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オフィス・事務所内のパーソナルスペースを理解して快適な職場環境を作るには
パーソナルスペースという言葉をご存じでしょうか。パーソナルスペースとは、個人が心理的な安全を確保できる空間のことです。オフィスや事務所においてパーソナルスペースが狭いと、生産性やモチベーションの低下に繋がりかねません。
逆に、パーソナルスペースについて理解し、十分な広さのパーソナルスペースを確保すると社員のモチベーションや仕事の生産性は向上するでしょう。ここでは、オフィスや事務所において生産性や社員のモチベーションを向上させるパーソナルスペースの作り方などについてご紹介します。
1.オフィス・事務所にパーソナルスペースが必要な理由とは
2.パーソナルスペースがあれば仕事に集中して効率化にも
3.パーソナルスペースを作ることで仕事の集中力だけでなく快適さアップも
4.今回のまとめ
オフィス・事務所にパーソナルスペースが必要な理由とは
まずは、オフィスや事務所において、なぜ十分な広さのパーソナルスペースが必要なのか、その理由について見ていきましょう。
パーソナルスペースとは
最初にパーソナルスペースについて詳しくご紹介します。パーソナルスペースとは、個人が心理的な安全を確保できる空間のこと。その広さは人によって異なりますが、人はこの空間に他人が入ってくると強い不快感を抱き、ストレスが生じます。
つまり、パーソナルスペースとは他人には入ってきて欲しくない空間ということです。また、この空間の広さは相手との関係性によっても異なり、密接距離・個体距離・社会距離・公衆距離の4つのカテゴリーに分類されます。
密接距離
密接距離は、45cm以内と非常に密接した距離で、家族や恋人といったごく一部の親しい人間だけが入ることを許されます。親愛の情を抱いている人であればOKでも、親しくない人がこの距離まで近づいてくると強い不快感を生じることが多いため、注意しなければなりません。
個体距離
個体距離は、45cm以上120cm未満と密接距離よりも少し距離をとった形です。この距離まで近づくことができるのは、親しい友人や同僚といった心を許せる相手。ただし、相手が異性の場合はこれよりもう少し距離をとったほうが良いかもしれません。
社会距離
社会距離は120cm以上350cm未満とされており、オフィスや事務所におけるパーソナルスペースはこのカテゴリーに該当します。この距離が適切だとされているのは、職場の同僚や取引先の担当者などです。
公衆距離
公衆距離は350cm以上で、街中ですれ違うだけで全く面識のない人などとの距離がこのカテゴリーに該当します。逆にいうと350cm以上の距離が保てていれば、知らない人と同じ空間にいてもほとんど不快感はありません。
なぜオフィスや事務所において必要なのか
なぜオフィスや事務所においてパーソナルスペースが必要なのでしょうか。人は自分の空間に侵入されると強い不快感を抱き、ストレスを感じます。これは、プライベートな時間だけでなく、仕事においても同様です。
例えば、オフィスや事務所におけるデスクの配置ですが、日本では向かい合わせにくっつけたデスクをいくつかつなげてグループを作る、いわゆる「島型レイアウト」が主流でした。オフィスや事務所におけるカテゴリーは社会距離になりますが、島型レイアウトのデスク配置では向かい合う人や両隣の人との距離が120cmよりも近くなります。
必ずしもこのデスク配置がいけないというわけではありませんが、自分の空間に他の人が入ってくることでストレスを感じる人が存在するということは間違いありません。ストレスを感じている状態で仕事をしていると、やはり生産性やモチベーションは低下してしまいます。
強いストレスは集中力を削いでしまうため、仕事にとってはまさに天敵です。そういった理由から、今パーソナルスペースを重視したオフィスレイアウトが注目を集めています。
パーソナルスペースがあれば仕事に集中して効率化にも
オフィスや事務所においては、社会距離という最低120cm以上の距離をとることによって自分の空間が確保でき、生産性やモチベーションが向上すると言われています。具体的にはどのような効果があるのでしょうか。ここでは、パーソナルスペースと集中力の関係についてご紹介します。
仕事に対する集中力が高まる
オフィスや事務所において、十分な広さのパーソナルスペースを確保することによって得られる大きな効果の一つが、仕事に集中できるという点です。上述したように自分の空間に他の人が入ってくると、多くの人はストレスを感じます。
そして、集中力を高めるためには、リラックスすることが欠かせません。リラックスするためには、ストレスはまさに天敵。十分な広さのパーソナルスペースを確保することは、社員をストレスから開放してリラックスさせ、集中力を高めるという効果を生むのです。
集中ブースとは
上述したように以前は、ほとんどの会社で島型のレイアウトが採用されていましたが、最近では自分の席を決めず、席を自由化したフリーアドレスオフィスを採用する企業が増えてきました。
社員がオフィス内を自由に動いて好きな場所で仕事ができるため、自分自身でパーソナルスペースを確保できますし、部署の垣根を越えて色々な人と交流できる点も人気です。しかし、自分の周りを人が自由に動き回るため、集中して仕事をしたいときに専用のスペースが欲しいという社員からの要望が増えています。
そのような要望から近年注目を集めているのが、集中ブースです。集中ブースとは、集中して作業するために周囲の騒音などを物理的にシャットアウトできるオフィス空間のことで、様々なタイプが存在します。デスクと椅子のセットをパネルなどで囲うタイプや完全に個室になっているタイプなどもあり、その種類は豊富です。
集中ブースが求められる理由
オフィス内を自由に動いて好きな場所で仕事ができるというオフィスレイアウトは非常に魅力的です。しかし、仕事の内容によっては、周りの環境が気になってしまう場合もあります。集中ブースがあれば、自分だけのスペースで仕事をすることが可能です。
今はパソコンとネット環境さえあれば、どこでもWEB会議やWEBミーティングを行えます。こういったご時世なので取引先との打ち合わせなども直接顔を合わせるのではなく、オンラインで行うことも少なくありません。集中ブースがあれば、周りを気にすることなく打ち合わせに集中できます。
集中ブースのメリットは、周りの騒音や視線を完全にシャットアウトし自分だけの空間を確保できることです。フリーアドレスオフィスを採用している会社で集中ブースを設置すれば、その時の状況に合ったスペースを確保できるため、さらに快適な職場環境にすることができます。
パーソナルスペースを作ることで仕事の集中力だけでなく快適さアップも
十分な広さのパーソナルスペースを確保することは、仕事に対する集中力を高める効果だけにとどまりません。自分の空間を確保できるということは、その職場環境における快適さにも繋がります。パーソナルスペースの確保を含め快適な職場環境を作るためには、どんな点に注意すればいいのでしょうか。
パーソナルスペースを広く確保する
オフィスを快適な環境にするためには、パーソナルスペースを広く確保することが理想とされており、近年オフィスレイアウトでも重視されています。しかし、オフィスで働く社員の人数は会社によって異なりますし、社員の人数に対して一人ひとりのパーソナルスペースを広く確保できるだけの広さがどの会社にもあるわけではありません。
最近流行りのフリーアドレスオフィスのように、固定席を設けず自由に好きな場所で各自自分の空間を確保するというのもひとつの方法です。十分な広さを確保できない場合は、座席ごとにパーテーションなどで仕切って個室のようにすることで、個人の空間を確保する方法もあります。いずれにしても、パーソナルスペースを確保することで、オフィスが快適な空間になるでしょう。
フリースペースを作る
オフィスを快適な環境にするためには、フリースペースを設けることも欠かせません。フリースペースというのは、会議での使用や一人で仕事に集中したいときに自由に使用できるスペースのことです。そういう意味ではご紹介した集中ブースもフリースペースの一つと言えるかもしれません。
つまり、フリースペースを作ることは、パーソナルスペースの確保にもつながるということです。また、フリースペースは社員の憩いの場としても活用できるため、フリースペースを作ることは快適な職場環境への第一歩とも言えるでしょう。
通路の確保
オフィスレイアウトを考えるとき、動線を考慮したうえで作成することがとても大切です。そして動線を考えるときは、単に人がすれ違えるかどうかだけでなく、人がストレスを感じない余白のスペースがあるかどうかも考えなければなりません。
そのためには、ある程度余裕を持った通路の確保が必要です。通路に余裕があれば人と人との社会距離を保てるため、ストレスを感じることもありません。ここでも、やはりパーソナルスペースを確保することが重要なポイントとなります。
デスクの配置
快適な職場環境を作るためには、デスクの配置も非常に重要です。従来は島型レイアウトが主流でしたが、働き方やどんな業務を行うかによって最適なレイアウトは変わってきます。島型レイアウトは、コミュニケーションを取りやすいというメリットがありますが、前の人の視線が気になって集中しにくい点がデメリットです。
同向型や背面型のレイアウトは、前の人と視線が合うことがなく集中しやすいため、システムエンジニアやプログラマーのような特に集中力を要する業務に適しています。フリーアドレス型のレイアウトは、席だけを配置しておけばいいのであまり広いスペースは必要ありません。企画や開発などの非定型業務に適しています。
このように、業務の内容や働き方などに合わせてデスクの配置やレイアウトを考えると、職場の快適さを向上させることも可能です。
今回のまとめ
今回は、オフィスや事務所において生産性や社員のモチベーションを向上させる、パーソナルスペースの作り方などについてご紹介しました。仕事の効率や職場環境の快適さを考えると、パーソナルスペースの確保は今やオフィスや事務所にとって必要不可欠です。
十分な広さを確保できないオフィスや事務所であっても、レイアウトなどを工夫すればパーソナルスペースを作ることはできます。パーソナルスペースについて理解を深め、仕事の効率が上がる快適な職場環境を作っていきましょう。
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