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オフィス移転のポイント

2022.02.01

賃貸事務所・オフィスの原状回復工事の手続きと費用について


現在のオフィスから退去する際に必要となるのが、原状回復工事です。今回は、必要な手続きや費用などをご紹介します。費用を抑える方法やよくあるトラブルもまとめましたので、移転作業を進める際の参考にしてください。

【目次】
1.賃貸事務所・オフィスの原状回復工事とは?
2.工事の手続きと流れ
3.原状回復工事の相場
4.よくあるトラブルと原因
5.費用を抑えるなら居抜き物件を狙おう
6.今回のまとめ

賃貸事務所・オフィスの原状回復工事とは?

旧物件からの退去時に必要となる原状回復工事。実は、法律によって内容が決められています。具体的にはどのようなものなのでしょうか。

原状回復は賃借人に課せられている義務

原状回復とは「元通りに戻すこと」です。そのために行うのが原状回復工事です。オフィスを借りた人は、この工事を行う義務があります。

原状回復工事の対象となるのはどこまで?

それでは、具体的にどのような箇所を工事すればよいのでしょうか。対象となるのは、傷付けてしまった壁、食べ物や飲み物をこぼしてシミや汚れができた床だけではありません。「内装へ装飾を施した」「外壁に看板を設置した」「オフィス家具や備品を搬入した」「照明を取り替えた」「新たに電話配線をひいた」といったことへの工事も対象となります。つまり、入居以降にオフィス内に与えた変化に関しては、すべて元通りに戻す必要があるということです。通常の利用において生じた劣化は範囲に含まれません。
例えば、「紫外線によってカーペットが変色した」「空調設備が古くなって空調の効きが悪くなった」といったものは、対応しなくてもよいということです。ちなみに、工事費用は原則としてすべて賃借人の負担となります。

共有部分は範囲外

もう一つ注意しなければならないのは、共有部分です。具体的には、エレベーターやトイレ、廊下などのことです。こちらは、物件に入居する人すべてが関わる共有部分であり、工事費用は物件の管理者であるオーナーが負担することになります。もし見積もりに含まれていた場合は、その旨を伝えましょう。

工事の手続きと流れ

原状回復工事には、多くの手続きや作業が必要です。そこで、スムーズに工事を進めるための流れをご紹介します。すべての作業を含めてスケジュールを立て、トラブルがないように移転作業を進めましょう。

契約書類の確認

まずは契約書を確認しましょう。先ほど「紫外線によるカーペットの変色など、通常利用によって生じた損傷は対応しなくてよい」と説明しましたが、特約によってそうではない場合もあります。
例えば、「床材の張り替え」などが特約で明記されていれば、たとえ紫外線による劣化であったとしても床材を張り替える際にかかる工事費用を負担しなければなりません。また、オフィスであっても一般の賃貸住宅と同じ契約となっている場合もあります。契約書は、隅々まできちんと確認するのが大事です。

解約予告手続きをする

移転を伴う退去の場合は、先に物件探しを行いましょう。移転先が見つかる前に解約予告をしてしまうと、万一、物件を確保することができなかった場合にオフィスの場所がなくなってしまいます。
解約予告期間は6カ月となっていることが多いため、その時期に合わせて移転計画を立ててください。ただし、退去を検討している段階でオーナーに相談するのはよい方法です。契約書を一緒に確認すれば、トラブルも防げるでしょう。交渉次第では、費用を安く抑えられる可能性もあります。

施工業者を検討する

解約予告が済んだら施工業者を決めましょう。複数の業者に見積もりを依頼しながら慎重に選ぶことをおすすめします。ただし、契約内容によっては業者を選ぶことができない可能性もありますので、指定業者が決まっている場合は、オーナーに交渉してみましょう。

施工業者に見積もり・発注をかける

施工業者が決まったら、工事内容をすり合わせましょう。その際は、現地調査を実施してもらってください。これは、費用や工事内容の思い違いを防ぐために必要な調査です。
その後、調査をもとに正式な見積もりを出してもらいます。内訳をきちんと確認し、不明点があれば解消しておきましょう。工事費用は決して安くないため、納得いくまで合意はしないことが大事です。合意できたら、スケジュールなどを確認して正式に発注をかけましょう。

工事を行う

スケジュールに沿って工事を進めていきます。施工業者に依頼し、作業の進捗状況や具体的な工事内容などを報告してもらいましょう。
中間検査の実施や工事完了前の確認作業をしてもらうと、追加工事が発生した際も対応できます。また、引き渡し時の確認には、オーナーにも立ち会ってもらいましょう。そうすれば、工事範囲の相違などがなく円満に退去できるはずです。

原状回復工事の相場

オフィスを原状回復する際にかかる費用は、1坪あたり3~5万円といわれています。1坪5万円で考えてみると、50坪のオフィスなら250万円、100坪のオフィスなら500万円かかるということです。ただし、上記の値段はあくまで相場で、物件の規模や契約内容によっては差が出てきます。1坪あたり2万円程度で済むこともあれば、10万円以上かかることもあるでしょう。
もちろん、オフィスの移転にかかる費用はこれだけではなく、「引越しのための費用」「各種手続きにかかる費用」「新しい物件の内装工事費用」「仲介手数料」など、多岐に渡ることを忘れてはいけません。これらすべての費用を算出し、計画的に移転を進めていく必要があるのです。

よくあるトラブルと原因

原状回復工事は、トラブルが発生しやすい工事です。そこで、よくあるトラブルと原因をご紹介します。移転準備の際の参考にしてトラブルを回避しましょう。

自分たちが汚していないカーペットの交換費用を請求された

よくあるトラブルが、工事範囲の相違です。一般的に、原状回復工事の対象となるのは入居後に生じた損傷のみで、経年劣化や通常消耗による損傷は含まれないとされています。では、どうしてこのようなトラブルが発生するのでしょうか。その理由は、特約です。
特約は、契約する者同士の合意によって新たに規定されたもので、先ほどのカーペットの場合、特約に「賃借人は退去時にカーペットの交換を行う」といった内容が記載されていたということです。法律上は必要ない範囲の工事ですが、この場合は対応する必要があります。原状回復工事の際は、このような特約がないかを必ず確認してください。もちろん、契約書を作成する際に隅々まで目を通しておくことは大前提です。

施工業者を依頼したら断るように言われた

原状回復工事は、基本的に業者に依頼して行うことになりますが、このときによく発生するのが「施工業者が選べない」というトラブルです。
賃貸物件のオーナーは、工事を依頼する業者を決めていることが一般的で、基本的には契約書にも記載されています。今回のトラブルのように、せっかく決めた業者への依頼を断るように言われるのは、指定業者が決まっていたからです。しかし、指定業者の工事費用は高いことが多く、移転作業と合わせると大きな負担になるため、契約書に指定業者に関する内容が記載されていた場合は、賃貸物件のオーナーに交渉してみてください。オーナーの中には快く業者の変更を受け入れてくれる方もいるでしょう。

退去日までに工事が終わらない

移転作業は計画的に進める必要があります。万一、退去日までに工事が終わらなかった場合、追加の家賃を請求される場合もあるため、オフィスの規模によっては大きな損失です。
次の入居者が決まっていればトラブルに発展する可能性もあります。なかには、「原状回復工事を行うのは退去日を過ぎてから」と思われている方もいるかもしれませんが、これは大きな間違いです。退去日とは、オフィスをオーナーに明け渡す日であり、工事もすべて終わった状態でなければなりません。工事を依頼する際は、必ず退去日を確認してください。

工事費用が相場よりも高い

工事費用は、業者によって異なりますが、大体の相場はあります。しかし、なかには高額な費用を請求してきたり、必要のない工事まで対象に入れたりする悪質な業者もいるでしょう。このような業者に工事を依頼してしまえば、負担は大きくなります。
そこでおすすめなのが、複数の業者に見積もりを取ることです。それぞれの業者の見積もりを比較することで相場を把握でき、一番安い業者に依頼すれば工事費用も抑えられます。また、見積もりを依頼する場合は、必ず現地を調査してもらってください。

業者に予約が取れない

「工事を依頼しようと連絡したら、すでに予約が埋まっていた」というトラブルがあります。期限が限られている工事ですから、キャンセルを待ったり引き延ばしたりするわけにはいきません。その結果、多少費用が高くても他の業者に依頼せざるを得ないということもあるでしょう。
このようなトラブルを避けるためには、工事の時期を見極めましょう。おすすめは6~8月の工事で、この時期であれば、決算月や長期休暇の前後といったオフィス移転の繁忙期を避けることができ、希望した日に対応してもらえる可能性も高くなります。

費用を抑えるなら居抜き物件を狙おう

入居前の状態を維持しておけば、工事費は抑えられます。そこでおすすめなのが、居抜き物件です。
居抜き物件とは、前の事務所が使用していた内装やオフィス家具をそのまま引き継いで使える物件のことです。新しく内装を工事したり、家具を購入したりする必要がなく、入居前のままオフィスを利用することができます。飲食店などのテナントでは一般的な居抜き物件ですが、近年は賃貸事務所でも活用されていることが多いことから、工事費用を抑えるために、次の移転先は居抜き物件にしてみるのもよいかもしれません。

今回のまとめ

オフィスの移転に必要な作業は、原状回復工事だけではありません。移転先の内装工事、引越し作業、各種手続きや届け出など、さまざまな作業があります。移転作業がスムーズに進むよう余裕のあるスケジュールを立てていきましょう。

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