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愛知県名古屋市で事業を行う経営者なら知っておきたい補助金・助成金
事業者の方なら、補助金や助成金について一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。補助金や助成金は企業や個人に対する国からの金銭的援助で、条件を満たしていれば申請できます。また、税金でまかなわれているため返却する必要はありません。
現在(2021年12月)名古屋市では主に4種類の補助金制度が募集されています。助成金制度の募集は現在非常に少ないため、この記事では主に4種類の補助金制度について紹介していきます。
【目次】
1.補助金や助成金について
2.補助金①「小規模企業の設備投資のための補助金」
3.補助金②「企業進出のための補助金」
4.補助金③「インキュベート施設入居企業への補助金」
5.補助金④「商店街や小売市場が利用できる補助金」
6.今回のまとめ
補助金や助成金について
助成金や補助金は、国から支給される援助だと何となく理解している方が多いでしょう。それでは、助成金と補助金には違いがあるのでしょうか。補助金のメリットやデメリットも一緒に紹介します。
助成金と補助金の相違点
助成金も補助金も、各自治体や国が支給する金銭的援助という点では同じです。具体的に言うと助成金は国や公的団体から支給される援助で、厚生労働省が雇用政策の一貫として、人材確保や人材育成のために行っています。助成金を受け取るには、一定の条件を満たしていることが条件になりますが、条件を満たしていれば普通は支給が可能です。また、受け取った助成金は返済が不要です。
一方で、補助金は厚生労働省ではなく、公共団体や民間団体から個人や企業に支給される金銭的な援助です。多くの場合、企業の新しいアイデアや最新技術を導入することを援助する目的で支給されます。補助金も助成金と同じで、返済は不要です。しかし、助成金は条件を満たしていて申請をすれば受け取れるわけではありません。多くの場合は審査や抽選で決まり、審査をパスするのは容易でないこともあります。
助成金のメリットやデメリット
助成金のメリットは返却の必要がない点です。また、申請時期などが設けられておらず、多くの助成金が年間を通して申請できる点も魅力です。条件も満たしていれば申請でき、審査がそこまで厳しくないので、受け取れる可能性も高くなります。支給された助成金は、企業の都合で設備の増築にあてたり、新入社員の研修などに自由に使用することができます。
一方で助成金のデメリットは、人気の助成金になると公募期間が短い点です。受付を開始してから数か月で申請を終了する助成金もあり、その点は注意が必要です。
また、近年では不正受給を防ぐために、受け取るまで時間がかかることもあります。新しい制度を導入することで支給される助成金の場合は、一度制度を導入すると、新しい制度を導入したくてもその制度を廃止することができない点にも、注意してください。
補助金のメリットやデメリット
補助金のメリットは助成金と同じように、返済の必要がない点です。また助成金よりも種類が多く、支給される金額も助成金よりも多いことが一般的です。また、補助金を受け取っているということは、企業の信頼度を証明することにもなります。補助金は企業の新しい取り組みの補助として支給され、受給の審査も厳しいため、補助金を受給できたという点で、企業の信頼度がアップすることが期待できます。
審査が助成金よりも厳しい点が補助金のデメリットです。審査の合格率は数十%と言われており、申請すれば誰もが受け取れるわけではありません。また、申請期間が短く年に数回、たった1か月のみの期間で公募することも少なくありません。
さらに、実際に金銭が支給されるのは申請から1年後など、支給までにかなり時間がかかるため、その点にも注意してください。補助金制度に興味のある企業は、公的機関の情報を常に確認しておくことが大切です。
補助金①「小・中規模企業の設備投資のための補助金」
補助金の一つが、「設備投資に関する補助金」制度です。こちらの補助金制度には、「小規模企業経営基盤強化設備投資補助金」と「名古屋市航空宇宙産業設備投資促進補助金」があります。残念ながら、2つ共今年度の公募は終了していますが、参考のためにこの記事では、航空宇宙産業に対しての補助金についてのみ内容を紹介することにします。こちらの補助金は航空宇宙産業の中小企業が機械設備を導入したり、高技術に対応するためにかかる費用の一部を援助します。こちらの補助金を受給できる対象者は、中小企業で市税を滞納していないことや、AS9000やEN9100といった認証を受けていることが条件です。補償の対象になるのは、航空宇宙産業で使用するソフトウェアや機械設備で、9つの条件を満たさないとなりません。条件には対象の経費が500万円を越えることや、名古屋市の他の補助金を申請していないこと、共同所有しないことなどが挙げられます。補助金の限度額は1事業者で1年に1,000万円までです。受給までの流れは、申請後書類の確認が行われ支給が可か不可かが決定されます。その後現場(企業)での確認が行われ支給となります。申請に必要な書類には事業計画書や企業概要書など10種類程度あるため、詳細は名古屋市の公式サイトで確認してください。
補助金②「企業進出のための補助金」
次に紹介するのは「企業進出・産業立地にかかる優遇制度」です。こちらの制度には東京23区へ進出する企業に対する補助や、外資系企業に対する援助・オフィスや工場を新増設する企業への援助等、合計で7種類あります。ここでは、外資系企業に対する援助と、東京23区に進出する企業に絞って説明するので、参考にしてください。外資系企業に対する補助金は、名古屋市に外資系企業を開業する企業や、すでに開業した外資系企業がさらに事業を拡大するためにかかる費用の一部を援助するものです。医療・福祉・健康産業や先端分野産業などの重点産業分野の外資系企業のみが対象になるため、その点は注意してください。
今年度の申請の締め切りは12月28日です。こちらの補助金の上限は300万円で申請対象となる企業は、名古屋市に初めて開業する企業と、企業を拡大する企業です。名古屋市に開業する企業の場合、従業員が2名以上いることや、面積がオフィスの20㎡以上の企業が対象になります。事業を拡大する企業の場合は、名古屋市に開業してから5年以上経過し、従業員を新たに2名採用して、オフィスの面積が30㎡以上の企業が申請の対象となります。
東京23区に進出する企業への補助金も今年度の申請締め切りは12月28日です。こちらの補助金の目的は、名古屋市に本社を置く中小企業が、東京23区内へ進出するのに必要となる資金の一部を援助することです。
名古屋市に本社を構える開業から5年以内の中小企業は最低投資額は60万円、名古屋市に本社を構える開業から6年以上の企業は最低100万円投資していることを条件に、最大100万円を受給することができます。
小売店や飲食店・工場などは対象外となるため注意してください。
補助金③「インキュベート施設入居企業への補助金」
名古屋市は「インキュベート施設への入居に対する補助」もしています。インキュベート施設とは、開業して間もない企業や起業家を育成するために支援している施設のことです。こちらの補助金は、そのようなインキュベート施設に入居する際に賃貸料の一部を援助するものです。
対象となる事業者は開業してから5年以内に特定の施設に入居した企業であり、名古屋市で現在対象になるそれらの施設は下記の7つの施設です。
● デザインラボ
● 名古屋ビジネスインキュベータ
● クリエイション・コア名古屋
● 名古屋ビジネスインキュベータ白金
● 名古屋医工連携インキュベータ
● なごのキャンパス
● サイエンス交流プラザインキュベータルーム
こちらの補助金の限度額は150万円で、補助する経費は敷金・礼金や光熱費など以外の賃料です。
制度を利用するには施設の入居時か年度の始めに申請をする必要があります。補助の期間は5年間ですが、申請は毎年することになります。こちらの補助金の申請は、各インキュベート施設になるため、詳しい申請方法は名古屋市の公式サイトを確認してください。
補助金④「商店街や小売市場が利用できる補助金」
名古屋市で事業者が利用できる補助金の最後は、「組合(商店街、小売市場、商工業団体等)が利用できる補助」です。まずは商店街向け補助金について紹介します。商店街向け補助金にも、事業目的ごとに現在4種類の補助金と1種類の助成金の募集があります。この記事では5種類の補助金のうちの最も代表的な「商店街での新たな生活様式に対応した設備等購入費補助事業」について詳しく説明していきます。他の補助金制度に興味のある企業は、ぜひ名古屋市公式サイトにて詳細を確認してください。
● 商店街での新たな生活様式に対応した設備等購入費補助事業
● 商店街魅力向上事業
● 商店街商業機能再生モデル事業
● 地域商業機能複合化推進事業
● その他の助成制度
「商店街での新たな生活様式に対応した設備等購入費補助事業」は名古屋市の商店街を安全な整備するための費用や、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために設備や機器を導入するための費用の一部を援助します。こちらの補助金の対象者は名古屋市の商工会や商店街振興組合・事業共同組合です。限度額は一団体につき50万円で、他の補助金と比較すると金額は低くなります。こちらの補助金では、抗菌剤ウイルス剤の塗布工事・テラス席の設備・換気扇や窓の新設などの費用の一部として使用できます。
また、空気清浄機や加湿器・非接触型検温器などの器具の購入にあてても構いません。今年度の申し込み締め切りは12月15日で終了していますが、来年度も同じ補助金募集が出る可能性が高いので、興味のある団体は随時確認しておくといいでしょう。
今回のまとめ
愛知県名古屋市にオフィスや事務所を構える事業者が知っておきたい、名古屋市の補助金制度について紹介しました。現在名古屋市では助成金よりも補助金制度をはるかに多く募集しています。中小企業やスタートアップ企業にとっては、補助金は大きな助けになります。名古屋市の補助金や助成金に興味のある企業は名古屋市の公式サイトでぜひ詳細を確認してください。
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