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賃貸オフィス・事務所で求められる新型コロナウイルス対策
新型コロナウイルスの感染拡大が世界的に広がってから、すでに約2年が経過しました。現在に至るまで、さらなる感染拡大を防ぐため、職場でもさまざまな対策が提案されるようになり、リモートワークや時間差出勤を導入するなど、企業ごとに対策を行っています。
この記事では賃貸オフィスや事務所で求められる新型コロナウイルス対策について詳しく紹介します。まだ対策が十分でない企業や、今後事業を開業する事業者はぜひ参考にしてください。
【目次】
1.リモートワーク導入のメリット・デメリット
2.従業員の安全性の確保
3.密閉・密集・密室の三密を避けるためにできること
4.オフィスで実施されている衛生対策例
5.従業員に感染の疑いがある場合の対処法
6.今回のまとめ
リモートワーク導入のメリット・デメリット
オフィス内での感染拡大を防ぐため、リモートワーク導入は企業ができる対策の一つです。リモートワークの形態には「コアオフィス中心型」・「中間型」・「在宅型」の3種類ありますが、コアオフィス中心型は出社中心で、在宅勤務はほとんどありません。そのため、こちらでは中間型と在宅型のみ詳しく紹介します。
在宅型
在宅型のリモートワークは出社率が0〜30%程度で、週に1度〜2度出社する形態です。在宅型のメリットには感染リスク減少の他にも、従業員にとってはさまざまなメリットがあります。
中でも、通勤時間が減少したことによる時間の有効活用や、精神面・体力面の負担の減少は大きなメリットです。在宅勤務導入当初は不慣れな点が多く困惑していた人も、通勤によるストレスが減少したことには満足している人が多いようです。
また、在宅勤務になると家族との時間が増え、仕事と育児や家庭を両立しやすくなり、従業員の満足度もアップします。一方で企業側も、固定費を節約できるメリットや、従業員の安全を確保する対策を講じることで従業員からの信頼や企業のイメージアップのメリットが期待できます。
一方、在宅型のリモートワークにはデメリットも伴います。最も大きなデメリットは、従業員同士のコミュニケーションの減少です。業務上ではオンライン会議やメールを使うため、それほどの支障は出ないかもしれません。しかし、それ以外でのコミュニケーションの場が失われるため、組織やチームの一体感を感じにくくなることもあります。通信環境が整っていない場合は、業務に支障が出る可能性もあるでしょう。実際の仕事ぶりを見れないため、上司は部下の人事評価がしにくい点もデメリットです。
出社・在宅の中間型
出社率と在宅率が半々で、週に3〜4日出社する形態が中間型のリモートワークです。中間型は出社人数が在宅型よりも多いため、その分感染リスクは高まりますが、在宅型のデメリットを解消することができることはメリットです。従業員同士のコミュニケーションや連絡も取りやすく、上司も部下の評価もつけやすくなります。コアオフィス中心型と呼ばれる形態は、出社率が70〜100%ですので、社内での感染対策にはあまりなりません。
中間型は在宅型とコアオフィス中心型のどちらのメリットもデメリットも持ち合わせるので、在宅型のデメリットも半減できます。リモートワークを導入するなら、在宅型と中間型の両方のメリット・デメリットを把握した上で選びましょう。
従業員の安全性の確保
ほぼ毎日出社するコアオフィス中心型、または週の半分近くの中間型は特に、オフィスで従業員の安全性を確保する対策が必要です。
● クリアパネルの設置
● エントランスの検温・消毒
● 非接触検温探知システムの導入
● マスク着用の徹底
● ソーシャルディスタンスの徹底
● 食堂や休憩室の人数制限
● 空気洗浄機の導入
まずは、デスクとデスクの間にクリアパネルを設置することです。クリアパネルはオフィスや事務所以外でも、感染を防ぐために店舗やレストラン・金融機関などさまざまな場所で導入されています。導入には多少の費用がかかりますが、従業員はクリアパネルがあることで安心して仕事ができます。受付にも導入すると来客も安心できるでしょう。
また、エントランスの検温や消毒も欠かせません。非接触検温探知システムなら遠赤外線の量で検温するため、非接触での検温が可能です。検温や消毒の他に、当然のことですがオフィス内でのマスクの着用やソーシャルディスタンスも徹底したいです。
さらに、非接触テクノロジーシステムを導入する方法もあります。非接触テクノロジーは会議室のドアに接触することなく入退場できるシステムです。通常は顔認証でドアを開閉できます。このシステムがあればオフィスでの感染リスクを最小化できるので、予算に余裕があればぜひ導入したいです。三密回避のために食堂や休憩室の人数制限を実行し利用時間を分けたり、どうしても密になってしまうオフィスでは不必要な会話は避けたりすることも徹底しましょう。長時間の空気の密閉を防ぐために、空気洗浄機の導入や換気も大切です。
密閉・密集・密室の三密を避けるためにできること
新型コロナウイルスの感染対策として、オフィスや事務所の密閉・密集・密室の三密を避けるためにレイアウトを変更することができます。
また、レイアウトを変更しなくても、従業員の配置を変更することで多少の三密は避けられます。全ての企業が対応できるわけではありませんが、コロナ禍ではフリーアドレス式が効果的です。フリーアドレス式は、従業員専用のデスクを設けず、長いテーブルに椅子だけを設置し、従業員は好きな席を選べるレイアウトです。従業員は他の従業員と距離を保って座れるため、密集を避けられます。業種により、フルーアドレスの導入が難しい場合は、現在のレイアウトをそのままに、1席分をあけて座るようにします。対面式なら、従業員は交互に座り、両側の隣の席が空くことになります。ただし1席分をあけて配置するためには、従業員の時間差出勤や週半分のリモートワークが必要です。
在宅でも業務に影響が少ない従業員は在宅を中心にしてもらうことで、オフィス内の三密を避けられます。また、密閉を防ぐために、換気をするだけでなく窓のそばに大きな棚を設置せず、サーキュレーターを配置することも効果的です。
オフィスで実施されている感染対策例
それでは、さまざまな企業で実施されている具体的な感染対策例を紹介します。感染対策がまだ不十分だと感じている企業は、ぜひ参考にしてください。
● 室内換気をアラームで知らせる
● 休憩所・食堂のテーブルにもクリアパネルを設置
● 来客時はフェイスシールド着用
● 出社前の検温
● 共有部分の除菌
オフィスの換気は密閉を防ぐために大切です。そのため、30分毎にアラームを設置し、2分間の換気を行っている企業もあります。30分に1度は頻繁すぎると感じるかもしれませんが、徹底した感染対策に換気は欠かせません。休憩所や休憩所は、マスクを外して食事をする場所ですので、テーブルが対面式の場合は、テーブルにクリアパネルを設置している企業も多いです。マスクを外す場所だからこそ、対策を徹底したいですね。また、来客時にはゴーグルやフェイスシールドを着用し、対策を強化している企業もあります。外部の人が感染対策をどこまで実行しているかはわかりませんので、外部からの感染によるクラスターを防ぐためにも、ぜひ実施したいです。
従業員の検温を徹底している企業も多いです。出社前に必ず検温をしてもらい、37℃以上の場合は出社を控える、PCR検査をする。感染の可能性がある従業員を出社させないことで、クラスターを事前に防げます。オフィスの共有部分の除菌は、すでに多くの企業がすでに実施していることでしょう。除菌箇所は、会議室や洗面室のドアノブ・コピー機・プリンター・自動販売機・会議室やフリーアドレスのデスクなどが挙げられます。
従業員に感染の疑いがある場合の対処法
もし、従業員に新型コロナウイルス感染の疑いがある場合は、どのように対処すればいいのでしょうか。実施に感染した場合や、濃厚接触者が出た場合の対処法も見ていきましょう。
従業員の感染が疑われる場合
従業員に風邪の症状がある場合は、発熱がない場合でも自宅待機してもらいましょう。ほとんど症状がない場合は、まずは医師に相談をしてもらい、医師の判断で受診やPCR検査を受ける流れになります。のどが痛い・発熱があるなどの症状がある場合は、医者に相談・受診してもらい、万が一症状がひどい場合は重症化する前に必ず早目に受診することを伝えてください。
受診をして症状も回復したけれど、PCR検査は受けなかったという場合は、職場復帰まで解熱から72時間が経過していることや、発症から8日感以上経過していることを確認してから仕事復帰してもらうことが大切です。自宅待機を依頼する場合、感染症法や労働関係法令もよく確認してください。
従業員の感染が判明した場合
症状がある従業員が受診して、医師が陽性の疑いがあると判断した場合は、PCR検査を行うことになります。PCR検査で陽性が出た場合は保健所に連絡し、保健所の指示に従ってください。陽性が出た従業員は医師の判断で自宅療養か入院となり、その時点で企業は濃厚接触者について調査することになります。
従業員に濃厚接触者が出た場合
従業員の新型コロナウイルス陽性が判明したら、濃厚接触の可能性のある従業員や取引先などをリストアップしてください。濃厚接触者は感染者と同居していて長時間の接触があった人・感染者と近距離でマスクの着用なしに15分間以上接触があった人などの定義があります。しかし、最終的には濃厚接触者を決めるのは保健所の判断になります。社内で感染した従業員と接触があった従業員の両方がマスクを着用していた場合は、濃厚接触者の対象外となるので、その点は覚えておきましょう。
また、同じオフィスにいた場合でも、感染者と接触がなければ、濃厚接触者の対象にはなりません。感染者と他の従業員(または取引先)のどちらかがマスクを着用しておらず、近距離で15分以上会話をした場合は濃厚接触者の対象となります。その場合、対象者にはPCR検査を受けてもらい、結果が陰性の場合も10日間は健康状態を見る必要があります。現在、濃厚接触者に関する規則は状況により変更されているため、最新情報を確認してください。
今回のまとめ
賃貸オフィス・事務所で求められる新型コロナウイルス対策について、詳しく紹介しました。オフィスや事務所では、従業員が感染しない予防対策を徹底することが基本です。それでも万が一、従業員に感染の疑いがある場合や、感染してしまった場合は、今回紹介したように対処してください。
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