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2022.02.09

世界のオフィス・事務所の歴史


私たちが仕事をするために毎日行く場所、と当たり前のように認識している「オフィス」。オフィスと呼ばれる場所は、世界ではいつ頃から利用されてきたのでしょうか。また、世界のオフィスや働き方は現在までどのように移り変わってきたのでしょうか。この記事では、欧米のオフィスの誕生から、テレワークやコワーキングスペースの歴史まで紹介します。

【目次】
1.世界初のオフィスはイギリスで誕生
2.超高層オフィスビルはアメリカ・シカゴから始まる
3.世界のオフィスのレイアウトの移り変わり
4.テレワークは70年代にアメリカで誕生
5.コワーキングスペースは2006年にアメリカで誕生
6.現在の欧米と日本のオフィスを比較
7.今回のまとめ

世界初のオフィスはイギリスで誕生

一定の場所に同じ時間に仕事に行く。現在の「オフィス」という概念が生まれたのは、イギリスの産業革命時期だと言われています。世界で初めてのオフィスビルは、英国・ロンドンで1729年に完成した会社です。日本の初めてのオフィスビルが1894年に建築されたので、日本はイギリスよりも150年以上も遅れてオフィスが誕生したことになります。イギリスでは、オフィスが誕生する前までは、雇い主の家や事務所のような場所に行き、仕事をしていたようです。イギリスにオフィスが誕生した当時のレイアウトは、日本と同じようにスクール式が主流でした。スクール式は、学校の教室のように一つの方向にデスクと椅子を並べたレイアウトです。世界初のオフィスが誕生する少し前に、イギリスでタイプライターが発明されましたが、オフィスで使用されるようになるまでは150年ほどかかりました。1850年頃からタイプライターが普及し始めるまでは、欧米でも全ての作業は手書きでした。タイプライターが普及したことで、作業の効率もかなり向上したようです。また、これによりタイピストと呼ばれる職業も生まれました。当時のイギリスでは女性も外で働いていましたが、工場勤務が一般的でした。しかし、オフィスが生まれたことで、タイピストや秘書・電話交換手や受付係といった、女性が活躍できる場も増えてきました。

超高層オフィスビルはアメリカ・シカゴから始まる

日本で初めて超高層ビルが建築されたのは、1968年の霞が関ビルでした。36階建ての霞が関ビルが建築されるまでは、日本には高さが30m程度のオフィスビルしか存在しませんでした。現在は、東京や大阪・名古屋など主要都市には数多くの超高層ビルがあるため、その歴史が始まったのがわずか60年前なのは意外な気がしますね。日本では70年代に超高層ビルの建築ラッシュが起こりましたが、アメリカではニューヨークで1930年代にすでに超高層ビルの建設ラッシュが起きていました。アメリカの超高層ビルラッシュはニューヨークの前にシカゴで始まったと言われています。シカゴが超高層ビルを手がけるきっかけになったのは、1871年に起きたシカゴ大火です。火事で17,400棟以上の建物が全焼し、復旧作業に当たる中でオフィスの需要が高まっている背景に対応するため、より高いオフィスビルを建設することが決まりました。1884年に建築された12階建てのホーム・インシュアランス・ビルの建築を皮切りに、1889年には当時世界一の高さとなる、高さ106mのオーディトリアムビルが完成しました。その後ニューヨークでも1890年頃から1930年ころまで、超高層オフィスビルが次々と建築されました。

世界のオフィスのレイアウトの移り変わり

日本でも世界でも、オフィスのレイアウトはスクール式が主流でした。そのあと、日本では1960年代頃にスクール式から島型に移行しましたが、世界ではオフィスのレイアウトはどのように変化していったのでしょうか。

コリドーオフィス

1950年以前のヨーロッパのオフィスは、スクール式レイアウトが主流でした。しかし、業種によって、コリドーと呼ばれるレイアウトを使うオフィスもありました。コリドー式は、オフィス内の廊下の両側に個室を多く作ったレイアウトです。当時はタイプライターの音がうるさかったため、防音の目的で廊下をはさみ個室を作り、このレイアウトができました。昔はスクール式が一般的だったと認識されていますが、場所や企業によっては異なるレイアウト も使用されていたことになります。

ブルペンオフィス

ブルペンオフィスは、1960年代のアメリカで誕生したレイアウトです。このレイアウトはスクール式とほとんど同じで、従業員はオフィスの真ん中で同じ方向を向き座るスタイルです。スクール式とは管理者の位置が異なります。スクール式は従業員が向く正面に管理者がいますが、ブルペンオフィスは真ん中に座る従業員を囲むように管理者が座っていました。このレイアウトは、管理者が従業員を監視する事が目的で作られたそうです。

ブース式レイアウト

1960年を過ぎると、日本でもスクール式から島型レイアウトに移行しましたが、欧米でも労働環境のあり方が見直されるようになりました。ただ単に管理者が従業員を監視できるオフィスではなく、従業員同士がコミュニケーションを取れるオフィスレイアウトが求められるようになりました。ドイツではコンサルティング会社が、オフィスランドスケープというオフィスのレイアウトのあり方を発表しました。このレイアウトは間切りをとらず、緑や家具を置いて従業員のプライバシーを確保したレイアウトです。また、同じ頃にアメリカでは、ブース式レイアウトも生まれました。ブース式は、パーティションでブース型の仕切りを作りプライベートを確保したレイアウトです。個人のプライバシーをほとんど考えないレイアウトが主流の日本と異なり、欧米ではこんなに早い時代から、オフィスでプライバシーや働き方が考慮され、観葉植物や家具まで置かれていたのです。

テレワークは70年代にアメリカで誕生

新型コロナウイルスの発生で、テレワークというワークスタイルが日本でもここ数年で大きく普及してきました。テレワークは日本では1984年に初めて導入された働き方です。オフィス以外の場所で仕事をする、このテレワークが誕生したのは1970年代のアメリカです。テレワークがこの時代のアメリカに誕生したことは、当時の時代背景と大きく関わっています。当時、世界では石油危機が起こり、経済的に大きな打撃を受けていました。また、アメリカでは大気汚染も問題となっており、環境問題に対応する形でテレワークが生まれました。テレワークの導入や普及を試みたものの、当時は高速ネットワーク回線が一般の家庭に普及していなかったため、テレワークは定着しませんでした。アメリカで、その後テレワークが定着し始めたのは、1980年に入ってからです。この時代は、パソコンの普及も始まり、家庭でもパソコンを持つ人が増えたことも後押ししています。また、1989年のサンフランシスコ地震や1994年のノースリッジ地震など、 国が大地震の被害に遭ったこともテレワークの普及につながったようです。アメリカでは2010年にはテレワーク強化法も成立しています。

コワーキングスペースは2006年にアメリカで誕生

コワーキングスペースという言葉を聞いたことがありますか?コワーキングスペースとは、全く別の仕事を持つ人が、一つのオフィスを共有して使用できるスペースのことです。日本では2010年あたりから、その言葉が少しずつ知られるようになりました。コワーキングスペースのメリットは、オフィスの賃料や電気代などの経費を抑えられることです。日本でも最近注目されているコワーキングスペースというワークスタイルは、2006年にアメリカで誕生したと言われています。アメリカのサンフランシスコのシリコンバレー地域にある「シチズン・スペース」が、その発祥の場所だそうです。シチズン・スペースを利用している人は現在70人ほどで、職業もライターやデザイナー、建築家、起業家、フリーランサーなど多岐にわたっています。設備は、インターネット環境以外にもプリンターやファックス、ホワイトボード、会議室、キッチンまで、仕事に必要なものがそろっています。また、スペースを共有する他の人達とコミュニケーションがとれる場所もあるようです。2017年の調査によると、日本でもコワーキングスペースは全国で378件あり、現在ではさらに増加していると思われます。378件のうち137件は東京にあるということで、多くが東京に、特に渋谷エリアに集中していることも明らかになっています。日本で初のコワーキングスペースは、2010年に神戸市に開設された「カフ―ツ」。現在でもカフ―ツでは、フリーランスや個人事業者が集まって仕事をしているようです。

現在の欧米と日本のオフィスを比較

欧米のオフィスの歴史やワークスタイルを見てきました。オフィスのレイアウトやオフィス環境の改善、ワークスタイルなど、欧米はどんな時代でも日本の先を行っている感じがしますが、現在の日本のオフィスは欧米と比較してどうなのでしょうか。現在の欧米のオフィスの特徴は、個人のプライバシーやスペースが確保されている、家具や観葉植物を取り入れておしゃれ、リフレッシュスペースが快適といった点が挙げられます。リフレッシュスペースは、単に従業員が休める場所でなく、気分転換ができたり他の従業員とコミュニケーションがはかれたりと工夫されています。日本のオフィスの特徴には、島型レイアウトで個人のプライバシーが確保できないことがよく挙げられます。日本はチームワークを重視したレイアウトですが、特徴のみを見ると、欧米のオフィスの方が環境がよさそうですね。欧米のオフィスと日本のオフィスが異なる理由には、文化の違いも大きく関わっています。欧米は個人主義で日本は全体主義。日本は企業全体や組織を最も尊重し、欧米は個人のスキルや権利を最も尊重しているからです。また、日本と欧米では、仕事や企業に対する考えも異なります。そのため、日本が欧米のオフィススタイルを全てまねすれば、従業員の満足度が増すというわけではないのです。欧米のオフィスの方が優れているとは一言では言えず、日本は欧米のいいところを取り入れながらも、日本人に合ったオフィスや最善の働き方を目指している、と言えるのかもしれません。

今回のまとめ

欧米のオフィスの歴史や、現在の欧米のオフィスと日本のオフィスの違いなどを紹介しました。欧米のオフィスの歴史を見ていくと、日本は現在まで欧米のオフィスの優れた点を上手に取り入れてきたことが分かります。欧米のオフィスは今後どのように移り変わっていくのでしょうか。時代の変化と共に、今後も何らかの形で変わっていくことでしょう。

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