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業界別で紹介!賃貸オフィス・事務所の選び方や空間づくり「メーカー」編
賃貸オフィスを選ぶ際、業種によってポイントが微妙に異なります。基本的なチェックポイントが大きく変わるわけではありませんが、業種ごとの特徴をしっかりと押さえておくことで、よりピッタリな物件を探すことが可能となります。
メーカーが賃貸オフィスを探す場合に注目したい点や、業務をスムーズにしてくれる空間づくりのヒントを見ていきましょう。
【目次】
1.業務に適した立地の見極め方
2.面積や賃料
3.安全性や耐震性
4.従業員にとっての利便性も重要
5.扉の大きさや耐荷重もチェック
6.働きやすい照明を取り入れよう
7.今回のまとめ
業務に適した立地の見極め方
メーカーが賃貸オフィスを選ぶ際は、立地上の優位性を考えながら選ぶことが重要です。たとえ同じものを作っているメーカーであっても、製造拠点・本社・店舗など、そのオフィスにどんな機能を持たせるかによって立地の選び方が変わってきます。製造拠点となるオフィスを探している場合、下請けや外注先などと連携が取りやすい立地を選ぶことが必要です。極端に交通の便が悪い場所だと、各所との行き来がしにくくなり効率が悪くなってしまいます。
また、原材料の調達のしやすさを考えることも重要です。何を製造するかにもよりますが、メーカーの場合は操業に際して騒音が問題になることが少なくありません。周辺の環境に対する配慮が求められる点も、頭に入れておきましょう。本社として賃貸オフィスを利用するのであれば、製造拠点やほかの店舗とスムーズに連携できる距離が求められます。あまりにも遠すぎると移動に時間がかかりすぎ、業務時間を圧迫することになりかねません。
金融機関や郵便局などが近くにあるかも、業務をスムーズにするために求められる要素となります。店舗として使えるオフィスを探している場合は、その地域の集客への影響を考えながら選ぶ必要が出てくるでしょう。あまりにも近い距離に店舗が集中していると、お互いに客の奪い合いになってしまうことが懸念されます。
面積や賃料
オフィスを選ぶ上で、広さや賃料を気にせずに選ぶことはあり得ません。オフィスの面積や広さは、そのオフィスで実際に働く人の人数に合わせて選ぶことが基本です。メーカーの場合は、製造に必要な機械や原材料を置く都合上、より広いスペースが必要になることが珍しくありません。内見をする際に必要なものを全て設置できる広さがあるかを、メジャーなどを使ってしっかりとチェックしましょう。図面を鵜呑みにせず、実際に計測することが大事です。図面では分かりにくい梁や柱などがあり、借りた後で必要な機械や什器などを置けなかったという失敗がないようにしましょう。
事務作業が主の事務所にしたい場合は、1人あたりに必要な広さは2~3坪が目安となります。近い将来に従業員を増員する予定があるかどうかも、念頭に入れて選ぶ必要があります。賃料は毎月固定で出ていく費用になるので、わずかな違いであったとしても、長く借りていけば積もり積もって大きな金額の違いになります。利便性が高く人気がある立地ほど、1坪あたりの賃料が高くなることが一般的です。しっかりと吟味し、どうしても金額に折り合いが付かない場合は、違うエリアを検討することも視野に入れましょう。
安全性や耐震性
日本は他の国に比べ、地震が多い国です。ですから、耐震構造や免震構造になっているオフィスビルを選んだ方が安全性が高いといえます。昭和56年6月1日以降に適用された耐震基準を新耐震基準といい、これは震度6に耐えられる作りとなっていることが特徴です。余程古いビルでない限りはこの新しい基準のもとに作られています。
また、万一の事態が起きたとき、非常用電源を利用できるかなどもチェックするとよいでしょう。物件の用途や製造するものによっても違いはありますが、メーカーの場合は大きな機器や什器が必要になることが多く、地震に弱い建物では破損やケガのリスクが高まります。大切な企業の財産を失わないためにも、できる限りの備えはしておくべきです。
建物の堅牢性も重要ですが、それだけでは補えない部分もあるので、保険などをかけて対応することも求められます。どんなに耐震性に優れた建物であっても、日頃の備えがものを言う部分は大きいのです。少々の地震で機械が動いたり倒れたりしないように、固定するなどの工夫をすることも忘れないようにしましょう。緊急時を想定し、避難訓練などを実施することも必要です。
従業員にとっての利便性も重要
どの場所にオフィスを構えるかによって、従業員の雇用のしやすさも変わってきます。駅の近くや大通りに面した場所など、通勤のしやすい場所にオフィスを構えると従業員も集まりやすいといえます。また、できるだけ繁華街に近い方が、退勤後の買い物や趣味の活動などのアフター5を充実させやすく、従業員にとってメリットが大きいです。
ただし、製造の過程で臭いや騒音が出るような場合は郊外や工場地帯にあるオフィスを選ぶことが一般的です。その場合は、最寄り駅から遠かったり、通勤時に街灯がない暗い道を行き来しなければならなかったりすると、通いやすい環境とはいえません。女性の従業員が多い場合は、周辺環境の安全面は特に注意したい部分です。最寄り駅が遠い場合は、送迎バスの利用も視野に入れましょう。
また、周辺に飲食店が全くないような環境では、昼食や残業時の食事場所に困ります。飲食店がない場合は社員食堂の導入を検討しましょう。社員食堂があると食事をする場所に困らない点や、福利厚生を重視する従業員に満足してもらいやすい点などがメリットとなり、さらには従業員同士のコミュニケーションの場所としても役立ちます。
扉の大きさや床の耐荷重もチェック
賃貸オフィスを選ぶ際、立地・広さ・賃料などに目が向いてしまいがちですが、細かい部分まで忘れずにチェックしましょう。例えば扉の大きさは、意外に見逃してしまいがちな部分です。一般的なオフィスビルの場合、机・椅子・キャビネットなどの搬入に問題がなくても、大型の機械を入れるために十分な扉の広さを備えていないことがあります。メーカーの場合、大型の機械や什器が必要となるケースは少なくありません。引越しの段階になって必要なものが入らないとなると大変なので、事前に扉の大きさを確認しておきましょう。
また、大型の機械を入れる場合は床の耐荷重も問題になります。一般的なオフィスビルの場合、1平方メートルあたりの耐荷重は300~500kg程度です。通常のオフィス家具やOA機器などの重さが問題になることはほとんどありませんが、大きな機器を入れる場合は注意しましょう。床の耐荷重は物件によって異なるので、しっかりと確認することが大事です。床下に配線がされている部屋では床がかさ上げされていることが多く、通常よりも耐荷重が少ないケースがあります。万一、床に損傷を与えることになれば、損害賠償を請求される事態に陥りますので、荷物を搬入する前に、部屋ごとの床の状態を把握することが大事です。
働きやすい照明を取り入れよう
働きやすい空間作りを目指すなら、照明にもこだわりましょう。メーカーではものづくりを主に行うので、薄暗い環境では作業に支障をきたします。安全を確保するためにも、十分な光を取り入れる必要があります。賃貸オフィスの場合、照明が設備の一部に含まれていることがほとんどですが、建物に備え付けの照明だけでは明るさが足りない場合があることを頭に入れておきましょう。一般的な事務作業では十分な光量だったとしても、精密機器を作るような仕事では暗いと作業効率が落ちてしまうことが懸念されます。
どの程度の光が必要かは室内の環境にもよりますが、精密な作業を正確にするには「300ルクス以上」の光が必要だとされています。また、窓が大きく採光しやすい環境だったとしても、紫外線による製品の劣化などを防ぐために、自然光を遮断しなくてはならない場合もあるでしょう。逆に、図面上は十分な数の窓があったとしても、周囲のビルに遮られて十分な採光を得られない場合もあります。ですから、内見の際は日を替えて、午前と午後の両方を確認することがおすすめです。
特定の時間にしか内見をしないと、働き始めたら「思ったよりも暗い環境だった」という失敗をすることになります。環境や作業の内容に応じて、ピッタリな照明器具を選ぶことを押さえておきましょう。
今回のまとめ
メーカーが賃貸オフィスを探す際はどんな目的で物件を借りるのかをはっきりさせ、用途に応じた立地を選ぶことが大事です。本社としての機能を持たせるのか、製造拠点にするのかによって立地や広さなどの条件が変わってきます。もし、大型の機械や什器などを使用する予定があるなら、扉の大きさや床の耐荷重などもしっかりと確認しましょう。照明の強さなども意外と見逃してしまいがちな部分なので、業務内容に応じてピッタリなものを導入する必要があります。
名古屋に本社を構えるオフィッコスは、オフィスや店舗などの賃貸仲介を専門に扱っている企業でございます。2012年の設立以来、多くのお客様からご利用いただき、ご希望に沿える物件をご案内できるよう、日々情報収集に努めております。常時50,000件以上の物件情報を有しており、ホームページに掲載していない情報も多数ございますので、オフィス・店舗の開設や移転を検討されている事業者さまは、まずは一度お気軽にお問い合わせください。