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2022.05.02

【士業向け】事務所を開業する上で必要な手続きと初期投資の目安


士業とは専門性が高く、なおかつ公益的な業務に関わりの深い職業を指して言うのが一般的です。法務・税務・社会保障・ライフラインなどに関わる業務を担い、国家資格の取得が義務づけられる職業と言い換えることもできるでしょう。士業で事務所を構えて開業する場合には、一定の申請・登録や費用が必要となります。今回は、士業で開業する前に知っておきたい手続き・初期費用について紹介します。

【目次】
1.士業で資格取得後に独立するには
2.士業で事務所を開く時に必要な手続きとは?
3.士業で事務所を開く際にかかる初期投資
4.開業後にも意外と費用がかかる
5.士業で事務所を開くメリット・デメリット
6.士業のオフィス・事務所探しのポイント
7.まとめ

士業の資格取得後に独立するには

ひと口に士業と言っても、そのように呼ばれる職業は多岐に渡ります。ただ、いずれにも共通しているのが、国家資格という高いハードルを越えなければならない点です。しかも、勉強を重ねて国家試験に合格し資格を保有してからも、独立・開業までにはさらに条件があります。独立開業をするには、所定期間以上の実務経験や、士業ごとの連合会などへの登録が必要となるのが一般的です。
例えば、国家試験の合格率が低いことで知られる「社会保険労務士」の独立開業には、全国社会保険労務士協会への登録が必須ですが、国家資格取得後に2年以上の実務経験および「事務指定講習」の修了がないと、この登録はできません。
一方、行政書士のように、実務経験がなくても国家資格があれば、日本行政書士連合会に登録をすることで独立開業が可能な士業もあります。

士業で事務所を開く時に必要な手続きとは?

士業で事務所を開業する場合、まず開業の条件を満たしていることを確認し、事務所を準備します。自宅の一部に事務所を構える人以外は、賃貸オフィス・事務所を契約する必要があります。
事務所の賃貸契約をしたら、事務所を開業する地域の「都道府県〇〇士会」といった士業会に登録申請を行うのが一般的です。この登録には登録料や登録免許税のほか、会費などの費用もかかります。都道府県士業会に登録した後、開業届を提出します。士業の開業でも、個人事務所を立ち上げる場合には開業届が必要となります。開業届の届け出先は、開業する人の納税地を管轄する税務署です。開業届には事務所の住所を記載する欄があるため、開業届を出す前に事務所を借りておきます。
ただし、業界によっては、事務所が業務を行うのに相応しい場所かどうかのチェックを協会から受ける「事務所調査」を終えてから正式に開業するという流れがあるので、いずれにしても開業届提出前に事務所の賃貸契約が必要です。なお、開業届提出時、必要に応じて「青色申告承認申請書」を提出します。

士業で事務所を開く際にかかる初期費用

士業で事務所を開業する場合には、それぞれの士業協会や都道府県ごとの士業会への登録料といった諸費用を合わせれば、少なくとも100万円程度は想定しておくべきであると言えます。大きな出費では、事務所・オフィスを契約する際の「敷金・礼金」ならびに契約月と契約初月の賃料・共益費を合わせた「前家賃」「前共益費」が必要です。
さらに、契約を仲介した不動産会社に対して支払う「仲介手数料」や「火災保険料」などが加わります。他にも、事務所開設時に大きな出費となるのが「設備費」です。特に家具やOA機器には多額の費用がかかります。パソコン・複合機器だけでも30万円程度かかる場合があり、ここにデスク・テーブル・椅子・ソファ・書棚といった大型家具の予算も加えなければなりません。
初期費用を抑えるには、備品をリースで賄うという手もありますが、長期的に見ると購入した方が何かとお得な場合もあるので、よく検討しましょう。

開業後にも意外と費用がかかる

士業の事務所を独立・開業する際にはそれなりの初期費用がかかりますが、開業後にもランニングコストや新規顧客を集めるのに意外と出費がかさみます。家賃・駐車場代はもちろん、各士業会には毎月の会費を数万円程度支払うことになります。
また、新しく士業事務所を立ち上げた場合、意外とかかるのが集客に関する費用です。実務経験を積むために所属していた前事務所からサポートを受けたり、紹介を通じて集客したりすることができたとしても、経営を軌道に乗せるには、自らも戦略的に集客していくことが求められます。集客に欠かせないホームページの開設には、最低30万円程度かかることを想定しておかなければなりません。
集客に注力する場合には、Web制作会社などと契約し、継続的に分析・メンテナンス・集客用記事の提供を依頼する必要が生じることもあり、そうなるとさらに別途費用がかかります。また、収益が少ないうちは税金もさほど負担になりませんが、経営が軌道に乗ってくれば税負担も重くなります。収益が増えてきたタイミングで法人化して節税対策を行うこともおすすめします。

士業で事務所を開くメリット・デメリット

士業の資格を取った後には、どこかの事務所に所属して勤務し続けた方がいいのか独立して開業すべきなのか迷う人は多いのではないでしょうか?ここでは、士業で事務所を開業するメリット・デメリットを見てみましょう。

士業で独立開業するメリット

士業で独立開業する最大のメリットは、最小限の準備と費用で開業できる点にあります。それまでに培った専門知識や実務経験、保有する国家資格、あとは事務所と必要備品があれば開業可能です。他のビジネスでは、事務所・店舗を借りても内外装の工事や設備費に莫大な費用がかかるほか、一定以上の雇用が必要なので、人件費も負担になります。
一方、士業で独立開業する場合は、まずは独力でも業務をこなすことができ、物品が必要ないため、仕入れ・在庫管理・人件費などが不要です。初期費用の安さは士業開業ならではのメリットと言えるでしょう。

士業で独立開業するデメリット

士業で独立開業する場合のデメリットは、特に開業後間もなくは、経営が不安定となるリスクがあることです。どんなビジネスでも同じデメリットがありますが、一般のサービス業などとは異なり、士業事務所は気軽にふらっと立ち寄ってサービスを受けるというような業種ではありません。そのため、集客がうまくいかないと、経営を安定させることが難しくなってしまいます。
また、士業事務所は官公庁や関係機関の周辺に事務所が密集する傾向があり、競合が多い点も不安材料と言えるかもしれません。顧客を増やしたいと思えば、できるだけ立地が良く、お客様が入りやすい事務所を借りて開業すると良いでしょう。

士業のオフィス・事務所探しのポイント

士業で独立開業する時には、賃貸オフィス・事務所選びがたいへん重要なポイントとなります。ある調査によれば、士業事務所は生活感を強く感じる自宅オフィスよりも、オフィスだけが独立した空間が好まれるという報告もあります。また、サービス業者のテナントのような派手さやおしゃれさが疎まれる傾向もあるようです。
他にも、立地の選び方にも落とし穴があります。ここでは、士業で開業するための賃貸オフィス・事務所探しのポイントをまとめましたのでご覧ください。

アクセスが良い

開設したホームページなどを見て事務所に興味を持ったお客様でも、アクセスをチェックした結果「行きにくそうだ」と判断すれば、他の事務所に目移りしてしまうかもしれません。都心部では駅・官公庁・裁判所といった交通機関・関係機関に近いこともポイントとなります。お客様の自宅や職場からの行きやすさ、必要機関への行きやすさという二重の好アクセスが望める物件を狙いましょう。

郊外なら駐車場は必須

郊外で士業事務所を開設する場合には、駐車場のある物件がおすすめです。士業事務所には、一定期間何度も通うケースも珍しくありません。駐車場がなかったり、駐車しにくかったりすると、お客様に不便をかけることになってしまいます。

人目につく繁華街の物件は避ける

士業事務所を利用する方には、さまざまな事情があります。事務所によっては、離婚や破産・廃業といった辛い状況にあるお客様を迎え入れる場合もあるでしょう。便利な立地の事務所を選ぶと、繁華街の中や繁華街周辺の物件が見つかることもあります。しかし、顧客心理を考えれば、利便性は確保しつつも、華やかで混雑しがちな場所にある物件は避けた方が無難と言えます。

清潔感のあるビル・建物を選ぶ

士業事務所はクリーンで静かなイメージを期待されがちです。例えばショップのBGMが漏れてきたり、料理のにおいが漂ってきたりするなど、雑居ビルのような建物内にあると、「入りにくい事務所」という印象を持たれる場合があるかもしれません。また、士業によっては事務所調査が入ることもあるので、見た目や内装の印象も大切にしたいものです。士業事務所は入りやすさを重視し、清潔感や独立感のあるオフィス・事務所を探すようにしましょう。

まとめ

士業には弁護士・司法書士・税理士・公認会計士・社会保険労務士・宅建士・弁理士など多数の種類があり、中にはお互いに連携して業務を行う事務所もあります。独立開業して経営が軌道に乗れば、収益を上げることも十分に可能です。事務所立ち上げには関係協会などへの登録や税務署への開業届提出などが必要ですが、意外に手続きは多くありません。ただし、まずは事務所を構えてからの届出となるため、賃貸オフィス選びは信頼できる不動産会社を通じ、的確に行われることをおすすめします。
名古屋に本社を構えるオフィッコスは、オフィスや店舗などの賃貸仲介を専門に扱っている企業でございます。2012年の設立以来、多くのお客様からご利用いただき、ご希望に沿える物件をご案内できるよう、日々情報収集に努めております。常時50,000件以上の物件情報を有しており、ホームページに掲載していない情報も多数ございますので、オフィス・店舗の開設や移転を検討されている事業者様は、お気軽にお問い合わせください。

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