・ミーティングスペース

オフィスが狭くて悩んでいるなら、来客スペースは来客の頻度に応じて、「本当に必要かどうか」から検討し直すのがおすすめです。オフィス内に応接セットを置くとなると、広いスペースが必要になってしまいます。ミーティングスペースを、執務室と仕切って別に設定することで、来客スペースとして使うことも可能です。
他にも、相手方に出向いて打ち合わせをすることを基本としたり、近くのカフェやコワーキングスペースを活用するようにしたりするという方法もあります。来客スペースを業務用スペースとして活用することも検討の余地があるでしょう。

狭いオフィスにおすすめのレイアウト術

「狭いオフィスでも使いやすいように何度も模様換えをしているけれど、うまくいかない」と悩んでいる人も少なくありません。続いては狭いオフィスでも効率的に使うための考え方と、レイアウト術についてご紹介します。

スペースを厳選する

狭くて使いづらいオフィスでよくあるのが、会議室や書庫、応接室などを無理に詰め込もうとして、そのしわ寄せで執務室が手狭になる、というものがあります。執務室が手狭になることは、仕事の能率が下がる原因を作ることにつながりかねません。
オフィスのレイアウトを考える際には、既成観念にとらわれず、業務をする上でどんなスペースが必要なのかを見直してみることが大切です。
例えば、日中、外回りをしている営業などの部署のデスク配置をフリーアドレスにしたり、リラックスブースを設けたりすることで、帰社後の報告書作りが気持ちよく行えるようになるでしょう。また私物を出しっぱなしで外回りに出ていくこともなくなるので、デスク周りの片付けの必要がなくなるのです。
さらに、日中はそのスペースを他部署のスタッフが打ち合わせなどに使うこともできるので、スペースの有効活用に繋がります。

オフィス外の資源を有効活用する

また、近くにコワーキングスペースや会議室の貸館があるなら、基本的に外部の人が入る会議はオフィス内で行わず、会議室を借りることで対応することができます。会議室のバッティングなどを心配する必要もなくなるので便利です。

スペースを使う目的を兼用する

空いたスペースをフリースペースとして使うようにすれば、移動可能なパーテーションやスクリーンによって必要に応じてスペースを区切ったり、時間帯によって異なる使い方をしたりすることができます。
具体的には、フリースペースが状況や時間帯に応じて、集中ブース、リラックスブース、ミーティングスペース、カフェスペースに変化するイメージです。

執務室の壁をスクリーンとして活用する

スタッフ全員の定例打ち合わせのために、大きな会議室が必要だと思っている人も多いかもしれません。執務室スペースの壁をスクリーンとして利用したり、窓や大きな棚の前面にスクリーンが下せるようにしたりすると、執務室を留守にすることなく打ち合わせを行うことができるので便利です。
プロジェクターで、打ち合わせ内容をスクリーンに映せば内容をすぐに共有できますし、短時間で打ち合わせの目的を達成することもできるので、スペースだけでなく時間の節約にもなります。

執務室自体の考え方を変える

「上記のことはやっているが、それでもオフィスの狭さが解消されない」という場合には、執務室そのものの考え方を変えることが必要かもしれません。
個人の仕事道具や私物を置くロッカーを別に設けて、全員をフリーアドレスにしてしまったり、大きなテーブルに位置だけ決めて使ったりする方法もあります。この場合、社員はノートパソコンやタブレットを使ったほうが効率的です。
また、狭いオフィスを効率的に使うためには、電源がどこにあるのかも重要な問題になることがあります。まずはオフィスの図面を使って電源や通路などを確認しつつ、機能的なレイアウトを考えてみることがおすすめです。

デジタル技術を積極的に導入して書類などの収納スペースを簡素化

「狭いオフィスで書庫を設けることができなくて困っている」「年々本棚やキャビネットがいっぱいになって困っている」という場合、狭いオフィスを有効活用するためにおすすめなのがペーパーレス化です。
デジタル技術を導入して、書類などを収納するスペースを劇的に減らすことができる、ペーパーレス化やデジタル化についてご紹介します。

配布文書を減らす|書類のペーパーレス化1

配布文書はあらかじめデータで渡しておくようにしたり、プロジェクターなどを活用して共有するようにしたりするようにしましょう。
会議や打ち合わせで紙の文書を配布するとなると、その準備作業をするためのスペースが必要になります。ペーパーレス化することで、配布した文書をスタッフそれぞれが保管するスペースの節約になるだけでなく、準備作業を行う時間の節約にもなるのです。

手持ち文書を減らす|書類のペーパーレス化2

共有文書をクラウドなどに保存するようにして、権限を与えられた人が誰でもアクセスできるようにすれば、同時に複数の人が閲覧することができる上、紛失のリスクも激減します。オフィス用の文書管理システムなどを導入すればセキュリティも高くなり、テレワークの導入もスムーズです。

保存文書を減らす|書類のペーパーレス化3

ペーパーレス化は時代の流れでもあります。昨今では「e文書法」と「電子帳簿保存法」が制定されたことで、デジタル化がさらに加速しているのです。
e文書法では、これまで紙面で交付・保管しなければならなかった重要書類の多くをデータで保管することが認められており、省スペースに役立ちます。
まだ紙の文書で保管しなければならないものもありますが、可能なものは積極的にデジタルデータで保存管理することでオフィス内は随分すっきりするでしょう。
他にも業務をデジタル化することで省スペースに役立つ場合もあります。

経理をデジタル化する|業務のデジタル化1

経費を申請する際に、領収書やレシートをそろえて申請書を記入するという作業をしていると、管理しなければならないものが膨大になり、ミスや漏れも生じやすくなります。
紙でもらった領収書やレシートをその日のうちに画像やPDFにして、経理のデジタルシステムで申請するようにすると申請する側もされる側も楽になり、保管スペースもいらなくなるなどメリットが大きいでしょう。

デジタル決裁を取り入れる|業務のデジタル化2

オフィス内の決裁方法として紙ベースの捺印を採用しているままでは、キャビネットなどに保管しなければならない書類の量は減りません。
デジタル決済システムを導入すれば、押印の必要もなく、速やかに確認してもらうことができますし、決裁がどこまで進んでいるかもPC上で確認することができます。

オフィスが狭くてもスタッフを増やすことが可能に|業務のデジタル化3

スタッフが足りないけれどオフィスが狭くて、これ以上デスクを置けないという場合でも、ペーパーレス化やデジタル化が進んでいれば、テレワークを導入してスタッフを増やすことが可能です。昨今ではテレワークなら働きたいという人も少なくないので、人材確保のためにも役立ちます。

今回のまとめ

狭いオフィスに会議室や書庫、応接室などを無理に詰め込もうとすると、能率が下がる原因になってしまうことが少なくありません。必要なデスク数を検討したり、オフィスの図面を使って電源や通路などを確認したりして、機能的なレイアウトを考えてみることが大切です。
また、限られたスペースを兼用したり、会議室やコワーキングスペースやカフェなど、オフィス外の資源を有効活用したりしても良いでしょう。
このように、スタッフそれぞれのデスクを配置するといった従来の執務室への考え方を転換することで、スペースをより有意義に使うことができます。さらに、デジタル化やペーパーレス化を推進することで、オフィスが狭くても多くの人が働くことができる仕組みを作ることも可能ですので、ぜひ実践してみてはいかがでしょうか。

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