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把握しておきたい賃貸オフィス移転後によく遭遇しやすい不具合の内容と対処法
オフィス移転は非常に作業量の多い業務です。移転が完了して業務が再開するまで、担当者は関係各所と連絡を取り続けなければなりません。しかし、綿密に移転を進めていたとしても、実際に移転して業務をしてみるまで分からない不具合があることに注意が必要です。ここでは、これから移転を考える方が不具合を防げるよう、よくある不具合の事例と対処法をご紹介します。
1. 賃貸オフィス移転後によく見受けられる不具合の内容
2. 賃貸オフィス移転後の不具合に対する上手な対処法
3. とくに注意しておきたいのが賃貸オフィスの移転手続き関連の不備
4. 今回のまとめ
賃貸オフィス移転後によく見受けられる不具合の内容
賃貸オフィスの移転は、担当者に一任して手続きや準備を行うことが少なくありません。作業量の多さから、計画通りにいかないことも多々あります。
オフィス移転後に不具合が発覚するケースもあり、ここではよくある事例をご紹介します。事前に不具合の事例を知ることにより、実際の移転でこれらの不具合を防げるでしょう。
IT機器のトラブル・ネットワークの問題
オフィス移転後に発覚する不具合としてよくあるのが、IT機器やネットワークに関するトラブルです。パソコンやコピー機、サーバー、固定電話などを問題なく活用するためには、旧オフィスと同じようなネットワーク環境を新オフィスでも構築する必要があります。
よくあるトラブルは、以下の3点です。
・固定電話が繋がらない、着信できない
・社内ネットワーク、インターネットにアクセスできない
・プリンター・複合機から印刷物が出てこない
使用電力とブレーカーの問題
オフィス移転後に業務を行おうとしたら、ブレーカーが落ちてしまうというトラブルもあるでしょう。多くのオフィスは、事業に必要な電力量を確保できるように、あらかじめ電気工事を行っています。しかし、移転工事で使用電力量の設定を誤ると、通常業務を行っただけでブレーカーが落ちてしまう事態が発生するのです。
せっかく移転したのに業務効率が落ちてしまうことは大問題となりかねません。そのため、事前確認が非常に重要です。
設備・レイアウトの問題
内装工事を終えてレイアウトを行い、いざ移転をしてみると設備に不備がある場合も少なくありません。業者側のミスとしては壁紙剥がれや、扉の建付けが悪いことなどが挙げられます。これらは連絡をすれば、無償で修繕してもらえるケースが一般的です。
しかし、依頼した会社側のレイアウトに問題がある場合は、費用を負担して工事をし直す必要が出てくるでしょう。移転後に気付くトラブルには、以下のようなものがあります。
・見た目はきれいでモダンだが導線に不備があり、オフィスの使い勝手が悪い。
・配線ミスによって、必要な設備が使えない。
・実際に働いてみたら、思ったよりも窮屈に感じるレイアウトだった。
・セキュリティ面が配慮されていなかった。
人員とオフィス規模の問題
移転後予想以上にハイペースで人員が増加したため、社内に人が入りきらなくなってしまうトラブルがあります。しかし、移転ができるのは、事業が好調な証です。
旧オフィスの原状回復と契約期間の問題
一連のオフィス移転業務の中でもトラブルになりやすいのが、旧オフィスの原状回復です。オフィス移転は新オフィスに引越ししたら完了ではなく、旧オフィスを借りる前の状態に戻す必要があります。
また、新オフィスに意識が向いていて、旧オフィスの解約予告期間を確認していなかったというトラブルもあります。オフィスは解約予告期間に解約を申し出ていなければ解約できず、余計な賃料が発生してしまうのです。
さらに、原状回復は原則として、解約時期までに完了しなくてはなりません。移転後に問題なく原状回復が行える期間を考えて、解約しなくてはならないのです。
賃貸オフィス移転後の不具合に対する上手な対処法
では、これらの不具合に遭遇してしまった場合は、どのように対処したら良いのでしょうか。具体的な解決方法と、不具合を防ぐための事前準備を解説します。
IT機器・ネットワーク関連の対処法
IT機器・ネットワーク関連のトラブル対処法は、問題が起きている機器によっても異なります。
固定電話、プリンターなど
電話会社やリース会社などの他業者に委託している物に関しては、会社から提供されているマニュアルに沿って対応します。それでも解決できないトラブルは、担当者や業者に連絡をして確認してもらってください。
パソコン・ネットワーク機器
パソコンなどのネットワークに関しては、インターネットなどの外部に繋がらない場合、LANケーブルの配線やWi-Fiの設定が間違っているケースが少なくありません。一方社内ネットワークへアクセスできない場合は、インターネット回線の変更によって、IPアドレスが自動化もしくは変更されているケースが考えられます。
IT機器の専門職がいない中小企業などでは、ネットワークのトラブルに対応できず、業務再開が遅れるケースも少なくありません。そのため移転準備の段階から専門業者に依頼し、パソコンの設定マニュアルを作成しておくと、スムーズに移転が進められるでしょう。
また専門業者に依頼する場合は、移転初日や業務再開までの期間は、業者にサポートしてもらうことが大切です。
設備・レイアウトの対処法
不具合発覚後の設備・レイアウトの対処法は、デスクの位置や動かせる設備などを自分たちで再配置する方法があります。また業者に再度工事を依頼する方法もあります。
しかし、どちらも大変な労力や費用がかかるものです。準備の時点で業者との綿密な打ち合わせが重要です。内装工事やレイアウトで失敗しないためにも、移転担当者はオフィス移転の目的や、自社のイメージを掴んでおいてください。元となるコンセプトがはっきりしていれば、オフィス移転は失敗しにくくなります。
業者を選ぶ際には見積りの安さだけでなく、アフターフォローやメンテナンスなどのサポート面も重視して選ぶことが大切です。サポートがある業者であれば、移転後に不具合が発覚しても対処法を提案してくれるでしょう。
人員とオフィス規模の対処法
人員とオフィスのバランスが取れなくなった時の対処法は、通路幅を狭めてデスクを追加する方法があります。
オフィス移転時には、広さにゆとりをもっておくことが大切です。それでも予想に反して増えてしまった場合は、外部オフィスを活用することも方法の一つだと言えるでしょう。
とくにテレワーク化の流れが進む昨今では、自社のオフィスを持たずに外部オフィスだけで仕事をするケースも増えています。
旧オフィスの原状回復の対処法
旧オフィスの原状回復で慌てないための対処法としては、移転準備と並行して原状回復工事の予定も計画しておくことです。
賃貸オフィスの解約予告は、一般的に解約日の6か月前に行わなければならないケースが少なくありません。原状回復工事の完了にも、1か月程度の期間が必要です。
またトラブルを回避するためにも、賃貸借契約書の内容をよく確認して行うことが重要です。とくに注意すべき点として、以下の3点が挙げられます。
・原状回復工事の施工業者に指定があるか
・原状回復の範囲はどこまでか
・敷金の返還についての記載
また、施工業者に依頼するときは、かならず見積りを取りましょう。相場との比較や内訳の精査を行って、適正価格か確認するようにしてください。解約日までに完了できるように、スケジュールの確認も大切です。
とくに注意しておきたいのが賃貸オフィスの移転手続き関連の不備
オフィスの移転では、個人の引越し以上に必要な手続きが数多くあります。すべて事業を維持するために必要な手続きとなるので、忘れずに行うようにしてください。
ここでは、不備が起きやすい移転手続きの内容について、一覧でご紹介します。
移転時に必要な届出
はじめに事務所移転に伴って、必要な届出等は、以下のようなものがあります。
表を見ても分かるように、非常に多くの手続きを行わなくてはなりません。また、移転先における、登記簿謄本の提出が必要な手続きも多くあります。
その他行うべき手続き
このほかにも会社で設備の依頼をしている業者へ、移転手続きを行う必要があります。特に多い手続き先は以下の通りです。
・NTT(契約電話契約会社)
・金融機関
・リース会社(コピー機、プリンターなど)
また、取引先への移転のお知らせも、忘れずに行ってください。移転のお知らせも、大切な移転業務のひとつです。
今回のまとめ
オフィス移転後に発生しやすい不具合から、移転に伴う手続きまでをご紹介しました。通常業務をこなしながら移転業務を行うことは非常に難しく、業務量的にも負担の大きな仕事です。そのため、オフィス移転を専門とする業者に依頼し担当者の負担を減らすことも、移転後の不具合を防ぐひとつの方法となります。計画的に移転準備を行い、新たに仕事のしやすいオフィス環境を作っていきましょう。
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