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窓の向きから考える!オフィス・事務所のレイアウトとデスクの配置の基本
移転したオフィスのレイアウトを変更する場合や、人員増でデスクの配置を変えなければならない場合、まず検討するのはデスクやOA機器の設置場所です。しかし、窓の位置は作業効率を左右することがあるため、検討する際には窓の向きも含めて考える必要があります。
ここでは、オフィスや事務所のレイアウトを変更する際に窓の向きを考えて行うべき理由とデスク配置のパターン、レイアウトを変更する際に注意したい点についてご紹介します。
オフィス・事務所のレイアウトは窓の向きを考えて行うべき理由
オフィスまたは事務所を引っ越した際や人員増で模様替えをする際、窓の位置が意外と影響を及ぼすことをご存じでしょうか。オフィスや事務所の窓の位置とデスクの配置との関係について解説します。
なぜ、オフィスには窓が必要なのか
一日中照明をつけているオフィスでは、採光の必要性はそれほどありません。むしろ、漏洩厳禁である文書など大切なものの保管管理といった面では、窓がない方が良い場合もあります。
しかし、窓は建築基準法上の「開口部」であり、窓がない部屋は「開口部のない無窓居室」とされて、非常用照明や排煙、換気のための装置を設置しなければなりません。
採光や換気を行うためには、床面積の1/20以上の広さの開口部、排煙や防火のためには床面積の1/50以上の開口部が必要です。この基準に満たない場合には法律上は無窓居室として扱われてしまいます。
このような理由で、多くのオフィスや事務所には窓が設置されているのです。
従来のオフィスや事務所のレイアウト
日本では出入り口を下座とする考え方から、従来のオフィスでは窓側に管理職の席を置き、ドア側には窓口対応をするスタッフや新人の席を置くという配置が多く見られました。同様の理由で、入り口から遠い突き当りの窓際に応接セットがある場合も少なくありません。しかし、最近では、窓とオフィスや事務所のレイアウトの関係性に変化が生じています。
窓の向きを考えたレイアウト
オフィスという閉ざされた空間の中で、窓やドアは外につながっている場所です。そのため、状況が変化しやすいエリアでもあり、室内のレイアウトによっては作業効率が低下しかねません。オフィスや事務所のレイアウトを変更する際に、窓との関係性で配慮したい5つのポイントについて見ていきましょう。
集中しやすい配慮
デスクの正面が窓やドアなどになるレイアウトは、外の様子が気になってしまい集中力が欠けてしまいますので避けた方がよい配置です。
ただしドアに関しては、まったくの死角にするのは好ましくありません。例えばスタッフが出払った事務所の留守番をする際や、ひとりでリモートワークを行う際などに、ドアが死角になっていると、人が入ってきた気配で立ち上がって確認に行くことになります。そのため、ドアの開閉の様子が視界の端に入る位置にデスクを置くのがおすすめです。
気分転換をしやすい配慮
デスクの左右どちらかが窓になっていると、仕事が行き詰まったり、目が疲れたりした際に外の景色に目を移すことで気分転換できます。大きな窓ほど開放感が高まり、より多くの自然光がリラックス効果を高めるのです。
情報漏洩しない配慮
機密情報や個人情報を取り扱う業務においては、背後に人が回り込めない配置にする必要があります。窓が背後にあると、オフィスや事務所の外からデスクの上やパソコンの画面が見えてしまうことがあるので、窓に目隠しのシートを張るなどの配慮が必要です。
射光が邪魔にならない配慮
オフィスや事務所の中には西側に窓があり、夕方の日差しが差し込む構造になっているケースが少なくありません。しかし、射光や日差しの熱によっては作業効率が落ちることがありますし、ファイル類なども色あせてしまうでしょう。
西側に窓がある場合には、光を遮ることができるように反射しない素材のブラインドを使うなどの配慮が必要です。
温度差への配慮
空調が整っているオフィスや事務所でも、窓際は外の気温の影響を受けやすい場所です。窓際の温度差を感じにくいようにする空調もありますが、デスクは窓から3~5m離した位置に置くと快適になります。
一般的なオフィスのデスク配置の種類
オフィスや事務所のデスクの配列は、業種や仕事の内容によって使いやすさが異なります。従来のレイアウトを変えるだけで、仕事の効率が上がったというケースも少なくありません。ここでは、オフィスにおけるデスクレイアウトのパターンを解説します。
オフィスのデスクレイアウトの6つのパターン
オフィスのデスクのレイアウトには、従来型の島型や並列型のほかにもいくつかのパターンがあります。
島型レイアウト
共同作業が多くチームで歩調を合わせながら作業する業種では、相向いに置いたデスクをつなげていく、島型レイアウトがおすすめです。
お互いにコミュニケーションが取りやすく、担当者が不在の場合の電話対応や来客もスムーズに引き継いで行うことができます。島同士の間に通路を作るだけで良いので省スペース化も可能です。
並列型レイアウト
来客対応が中心の業務やコールセンターなどは、講義を受ける際のように、同じ方向を向いているレイアウトが向いています。来客に背を向けることがないのですぐに対応できますし、前方からの音をしっかり拾うことが可能です。
背面型レイアウト
企画や開発、設計、クリエーターなど個人で集中して行うことが多い職種では、お互いに背を向けて仕事をする形式がおすすめです。壁や窓に向かって仕事をする場合もありますし、島型や並列型の配置で視線を遮るパーテーションをつける場合もあります。
ブース型レイアウト
背面レイアウトよりもさらに集中できるレイアウトとして、最近人気なのがブース型レイアウトです。パーテーションなどでデスクやイスのあるスペースが遮られており、周囲の視線や音を気にせずに集中できる構造になっています。プログラマーやクリエーターなど、没頭して作業する必要がある職種向きです。
クラスター型レイアウト
背面レイアウトにコミュニケーションの取りやすさを加えたのが、クラスター型レイアウトです。
左右対称に背面型レイアウトがされていて、隣の人と反対方向を向いてデスクに向かう形になります。反対方向を向いているので隣の人を気にせず業務に集中できて、同じ位置にいるのでコミュニケーションも取りやすい配置です。
設計やデザインなど、クリエイティブな職種に向いています。
フリーアドレス型レイアウト
営業など外回りが多く在席時間が短い職種や、作業する際に必要な書類などが少ない職種の場合には、座席を決めないフリーアドレス型がおすすめです。デスクの配置は島型、並列型、背面型のどのパターンでも構いません。
別途書類や仕事用のパソコンの保管場所が必要になりますが、打ち合わせなども行いやすく、ひとつのスペースを多彩に活用できるレイアウトです。
パフォーマンスを上げるデスクの配置を選ぶ
業種や仕事の内容によって適したデスクの配置は異なりますが、デスクとデスクの間の通路にも配慮が必要です。
ぶつからないようにするためには1人あたりイスで45cm、通路としては90cmの幅が必要ですので、島型でイスとイスの間が通路となる際には、島と島の間に80cm、通路の実の場合には90cmの間隔をあけるとストレスが少なくなります。
オフィスや事務所の広さも考慮して、スタッフのパフォーマンスが上がるデスクの配置を選びましょう。
オフィス・事務所のレイアウトを変更する時の注意点
オフィスや事務所のレイアウトを変更する際にどこから決めたら良いのかわからず、「まずはデスクを置いてから空いたスペースを埋めていく」といった設置をするケースも多く見られます。しかしレイアウトは、業務内容や人数、動線なども含めて考えなければなりません。
現在のオフィスや事務所にどのくらいのスタッフが入るのかを考える
オフィスや事務所のレイアウトを決める際には、どんな目的のスペースにそれぞれどのくらいの広さが必要なのかを考えることが必要です。ワークスペースとそれ以外に必要となるスペースについて見てきましょう。
ワークスペースの広さの基準
労働基準法の600条では「労働者を常時就業させる屋内作業場の気積を、設備の占める容積及び床面から4mをこえる高さにある空間を除き、労働者1人について、10㎥以上」と定めています。つまり、一般的な天井までの高さが2.5mのオフィスではスタッフ1人当たり4㎡が必要です。
さらに、最近のオフィスや事務所では1人当たりのワークスペースに8.5㎡が必要だともいわれています。レイアウトにこだわるあまり、十分なワークスペースが取れなかったということがないように注意しなければなりません。
一般的には、業務を行うワークスペースが全体の5~6割というケースが多く見られます。
スタッフの動線の確保
ワークスペースで安全で効率的に仕事をするためには、スタッフの動線を確保することが大切です。人が通るたびに椅子を引かなければならないような状況では、作業に集中することができません。全員がデスクに座っている状況でもデスクとデスクの間を楽に歩けるようにするためには、イス1脚につき45cm、歩く人に90cmの幅が必要です。
複合機や文書が保管されている業務支援エリアや、給湯室や休憩室など生活支援エリアへの動線にも配慮して、集中しやすいレイアウトが望まれます。
文書や機器を保管するスペース
デジタル化に伴い文書の量は減ってきてはいるものの、5〜7年保管しなければならない文書もあるので、今使う文書と一定期間保管している文書それぞれのスペースが必要です。
業務支援スペース
複合機を置く位置にはちょっとした作業台があると便利です。打ち合わせをする際にはどこでするかも確認しておきましょう。
生活支援スペース
給湯コーナーや休憩室を忘れず確保する必要があります。
連携しなければならない部署は近くに配置する
開発、営業、経理など、いくつかの部署に分かれている場合には、業務上のやり取りの多い部署を近くに配置します。密接にコミュニケーションをとることができるため、齟齬が生じることが少なくなり円滑に仕事を進めることが可能です。
また、来客が多い部署は入り口付近に置くと効率的になるでしょう。
応接スペースからトイレへの動線もチェックする
応接スペースは、ワークスペースを通らなくても案内できる位置に設置します。ワークスペースには機密情報や個人情報がありますので、応接スペースからトイレに行く際にも執務スペースを通らなくて済むようにしておくこともセキュリティーの観点から重要です。
今回のまとめ
オフィス・事務所のレイアウトを考える際には窓の向きにも注意をすることが必要です。デスクの正面が窓やドアだと集中できにくくなりますが、左右どちらかが窓になっていると気分転換しやすくなります。
また、窓からデスクの上が見えると情報漏洩のリスクがあるため注意しましょう。オフィスのデスク配置には、島型、並列型、背面型、フリーアドレス型などのレイアウトがあるので、業種や仕事の内容に合ったパフォーマンスを上げるデスクの配置を選ぶことも大切です。
業務のために十分なスペースと動線を確保して、オフィスや事務所のレイアウトを検討してみてはいかがでしょうか。
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