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オフィス探しのコツ

2022.04.05

賃貸オフィス・事務所を借りるには、連帯保証人が必要?


これから起業するために賃貸オフィス・事務所を探す場合、最初に考えておかなくてはいけないのが「連帯保証人」です。住居を借りる際には連帯保証人が必要になりますが、オフィスや事務所を借りる際にも同様に連帯保証人が必要となってきます。連帯保証人が立てられなければ、賃貸オフィスや事務所は借りられません。
今回は、連帯保証人についてだけでなく、法人の場合と個人事業主の場合ではどう違うのか、保証会社の利用はできるのかなどについても解説していきます。

【目次】
1.連帯保証人とは
2.連帯保証人と保証人の違い
3.法人の場合
4.個人事業主の場合
5.連帯保証人の解除
6.保証会社の利用も可能
7.今回のまとめ

連帯保証人とは

昔は、「連帯保証人にだけはなるな」などと言われていたこともあります。ドラマなどで、連帯保証人になってしまったために他人の借金を背負うことになってしまった、という話を見たことがあるのではないでしょうか。
実は、連帯保証人とは、債務に関しては本人と同等という立場になるので、その責任はとても重いものなのです。そのため、居住用賃貸物件の場合はたいてい本人の家族が連帯保証人になります。家族以外の第三者に連帯保証人になってもらうというのは、相手にとって大きなリスクになり得るからです。
居住用ではなく事業用賃貸物件の場合においても、連帯保証人の責任は同じです。ただ賃貸オフィスの場合は、法人契約なのか、個人事業主としての契約なのかで誰を連帯保証人に立てるかという部分は少し変わってきます。連帯保証人は借主が家賃を滞納したら支払わなければならないという責任が生じると説明しましたが、それだけではありません。例えば借主が建物を壊したり、損害を与えたのにその賠償が出来ない場合、連帯保証人に対して賠償請求が行われることがあります。
また、借主が何らかの事情で夜逃げをしてしまったような場合は、契約終了時の原状回復から残存物の引き取りまで、すべて連帯保証人の責任となってしまうのです。このように連帯保証人というのは、借主本人と同等の責任を背負っています。

保証の限度額

以前は連帯保証人の保証責任というのは、無制限でした。
しかし、2020年の民法改正により、責任の範囲が明確にされ、極度額を契約書に明記することが義務付けられたのです。これにより、連帯保証人が際限なく請求され続けることはなくなりました。極度額が記されていない連帯保証人の契約は無効となります。

連帯保証人と保証人の違い

「連帯保証人」と「保証人」というのは、実は大きな違いがあります。「連帯」という言葉がつくかつかないかで、その責任の重さは全く違うものになるのです。
保証人というのは、例えば借主が家賃を滞納した場合、「まず本人に請求して下さい」、「本人の資産をまず差し押さえて下さい」と要求することが出来ます。これを「催告の抗弁権」と言いますが、連帯保証人にはこの権利がありません。連帯保証人の場合は貸し手側から見れば借主と同等のため、いつ全額を請求されても、突っぱねる権利はない立場なのです。
また、例えば債務が90万円だったとして、保証人が3人いれば、一人30万円ずつ分割して返済することが出来ます。しかし、連帯保証人の場合は、何人いたとしてもそれぞれが総額90万円の返済義務を負っていることになるのです。
最後の大きな違いとしては、借主が十分な財産を持っていて支払い能力があるのにも関わらず滞納している場合、保証人はそれを証明することが出来れば、財産を差し押さえることを主張できます。しかし連帯保証人の場合は、それを証明出来たとしても対抗することは出来ません。

法人の場合

居住用賃貸物件の場合は、父母などの親族が連帯保証人になることがほとんどです。では、法人が賃貸オフィス・事務所を借りるときの連帯保証人はどうなるでしょうか。法人が借りる場合は法人名義で契約することになるため、通常は法人の代表者が連帯保証人になります。これは、万が一経営が上手く行かず賃料が払えなくなった場合、代表者が個人的にその肩代わりをするということです。
しかし、物件によっては、法人と代表者は同一であると見て、代表者以外の別の連帯保証人を立てるように言われることもあります。その場合は、代表者の親族か知人が連帯保証人になるのが一般的です。ただ、もちろん誰でも連帯保証人になれるというわけではありません。一定額以上の収入が継続的にあることが条件になることがほとんどです。もし収入が足りないとされた場合は、さらにもう一人連帯保証人を立てることで契約できることもあります。
法律上、会社と代表者は別人であるという考えにより代表者を連帯保証人とできるのですが、現実的にみれば代表者と会社は同じであると考える貸主も多いのです。そのため、法人が賃貸オフィス・事務所を借りる場合の連帯保証人は、貸主の考え方により連帯保証人や連帯保証人の数が変わってくると言えます。

個人事業主の場合

個人事業主が連帯保証人を立てる際は、やはり家族にお願いする場合が多いです。一定の収入のある三親等以内の親族を立てることで、審査に通る可能性も上がるでしょう。連帯保証人を立てられない場合は、保証会社を利用することになります。貸主によっては、連帯保証人だけでなく、保証会社も併せて利用するように言われる場合もあるかもしれません。
そもそも「個人事業主は収入が不安定である」と考える貸主が多いため、入居審査自体通りづらい傾向があります。審査の際には収入証明書などを用意し、安定した収入があることを証明する必要があるでしょう。

事業用賃貸物件と居住用賃貸物件

個人事業主がオフィスを構えようと思ったら、事業用賃貸物件を借りるか、自宅をオフィスとして使うか、迷うことがあるかもしれません。個人事業主として事業用賃貸物件を借りるのはなかなか難しく、初期費用も居住用賃貸物件に比べてとても高くなります。そのため、もし来客が少なく一人で作業することがメインの仕事であれば、自宅を事務所にする方が良いかもしれません。
ただ、すでに住んでいる賃貸の自宅を事務所にする場合は、まずは管理会社や貸主に了承を得る必要があります。人の出入りが増えたり、騒音がしたりするような職種の場合、退去を求められることもあるでしょう。これから居住用賃貸物件を借りて事務所にしたいのであれば、「事務所利用可」とされている物件の中から選ぶことでこのリスクが回避されます。そして管理会社に個人事業主であることと事業内容などを開示し、事務所利用の了承を得てから入居するようにしましょう。

連帯保証人の解除

軽い気持ちで知り合いの連帯保証人になったものの、責任の重さに後で気づき、「解除したい」と思うことがあるかもしれません。しかし、連帯保証人の契約解除というのは簡単ではなく、原則、債務がなくなるまで解除は出来ないのです。
ただし、代わりの連帯保証人を立てたり、担保となる不動産を差し出したりすることで、貸主が連帯保証人の契約解除に合意してくれれば、解除は可能でしょう。

保証会社の利用も可能

賃貸オフィス・事務所を法人で契約する場合は、基本的には代表者が連帯保証人になります。貸主の考え方により、さらに別で連帯保証人を立てなくてはいけないこともあるでしょう。事業用賃貸物件での賃料の滞納トラブルが増加しているわけではないのですが、居住用賃貸物件では、近年滞納トラブルが増えていると言われています。そのため、連帯保証人だけでなく保証会社への加入を求める貸主も増えているのです。
その流れを受け、法人でも個人事業主でも、賃貸オフィス・事務所の契約時に保証会社への加入を必須とする物件も増加傾向にあります。もともと保証会社というのは、身寄りのない人や連帯保証人がいない人のために作られたシステムでした。家賃の未払いなどがあった場合に、その費用を肩代わりしてくれるもので、賃貸借契約とは別に、借主と保証会社が直接契約します。一般的に賃料および管理費を合算した額に、毎年数万円ほどの費用が発生するでしょう。
借りる側からすると出費が多くなるデメリットのように思えますが、例えば開業して間もない企業などは社会的信用度が低いため、保証会社を利用することでその信用力を補うことが可能となります。そもそも貸主から信用してもらえなければ賃貸オフィス・事務所を借りること自体できないので、保証会社をうまく利用するのがいいでしょう。

保証会社に依頼が必要なケース

法人契約の場合でも、一般的に次のようなケースでは保証会社のサービスをつけてほしいと言われることが多いでしょう。例えば法人設立から5年以内で社員数が10人以下の場合、あるいは決算書の内容が良くない場合などです。また外資系企業など、連帯保証人が外国籍の場合も同様になります。

連帯保証人が不要なレンタルオフィスも

独立・起業する人が多い昨今、連帯保証人が不要な「レンタルオフィス」が人気です。レンタルオフィスには、単に場所を貸し出すものから、既にデスクや椅子などが用意されている状態で貸し出すものまで様々な種類があります。
レンタルオフィスの良いところは、審査に受かればすぐに入居できる点です。連帯保証人などがいらないため、大がかりな準備を省いてすぐ入居できるのは魅力でしょう。また初期費用も賃料も、賃貸オフィス・事務所を構えることに比べれば安く済むため経費の削減になります。

今回のまとめ

今回は連帯保証人について、法人の場合と個人事業主の場合ではどう違うのか、保証会社の利用についてなどを解説してきました。連帯保証人というのは借主と同等の責任を負い、一度引き受けると解除は難しいということを覚えておきましょう。保証会社は社会的な信用が足りない場合に補うことが出来るので、状況に応じてうまく利用していくことをおすすめします。
名古屋に本社を構えるオフィッコスは、オフィスや店舗などの賃貸仲介を専門に扱っている企業でございます。2012年の設立以来、多くのお客様からご利用いただき、ご希望に沿える物件をご案内できるよう、日々情報収集に努めております。常時50,000件以上の物件情報を有しており、ホームページに掲載していない情報も多数ございますので、オフィス・店舗の開設や移転を検討されている事業者さまは、まずは一度お気軽にお問い合わせください。

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