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コールセンターの賃貸オフィスでのおすすめのレイアウトとは
賃貸オフィスで開業するとなると、まず考えなければならないのはオフィスのレイアウトではないでしょうか。職種によって使いやすいレイアウトは異なります。使い勝手の良いレイアウトにするためには、動線を意識した的確なゾーニングと、業務を行うデスクをどう配置するかがカギを握っています。
今回は、コールセンターを開業する場合、おすすめのレイアウトはどのようなものか、そのデスクの配置に着目して解説します。デスクの配置を考える上で重要なポイントをしっかり押さえ、電話での対応が主であるコールセンターの業務に適したレイアウトを選ぶのがおすすめです。
賃貸オフィスでコールセンターのレイアウトの注意点
賃貸オフィスでコールセンターを開設するとき、レイアウトに関して何に注意すればよいのでしょうか。まずは、普通の業務を行うオフィスと違っている点を確認しておかなければなりません。
コールセンターの業務は9割以上デスク業務であり、会議や打ち合わせはほぼないでしょう。お客様の電話対応が仕事で、対応する内容は業種によって様々です。テレフォンアポインターなどの営業業務の場合もありますが、多くは注文や予約受付、問い合わせ対応などのオペレーターやサポーターの仕事を行っています。テクニカルサポートやカスタマーセンターといったところの電話先が、コールセンターと呼ばれるところです。周りと会話をすることも少なく、どちらかといえば個々で黙々と集中して仕事をしています。コールセンターはそういったオペレーターやサポーターが、常時何人も働いているオフィスです。オペレーターは、何時間も座った状態で、パソコンや資料を見ながら、電話でお客様と話をします。
オフィスレイアウトのポイントとしては、快適に仕事ができる状態にすることです。そうしたことから考えると、コールセンターにおけるレイアウトの注意点としては、一人あたりの作業スペースとして適正面積を確保すること、そして音や会話が気にならない集中できるスペースを作ることが挙げられます。
一人の作業スペースとしては、最低限の広さではなく、快適な状態で業務ができるスペースと考えなければなりません。何時間も動かず、集中しての作業はかなりのストレスとなります。狭い空間はそのストレスを倍増させるでしょう。また、余裕のないスペースは、作業効率が悪くなってしまいます。
具体的にどのくらいのスペースが必要となるかについては、会社によって異なるため一概には言えません。しかし、例えば、パソコンのみで作業できるオペレーター業務であっても、ちょっとリラックスできる私物や飲み物を置けるスペースの余裕は欲しいものです。カタログを広げて確認しながらの作業が必要な場合には、さらに広いスペースが必要になるでしょう。業務を確認しながら必要スペースを割り出す必要があります。
集中できるレイアウトとしては、次に詳しく見ていく机の配置が大きくかかわってきます。同じ方向に机を配置しておけば、誰かと作業中に目が合うこともなく集中できるでしょう。あとは個々の業務といいながらも、同じ人が何度も電話をかけてきて対応が複数人に及ぶこともあるので、全体的な把握もできるレイアウトにすることが必要です。これも同方向を向いて机を配置しておけば、頭数で人数も把握しやすいメリットがあります。
次に、業務をより効率よく行うためのレイアウトについてさらに詳しく見ていきましょう。
業務効率化のためのコールセンターレイアウトとは
賃貸オフィスのレイアウトをしっかり考えることは重要です。ここを怠ると仕事の業績にも関わってくるからです。コールセンターでもそれは同じになります。コールセンターの業務が効率よく行えるレイアウトとは、どのようなものなのでしょうか。
まず、デスクのレイアウトとしては、「島型」「教室型」「背面型」「フリーアドレス型」の4種類が主流です。
島型は、オフィスでは一番メジャーなレイアウトです。4~6つほどの机を向かいあわせて並べ、島のような状態をいくつも作ります。その島の一つをチームやセクションとすると、前や隣の人、斜め前の人にも声がかけやすいため、共同の仕事を行う場合に便利なレイアウトになるのです。教室型は、教室をイメージしてもらうとわかる通り、全員が同じ方向を向いて机がレイアウトされています。
背面型は、オフィスの真ん中に共有のスペースを作り、個人の作業に入ると一人で集中できるよう、壁に向かって仕事をするような形で机を並べます。向こう側の壁にも机を並べるので、互いに背中を合わせる状態になるのです。フリーアドレス型は、アドレスがない、つまり定住せず、さまざまな向きや場所で作業ができるようにしたレイアウトです。最近はこのフリーアドレス型を採用するオフィスが注目されています。
以上を確認すると、コールセンターの場合は、やはり同方向を向いている「教室型」が良いと言えるでしょう。教室型のメリットとして大きいのは、定型の業務が行いやすいことです。隣の人も前の人も後ろも横も同じ作業をしているため、配線、動線も同一で管理がしやすくなります。
また、教室を想像していただけばわかるように、特に前に立つ人がいない場合には、視線を疎ましく感じることはありません。前に少し高めのパーティションがあれば前の人の存在も気になりませんし、後ろからの視線もシャットアウトできます。困ったことがあれば、横の人とはコミュニケーションがとりやすいのもメリットです。
同方向を向いていることで、音が同じ方向に響くため、集中できる環境が作りやすいこともメリットとして挙げられます。同方向に並んでいると頭数もわかりやすく、チームリーダーが全体を把握しやすくなるでしょう。また、リーダーが前に立って話すことで、全体に指示が通りやすいことも大きなメリットです。
業務に向いているレイアウトを見極めて選ぶことは、業務の効率化に確実につながります。コールセンターの場合は教室型のレイアウトが適していると言って良いでしょう。
コールセンターをレイアウトするときには動線も考えて配置を
業務の効率を上げるレイアウトにするためには、動線を考えることも重要です。動線とは人が動く経路のことですが、経路をきちんと無理なく確保したうえで移動のしやすさも確認しなければなりません。
職種によっては、動線を固定させないようにデスクレイアウトをする場合もあります。それは従業員同士の関わり合いを増やし、コミュニケーションを活性化させる目的を含んでいるからです。そうすることが業務の円滑化につながる職種、例えばチームとして連携をとらなければならない開発や企画の仕事などは、あえて動線を複雑にするようなデスク配置にしてみると良いでしょう。具体的には、向きをクロスさせるような机の配置です。
しかし、コールセンターの場合には、座っている状態でいることが多く動き回る仕事ではないため、経路は複雑ではありませんし、コミュニケーションを周りとはかる必要も少ない仕事です。先に見た教室型の配置で、動線も問題なく仕事ができるでしょう。
ここで考えるべきなのは、主に移動のしやすさです。一つは、通路の幅です。1人が余裕を持って移動ができる幅は、80㎝とされています。また、二人がすれ違うのに余裕のある幅は135㎝です。行き来を頻繁にする業務ではありませんが、オフィスの広さに余裕があるのなら、すれ違えるくらいの幅があればストレスなく仕事を行うことが可能です。
もう一つ大切なのはトイレと休憩所への動線の関係です。コールセンターでは以上の2つが主な動線の目的地です。これら2か所への移動がストレスなくスムーズに行えれば、適切なレイアウトと判断できるでしょう。休憩するついでにトイレをすませることを考えると、トイレの位置はビルによって決まっているので変えらません。そこで、休憩スペースの位置をトイレの動線上に置くなどの工夫をすることをおすすめします。逆に、あえて違う動線で行けるようにすることで、トイレに向かう人と休憩する人がぶつかることがないようにするのも一つの方法です。どちらがいいかは、従業員の人数が大きく関わってくるでしょう。大人数であれば動線を分けた方が混むことがなく、ストレスは少なくなることが予測できます。
さらに災害時を考えて、脱出先への動線も確認が必要です。大勢が常にオフィスにいる状態であるコールセンターは、一度にたくさんの人が安全に移動できるよう特別な配慮が必要です。脱出先が複数カ所ある、脱出先への動線が多く確保されているなど、安全で安心できるように対応をしっかり行ってください。
今回のまとめ
賃貸オフィスでレイアウトを考えるときには、職種によって使い勝手の良いレイアウトを選ぶのが鉄則です。島型、教室型、フリーアドレス型、背面型などのデスク配置レイアウトがありますが、コールセンターを開設する場合には、教室型が一番適しています。なぜなら、定型化されたコールセンターの業務が行いやすい、周りの視線を感じにくく作業に集中できる一方、困った場合には容易に隣の人とコミュニケーションがとれる、また、同方向に向いているので全体を把握しやすく指示も通りやすいといったメリットがあるからです。このように、業務に適したレイアウトを選ぶことは、業務の効率化につながるため重要だと言えるでしょう。
レイアウトを考えるときには動線の確認も忘れずに行ってください。コールセンターの場合には、休憩所、トイレ、災害時の脱出先への動線を確認します。移動しやすさを重視し、ストレスなく働ける環境を作ってみてはいかがでしょうか。
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