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テレワークが進む中、企業に求められるオフィスの新たな活用方法とは?
2019年4月に働き方改革関連法案が施工されたことにともない、働き方改革の切り札の一つである「テレワーク」の導入が推進されました。また、テレワークは同年12月初旬に発見された新型コロナウイルス感染症予防の一環としても、さらに加速傾向にあります。これまでの”誰もがオフィスに出勤してみんなで仕事をする”という働き方は、いまや過去のスタイルになろうとしています。このような社会情勢の中、企業に求められているオフィスのあり方や新たな活用方法を考えていきましょう。
【目次】
1.テレワーク導入で見えてきたデメリットとは?
2.テレワーク時代におけるオフィスの5つの役割
3.テレワーク時代に適応するためのオフィス改善法
4.これからのオフィスの新たな活用方法
5.今回のまとめ
テレワーク導入で見えてきたデメリットとは?
テレワークは、在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィス勤務など、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方です。テレワークを導入するメリットには、ワーク・ライフ・バランスの実現による従業員のモチベーション維持や満足度の向上があげられます。また、企業側のメリットとして離職率低下、優秀な人材の確保があげられるでしょう。その一方で、見逃せないデメリットが潜んでいることも事実です。
コミュニケーション不足による仕事の質の低下
1点目は、仕事の質の低下です。従来のオフィス勤務では、働く時間も場所も共有されていました。しかし、これらが自由なテレワークではコミュニケーションが取りづらいという難点があります。雑談が減ることで、それぞれの従業員が抱えている問題に気づきにくくなってしまうのです。また、顔を突き合わせて話をする機会が減ることで、すれ違いが生じ、正しく情報が伝達されないという問題も、仕事の質の低下につながっています。さらに、視覚的に従業員の様子が見えないことから、チームワークも低下する傾向にあります。
他部署との連携弱化による仕事のスピード感の低下
2点目は、仕事のスピード感の低下です。従来の働き方においても、部署間コミュニケーションは大きな課題の一つとして注目されてきました。この課題が、テレワークになることでさらに顕著になり、決裁遅れなど仕事のスピード感低下につながる傾向が生じています。
テレワーク時代におけるオフィスの5つの役割
メリットも多い反面、デメリットも無視できないテレワーク時代に求められるオフィスの役割とあり方について考えていきましょう。
企業のビジョンやミッションを共有する役割
1点目は、企業のビジョンやミッションを共有する役割です。働く時間や場所が異なったとしても、企業という一つの組織で働く上で、ビジョンやミッションの共有は欠かせません。これらは航海における羅針盤のようなものです。目指しているもの、向かおうとしている場所が共有化されていない状態は、一つの船に船頭が複数いるのと同じです。企業が何を目指しているのか、今何に注力しようとしているのかを従業員が共有してこそ、パフォーマンスの最大化につなげることができるのです。
つまり、これからのオフィスのあり方として、企業理念や経営戦略などを自ら発信し、オフィスに来ればこれらを体感できる場所であることが求められます。
従業員のコミュニケーションを活発化する役割
2点目の役割は、従業員にコミュニケーションを取りやすくさせることです。離れているよりも同じ空間にいる方が、自然とコミュニケーションが生まれます。仕事に生かされる新しいアイデアも、何気ない会話のなかにヒントがあることが多いものです。しかし、テレワークをしていると相手の状況が見えないため、手が空くタイミングが計れません。チャットやメールで連絡をしたとしても、レスポンスのスピードは落ちてしまうでしょう。
そこで、円滑なコミュニケーションのすり合わせを行う、共に過ごすオフィス空間が必要となるのです。これからの新たなオフィスのあり方として、単なる業務をする作業場ではなく、オフィスで仕事をすることが、従業員同士のコミュニケーションを活性化し、モチベーションアップにつながる空間にすることが求められます。そのためには、「オフィスに集まりたい!」と従業員に思わせるオフィス環境整備がポイントとなるでしょう。
従業員の集中を促す役割
3点目は、従業員が集中して仕事ができる場所であることです。テレワークは、すきま時間で仕事ができ、プライベートの時間が取りやすい反面、次のような悩みがつきものです。「在宅勤務だと、家のことが気になって仕事に集中できない…」、「作業環境が整っておらず、仕事がはかどらない…」。また、在宅勤務の場合、オフィスほど作業環境が整っておらず、作業がしづらいことも集中力が低下し、生産性が低下する要因の一つでしょう。
そこで、これからのオフィスにはより仕事に集中できる場所の提供が求められます。パフォーマンスを上げるためには、集中できる場所と息抜きができる場所を共存させ、かつ両者が区切られていることも大切になるでしょう。
対外的な信用価値や連絡先としての役割
4点目は、オフィスがあることで得られる対外的な信用価値です。レンタルオフィスの導入が進んでいるとはいえ、オフィスがある企業とオフィスがない企業を比較すると、信用性が高いのは前者でしょう。また、顧客と打ち合わせをするための場所や資料などの送付先といった連絡先情報としても、固定オフィスの存在が重要です。実際に、企業が顧客との連絡手段を減らすことは、ビジネスチャンスの損失にもつながりかねません。
自由な働き方の選択肢の一つとしての役割
5点目は、自由な働き方の選択肢の一つであることです。これからの働き方は、従来のオフィスに一様に集まる方法だけではありません。小さなお子さんの世話や親の介護が必要な従業員には、働く場所や時間が制限されないことが、働きやすさにつながるでしょう。また、曜日によって早く帰宅する日と遅くまで仕事をする日を自由に決められるフレックスタイム制が働きやすい従業員もいます。
このように、オフィスに出勤して働くことが絶対ではなく、多様な働き方の選択肢の一つとして快適さを維持することも、今後のオフィスに求められる課題でしょう。
テレワーク時代に適応するためのオフィス改善法
テレワークが導入されたことで、自由な働き方が可能となり、家庭と仕事の両立が実現したことは非常に大きなメリットでしょう。これに加えて上記のデメリットを少しでも解消させるオフィスの改善法をご紹介します。
オンラインツールの導入
社員全員がオフィスに揃って仕事する環境が常ではないテレワーク時代では、いかにコミュニケーションを活性化させるかがポイントとなります。そこで、「ビジネスチャットツール」や「ビデオ会議ツール」、「プロジェクト管理ツール」といったオンラインツールを導入しましょう。ビジネスチャットを使用すれば、気軽に打ち合わせや相談がしやすくなります。チャットを見る時間は個人の仕事の状況に合わせられるので、“ひとまず質問しておこう”といった気軽さもあるでしょう。
また、ビデオ会議ツールを導入することで、お互いの顔を見ながら話ができる安心感と資料の共有ができる便利さが得られます。さらに、プロジェクト管理ツールを使うことで、業務の進捗状況が把握しやすく、フォローのタイミングが計りやすくなるでしょう。
部署間合同ミーティングの導入
部署間の連携やコミュニケーションを円滑にし、業務の滞留をなくすために部署間合同ミーティングを開催するのもおすすめです。通常、ビデオ会議などは課内やプロジェクトをしているメンバー同士で行われることが多いでしょう。しかし、部署間の連携をスムーズにさせるためには、部署を超えたコミュニケーションの場を設けることが大切です。月に2回程度でも、ある程度時間を区切って進捗状況の確認や課題に対する議論ができる場を設けて顔を合わせておくことで、その後のビジネスチャットを使ったコミュニケーションが取りやすくなるでしょう。
これからのオフィスの新たな活用方法
テレワークを取り入れた企業活動のなかで、これからのオフィスを活用する新しいアイデアをいくつかご紹介します。
企業としてのシンボルやショールームとして
企業理念や経営戦略を発信するためのブランディングに活用するシンボルとして活かすこともできます。例えば、スポーツブランドのadidasのモスクワオフィスは、天井の照明部分にサッカーボールをイメージさせるデザインを施し、受付をまるでスポーツジムさながらの仕様に近づけています。このように、オフィスデザインを自社のブランディングツールとして活用したり、ショールーム的な存在にしたりすることも新たな活用法になるでしょう。
コミュニケーションを活性化するための場所へ
企業で仕事をしていくためには、良好なコミュニケーションが欠かせません。そこで、働く場所という位置付けを取っ払い、コミュニケーションを取るために集まる場所と捉えるのも一つの方法です。例えば、オフィス内にセルフカフェスペースを作りリラックスして打ち合わせができるようにしたり、ミーティングルームにプロジェクターを設置したりするのもおすすめです。
また、個別の席を設けるのをやめて、好きな席で働けるフリーアドレスを導入し、部署間を超えたコミュニケーションをはかるのも有効でしょう。このように、従来のオフィスを自由な働き方を実現するための空間に転換していくことも一つの方法です。
レンタルスペースへの転換
テレワークなど自由な働き方を導入すると、利用しない余剰スペースが発生することがあります。そこで、会議室などのレンタルスペースとして活用するのもおすすめです。ただし、その場合はセキュリティ対策を万全にすることが重要です。働き方が多様化する中で、オフィスを持たない企業も増えているため、レンタルスペースの需要は高いでしょう。ただし、賃貸オフィスの場合、無断の又貸しは民法で禁止されている点に注意が必要です。
今回のまとめ
テレワークをはじめ、多様な働き方が推進されるなか、オフィスのあり方も大きく変わりつつあります。単なる事務作業スペースではなく、多様な働き方を実現するための場として、活かすことが大切です。同時に、テレワーク導入によって希薄になりがちなコミュニケーションの活性化にも取り組みましょう。
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