COLUMN
お役立ち情報
賃貸オフィスの移転を伝える案内状の書き方とマナー
オフィスの移転が決まったら、お世話になっている企業や一緒に仕事をしている関連会社へ「移転案内状」を送るのがマナーです。しかし、オフィス移転を経験する機会はあまりなく、案内状の存在を知らない方も多いかもしれません。
この記事では、移転案内状を送るタイミングやマナー、書き方について解説します。オフィスの移転を控えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
オフィス移転の案内状を送るベストタイミングとマナー
移転案内状とは、オフィスの移転が決まった時に新しい住所や連絡先を知らせる文書のことです。事前に取引先や関連会社へ連絡をしておかないと、前の住所に請求書が届いてしまったり、営業担当者が前の会社を訪れてしまったりして、業務に支障が出てしまいかねません。そのため、オフィス移転にあたっては、移転案内状の発送が欠かせないのです。
案内状を送るタイミング
案内状を送るタイミングとしては、実際にオフィスが移転する1カ月前が理想的です。もし発送が遅れてしまったとしても、2週間前にはすべての取引先や関連会社へ届くようにしておきましょう。
なぜなら、移転案内状を受け取った取引先や関連会社は、新しい住所や電話番号を顧客データとして登録し直さなければならないからです。移転直前の連絡でも営業担当は困らないかもしれませんが、納品書や請求書を発行する部署には迷惑がかかってしまいかねません。書類が行き違う原因にもなるので、案内状送付は早めに行うことが大切です。
移転案内状の基本的なマナー
移転案内状に関するマナーはいくつかありますが、最も重要なのが「お世話になっている人すべてに送る」ということです。会社宛に1通送ればいいと考える方もいるかもしれませんが、日頃お世話になっている方には全員にお知らせするのがマナーになります。
また、会社の規模に関わらず、社長宛に移転案内状を送ることも重要なマナーですから、忘れずに送らなければなりません。
仕事で関わりのある会社の社長と従業員に文書を送ろうとすると、膨大な数になることが少なくありません。そのため、案内状の送付は「責任者には文書、担当者にはメールで通知」といったように使い分けることも大切です。
案内状の準備から送付までに必要な作業
移転案内状の作成には、記載する情報の収集や発送先のリスト作成で想像より時間がかかることが少なくありません。そのため、オフィスの移転が決まったら、すぐに案内状の作成に取りかかりましょう。
新住所、新連絡先の確認
移転先が決まったら、まずは新しい住所や電話番号、FAX番号を確認してください。移転案内状は主にこれらの情報を伝えるための文書なので、確定したらすぐに確認をして作成準備に取りかかることが大切です。
通知方法の決定
移転案内状の通知方法には、ハガキや封書、メール、FAXなどといった方法があります。文書で送る際は書面のデザインや使う紙など、体裁から考える必要があるでしょう。どの方法で通知するか検討し、使い分けることをおすすめします。
送付先リストの作成
通知方法が決まったら、移転案内状を送る方をリスト化していきます。通知方法ごとにリストを作成し、宛名や宛先に間違いがないか確認することが抜け漏れを防ぐためにも大切です。
印刷、発送作業
案内状に記載する内容が決まったら、印刷と発送を行います。ハガキなどの印刷物は印刷会社へ依頼するケースもありますので、余裕を持ったスケジュール管理を行っておかなければなりません。
また、公式サイトを持っている会社であれば、ホームページで移転のお知らせを出すことも忘れないでください。
転送届の提出
オフィス移転の前には、郵便局へ「転送届」を出しておくことも非常に重要です。転送届を出しておけば、誤って前住所に送られてきた郵送物も転送してもらうことができます。届出日から1年間は無料で転送してもらえるので、忘れずに手続きしておきましょう。
オフィス移転で書く案内状の基本
ここでは、移転案内状の書き方について詳しく解説します。移転案内状に書かれている要素は、「書き出し」「本文」「文末」「移転先情報」の4点です。ポストカードやDMでも基本的な書き方は同じですので、ぜひ参考にしてみてください。
書き出し
書き出しが誤っていると、一般常識が欠けていると思われてしまうことが少なくありません。特に、目上の方への手紙やフォーマルなビジネスメールでも使われるものなので、丁寧に記載することが大切です。
記載する内容としては、以下の要素が挙げられます。
要件
まず、冒頭には「要件」を記載しましょう。なぜ文書を送っているのかを分かりやすく記載する部分であり、たとえば「本社(事務所)移転のお知らせ」といった文章が使われます。また、デザインによっては英語を用いたり、要件をあえて入れなかったりする場合も多くあります。
初めと終わりの言葉
移転案内状の文章は、「拝啓」に始まり「敬具」で終わるのが一般的です。これは「頭語」と「結語」と呼ばれる形式的な言葉の使い方であり、必ずペアで使います。どちらも「謹んで申し上げます(申し上げました)」という意味を持っており、送り先に敬意を示す言葉です。
挨拶
「拝啓」に続いて、挨拶の言葉を入れましょう。「○○の候」という季節に合わせた挨拶やどの時期でも使える「時下」という言葉を入れてから、「ますますご清栄のことお慶び申し上げます」や「ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます」といった文章に繋げるのがマナーです。
ただし、企業や事業主と消費者に向けた挨拶では適切な言葉遣いが異なるので、注意してください。
消費者に対しては、相手の健康を気遣う言葉を挨拶として入れるのが一般的です。一方で企業や事業主に対しては、相手の商売繁盛を願ったり、活躍を祝ったりする言葉が一般的に使われます。
本文
本文は、文書のメインとなる部分です。移転案内状の場合は、送り先への日頃の感謝や会社が移転する旨を記載します。いつ移転するのかという点も重要な情報になりますので、忘れずに入れるようにしましょう。
文末
文末は、書き出しと対になる部分です。今後の抱負や変わらぬお付き合いを願う言葉を入れて、「敬具」で締めくくりましょう。
移転先情報
文末まで書き終えたら、続けて移転先に関する情報を記載します。必要な情報は以下のとおりです。
日付
送付する日の日付を記載します。日付がないといつの情報なのかが分からず、混乱の原因になりかねません。そのため、忘れずに記載しましょう。
新連絡先
移転先の住所や電話番号、FAX番号を記載します。移転案内状を受け取った相手は、この情報を見て顧客データの更新手続きを行うのです。つまり、新連絡先の記載は文書を送る目的と言ってもいいほど重要なので、間違いがないように確認してください。
地図
スペースがある場合は、会社の新住所が書かれた地図があると、より丁寧な案内状になります。最寄り駅の出口や所要時間も書いてあると、営業担当者からも喜ばれるでしょう。書き方1つで会社のイメージも変えることができるので、ぜひ検討してみてください。
会社名、代表者名
会社名と代表者名は、必ず入れてください。書かれていないと、どの会社が移転するのかが分かりません。今後のお付き合いのためにも、必ず入れなければいけない事項です。
オフィス移転の案内状の送付はメールやFAXでも大丈夫?
テレワーク化も進み、メールやチャットツールを利用した連絡が主流になっている会社も増えてきています。しかし、移転案内状などの大切なお知らせは、文書で送ることが未だ適切とされていることも少なくありません。そのため、混乱してしまう担当者の方も多いのではないでしょうか。
メールやFAXでオフィス移転の案内状を送っても大きな問題はないですが、メールだけだと送り先の担当者が見逃してしまうことが否定できません。業種によっては1日に数百件という膨大な量のメールを処理しているため、確実に伝えたい情報の場合は、書面の方が有効です。
また、大切なお知らせをメールで済ませることを良く思わない方も一定数いらっしゃいます。「その程度の扱いなのか」と判断されてしまうおそれもあるので、良好な関係性を維持するためにも書面で送付するのがおすすめです。
ただし、上述したように移転案内状を送る数が多い場合は、メールと併用することで効率よくお知らせすることができるのでぜひ実践してください。基本的に重要な役職の方には文書、担当者にはメールでも可能と覚えておくと間違いがないでしょう。
メールで送る場合の文章
メールで送る場合は、書面よりもカジュアルな文体で作成することが多いでしょう。通常のビジネスメールと同じ手順で文章を作成すれば、失礼にはあたりません。
今回のまとめ
今回は、オフィス移転の案内状について、基本的な作成方法をご紹介しました。移転案内状は、オフィスの移転を取引先や関連会社に伝える大切な文書です。作成には時間がかかるので、ゆとりを持って準備を始めましょう。具体的には、移転の3ヶ月前から取りかかると安心です。
また、こちらが一方的にお知らせを送れば完了するのではなく、受け取った側は会社情報の更新が必要になります。移転案内は相手企業にも作業を強いるものであることを理解して、丁寧に行うことが重要です。
名古屋でオフィスの移転先をお探しの場合は、賃貸オフィスの仲介を専門とするオフィッコスにぜひご相談ください。