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オフィス探しのコツ

2022.01.17

レンタルオフィス・シェアオフィス・バーチャルオフィスとは?違いや用途について解説

起業や新規出店をするときには、まず、本拠地となる事務所やオフィスが必要となります。以前なら、物件を購入するか、賃貸契約を結ぶのが普通でしたが、最近はさまざまな形態のオフィスが登場し、選択肢の幅も広がりました。「レンタルオフィス」や「バーチャルオフィス」、「シェアオフィス」といった言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。
こうした新しい形態のオフィスのメリットは、なんといっても開業や経営のコストを抑えられることです。特に初期投資には多額の費用がかかりますから、これから事業を始めようという人には魅力的に映ります。しかし、長期的に見るとデメリットもあり、目先の費用ばかりにとらわれていると、後悔することにもなりかねません。
そこで「レンタルオフィス」や「バーチャルオフィス」、「シェアオフィス」の違いやメリット・デメリット、それぞれに適した用途などを説明しましょう。

【目次】
1. 「新しい形のオフィス」を選ぶ理由とは
2. レンタルオフィスの特徴
3. シェアオフィスとは
4. バーチャルオフィスとは
5. 「新しいオフィス形態」の使い分けは
6. 今回のまとめ

「新しい形のオフィス」を選ぶ理由とは

レンタルオフィスやシェアオフィス、バーチャルオフィスといった新しい形態のオフィスの特徴は、オフィス機能の必要な部分だけを借りられるという点です。たとえば、レンタルオフィスであれば、執務スペースだけでなく机や椅子、電話、コピー機など備品を全て借りることができ、契約をすればすぐに仕事を始められます。その一方で、バーチャルオフィスは住所や電話番号を借りるだけで、執務スペースはありません。自宅で仕事をしているのだけれど、会社の所在地は自宅以外の住所にしたいというときなどに使われます。
このように、新形態のオフィスは契約時の費用や月々の家賃を抑えられ、入居時の内装工事なども必要ありません。「費用を抑えて最低限のものだけを揃えて起業しよう」と考えている人や、できるだけ早くオフィスを構えて事業を始めたいという人にとっては、強い味方といえるでしょう。

レンタルオフィスの特徴

レンタルオフィスとは、そのまま使える状態で執務スペースや備品、通信機器など一式を貸す形態のオフィスです。通常のオフィス開設と違い、必要な備品を揃えたり、内装工事をしたりする必要がないため、入居までの期間が短くて済み、初期費用も抑えられます。
事業が軌道に乗り、大きなオフィスを構えられるようになるまで借り続けることもできますし、月単位や時間単位といった短い期間での利用も可能です。

レンタルオフィスのメリット

レンタルオフィスのメリットは、多額の初期投資をかけなくても、すぐに使えるオフィスが手に入ることです。備品など必要なものも大抵はレンタルできますし、スピーディーに事業所を立ち上げられます。駅前やオフィス街など立地条件のよい物件も多く、もちろん、レンタルオフィスの住所を使って法人登記もできます。

レンタルオフィスのデメリット

レンタルオフィスは、利用方法やサービスによって、細かく料金が設定されています。このため、オプションのサービスなど利用の方法によっては、賃貸契約でオフィスを借りるときより、長い目で見ると割高になる場合があります。このため、料金設定を事前によく確認しておくことが大切です。また、利用方法には多少の制約があり、自由にならない部分もあります。業者によっては、細かなルールが定められ、窮屈に感じられることもあります。
このほか、事業者が突然、事業から撤退するリスクもあります。事業者の交代によって利用条件が変更になることがありますし、最悪の場合、契約解消という事態もあり得ます。

シェアオフィスとは

シャアオフィスは、広いスペースのオフィスを、複数の利用者で共用する形態のオフィスです。スペース内はフリーアドレスとなっていて、自由に仕事をする場所を選べます。フリーランサーなど個人事業主に向いているオフィスといえるでしょう。利用者同士で情報交換をしたり連携したりできるも、他業種との交流を求める人には魅力です。育児スペースを設けているシェアオフィスもあり、特徴的なサービスを提供しているところも多いようです。
利用者同士の交流や連携を重視した運営を行っているシェアオフィスを「コワーキングスペース」と呼ぶこともありますが、明確な定義はありません。

シェアオフィスのメリット

シェアオフィスのメリットも、契約すればすぐに利用でき、事務所を開設するための初期投資を抑えられることです。毎月の費用も、賃貸契約でオフィスを借りるのに比べれば格安です。レンタルオフィス同様、立地条件の良い物件が多く、通勤や営業活動にも便利です。
これらに加え、シェアオフィスの大きなメリットは他の利用者との交流が図れることです。個人事業主の場合はどうしても孤独になりがちですが、他の利用者と話をすることで、互いに励まし合い、貴重な経験談を聞くことができます。他の業種の事業主と話をすることで、新たな視点を得たり、知らなかった知識を学んだりでき、情報交換をする中で新事業が生まれることもあります。

シェアオフィスのデメリット

シェアオフィスは、オープンなスペースで、利用者が自由に使える空間です。そのため、機密保持やセキュリティの点で難があります。パソコンで作業をする場合は、後ろからのぞかれる心配もしなければなりません。仕事の内容によっては、シェアオフィスでの作業を控えなければならないこともあるでしょう。また、他の利用者が作業している物音や、話し声が聞こえて、気になることもあります。
業者によっては法人登記ができない場合もあります。法人登記をする予定の人は、事前に確認しておきましょう。

バーチャルオフィスとは

バーチャルオフィスとは、文字通り「仮想のオフィス」。住所や電話番号を使えますが、実際のオフィススペースはありません。法人登記をするときに自宅の住所は使いたくない、登記上の住所だけはオフィス街の一等地にしたい、といったケースで使われます。
また、オフィスによっては、郵便が送られてきたときに実際に仕事をしている住所などにまとめて郵送され、かかってきた電話も転送してもらうこともできます。

バーチャルオフィスのメリット

バーチャルオフィスには、執務スペースはなく、住所と電話番号を貸すだけなので、初期費用や次々の管理運営費を大きく削減できます。オプションとして会議室が用意されている場合は、必要なときにだけ使うオフィスとして利用できます。駅からのアクセスがよいビジネス街に住所を置いていることが多いので、会社に対する好感度もあがるかもしれません。
小さな事業所を法人として立ち上げるとき、自宅を住所にしていると、事業でのトラブルがプライベートにまで影響するのではないかと心配になります。そういうときは、バーチャルオフィスの利用も検討してみるといいでしょう。

バーチャルオフィスのデメリット

バーチャルオフィスには通常、従業員などが常駐することがないので、郵便物や電話への対応は業者に依頼することになります。基本的には、郵便物も電話も、指定した住所や電話先に転送されることになり、対応が遅れることがあります。急な来客やアポイントメントに柔軟に対応できないこともデメリットといえるでしょう。
また、バーチャルオフィスの中には、過去に犯罪に関わったことがあり、信用が低い業者もあります。全ての業者がそうではないのですが、こうした悪質な業者の存在によって、バーチャルオフィスを名義貸しのように捉える向きもあるようです。業種によっては、個別の占有スペースがなければ開業が認められないことがあります。開業に許認可が必要な職種の場合は、バーチャルオフィスでも許認可を取得できるのか、確認しておきましょう。
バーチャルオフィスはビジネス街の一等地に住所を置くことが多く、それなりのステータスを得られますが、実際に住所をインターネットで検索すると、いくつもの法人が登記されていることなどから、バーチャルオフィスだということが相手に分かってしまいます。ただの見栄で、バーチャルオフィスを選んでも、あまり効果が得られないことは覚えておきましょう。

「新しいオフィス形態」の使い分けは

レンタルオフィス、シェアオフィス、バーチャルオフィスにはそれぞれ特徴があり、目的や仕事の進め方によって、適した形態を選ぶのが大切です。
簡単に分けると、オフィス開設の費用を抑えたいけれど、仕事に集中できる専用スペースを確保したい人はレンタルオフィス、作業スペースがあればプライバシーやセキュリティは特に気にしない人や他の事業主とのつながりを求める人はシェアオフィスが向いているといえるでしょう。他業種との連携やコラボを考えている人は、利用者同士の交流を重視したコワーキングスペースがおすすめです。
バーチャルオフィスは、普段は自宅などで作業しているものの、プライバシー保護や事業戦略上の理由から、一等地に住所地を置きたいという人向けです。
それぞれの特徴を理解していないと、業務を遂行するうえで必要な機能が揃わなかったり、必要のない機能に費用を支払うことになったりしてしまうので、気をつけてください。

今回のまとめ

起業したいけれど、十分な費用を用意できず、賃貸契約などでオフィスを確保するのが難しい人には、レンタルオフィスやシェアオフィス、バーチャルオフィスといった新しい形態のオフィスを利用するという手があります。こうしたオフィスを利用すれば、備品を購入したり内装工事をしたりする資金がなくても、すぐに事業を立ち上げられます。起業の準備期間の短縮にも役立つでしょう。
それぞれのオフィス形態に特徴があり、業者によって付随するサービスもさまざまです。うまく利用すれば、費用を抑えながら効率的に業務を進められます。起業にあたって、自分に何が必要なのかをよく見極めたうえで、最も適した形態や業者を選びましょう。

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