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業界別で紹介!賃貸オフィス・事務所の選び方や空間づくり「サービス業」編
サービス業にはさまざまな種類があり、顧客のニーズも多様です。賃貸オフィスを利用するにあたって、場所や条件などの選び方に悩むことは少なくありません。サービス業のオフィスや事務所として使用する場合、どんなことに注意して選べばよいのでしょう。物件の選び方や、働きやすい空間づくりのポイントを紹介します。
【目次】
1.サービス業が選ぶべき立地とは
2.賃料の目安
3.広さは従業員の数に合わせて
4.共用部のチェックポイント
5.オフィスのコンセプトを決定しよう
6.業務に必要なスペースを区分けする
7.従業員の働き方のニーズに合わせる
8.今回のまとめ
サービス業が選ぶべき立地とは
どんな場所にオフィスを構えるかは、集客に大きな影響を与えます。一口にサービス業といっても幅広い種類があり、顧客のニーズもさまざまです。「ターゲットとなる人々」が利用しやすい立地であるかが場所を選ぶ際のポイントです。
例えば、宿泊業の場合は駅から近い立地である方が多くの人に利用してもらえます。大きな荷物を持って駅から宿泊施設まで移動するのは大変なので、最寄駅から距離がある場合は送迎サービスの必要が出てくるでしょう。
利用者の目的が出張なのか観光なのかによっても、立地の選び方は変わります。観光目的の利用者向けの施設にするなら、観光地に近い立地の方が集客しやすいです。
学習塾やピアノ教室などの教育や学習に関連した業種なら、子育て世帯が多く暮らす地域を狙って物件を探しましょう。人通りが多い大通りに面した物件は賃料が高くなりがちですが、ニーズがはっきりとしない潜在顧客の集客効果が見込めます。人がよく通る大通りに看板が出ていれば、通りがかった人が「自分が求めるサービスをかなえてくれそうだ」と認識でき、サービスの購入につながるでしょう。
賃料の目安
一般的なオフィスの賃料の目安は、粗利益の10~20%とされています。コストを抑えたいと考えているなら、10%以下に抑えることがおすすめですが、立地が良い物件は賃料も高額になりがちです。賃料は業績に関係なく毎月固定で出て行ってしまうので、無理をすればすぐに経営が破綻してしまうでしょう。場合によってはその地域の一等地ではなく、郊外の物件も視野に入れる必要があります。
聞いたこともない場所にオフィスがある企業より、都心にオフィスがあった方が、信頼できると感じる人は少なくありません。ただし、サービス業の場合は自宅からの通いやすさや仕事を終えた後などに寄りやすいか、といった視点も必要になってきます。
例えば、仕事帰りにジムへ行って運動をしたいという場合には、職場や自宅の近くか乗り換えの駅などにある店舗をピックアップすることが一般的です。そのため、さまざまな路線が乗り入れている駅を選んだ方が有利になります。賃料が高すぎる場合には最寄駅から至近距離ではなく、やや離れた場所にある路地裏や目立たない場所にオフィスを構えることも一つの方法です。
また、賃料だけでなく、共益費・管理費・礼金・保証金なども考慮して選びましょう。礼金が高額に設定されている場合、ほかの物件に比べて賃料が安めであっても開業時の負担が大きくなりがちです。
広さは従業員の数に合わせて
立地が良く賃料が適正な物件であっても、広さが足りないと十分なサービスを提供できなかったり、売り上げの上昇につながらなかったりすることがあります。一般的なオフィスの広さは、従業員の数×3~4坪が目安です。資料や商品などを多く抱えている場合、たくさんのキャビネットや什器などが必要になるケースが多く、より広い面積が必要になる場合もあります。
業種によっては保健所の許可を得るために、さまざまな規定をクリアする必要も出てきます。例えば、美容室を開業する際には「作業いす2脚まで作業所面積が9.9平方メートル以上」「待合室は壁や棚などで区分すること」などのルールが設けられていることが珍しくありません。こうしたルールがあることを知らずに物件を選んでしまうと、広さが足りなくなったり必要なものが置けなくなったりして保健所からの許可が下りず、開業できなくなります。開業に必要な条件は地域によっても微妙に異なるので、注意しましょう。
共用部のチェックポイント
いくつかの優良な物件に見当をつけたら、実際に現地に赴いて雰囲気や設備などをチェックしましょう。図面だけでは分からない部分を、しっかりと確認することが求められます。共用部とは、専有部以外の廊下・エレベーター・エントランス・階段・駐車場・トイレなどです。
サービス業の場合、お客様や取引先が訪れる機会が多く、オフィスの雰囲気だけでなくオフィスにたどり着くまでの様子も重視して選びたいポイントです。廊下やエレベーターが不衛生だったり雑然としていたりすると、来客に不愉快な思いをさせてしまいます。管理状況が悪いと、設備の故障や破損など万一の事態が起きたときにスムーズに対応してもらえないことも心配です。駐車場や郵便受けなどは意外に見逃しがちな部分なので、隅々までチェックしましょう。
また、1フロア1テナントではなく、分割されたフロアの1角を借りることもあります。エレベーターから降りたとき分かりにくい場所にある場合は、案内板があると来客が迷わずに済みます。
オフィスのコンセプトを決定しよう
コンセプトがはっきりと決まっていないと、どんなレイアウトにすればよいのか見えてきません。働きやすい空間づくりを目指す前に、まずはオフィスのコンセプトを決定しましょう。企業理念をオフィスのデザインやレイアウトにも生かせれば、従業員は「どのように動くべきか」という意識を持ちながら働けます。企業によって打ち出したいコンセプトはさまざまです。
例えば、「世界をリードする革新的な技術の提供」というような理念を持っているのに、古い形式にとらわれた働きにくいレイアウトのオフィスではデメリットが大きいといえます。「機能的で働きやすく、社員同士の絆が深まる空間」「自由な発想が生まれやすい場所」というようなコンセプトのもとに空間づくりをした方が、企業理念に沿った働き方をサポートしてくれるはずです。
業務に必要なスペースを区分けする
コンセプトが決定したら、どこにどのスペースを配置するかを考えていきましょう。ワークスペース・共有スペース・休憩室・応接室・収納スペースなど、業務を進めるにあたって機能させたいスペースを書き出し、図面上に配置していきます。何となく配置するのではなく、動線を考えながら位置を決めることが重要です。
例えば、応接室をオフィスの奥に配置してしまうと、来客があった際にワークスペースや休憩室などを横切らなければならず、利便性に欠けます。従業員は来客を気にして、仕事や休憩に集中できなくなってしまうでしょう。来客にとっても、落ち着いて商談ができないなどの問題が生じます。社内の機密情報が漏洩しやすくなってしまうこともデメリットです。
窮屈にならないように、従業員1人あたりに対しどの程度のスペースが必要になるかも考えながら配置しましょう。広いオフィスを利用できればある程度の余裕を持たせられますが、賃料との兼ね合いでギリギリの面積しか確保できないというケースは少なくありません。収納スペースに、必要な分のキャビネットを配置できるかも重要です。できるだけ紙ベースの資料を減らし、電子化するように努めるなどの工夫をすると省スペースに役立ちます。
従業員の働き方のニーズに合わせる
従業員の働き方に、オフィスのデザインを合わせる方法もあります。外勤と内勤のどちらが多いかによってもレイアウトを変化させると、働きやすい空間を作れるでしょう。
例えば、外勤の人が多いオフィスではあえて固定席を設けずに、フリーアドレス制を採用する方法があります。フリーアドレス制はその時々で自由に席を決められる仕組みのことで、パソコンや電話などはモバイルを中心に使用します。席が流動的だと、チームごとにまとまって座れることや、普段顔を合わせることがない社員同士もコミュニケーションがとりやすくなることなどがメリットです。デスクワークをする機会が少ない従業員の席を少なくでき、省スペース化が図れるところも魅力だといえます。テレワークなどで、出社しない人が多い場合にも対応しやすいでしょう。
オフィスをコンパクトにできれば、賃料を抑えることにもつながります。
今回のまとめ
サービス業にはさまざまな種類があり、提供するサービスの内容によって有利な立地や必要な広さなどが変わってきます。都心の一等地にある賃貸オフィスを利用できるに越したことはありませんが、賃料は高額になりがちです。賃料の目安は従業員の数や粗利益によって変わるので、無理のない範囲で物件を探しましょう。引越しに必要な費用や、業務に必要な機器や家具などの購入費などが必要になることも念頭に置いて、慎重に決定しなければなりません。オフィスのコンセプトは、企業理念に合わせて決めることがおすすめです。従業員の人数や広さなどを考慮しながら、働きやすい空間にしましょう。
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