COLUMN
お役立ち情報
愛知県で貸倉庫や貸工場を探す上で注意すべき4つのポイント
使用している倉庫や工場が手狭になった場合、自社工場を増やすか、もしくは貸倉庫・貸工場などを利用するか、いずれかの選択肢となるでしょう。貸倉庫・貸工場を探す際には、オフィス物件とは異なる視点で物件を探す必要があります。また、物件を利用する際に、決められた用途で使うことも重要であり、これを守らないとトラブルになる可能性が生じます。 今回は、貸倉庫や貸工場を探すうえで知っておきたい項目を詳しく解説します。
【目次】
1.倉庫と工場は使用用途が明確に異なる
2.用途変更とは
3.貸倉庫や貸工場のメリット・デメリットとは
4.貸倉庫や貸工場を探す際のポイントとは
5.今回のまとめ
倉庫と工場は使用用途が明確に異なる
最初に、倉庫と工場の相違点を見てみましょう。この2つの建物は、不動産登記法によって定義されており、用途も異なります。不動産登記法による、登記簿謄本の記載内容の違いでは、次のように説明できます。
倉庫…物品の収納や保管をもっぱらの目的とする建物
工場…物品の製造や加工を行うための規模の大きい建物
また、建築基準法においても、倉庫と工場それぞれの用途が定められ、新築の時点と異なる目的で利用する場合には、安全性を確保する観点から、用途変更の手続きが必要な場合があり、用途変更について詳しくは後述します。
ここで気をつけたいのは、テナント募集に載っている建物の種類が、必ずしも登記簿謄本の内容と一致しない場合がある点です。登記簿謄本上では、建物の種類が倉庫となっていても、前のテナントが工場として利用していると、そのまま工場の分類で次のテナントを募集するケースがあります。行政に申請を出して事業を行う業種(例:セントラルキッチンを運用する食品工場)では、建物の種類が工場でないと許可がおりません。事業開始前に申請を出す業種では、テナントを探す際に建物の種類も確認しておかなくてはいけません。
用途変更とは
先ほど少し触れた用途変更について、さらに詳しく解説します。用途変更とは、建築基準法に基づく手続きであり、本来の用途以外の目的で物件を利用する際に必要な手続きを言います。例えば、物流センターや物品の保管庫などの目的で利用していた倉庫を、カフェや事務所などとして利用するときは、使用目的が変わるため用途変更が必要です。ただし、全てのケースで用途変更を行うのではなく、変更要件に該当する場合のみ手続きが必要となります。該当する場合とは大きくふたつに分けられます。
建物の用途を特殊建築物へ変更するケース…工場や倉庫のほかに、飲食店・旅館・展示場・スポーツ練習場などが特殊建築物に含まれます。住宅や事務所などは、特殊建築物へ含まれないため、変更手続きは不要です。
用途変更後の面積が200平方メートルを超える場合…2019年に建築基準法が改正されたことにより、それまでの100平方メートルから200平方メートルへと、面積が変更されました。類似の用途(旅館からホテル・映画館から劇場など)への用途変更は、確認申請が不要の場合もありますので、詳しくは建築士へ確認しましょう。なお、申請しなかった場合の罰金と、建築基準そのものを満たしていなかった場合の罰金は大きく違います。
用途変更の手続きは建築士が行う
用途変更の手続き義務は、建物の所有者に課せられますが、実際の手続きは所有者から依頼された建築士が行います。手続き前に、当該建物が「既存不適格建築物」に該当しないかどうかを確認しなくてはいけません。
万が一該当していた場合は、建築基準法に適合するよう、工事を行う必要があります。工事計画が決まったら、必要書類を役所の窓口に提出し、建築基準法に適合するかどうかの調査が行われます。調査が完了し、申請が通ってからも、工事中と終了段階でそれぞれ検査を受けなくてはいけません。検査に合格した建物に「検査済証」が発行され、用途変更の手続きが完了します。
用途地域の確認も必須
用途変更が不要な物件であっても、用途地域に該当しない業種には、変更ができません。用途地域とは、建築基準法などにより土地の使い道を限定するものであり、地域によって一定の制限が定められています。用途地域は、大きく分けて住居系・商業系・工業系の3タイプに分類され、さらに次の13種類に分かれています。
・低層住居専用地域(第1種・第2種)
・中高層住居専用地域(第1種・第2種)
・住居地域(第1種・第2種)
・準住居地域
・近隣商業地域
・商業地域
・準工業地域
・工業地域
・工業専用地域
・田園住居地域
該当地域が、2つ以上の用途地域にまたがっている箇所は、敷地の半分以上が属している地域の制限内容に従います。用途地域を定める理由として、地域ごとの活用目的を決めて街の景観を保ち、都市の健全な発展を目指すためとされています。例えば、住宅と工場が混在していると、騒音の発生や日当たりの悪化・公害の発生などが起こる可能性が高まり、住民にとって住みやすい環境とは言えません。また、工場側にとっても、 住宅の間を大型トラックが運行すると、作業効率の低下が予想されます。
このように、双方にとってマイナス要素となってしまうのです。用途地域は役所などの窓口で調べられるほか、ホームページで公開している自治体が大半ですので、調べておくようにしましょう。
貸倉庫や貸工場のメリット・デメリットとは
現在使用している倉庫や工場のほかに、新たな建物が必要となった時、購入するか借りるかという2つの選択肢があります。どちらを選択するかを決めるには、メリットやデメリットを知っておくと参考になります。
貸倉庫のメリット
倉庫最大のメリットは、初期費用が大幅に抑えられる点です。地域によって若干差はあるものの、初期費用として必要な項目は、前賃料・仲介手数料・敷金・保証金などが一般的であり、合計金額を家賃に換算すると、およそ半年から1年分が目安です。 毎月の賃料や、設備導入などの費用はすべて経費で計上できるうえ、所有物件ではないため固定資産税もかかりません。
さらに、事業の規模や必要性に合わせて倉庫を選び直すこともできるため、常に最適な広さの倉庫を確保できます。倉庫の移転に伴う原状回復費用や、新たな契約にかかる費用はかかりますが、所有物件の解体費用に比べると金額は大きく異なります。
貸倉庫のデメリット
貸倉庫は、あくまでも所有者から借りているものであり、自社が所有している物件ではありません。所有者の意向によって、使い方が制限されることもあります。内装の変更が効かなかいケースや、設備の導入を断念せざるを得ない場合もあるでしょう。また、退去時に借主の義務となる原状回復において、トラブルが起こる場合があります。長期間借りたことにより賃料を払い続けると、最終的に購入した方が金額が安くなることもあります。
貸工場のメリット
貸倉庫同様、貸工場でも初期費用が自社工場に比べ大きく抑えられるメリットがあります。また貸工場には、製造に必要な設備の大半が既に備わっているため、少ない準備で創業が始められます。また、2000平方メートル以下の小規模工場は、1平方メートルあたりにかかる建設コストが高く、費用面で見ると貸工場の方が優れているといわれます。
貸工場のデメリット
デメリットについても、貸倉庫と同じ傾向が見られます。自社の所有物件であればレイアウト変更や拡張工事、空調や照明などの工夫が自由にできます。しかし、貸工場では工事の実施が難しく、工場の規模を広げたい場合は、他の貸工場物件を見つけなくてはいけません。
貸倉庫や貸工場を探す際のポイントとは
愛知県で貸倉庫や貸工場を探す際に、次の点を心がけると、スムーズに見つかる可能性が高まります。
貸倉庫・貸工場専門の不動産屋に依頼する
オフィス物件に比べ、貸倉庫や貸工場の物件は、さほど数が多くありません。これらを専門に取り扱う不動産屋に依頼するのが、最も効率的に物件を探す方法です。愛知県には、東名高速道路や新東名高速道路、東海環状自動車道、名神高速道路、中央自動車道など多数の高速道路や有料自動車道があります。日本各地からのアクセスに優れ、高速道路のインターチェンジ付近に工場地帯が見られるエリアも多いですので、物件が見つかる可能性が高いのです。
インターネットで下調べをする
不動産屋へ相談する前に、インターネットで物件の下調べをし、候補をある程度絞っておくと、時間短縮につながります。物件に求める条件を、あらかじめピックアップするようにしましょう。
役所で都市計画図を手に入れる
貸工場を探すのであれば、工場立地法に基づいた立地がどの場所にあたるのかを知るために、役所などで都市計画図を手に入れるのもおすすめです。
必ず物件を内覧する
候補となる物件が見つかったら必ず内覧するようにしましょう。インターネットや案内書類だけでは分からない、シャッターの動き具合や天井の高さ、トイレの使い勝手、事務所や周辺環境などを、現地で実際に確かめましょう。
今回のまとめ
今回の記事で紹介したように、貸倉庫と貸工場は使用目的が明確に異なります。申請が必要な業種では、特に建物の種類に注意して物件を探すようにしましょう。不安な点があれば、不動産業者への早期確認が必要です。
名古屋に本社を構えるオフィッコスは、オフィスや店舗などの賃貸仲介を専門に扱っている企業でございます。2012年の設立以来、多くのお客様からご利用いただき、ご希望に沿える物件をご案内できるよう、日々情報収集に努めております。常時50,000件以上の物件情報を有しており、ホームページに掲載していない情報も多数ございますので、オフィス・店舗の開設や移転を検討されている事業者さまは、まずは一度お気軽にお問い合わせください。