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新しいオフィス・事務所の働き方として注目を集める「ふるさとテレワーク」とは
テレワークは新型コロナウイルス拡大防止を目的として、企業が本格的に導入した経緯がありますが、テレワークをもっと違うことに活用しようという考えが生まれました。
その一つが、「ふるさとテレワーク」です。ふるさとテレワークは単なる在宅勤務ではなく、地方にサテライトオフィスや事務所を設置して、都市部の業務をこなす働き方のことをいいます。今回は、ふるさとテレワークが注目を集めている理由と、その働き方が地方創生やワークライフバランスに与えるメリットについて詳しくご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1.オフィス・事務所で働く場合でも地方創生やワークライフバランスの意識は大切
2.地方創生としても注目を集めるふるさとテレワーク
3.ふるさとテレワークを通じてワークライフバランスを整える
4.今回のまとめ
オフィス・事務所で働く場合でも地方創生やワークライフバランスの意識は大切
「地方創生」「ワークライフバランス」は比較的よく耳にする言葉ですが、正確に理解していない方もいるのではないでしょうか。まずは、地方創生とワークライフバランスの概要と、オフィスや事務所で働く際に、それぞれを意識するメリットについて解説します。
地方創生とは
人口の約3割が東京に住んでいるという、まさに一極集中の日本は、少子高齢化により地方の過疎化が問題視されています。地方創生は首都圏の人口集中を改善し、各地域が活気ある住みやすい環境となることを目指すものです。
地方創生を意識するメリット
オフィス・事務所で働く際に、地方創生を意識する主なメリットは次の3つです。
災害の対策ができる
東京にしかオフィスがない状態で首都直下型地震が起きた場合、ライフラインが停止して会社が機能しなくなるだけでなく、オフィスが崩壊すれば会社の財産をすべて失う可能性もあります。サテライトオフィスを設置し機能を分散しておけば、災害にあった際も対処がしやすいのです。
優秀な社員が確保しやすくなる
少子高齢化により、今後は優秀な人材を確保するのが難しくなります。才能とやる気があっても、さまざまな事情で上京できない人が多いのも事実です。地方都市にオフィスや事務所があれば、より広い地域で優秀な人材を確保したり、即戦力となる社員に育成したりすることもできます。
社会貢献をしてイメージアップを図れる
地方へ進出すると、雇用を生み出し地域を活性化できます。「持続可能な社会」が世界全体の目標になっている今、社会貢献は重要な要素となりつつあります。社会貢献でイメージアップができれば、人材の確保がしやすくなるのもメリットです。
ワークライフバランスとは
政府広報オンラインでは「労働をするすべての人が、仕事と仕事以外の生活のバランスをとり、子育てや介護、趣味や学び、休養、地域活動なども充実させることができる働き方や生き方」と定義づけています。ワークライフバランスは仕事とゆとりある生活でパフォーマンスの質を上げ、仕事の効率化と年齢に応じたライフスタイルの実現を目指すものです。
ワークライフバランスを意識するメリット
オフィス・事務所で働く際に、ワークライフバランスを意識する主なメリットは次の3つです。
健康維持ができる
令和2年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況によると、過去1年の間にメンタルヘルス不調が原因で、連続して1カ月以上休業した労働者もしくは退職した労働者がいた企業の割合は9.2%です。メンタル不調の原因は人それぞれですが、仕事とプライベートのアンバランスがストレスとなり、体調不良の引き金となることも少なくありません。
ワークライフバランスを意識することで、より健康的な生活が送れるようになります。
生産効率を上げられる
ワークライフバランスを意識して健康でいることで、能力を十分に発揮できます。労働時間を短縮すると集中して作業を行うので、結果として生産効率も上昇するのです。
コスト削減を実現できる
生産効率が上がると、人件費や諸経費が少なくて済みます。職場に満足できなかったり、体調不良を理由に長期休暇や離職したりする人も減るので、採用コストも減らすことが可能です。
地方創生としても注目を集めるふるさとテレワーク
ふるさとテレワークは、地方創生にどのように活かされているのでしょうか。ここでは、地方創生としてふるさとテレワークが注目されている理由や課題、導入事例をご紹介します。
ふるさとテレワークが注目されている理由
地方創生として、ふるさとテレワークが注目されている主な理由は次の3つです。
地域の活性化を図れる
田舎暮らしに憧れて移住する人もいますが、不便を感じたり生活に馴染めなかったり、安定した収入が得られなかったりして、途中で挫折してしまう人も少なくありません。ふるさとテレワークであれば、今までの仕事を続けて安定した収入が得られるので、普通に移住するより快適な生活が期待できます。
ふるさとテレワークで雇用を創出し、地域の活性化が図れれば、人口流出を防ぐこともできるのです。
空き家問題を解決できる
地方の人口流出と少子高齢化に伴って生じている大きな問題が、空き家問題です。空き家等対策の推進に関する特別措置法により、空き家が放置されることは減りましたが、過疎化が進んでいる地域の空き家を売却することは難しいのが現状となっています。
ふるさとテレワークでは、使わなくなった建物や空き家などをリノベーションしてオフィスにするケースも多いので、空き家問題の解決にも役立ちます。
介護をしながら働き続けられる
家族の介護で重要なポストにいる40代から50代の社員が退職してしまう可能性もあります。その一方で、働きたくても住んでいる地域に自分のスキルや能力にあった仕事がなく、働けずにいる人もいます。
ふるさとテレワークであれば仕事と介護の両立がしやすく、ライフスタイルと自分の能力にあった仕事も見つけやすいでしょう。
ふるさとテレワークを導入する際のポイント
地方創生として、ふるさとテレワークを導入する際のポイントは次の2つです。
セキュリティ対策をしっかり行う
これはふるさとテレワークに限ったことではありませんが、覗き見やPCの紛失、不正アクセスなどによって、機密情報が漏洩するリスクがあります。システムへのアクセス制限やセキュリティ対策は万全に行い、機密情報の取り扱い方にもルールが必要です。
円滑なコミュニケーションを心掛ける
コミュニケーション不足になると、情報が共有できなくなったりミスが起きやすくなったりするので注意しなければなりません。メールや電話だけでなく、対面式のWEB会議を積極的に行うことが大切です。
地方創生を目的としたふるさとテレワークの事例
長野県の王滝村には、旅籠をリノベーションしてできたギークハウス(IT系職種の人たちが住むシェアハウス)、富士見町には使われなくなった学校の施設を利用して作ったサテライトオフィスが開設されました。
また、塩尻市には雇用支援施設を利用したテレワークセンターがあり、さらにコワーキングスペースが設置され、これらの施設を一元管理しています。当初の目標は、塩尻市への移動人数25名でしたが、2015年には目標人数の2倍56名の受け入れに成功しています。ふるさとテレワークによる経済波及効果も、目標を超える4億5,000万円でした。
ふるさとテレワークを通じてワークライフバランスを整える
次に、ふるさとテレワークがワークライフバランスに与えるメリットについて見てみましょう。ここでは、ワークライフバランスとしてふるさとテレワークが注目されている理由や課題、実際にふるさとテレワークでワークライフバランスを実現した人の体験談をご紹介します。
ふるさとテレワークが注目されている理由
ワークライフバランスとして、ふるさとテレワークが注目されている主な理由は次の3つです。
地元に戻れる
親の介護で地元に戻りたいと考えていたり、いずれは故郷に戻り地元に貢献したいと思っている人は少なくありません。しかし、地方の職種は限られているため、今まで築き上げたキャリアを無駄にしないためには、都会で働かざるを得ないという人も多いのです。
ふるさとテレワークで地元に戻れれば、自分のキャリアのためだけでなく、大切な人たちのために貢献することができます。
通勤時間が減る
東京のベッドタウンに家があると、通勤の行きと帰りで4時間費やす人もいます。満員電車はストレスとなるので、毎日の長距離通勤は体に悪影響を及ぼす可能性も少なくありません。ふるさとテレワークで在宅勤務になれば、ストレスが軽減されるだけでなく、通勤に使っていた時間を家族との時間や趣味、休息に使うことができます。
快適な住まいが手に入る
東京都は地価が高いため、庭付きの一戸建てを購入するのは簡単ではありません。ふるさとテレワークで地方に移り住めば、東京の不動産価格でより広くて緑のある住まいが手に入ります。子どもを伸び伸びと育てられ、快適な休日を過ごして仕事の疲れも癒せるでしょう。
ふるさとテレワークの課題
ワークライフバランスとしてのふるさとテレワークの課題は、次の2つです。
生産効率の低下
ふるさとテレワークで在宅勤務の場合、自分のペースで働ける一方で、気が抜けて生産効率が下がるリスクもあります。社員一人ひとりの仕事の範囲を明確にしたり、成果報告を義務付けたりする対策が必要です。
メンタルケアの問題
ふるさとテレワークや在宅勤務はひとりの作業になるため、人によってはストレスになることもあります。ふるさとテレワークの社員のメンタルケアを行うために相談窓口を設置するほか、短時間でも朝礼や夕礼などを実施することが望ましいでしょう。
今回のまとめ
今の日本には、少子高齢化、過疎化、空き家問題など問題が山積みですが、それを解決できる方法としても期待されているのがふるさとテレワークです。
ふるさとテレワークは企業側にとっても、イメージアップや人材確保、災害対策などさまざまメリットがあります。新しいオフィスや事務所の建設、よりよい労働環境の構築をお考えの方は、ふるさとテレワークを検討してみてはいかがでしょうか。
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