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業界別で紹介!賃貸オフィス・事務所の選び方や空間づくり「金融」編
大きな町なら、大体一つは何らかの金融機関があるものです。金融業はどんな場所にオフィスを構えれば成功できるのでしょう。賃貸オフィスを探し始める前に、選び方や注意したいチェックポイントを押さえておくことが大事です。働きやすい空間づくりとあわせてチェックしましょう。
【目次】
金融業に適した立地とは
賃料の目安
物件の広さの決め方
共用部のチェックポイント
金融業のフロントオフィスにおすすめな空間づくり
金融業のバックオフィスにおすすめな空間づくり
今回のまとめ
金融業に適した立地とは
銀行業や保険業、投資業などの金融業は顧客の資産を預かる大切な仕事なので、顧客の信頼を得られる立地にオフィスや営業所を構えることが重要です。証券取引所や中央銀行の周辺には金融街があり、多くの金融業者が集まっています。日本で有名な金融街といえば、東京の日本橋兜町です。名古屋では伏見、大阪は北浜などがよく知られています。いずれも大都市の中心地であり、周辺にある賃貸オフィスの賃料の相場は非常に高額です。
通信技術が発達した現代では、現地へ行かなくても金融取引ができる機会が増えました。どこにオフィスがあっても問題はないと考えがちですが、本社の所在地は重要です。聞いたこともない場所に本社がある企業に、資産を任せたいと思う人は少ないでしょう。多くの人が信頼できると思うオフィス街に本社があると、企業の信用度がアップします。スマホの地図アプリを使用すれば誰でも簡単に所在地の状況を確認できるので、本当に会社があるのか分からないような住宅街の中などが本社の所在地になっていると、不信感を与えてしまうのです。
賃料の目安
一般的なオフィスの賃料の目安は、粗利益に対して10~20%が適正とされます。3日分の売り上げを、1カ月分の賃料とする場合も少なくありません。従業員の規模も賃料の目安と無関係ではなく、従業員数が少ない場合、1人あたりの生産性が高くないと予算をオーバーしてしまうことが心配です。従業員が少なくても生産性が高ければ賃料を賄えますが、少ないとそれだけ賃料に関する負担は大きくなります。
基本的に賃料が安い物件の方が少ないコストで済みますが、共益費や敷金・礼金・保証料なども含めて計算することが大事です。礼金が賃料の2~3カ月分に設定されている場合、賃料だけで計算すると数十万の違いが生まれることがあります。例えば、賃料30万円+礼金60万円の物件を1年間借りたときの金額は、420万円です。一方、賃料32万で礼金なしの物件を1年間借りたときの金額は384万円となり、66万円もの違いが生まれます。
ただし、契約期間によっては賃料が安い方がお得になることが珍しくありません。礼金は一時的な出費ですが、賃料は毎月固定費として出ていくので、長期的に見れば賃料が安いにこしたことはないでしょう。
物件の広さの決め方
賃貸オフィスを探す際、立地や賃料だけでなく広さも重要な要素です。狭苦しい空間では業務に差し障りが出てきます。従業員1人あたりに必要な面積は「3~4坪」とされています。会議室や応接室などのスペースを設ける場合は、より多くの面積が必要です。
営業職の場合、1日中デスクワークをする機会は少ないので、状況に応じてフリーアドレス制を採用するとオフィスの面積をコンパクトにできます。固定席を作らず自由に使えるスペースを設けると、柔軟なレイアウトができることがメリットです。部署ごとに島を作る必要がなくなり、省スペース化に役立ちます。
金融業や保険業ではお客様と対面で業務を行うことが多く、待合スペースなども確保したいのでより多くのスペースが必要になる傾向があります。大都市にあり、駅から近く利便性が高い立地にある店舗ほど多くの利用者が訪れ、周囲に競合他社が少ない環境では、より多くの利用者が見込まれ混雑するはずです。待合スペースが狭いと居心地が悪く、集客に影響を及ぼす可能性が高まります。お客様がくつろげるように座面にゆとりがある椅子を設置したい場合は、より多くの面積が必要になることを覚えておきましょう。
共用部のチェックポイント
共用部がどのように管理されているかは、チェックしておきたいポイントです。トイレや給湯室などの水回りの状況は、必ずチェックしましょう。テナントの数に対し、トイレや給湯室の数が少ないと混雑するので使い勝手は悪くなります。古いビルの場合、水もれの心配があったり、照明が暗く雰囲気が悪かったりすることが珍しくありません。たかが水回りと思う場合があるかもしれませんが、毎日使用することになるので使い勝手が悪いと大きなストレスに発展してしまうことが心配です。清潔感があり、使いやすさが考えられた設計になっているかチェックしましょう。トイレや給湯室は女性の方が滞在する時間が長い傾向にあるため、内見の際は、女性の従業員を連れていき率直な意見をもらいましょう。
また、さまざまなテナントが集まる駅前の商業ビルの一角を利用する場合、周辺にどんなテナントが入っているかも確認したいポイントとなります。生活に必要な商業施設が集まっている場合、利用者にとっても利便性が高く、来客の流れが生まれやすい環境といえます。
その他、屋外に看板を設置するだけでなく、どの階にどの企業が入っているのかを利用者に知らせるテナントサインもあると、利用者が迷うことなく目的の場所に辿り着けるため親切です。
金融業のフロントオフィスにおすすめな空間づくり
金融業では顧客と直接やりとりをしないバックオフィスと、窓口業務や営業などで顧客と接する機会が多いフロントオフィスに分けられます。
フロントオフィスは銀行や保険会社の窓口業務のように、顧客と直接接しながら業務を進めていくスペースのことで、さまざまな顧客対応をしなければなりません。顧客が求めるさまざまな要望に、柔軟に応えていくことが必要です。顧客にとって使い勝手が良く、求めているサービスをスムーズに受け取れる場所にしましょう。
金融業の店舗は、総合受付・各種窓口・待合スペース・ATMコーナーなどの動線が考えられたレイアウトが求められます。待合スペースから受付状況が確認でき、各種窓口までスムーズに移動できる作りにしましょう。自社が押したいサービスの内容を分かりやすくするにはパンフレットを種類別に分けてラックに入れ、見やすくするなどの工夫も必要です。ATMなどの自動預け支払機のコーナーは、オフィス業務と営業時間が異なるので、入り口の近くで切り離しができるスペースに設けます。無機質な印象だと利用者を緊張させてしまうので、明るい木目調を取り入れたり心が和むような落ち着いた色づかいを取り入れたりするとよいでしょう。
より地域に根差した店舗にするために、地元ならではの特色を取り入れたデザインにするケースも見られ、店舗としての機能だけでなく多目的ルームを設けて地域の住民に貸し出すといった試みを行っている企業もあります。
金融業のバックオフィスにおすすめな空間づくり
人事・総務・経理・法務のように、顧客との直接的なかかわりが少ない業務を執り行うスペースをバックオフィスといいます。後方から支援する役割を持ち、複数の業務を兼任したり、各部署からの問い合わせが多かったりと業務量が多くなりがちです。
請求書・契約書の発行や、各種手続きなど業務内容は多岐にわたります。専門的な知識が必要な業務が多いので、担当者と連絡がとれないと作業が進まないという事態に陥ることが珍しくありません。煩雑な業務をスムーズにするには、効率よく働けるレイアウトにこだわった空間づくりをすることがおすすめです。業務の効率化を図るには設備に注目するだけでなく、コミュニケーションの取りやすさや、居心地の良さを重視した空間を作ることが近道だと考えられます。
実際に働くのは機械ではなく人間なので、いかにして業務の無駄を省き心にゆとりを持たせるかが重要です。リフレッシュエリアを設け、休息をとりやすくすることで業務の効率をアップする方法や、室内にグリーンを取り入れる方法などがおすすめです。また、マニュアルの整備や活用を促すと各部署からの問い合わせが減り、コミュニケーション上の負担を和らげることができます。
今回のまとめ
金融業に相応しい賃貸オフィスを探す場合も、ほかの業種と同じように立地・賃料・広さ・共用部などをチェックすることが基本です。金融業の場合は、顧客の大切な資金を預かる都合上、信用度を得られる立地であるかどうかが重要になります。都心の一等地は賃料が高額ですが、有名な金融街に本社がある企業はそれだけ多くの信頼を得やすいことがメリットです。フロントオフィスのレイアウトはお客様の動線を意識しつつ、サービスの提供をスムーズに行うことに重点を置きましょう。バックオフィスとして利用する場合、社内のコミュニケーションを取りやすく、ストレスが少ないレイアウトを目指すことがおすすめです。
名古屋に本社を構えるオフィッコスは、オフィスや店舗などの賃貸仲介を専門に扱っている企業でございます。2012年の設立以来、多くのお客様からご利用いただき、ご希望に沿える物件をご案内できるよう、日々情報収集に努めております。常時50,000件以上の物件情報を有しており、ホームページに掲載していない情報も多数ございますので、オフィス・店舗の開設や移転を検討されている事業者様は、まずは一度お気軽にお問い合わせください。