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事務所・オフィスを構えるなら知っておきたいレイアウト用語
最近の事務所・オフィスに求められるのは、単に業務をこなす場所という役割だけではありません。従業員の集中力とモチベーションが高まる執務スペースを作るためには、効果的なレイアウトの考案が必要です。そこで今回は、事務所・オフィスのレイアウトに関する用語とそれぞれの意味を紹介します。これから事務所・オフィスを構える予定のある方は、ぜひお役立てください。
【目次】
1.オフィスでよく採用されるレイアウトに関する用語
2.働き方改革に役立つオフィス・レイアウト用語
3.オフィスのレイアウトに関わる内装工事用語
4.オフィスのレイアウトに関わるインテリア用語
5.確保すべきオフィス面積は?
6.オフィスのレイアウトはおしゃれさとともに動線計画も重要
7.まとめ
オフィスでよく採用されるレイアウトに関する用語
事務所・オフィスでは、デスクがワーキングフロアの面積を大きく占有します。デスクのレイアウトがオフィスの動線や作業効率を左右することもあるので、自社オフィスの働き方に合うデスクの置き方を選ぶことが重要です。ここでは、デスクの配置を中心としたレイアウト用語を紹介します。
島型レイアウト
アイランド型や対向型レイアウトと呼ばれることもあります。複数台のデスクを向かい合わせて並べ、島のように配置する方法です。
奥のエンド側に責任者席が設けてあるケースが多く、1チーム1島という分け方をすることで、チーム間のコミュニケーションがしやすくなります。チームで業務にあたっている会社に最適なレイアウトですが、昔ながらのレイアウトとも言えます。
背面型レイアウト
同じチーム内の人が背を向け合ってデスクに向かうタイプの配置方法です。島型レイアウトは、責任者席を中心として人が密集しているイメージですが、背面型は近い場所にいながら、島型よりはプライバシーを確保することができます。
共同作業以外にも、1人で業務に集中すべき時間が多い会社などに向いています。
並列型レイアウト
並列型は、ほとんどのデスクを一方向に向かせる方法です。金融機関や士業事務所など、来客が多いオフィスによく見られる配置で、出入り口やカウンターなどに常に視線を向けておく必要がある会社に適しています。
クラスター型レイアウト
デスク列ならびにデスクそのものを互い違いに配置するのがクラスター型です。省スペースに配慮しつつ、プライバシーを守ることができる方法と言えます。1人作業の多い会社に向きますが、デスク同士の距離は近いため、業務に集中しながらコミュニケーションを円滑に取ることもできる配置です。
ベンゼン型レイアウト
ベンゼン型とは、個々の作業スペースを広く確保しつつ、チーム間の連携を保ちたい場合に便利なスタイルです。L字型に近い広めのデスクを連結していくことで、それぞれが輪の外側を向くように座ることができます。椅子を180度回転させれば、すぐに簡単なミーティングも可能です。
このユニットが複数集まった様子を俯瞰で見ると亀の甲のようなので亀甲(ベンゼン)という名前がついたとされます。
卍(マンジ)型レイアウト
上から見た時に、4つのデスクが卍状になっているデスクの配置方法です。1つのデスクの横長の面の端に別のデスクのサイド面をつけて顔の向きを変化させることで、まるで風車のような配列ができあがります。従業員同士の目線が合いにくいため、狭いスペースでも作業に集中しやすい方法と言えるでしょう。
十字型レイアウト
中央にコーナータイプのテーブルなどを中心点として置き、あとは4台のデスクを同じ進行方向に向かせて、十字になるよう配置します。4人で共用するツールなどを中央のテーブルに置けるのが便利で、同じ作業に複数人同時にあたる場合に向いています。
働き方改革に役立つオフィス・レイアウト用語
コロナ禍によるリモートワークの推進は、さまざまな企業の業務を停滞させた反面、既成概念が壊れることで、より効率的な働き方が見つかるなどの副産物があったことも事実です。ここでは、それぞれの会社の働き方を見つめ直す時に役立つレイアウト用語とその意味を紹介します。
ユニバーサル・レイアウト
記事の前半部分で紹介した島型レイアウトの応用型です。向かい合わせた机を横に並べて「島」状態にしますが、ユニバーサルの場合、通常は設置してある責任者席がありません。プライバシーはほとんどないものの、チーム内のフラットな関係を築くのにも役立つレイアウトで、近くに他部署の島があれば、部署を超えたコミュニケーションも簡単です。
フリーアドレス・オフィス
すでにビジネス界で浸透しているのがフリーアドレスです。デスク等の配置の仕方はそれぞれのオフィスごとに異なりますが、最大の特徴は、誰がどのデスクで仕事をするのかが決まっていない点にあります。もともとフリーアドレスは、スペースの有効活用を目的に生まれたレイアウトとされ、最小限の家具を従業員同士で効率的に共用するための方法です。
ちなみに、先ほど紹介したユニバーサル・レイアウトは、座席順を決めなければフリーアドレスと呼ぶことができます。
オープンプランオフィス
通常であれば、天井までのパーティションなどを設置してオフィス空間を仕切るところを、オープンプランオフィスでは収納家具などで簡易的に仕切ります。内装工事のコスト削減とともに、空間を自由に変化させられるフレキシビリティが生じるほか、部屋を完全に分けてしまわないことによって、チーム間のコミュニケーションを簡単にできるレイアウトです。
クローズドオフィス
クローズドオフィスとは、オフィス空間をパーティションなどで細かく仕切り、プライベートな作業空間を多数設けるレイアウト方法です。従業員1人ずつの業務に集中が必要な場合にはメリットの多いスタイルと言えます。
オフィスのレイアウトに関わる内装工事用語
オフィスを構える際には内装工事を伴うことがあります。工事の打ち合わせでは、レイアウト決めでよく使われる用語があるため、事前に知っておくと便利です。ここではレイアウトに関する内装工事用語を2つ紹介します。
動線
動線とはある空間の中の「移動経路」を指す言葉です。一般住宅の間取りを考える時に「家事動線」などという用語を聞いたことがある方も多いでしょう。どこにデスクを配置して、人はどこをどう通ると作業効率が良い、といった考え方をオフィスのレイアウトに反映させます。動線を意識してレイアウトすることは、空間の機能性を高めるためだけでなく、安全面においても重要です。
ゾーニング
ゾーニングとは、オフィスの専有面積を役割ごとに分けることをいいます。オフィスは大部分が執務スペース=業務を行うスペースですが、通路・会議スペース・応接スペースなど、動線をよく考慮した上でゾーニングする必要があります。
オフィスのレイアウトに関わるインテリア用語
オフィスでは、空間を仕切るために用いるアイテムがあります。合理的なレイアウトを施すためには、どこにどんな間仕切りを設置するのかもあらかじめ検討しておく必要があります。ここでは、オフィスのレイアウトに関わるインテリア用語を紹介します。
ハイパーテーション/ローパーテーション
ハイパーテーションとは、床から天井まである壁状のパーティションのことです。シンプルなホワイトパーテーションから、ガラス・布張り・木目調・カラフルなど色・デザインが豊富ですが、施工と合わせると費用負担が重くなります。ローパーテーションは、高くても人の背丈程度の間仕切りですが、数千円程度から購入できて経済的です。
ランマオープン
ハイパーテーションの設置工事を行う場合、上部のみを塞がず開けておく施工方法をランマオープンといいます。反対に、上部を塞ぐ方法をランマクローズといいます。日本間の部屋と部屋の仕切りの上部にある「欄間」に当たる部分に由来する呼び方とされます。
確保すべきオフィス面積は?
労働安全衛生法を基に定められた「事務所衛生基準規則」によりますと、空気の総量を考慮した場合、高さ4m以上の部分を除き、オフィスでは1人あたり10㎥を確保することが求められます。わかりにくいですが、天井高を2.5mとして面積を計算すると、1人あたり4㎡確保する必要があるということです。
従業員の心身の健康や作業効率を考えれば、できるだけ狭さを感じないオフィスを選ぶことが望ましいと言えます。
オフィスのレイアウトは動線計画が重要
面積が限られている中で快適なオフィス空間を作り出すには、動線計画が重要です。複雑な動線は作業の流れを悪くし、生産性を下げてしまいます。しかし、人の往来がさかんな通路がある場合には別のルートも確保する必要があるため、動線を最小限に抑えるだけが最善の策とも言えません。自社の業務内容や人の動きをしっかりと分析した上で綿密な動線計画を立て、さらに希望する働き方に沿ったデスク・レイアウトを考えることをおすすめします。
まとめ
オフィスのレイアウトは、見た目の良し悪しはもちろん、作業効率や生産性をも左右するものです。トレンドのレイアウトに憧れても、もしかすると自社の業務内容とはマッチしないかもしれません。オフィスを構える前には、理想の働き方と最適な動線計画を熟慮してからレイアウトを決めるようにしましょう。
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