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テナント・貸店舗で求められる新型コロナウイルス対策
新型コロナウイルスの感染が国内で拡大してから現在まで、小売店は多大な影響を受けています。消費者が外出を自粛するようになったことも一つの理由ですが、感染を恐れて買い物をオンラインで済ます消費者が増えたことも理由に挙げられます。消費者が安心して入店し、買い物ができる店舗とはどのような店舗なのでしょうか。
この記事では、テナントや貸店舗で必要とされる新型コロナウイルス対策や、今後の小売店の生き残り方について見ていきましょう。
【目次】
1.従業員の健康管理と感染防止対策指導
2.貸店舗で必要とされる新型コロナウイルス対策
3.貸店舗で顧客に依頼すること
4.安心して利用できる店舗とは?
5.オンライン接客やオンラインストアの選択も
6.今回のまとめ
従業員の健康管理と感染防止対策指導
まずは、従業員に健康管理の徹底や感染防止対策指導を十分に行いましょう。従業員には、職場にいない時でも手洗い・うがい・ソーシャルディスタンス・マスク着用・消毒や三密の回避を心がけてもらいます。従業員が感染してしまっては、店舗でクラスターが起こる可能性もあるため、従業員の一人一人が感染防止のための責任感を持ち感染対策を行わないとなりません。
店舗での指導は、店舗に立つ前の手洗い・うがい・従業員同士のソーシャルディスタンス・従業員入り口での消毒、トイレ使用後の消毒の徹底などが挙げられます。また、ユニフォームがある場合はこまめに洗濯をすることや、出勤前の検温も指導しましょう。
従業員の食生活や睡眠時間が健康的かも随時確認すると、さらに効果的です。手洗いやうがい・消毒など、あたりまえのような指導にはなりますが、これらのことを続けることで、従業員の感染防止対策が習慣化し、店舗でも問題なく対策を行ってくれるはずです。また、従業員の体調が悪い場合は出勤せずに自宅待機することや、家族に感染者が出た場合は濃厚接触者にあたるため、自宅待機することなども含めて指導するといいでしょう。
従業員には、自分が感染したことにより他の従業員だけでなく大切な顧客にも感染リスクを与えてしまう可能性を十分に説明し、責任を持って個人で感染防止対策や健康管理を行うよう指導することが大切です。
貸店舗で徹底すべき新型コロナウイルス対策
新型コロナウイルスと共に生きる今の時代に生き残れる小売業は、新型コロナウイルス感染対策に関して、顧客のニーズに応えている小売業です。貸店舗で徹底すべき新型コロナウイルス対策を見ていきましょう。
換気の徹底
店舗の換気は長時間の密閉を防ぐため非常に大切です。換気が悪い場所では、感染のリスクが高まるからです。換気は30分に1度、窓を数分間開けて実施してください。店舗に窓がない場合は、空気調和設備や空気清浄機・サーキュレーターを導入するといいでしょう。
店舗の換気状況を確認するには、CO2モニターを利用する方法があります。CO2モニターは、空間の二酸化炭素濃度が1000ppmを越えていないかを確認できる小さいモニターで、通常は10,000円前後で購入できます。30分ごとに換気を行う時間がない場合は、ぜひ活用してください。
清掃や消毒の徹底
店舗では清掃や消毒も徹底しましょう。店舗で従業員や顧客がよく触れる箇所は殺菌消毒を徹底してください。例えば陳列棚・レジカウンター・コイントレーなどです。これらの箇所はこまめに殺菌する必要があります。清掃や殺菌を徹底することで、顧客だけでなく従業員の安全も守ることができます。
また、食品を扱う店舗では、顧客が使用した紙ナプキンやティッシュがごみ箱に残っていることがあるでしょう。その場合、ごみを廃棄する際は、ビニール手袋を使用し直接ごみに触れないように注意してください。
プラスチックパネルの設定
飲食店ではテーブルとテーブルの間にプラスチックパネルを設置しましょう。プラスチックパネルを設置することで、食事中の感染リスクを減らすことができます。食事中はマスクを取るので、それだけで不安に感じる顧客は多いものです。そこで、プラスチックパネルがあれば、飛沫感染予防と同時に顧客を安心させることができます。小売店ではレジカウンターにプラスチックパネルを設置してください。また、プラスチックパネルを選ぶ時は、設置した時に顔の高さまでカバーしているかが商品を選ぶポイントになります。
レイアウトの変更
感染拡大のためには、レイアウトの変更も検討する必要があります。小売店では限られたスペースの中でどれだけ売り上げを出せるかを考えることが基本です。しかし、コロナと共に生きる現在は、人の命が関わってきますので、1坪あたりの売上高が下がるのは仕方がありません。
レストランではテーブルとテーブルの間に距離を保ち、小売店では商品が並べてある陳列棚を、顧客が密集しないようスペースに余裕のあるレイアウトに変更しましょう。陳列棚が多く、通るスペースが狭すぎると、顧客が距離を保ってすれ違うスペースが確保できず、感染リスクが高まります。
貸店舗で顧客に依頼すること
入店する顧客にも感染防止の意識を持ち、店舗での感染防止対策に協力してもらう必要があります。顧客に依頼する主な感染対策は以下の4点です。
マスクの着用
入店する顧客には必ずマスクを着用してもらいましょう。現在、どこに行ってもマスクの着用は要求されるので、要求することで顧客の足が遠のくことはほぼないはずです。マスクを着用すると、店舗での感染リスクを減らすことができます。顧客も外出時のマスク着用はすでに定着化しており、決して難しいことではないので、抵抗なく受け入れてくれることでしょう。
入店時の消毒・検温
入店時は消毒を必ずしてもらいましょう。海外では、店舗の入り口に単に消毒液を設置するだけでなく、係員が立ち一人ひとりに消毒することがよくあります。日本では、消毒を顧客の意識や責任に任せているところが多いようです。入り口に従業員をおかないのであれば、消毒液を設置する場所は顧客の目に留まりやすい場所にして、入店前に必ず消毒をしてもらうことが理想的です。
入店時の検温は小売店では強化されていない場所が多いようですが、検温も実施することで感染対策を強化でき、さらに感染リスクを減らせるので、検討してください。
入店の人数制限
店内が込み合っていては感染リスクが高まるため、必要であれば入店人数を制限する必要があります。店舗の広さにより制限する人数は異なりますが、1組2名まで・1組3名までという形で入店制限をしている店舗もあれば、店舗内の人数を随時把握し、店内が密集してきたら入店を待ってもらう店舗もあります。また滞在時間を90分までと制限している店舗やレストランもあるようです。
このような措置を設けると売り上げに影響が出るのは当然ですが、実際には多くの小売店がこのような措置をとっています。事業者にとっては、売れるチャンスがあるのに売ることができないのは、非常に辛いことではありますが、消費者に安心して利用してもらうには必要な措置とも言えます。
ソーシャルディスタンス
店舗では、入店したら顧客にソーシャルディスタントをとってもらいましょう。これはすでに多くの小売店が実施している措置です。床にソーシャルディスタンスの立ち位置を示したシールを貼っておくと、顧客にもわかりやすくとても効果的です。小売店では、商品選びに夢中になり顧客同士の距離が近くなることがよくあります。そのため、店舗の壁や入り口にソーシャルディスタンスを依頼するサインを設置して、実施してもらうことをおすすめします。
安心して利用できる店舗とは?
新型コロナウイルスの感染が拡大する前はよく通っていた馴染みの店舗でも、感染対策がしっかり実施されていないと、店舗から足が遠のいてしまいます。消費者は、自然と安心して行けるお店を選んでいるのです。消費者が不安に感じてしまう店舗の特徴は以下になります。
● 従業員同士の私語が多い
● 入り口に消毒液がない
● 感染対策に統一感がない
● プラスチックパネルの隙間
● 金銭授受が手渡し
消毒液がない店舗はもちろん、感染対策が全く行き届いていないと言えます。もちろん、消毒液を設置したからといって、入店する全ての人が使用してくれるわけではありませんが、しっかりと協力してもらえるような工夫が必要です。
その他にも、店舗で従業員同士がおしゃべりをしているのが気になる人や、従業員によって対策の度合いがまちまちなところが気になるという意見もあります。消費者は店舗の感染対策をよく観察しています。消費者が安心して訪れてくれる店舗にするには、、従業員の感染対策指導を徹底する・消毒液をわかりやすい位置に設置する・キャッシャーに手袋を着用させるといったことが必要です。
オンライン接待やオンラインストアの選択も
新型コロナウイルスが発生してから、リモートワークが広く導入され働き方も変わりました。そして、同じように物やサービスを提供する小売業にも変化が生まれました。現在まで新型コロナウイルスの影響で倒産したアパレルや雑貨店・レストランは数知れません。今後の小売店はどのような方法で生き残りをかければいいのでしょうか。
小売業が生き残るキーは「オンライン」かもしれません。緊急事態宣言下の「オンライン飲み会」やリモートワークでの「オンライン会議」が当たり前になってきたように、小売店もオンラインで生き残りをかけることができるかもしれません。実は、アパレル業界でも「オンライン接客」というものが生まれ、現在一般化しつつあると言われています。アパレルのオンライン接客では、スタッフと顧客がオンラインのテレビ会議ツールを使用し、コーデの質問などを受けながら接客するというものです。
緊急事態宣言が発令された地域では市民が外出を自粛し、食料品の買い物をネットショッピングやネットスーパーで済ますようになりました。自粛生活があとどのくらい続くかわからない現在、ネットでの販売を検討することも一つの方法かもしれません。オンラインストアには実際に物を目で見て確かめてから購入したい消費者も多くいることや、価格競争に巻き込まれやすいといったデメリットもあります。しかし、店舗を持ちながらオンラインにも挑戦してみることは、小売業の一つの生き残り術であると言えそうです。
今回のまとめ
テナント・貸店舗で求められる新型コロナウイルス対策について紹介しました。すでに、紹介したような対策を実施している店舗も多くあるでしょう。しかし、従業員の感染対策教育が徹底していなかったり、店舗の感染対策に不備があった場合は、ぜひ改善してください。
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