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オフィス・事務所のリノベーションのメリットとは?逆効果にならないためのポイント
オフィスは企業のイメージだけでなく、社員の生産性から肉体的および心理的健康状態にまで大きな影響を与えます。オフィスは日中の大半を過ごす場所ですから、社員がより快適に過ごせるオフィスにするためにリノベーションをすることは非常に意義のあることです。
今回は、オフィスのリノベーションにご興味のある方のために、リノベーションの基礎知識から、メリットと注意点、オフィスのリノベーション例までを詳しく解説します。
リノベーションとは
古い建物の内装を修繕する方法には「リノベーション」と「リフォーム」があり、建物の状態と目的に合わせてどちらの方法にするか選ぶことが大切です。ここでは、リノベーションを理解していただくために、リノベーションの概要とリフォームとの違い、そしてリノベーションの種類についてご紹介します。
リノベーションとリフォームの違い
リノベーション(renovation)とは、日本語では「補修」や「修復」という意味です。建物の基礎となる骨組みや柱、屋根などには手を加えず、それ以外の内装および設備を修繕する比較的大掛かりな工事になります。
「リフォーム」も補修や修復を意味しますが、以下のような違いから「リノベーション」とは使い分けるのが一般的です。
工事の目的の違い
「リフォーム」とは元の状態に戻すための工事で、故障した部分や古くなった部分を新しくします。一方リノベーションの場合は、修繕だけでなく建物の機能性を改善することも目的に含まれるのです。
工事の規模の違い
「リノベーション」では間取りを変えたり、耐震性や耐久性を高めたりするだけでなく、建物の用途を変更することもあります。そのため工事の規模は「リフォーム」と比較すると、「リノベーション」のほうが工事の規模が大きくなる傾向です。
費用の違い
工事の規模が大きいと費用が高くなり、工事期間も長くなります。当然のことながら、「リフォーム」より「リノベーション」のほうが費用は高いです。
リノベーションの種類
リノベーションにはいつかの種類があります。それぞれの違いは次の通りです
フルリノベーション
フルリノベーションのフル(full)は「いっぱい」や「全部」という意味なので、基礎となる部分以外はほとんど取り壊す大掛かりな改装工事ということになります。リノベーションの平均相場は1坪あたり10~30万円と言われており、30坪(約100㎡)のオフィスをフルリノベーションした場合の費用相場は1,000万~1,500万円ほどかかるケースもあります。
スケルトンリノベーション
スケルトン(skeleton)は「骨組み」の意味ですから、建物の骨組みだけを残してその他の部分を新しくするリノベーションです。フルリノベーションの一部で、表層だけを変えるのではなく中身から全て変えるのが特徴。例えば、コンクリート打ちっぱなしのデザインなどがこれに含まれます。
ポイントリノベーション
建物や空間の場所を選んで行うリノベーションです。ポイントリノベーションには、費用を抑え工事期間を短縮できるメリットがあります。
オフィス・事務所のリノベーションにはメリットが多い
リノベーションにはさまざまなメリットがあります。社員が働きやすく機能性の高いオフィスを実現させるためには、具体的なプランを立てる前にメリットを確認しておきましょう。オフィスと事務所をリノベーションすることで得られる主なメリットは次の4つです。
メリット1:業務の効率化ができる
無造作に配置した家具や設備は仕事の妨げになります。オフィスの間取りやレイアウトを変更すると動線がスムーズになり、無駄な動きが減って業務の効率化を図れるのがメリットです。家具を整理してミーティングやリフレッシュができるスペースを設置すれば、社員同士のコミュニケーションの活性化や生産性の向上も期待でき、業績アップにもつなげることができるでしょう。
メリット2:企業イメージアップを図れる
オフィスは企業のイメージを左右します。分かりやすい例をひとつ挙げると、デザイン会社を訪問した際にその内装の趣味が合わない場合、その会社にデザインを依頼しようと思う人は少ないでしょう。反対に企業のコンセプトやブランドが分かりやすい内装にすれば、はじめて訪れる人たちに好印象を与えられ新規顧客開拓にも効果的です。
今後は少子高齢化で優秀な人材を確保するのが難しくなることが予想されています。企業のホームページや求人広告におしゃれなオフィスの画像を掲載すれば、求職者にアピールできるので採用活動にも有利です。
メリット3:社員のモチベーションを向上できる
狭いオフィスは、近くにいるだれかに対して常に気を使って無駄なエネルギーを消耗したり、周りの人の動きが気になって仕事に集中できなくなってしまったりします。オフィスで快適に過ごせないとだんだん会社に行くことが苦痛になり、やる気も失ってしまいかねません。
社員が快適に過ごせるオフィスにリノベーションすれば、社員の意識をすべて仕事に向けられるので、社員のモチベーション向上にも役立ちます。
メリット4:月々の光熱費を削減できる
古い設備や電化製品は電気代が高くなりやすいですが、LEDに変更したり省エネタイプの設備に入れ替えたりすることで電気代を抑えることができます。吹き抜けをなくしたり、2重窓にしたり、西日が当たらないように間取りを変更したりすれば、さらに無駄な光熱費を省くことが可能です。
リノベーションが逆効果になることも
リノベーションはメリットが多いですが、残念ながらリノベーションが失敗に終わることもあります。せっかく費用をかけて工事をしたのに逆効果になってしまうようなことがないように、リノベーションでよくある失敗例も確認しておくと良いでしょう。リノベーションでよくある失敗には次のようなものがあります。
動線設計をし忘れた
動線とは作業する際の動きを線で表したものです。この動線が複雑になったり重なり合ったりすると、人の動きが滞り作業に悪影響を及ぼしかねません。反対に社員の動線を上手く設計したオフィスなら作業がスムーズに進みコミュニケーションも活発になり、災害の際にも安全に避難できます。
オフィスのリノベーションでは動線設計がとても重要です。リノベーションの予算が限られている場合は、動線設計を優先して検討することをおすすめします。
パーティションで窮屈になった
社員のプライバシーを保護したり集中力を高めたりすることを目的に、リノベーションを機にパーティションを導入する企業も少なくありません。しかし、十分なスペースがなかったりパーティションの使い方を誤ったりすると、圧迫感が出て窮屈に感じるようになることもあります。また、日差しが遮られオフィス全体が薄暗くなることもあります。
狭いオフィスの場合は無理にパーティションを導入せずにフリーアドレスにし、カフェスペースやリフレッシュスペースを設置するほうが快適な職場環境に整えることができます。
オフィス家具が搬入できなかった
これはオフィス家具のことを考えずにレイアウト設計をしてしまうことで起こる失敗です。同じ間取りでも、安全性を高めるための手すりによって、家具の搬入できなかったというケースも少なくありません。ほんの数センチの違いでも家具は入らなくなってしまうので、レイアウトを設計する際は必ずオフィス家具のことを考慮しましょう。
相場より費用が高かった
同じような工事でも依頼する業者によって費用は異なります。工事を依頼するときは必ず見積もりをとり、対応やサービスなどもチェックして信頼できる業者を選ぶことが大切です。
オフィス・事務所のリノベーション例
理想を形にするのは難しいですが、リノベーションの事例を見ることで、どんなオフィスにしたいかがはっきりしてくるのでおすすめです。ここでは、オフィス・事務所のリノベーションを成功させた事例を3つご紹介します。
オフィス・事務所のリノベーション【事例1】
リノベーション費用
専有面積:約310㎡
施工費用:約5,000万円
リノベーションのポイント
1.大きなスペースに用途別のスペースを設置
壁でオフィスを仕切ってしまうと、狭苦しい空間になってしまいかねません。このオフィスでは壁は作らず大きな空間のなかに、複数のコワーキングスペースを設置しています。
2.社員がリフレッシュできるカフェスペース
カフェスペースは木材を使い周りを植栽で囲むことで癒し空間に仕上げました。社員がゆったりと過ごすのにぴったりです。
3.多目的の個室
社内会議やリモート会議ができるように個室も作りました。社内研修やセミナーを開催できるように、シンプルで集中しやすいホワイトを基調としています。
オフィス・事務所のリノベーション【事例2】
リノベーション費用
専有面積:約46㎡
施工費用:約280万円
リノベーションのポイント
1.トイレと給湯室のドアにパーティションを設置
トイレと給湯室はどこのオフィスにもありますが、水回りは臭いの原因となり会社のイメージにも悪影響を与えかねません。そこで、トイレと給湯室のドアの前にパーティションを設置し、来客から見えないようにしました。
2.LEDのダウンライトに変更
蛍光灯からダウンライトにしたことで、オフィスが明るくなりました。天井にもなじみやすいデザインなので、オフィスがすっきりして見えます。LEDのダウンライトにすれば、電気代も節約することが可能です。
3.ポイントリノベーションで施工費用を削減
必要なところだけにリノベーションを行ったため、通常のリノベーションよりも費用は安く収まりました。
オフィス・事務所のリノベーション【事例3】
リノベーション費用
専有面積:約150㎡
施工費用:約1,750万円
リノベーションのポイント
1.築100年の古民家をオフィスに
古民家の魅力を引き出すリノベーションで、デザイン会社に見合ったおしゃれな仕上がりになっています。
2.耐震補強工事で安全性を強化
オフィスは社員の命と重要書類を守るために、安全性を確保することが必要不可欠です。築100年以上の建物は耐久性と耐震性が劣りますが、防水工事と耐震補強工事を行い、耐震性を以前の4.2倍にすることができました。
3.ゆとりのある間取り
職場環境が悪いとやる気が起きなかったりアイデアが浮かばなかったりします。そこでゆとりのある間取りにしたところ、知的創造が生まれやすくなりました。デザイン会社に適した空間になりました。
今回のまとめ
長い間同じ空間にいると人は慣れてしまい、不都合な点に気づけなくなってしまいかねません。オフィスは定期的に修繕が必要ですが、こまめにリフォームを行っている場合は一度オフィスのレイアウトや使いやすさなどを見直し、リノベーションを検討してみるとよいでしょう。
せっかくリノベーションをするなら失敗なく行いたいところです。そこで、ご紹介した情報を参考にしていただき、快適なオフィス作りの一歩を踏み出してみることをおすすめします。リノベーションの検討は、会社の今を見直しこれからのことを長い目で考えるよい機会。会社のため社員のため、ぜひご納得のいく未来設計をしてみてはいかがでしょうか。
名古屋に本社を構えるオフィッコスは、オフィスや店舗などの賃貸仲介を専門に扱っている企業でございます。2012年の設立以来、多くのお客様からご利用いただき、ご希望に沿える物件をご案内できるよう、日々情報収集に努めております。常時50,000件以上の物件情報を有しており、ホームページに掲載していない情報も多数ございますので、オフィス・店舗の開設や移転を検討されている事業者さまは、まずは一度お気軽にお問い合わせください。